表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/165

第2回戦の始まり

 最初の大群を迎撃してから数日して、俺は無人偵察機を飛ばして、周囲を偵察をすることにした。もはや朝の日課になりつつある習慣だ。


 しばらく飛んでいると、川に異変があるのを見つけた。

 ずんぐりむっくりとした、タライみたいな形の帆船が、いくつも川を遡っているのだ。2本マストに四角い帆を張り進んでいるが、そのいくつかは、もうポトポト側に向かって兵士を降ろしている。


 神聖オーマ帝国にはこんな海軍力まであるのかよ!?倫理観がチンパンジー以下のわりには、中世とは思えないほどにクオリティの高い連中だ。


 これは第2回戦の始まりって感じだな。

 渡河で手ひどくやられたから、ちゃんと対策を打ってきたのは褒めてやろう。

 分散して上陸させて、こちらの迎撃を飽和させるつもりだな、あれは。


 通常、こういった散らばって行動するっていうのは中世の兵士が苦手とするところだ。まとまって動かさないと、チンパンジー共は給料以上のものを求めて、そこらを勝手に略奪し始めるからな。

 しかし、ポトポトの元の街が吹き飛んで、ロクなものが無い今は、それがこいつらが命令に律義に従う条件になってしまっている。勝手に隊列を外れたら、食い物が無くて、野垂れ死に確定だからね。


 あれ?割とヤバいかもしれないな?

 再結集を程々にして、タイミングも方向もバラバラに、四方八方からポトポトに攻めかかられると、こちらは結構きついぞ?


 無人偵察機を川に沿って飛ばし、俺は連中が荷揚げをしている様子を眺める。

 連中が荷揚げしているもののなかに、いわゆる投石器を発見した。

 4つの車輪に、ねじり式で動く、先端に籠のついたアーム。俺が前世で、中世を舞台にしたシミュレーションゲームで、何百回も無数の町や村、世界を破壊尽くした時に使った相棒がそこにいた。あの姿を見間違えようはずもない。


 うおおぉ!ついに来るもんが来た!テンション上がるなあ~!

 とはいえこっちが使うんじゃなくて使われる方だが。さてどうしたもんかね。


 まず、俺たちに海軍力はない。モーターボートなんかあれば、機関銃や火炎放射器で対処することもできるだろうが、そんな準備はしてない。なのでこれは却下だ。


 水際での攻撃ができないなら、内陸部で始末するしかないな。

 上陸中の今に、トラックを使って小規模な襲撃をするのもいいが、できるだけまとめて相手をしておきたい。長時間の戦闘が続くと、エルフ達に疲労がたまるし、

 バラバラに対処してしまうと、あとで死体を拾っていくのが大変だしな。


 うーん……常識的に考えれば、これだけ散発的に上陸したなら、統制を回復するためにも、集合をかけて野営するはずだ、そこを狙っていこう。


 となるとここは、よし、伝統と信頼の「夜襲」に決まりだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ