表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/165

エルフの里がエルフの未亡人の里になった件

 ミリアがせっせと運んできてくれるバケツ頭の死体は、俺が片っ端から医薬品に変えていった。

 死んでからようやく真人間になった人間の兵士達のおかげで、重傷を負ったエルフの女たちはそのほとんどが回復した。


 ほとんどっていうのは、薬を作ってる最中に死んでしまった重傷者が多数出ているからですね。

 こればっかりはエリクサーでもどうしようもなかった。


 意外だったのは子供や夫の遺体も使ってくれって向こうから頼まれたことだよね。

 ファンタジー世界に見えて、この世界の倫理観、かなりぶち壊れてるのでは……?


 しかし、エルフの男共も粗方殺されてしまって見事に女性しか残ってない。

 若い女性ばっかりでこれは非常に目の毒だ。直近で起きたことを考えると不謹慎だが。

 まあその点機械の体でよかったか?人間の体だったらこんなエルフの人妻だらけの里で前かがみにならずに生きていける自信がないぞ。


 ……バカみたいなこと考えるのはこれ以上おいておいて、里にあった遺体はあらかた医薬品に変えたが、そういえばこの里、食料とか大丈夫なんかね?

 家が焼かれてるし、備蓄食料とかもけっこういかれてるのでは?

 ちょっとミリアに聞いてみるか。


「ミリアよ、里の食料はどうなっている?」


「はい、家畜は殺され、麦は焼かれております……」


「鬼畜どもめ……」


 うーん、こまったぞ、クラフトメニューになんか作れる食料が無いか探してみるか。


●クラフトメニュー

※おすすめのアイテム

兵士たちの朝食(缶詰)遺体×1

水シチュー      水×1

木くずパン      木材×1 水×1


 何をおすすめされてるのォォォ!?

 兵士の朝食の材料ォォォ!?

 もう死体はいいから?!

 ってか、他の料理も大概なんだが、

 どんだけ狂った世界で作られたんだよこのメニュー!?


 なんかもっとマシなのないんですかね?

 下の方をさがしていくと、普通のパン的なのもあるが、何故かグレーアウトしてる……。


 ここで俺はピンときた。主にゲーマーとしての勘だ。

 多分このクラフトメニュー、近場にある資材とかで作れるものが優先表示されてるんじゃないの?


 となると、当然あの機能があるはずだ。素材検索!


 ミリアが差し出したバッテリーにUIが表示されてた、ってことはクラフトに使う素材も普段は非表示になってるだけでハイライト表示とかできるんじゃないの?


 俺はクラフトメニューの中でそういったメニューがないか探すが、なかなかそれっぽいのに行きつかない。スク●ニ系のゲームのUIだなこれ。

 やたらと情報量が多い割に整理されてないやつだ。いや、整理はされてるのだ、ただ情報の取捨選択がされてないというか、こっちがやりたい時になくて、ただ分類ごとに詰め込んでるみたいなやつ。


 いくつか画面を切り替えて、ようやくたどり着くことができた。


 俺はクラフトのオプションから「素材のハイライト表示」のチェックボックスをオンにする。

 するとどうだろう、地面にある者、草木に生えている者、それらすべての解像度が上がった。

 こう、世界全てにあるモノの名前が解るみたいなそんな感じ。このオプションをオンにしたうえでクラフトメニューからパンをお気に入りにすると、川の水面に水のハイライトが発生する。


 何これ、超便利じゃん。そうそう、こういうのでいいんだよ。

 さすがに戦闘中にまでつけっぱにはしていられないが、これで俺のクラフトは大分やりやすくなる。


 俺はクラフトメニューにあった草を材料にした防災食料と言うものを作って配ることにした。

 味は……まあそこらへんの草だからゴミみたいなもんだろうだけど、餓死するよりはましだろう。

 どこかに避難する間もてばいいだろう。


 いや、避難しても結局人間に見つかったら元の木阿弥だな。

 元を絶たないと……そもそも人間の国ってどこにあるんだ?

 ミリアに聞いて何か周り侵略してる悪の帝国みたいなやばい国だったら、ミサイルでも作って、毎日の日課として撃ちこんでみるか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ