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第四章 過去と現在からの一目惚れ

            1


「そんな不機嫌にならないでっ、私は緊張をほぐすためにやったんだからっ♪」


「‥‥‥」


絶叫が済んだ後、小屋の中に案内された面子の中で、春野は心底嫌そうにしかめた顔を、目の前で戯けた様子を露にする中年女性ははおやに向けた。


その姿は、その身から出る年老いたオーラからはとてもそう思えないほどに整った容姿だ。

一枚のワンピースに似た重みのある洋服を身に纏うその体はシワの一つもなくーーなんてことはなく、むしろシワだらけ、だがその顔は今まで春野が見てきた中でも特に整っていると言ってもいい。あのラベスタントのよりも色深い金の長髪の派手に伸ばし、その長髪と鮮やかなその黄色の瞳は非常に合っている。


もっとも、その特別な容姿もこの戯けた様子で台無しだが。


小屋の中心に置かれたちゃぶ台に腰を降ろした中年女性を一瞥し、とても肉親に向けたものとは思えない口調で朔刃は彼女の紹介をした。


「えっと‥‥‥母の、柚果霊ゆかみです」


「母親に向けたものとは思えねぇな」


「ふふっ、この子は照れ屋なのよっ。‥‥‥改めて自己紹介するわね。マイネームは神華鏡 柚果霊。春野ちゃん‥‥‥だったからしら?」


「は‥‥春野ちゃん‥‥ッ」


こめかみを引くつかせて、春野はシワを寄せた目で柚果霊を睨むが、それを受けても彼女は戯けた様子を崩さずにいた。ーーーだが。


「私の娘がお世話になっているようね。素直に、礼を言うわ。ありがとう」


直前までの戯けた様子を微塵も感じられない程に、固めた顔で深々と春野に頭を下げた。


それを受けて春野は目を見開いたが、すぐにしかめた顔で手を振った。


「普段してなさそうな事をすんじゃねぇよ胸糞悪ぃ。‥‥‥それに、世話それは俺のポリシーだ。気にすんな」


「ーーーそう。いい人になったのね」


「あ?」


「朔刃ちゃん。来てくれてサンキューね」


「お母様の頼みですからね‥‥‥」


柚果霊がポツリと漏らした言葉に春野は目を細めるが、それを無視して柚果霊は朔刃の肩を撫でながら彼女の事を歓迎した。


それに朔刃は答えたあとにため息をつきながらも微笑を返す。


それから柚果霊はその愛娘の笑顔が移ったかのような笑顔で戦塚姉妹を見据え。


「あなたたちもいつもありがとね。娘があなた達と関わっていていつも楽しいって」


「あっ‥‥そ、それはどうも‥‥」「あ、うん!私も朔刃と関わっていて楽しいし♪」


そうやってたわむれる女性側の一人、柚果霊を後ろから見据えて春野は。


「不気味な女だな‥‥‥」



周りが木々に囲まれているというだけあって、外は随分暗く染まっていたが、ランプの灯火をつけたバラックの中は明かりも中にいる面子の気持ちも明るかった。


「ねぇ朔刃ちゃん。そういえば聞くの忘れてたけど、好きな人とか、できたの?」


「朔刃はねー、春野にメロメロなんだよー」


「か、禍緒州さん‥‥‥!」


湯気を吹き上げる鍋を突きながら、女性側は朔刃を鍋のとは別のおかずとして話を始め、盛り上がりを見せ始めた。


「ねぇ春野ちゃん。あなた、私の娘の事をどう思っているの?」


「むっ‥‥‥実は私も君の本音を聞きたいとは思っていたのだ」


「思うなよ‥‥‥別に、面白みもねぇ答えだ。これという想いもねぇ」


春野が具材をくちゃくちゃとわざとらしく噛みながら言い捨てた答えに柚果霊は子供のように頬を膨らませて。


「味気ないラブコメねぇ‥‥‥。もっといい味を出せなーー」


「お母様っ」


身を乗り出す勢いで顔を春野に寄せた柚鹿霊に、隣で茶碗に白米を盛っていた朔刃が羞恥に震えた声で制止した。


それに柚果霊が不満げな目で朔刃を見返すが、当の本人はもう向き合おうともしないので、諦めて食事を続けた。


「うん?‥‥‥この煮しめ、同じ出汁に入ってるクセに具材一つ一つの本来の味が出てるわね。朔刃ちゃん、これどう作ったの?私もこれ挑戦したいのだけれど」


「お母様は家事は壊滅的なのでやめておいたほうが良いかと。あと、それは春野さんが作られた料理ものです」


そう関わりたくないと言いたげに返した朔刃の答えに、柚果霊は鍋からつまみ出した人参を前歯でかじるように一度噛んでからこちらを見向きもしない春野に尊敬の目を向けた。


「へぇえーー。あなた、筋者通してそうな見た目してるのに、家事ができるのねぇ。‥‥私の夫にならない?」


ペッ、と春野はうまく唾を飛ばさずに口を飛ばし、柚果霊にしかめた顔を向けた。


「くだんねぇ事を言ってんじゃねぇぞ。出会って数時間の男にんなこと言ってんじゃねぇ」


「あら、分からないの?一・目・惚・れってやつよ」


そう言って投げキッスを飛ばして来た柚果霊に冷めた視線を向けた後、春野は救いを求める目でその後ろに座る朔刃に目を向けた。


‥‥‥ただそれに、朔刃は頭を下げて手を合わせたのだった。



「‥‥‥ふぅ」


夜も深くふけ、ランプに灯した明かりも散り散りと弱々しくなっている。


その中で、寝巻きに着替えた春野は座布団の上にドカッと腰を下ろし、深々とため息をついた。


それで気持ちを整えたあと、先刻で鍋を置いたちゃぶ台にコップと持参のボトルを取り出し、その中に入れてあったウィスキーをコップに注いだ。


「‥‥‥っう」


それをガッと手で掴み、中の物を一気に飲み干した。最近では、こうして酒を嗜む時間もろくに取れなかったし、嗜むほどの精神的余裕もなかった。別にその前はこれと思わなかったのに、今ではこの一杯ですら至福に等しい。


「あら、こんな夜中にお酒を飲んでると体に悪いわよ」


「‥‥チッ」


今はこうして至福の一杯を邪魔されたが。


わざと大きく舌打ちをした春野は、背後に立っていた着物の寝巻きを纏っていた柚果霊を睨み上げた。


「邪魔すんな女。最近ただでさえろくに休めてねぇんだよ、一人にしてくれ」


「酷いわねぇ。せっかく酒に付き合ってあげようと思ったのに‥‥」


「さっきそれを否定する言葉を言ってた気がするが?」


皮肉たっぷりのそれを何気なく受け流し、柚果霊は自分で持ってきたグラスに水筒の中のウィスキーを注ぎ込んだ。


「うん?‥‥‥なんだ焼酎じゃないのね」


「文句言うなら消えろ」


それをまた受け流してコップのそばにおいていた雑に切っただけの漬物をつまみに飲み始めた。


それ以上何を言っても無駄かと判断し、春野も晩酌を続けた。


どういうわけか、二人もいるはずなのになおさら静かさを持つようになった茶の間の中で、それに身を委ねるように黙々とつまみを相手に酒を飲む春野を柚果霊がじっ、と見つめた。


「‥‥‥なんだよ」


「‥‥いえ?ただ、中々のイケメンって思っただけよ?」


「‥‥‥‥‥」


「ねぇ、すぐそういう顔するのやめてくれない?私はただ褒めただけよ?」 


今となってはあの朔刃の言葉が身にしみて実感できる。


そうやってあしらっているうちに柚果霊は顔を自ら背け、深々とため息をついた。それに春野はやっと終わったかとばかりに口端を上げ、コップにお代わりを注ぎ込み。


「いつからこんな女をあしらうようになったのかしら。あの時の火の怪の若頭とは思えないわね」


ーーーコップからウィスキーが溢れ出るものお構いなしに、その身を固めたのだった。



「‥‥‥‥今、なんつった?」


先程までの失望したかのような目とは打って変わり、驚愕に染まり果てた瞳で春野はやっとの思いで声を吐き漏らした。


火の怪、それは春野が召喚以前所属していた関西ではその当時珍しくカタギをも相手取る暴力派組会。


無論、それは関西では有名でも次元そのものが違うこの世界でその名を知るものがいるはずがない。ーーーその名を、口にした。


「思えば気付けるところは色々あったな」


マイネーム。サンキュー。ラブコメ。いずれも元いた世界の言葉だ。何より、『いい人になったのね』ーーそれは春野の正体を知るものだけが言える言葉。


「‥‥‥‥お前は‥‥何者だ?」


ただ、信じられないものを見る目のままで問いかける春野に柚果霊は『んー』と唸り。


「そうねぇ‥‥あなたの友人でもあるし恋人でもあるし魔女でもあるし貴方に恩があるし」


「全部意味が分からねぇな。魔女ならまだしも恋人だとかは知らねぇな」


そう返した言葉に柚果霊は不満げに頬を膨らませて春野を睨みつけた。


「こーら。人との大切な思い出をそう簡単に忘れるんじゃないのっ」


「思い出をだとかって言われてもな‥‥」


首を軽く振って首を掻く春野に今度は柚果霊が失望の視線を向けて細めた目で見据えた。


「なら、あのときのこと話してあげる。それで貴方でも思い出すでしょう」


そう言って柚果霊はグラスに入った中身を一気に飲み干し、話を始めた。ーーー話を聞き終えて、俺は思い出す。


            2


時は、春野が十六の人生としを過ごしたときにまで遡る。



「うぁ‥‥‥あぁ‥‥っ!」


「‥‥‥」


今、春野にこうして裏路地に追い詰められ、壁際で身を縮めこませるのは春野が個人的に営業していた融資の取引をし、挙句の果てに夜逃げを行った中年のスーツ男だ。


男は歩み寄る春野を見上げ、口をモゴモゴとさせてから喘ぐように言葉を吐いた。


「ら‥‥来月に金が入る!」


「‥‥‥」


「そ、その時まで待ってくれ!そうすれば君もーー」


「ァア!!」


血しぶきを吹き、男は壁際に腰を叩きつけられ、その痛みに悶絶し、やがて動かなくなった。


死んではいない。ただ気絶しただけだ。


動かなくなった男の元にしゃがみ込み、春野は男の懐に入っていた証文と財布を取り出し、自身の懐に入れ込んだ。


そうして立ち去る前に春野はいまだ動かずにいる男に。


「来月入ってくんなら、なんでそれを言わずに夜逃げなんてしたんだろうな?」


そう嫌味を込めて春野は一瞥をくれて、裏路地を出た。



この季節の中でも、この街の夜は大阪の中でも特に厳しいものだろう。そう春野は勝手に思っていた。


家を出てから数年が経つ春野の服装は、年中問わず自らのトレードマークにもなっている白のロングコートだ。


年中着ているとは言っても、このロングコートは夏は白生地だから日光は弾くとは言ってもその中にには熱がこもり、冬は厚みが足りなくて冬風が染みる。


家を出るときにこのコートを奪い取ったのだが、そのはじめのうちはその温度差に耐えれず、サイズも合わずで苦戦していたが今ではその温度差にも慣れ、長い丈にも合う身長を持つようになった。


個人的にはその温度差に慣れたことよりも自身が父親に似てきたことのほうが喜びを感じた。


もっとも、春野の場合は父親とは違い、その高身長にそのコートは相手を怯えさせる方面に向いてしまったが。


「あ、ありがとうございましたー」


「‥‥‥‥」


今もこうして春野が選んだ惣菜の会計をし終えたコンビニのバイトが脂汗をかきながら縮み込んでいた。


それに取り合う必要も意味もない。かごを返却口になおして春野はいつもの公園に向かった。遊具の一つもない貧相な公園だ。春野は人気を好まない。だからこの公園はうってつけであった。


「‥‥‥つまんねぇな」


夜空に浮かぶ三日月を見上げ、買ってきた肉じゃがをつまみにしながら酒を飲み始めた春野はそれを見つめて最後にそう呟いた。


日頃は鉄砲玉として生きている春野には、自然の美しさを学べる機会がなかった。だから、春野には自然の良さが分からない。


いつも、自然に悪口を言って飯を食べ終えたら帰ることが彼の日常の一つと化していた。


ーーーだが、この日は違った。


ガッシャァアァアアアアア!!


「あ‥‥‥?」


何か瀬戸物かガラス質の何かが砕け散った音。それに春野は頭を月からそらし、公園のそばの通りに出てニ軒先の一軒家に目を向けたーーー。



「ぉメェ言う事聞いたほうがえぇぞ‥‥‥?」


家具やゴミがホコリのように散らばっている一室の中で、酷く顔を赤く染め上げたチンピラが、床で砕け散った酒瓶からベットに拘束された金髪の女に目を向けた。


服は乱され、顔には所々打撲のあとがあった。


手足を拘束されたにも関わらず、女は不敵な笑みを絶やさず、勝ち気でいる男に言い放った。


「言っておくけど、これ以上私に何かするなら私も方法があるわよ?」


「へっ、馬鹿言いやがる。ナイフもないもねぇくせに、そもそも手足封じられたんじゃあどうしようもねぇだろ」


そうやって眉を上げ、より一層そのだらしなくなった顔をさらに見れないものにした男の顔を見据え、女は悩む。


(ここで魔法は使いたくはないけれど‥‥‥仕方ないわね。このブス男倒したあと、すぐに帰るしかーー)


ガッ、と女の顔を制御リミッターが酔いで霧消したゴツゴツしい男の左手が容赦なくつかみ上げ、いやらしく笑った男はーーー


ガッ


「あ?ぶごぁあ?!」


「ーーえ?」


後ろから伸ばされ、男の肩を掴んだ右手は男が振り返ったと同時、その赤く腫れたような顔面に突き刺さった。


哀れ男はひっくり返り、散らばっていたビール缶の山を鈍い音と共に押しつぶした。


「‥‥‥貴方は?」


「聞くな」


悶絶する男から視線をそらし、女は男の背後から現れた影ーー白の巨躯を見上げて問うが、巨躯はそれを拒み、手足を拘束していた麻縄を解いた。


そこで男が酔いとは違う、憤怒で染まった赤面を巨躯に向けた。


「ナニモンだよオメェ!」


「‥‥‥‥」


それに巨躯は取り合うこともなく、男から顔をそらしていまだ状況と現状が理解できていない女と共に開けられている玄関の扉から出ようとした。


それを男が許すはずもなく、背後から巨躯に掴みかかった。


「おいオメェ!!」


男の中でドスの効いた怒号が浴びせられる。それは素人にはよほど効果のあるものなのだろうが、巨躯はそれを吹く風と言うように受け流し、研ぎ澄ましが宿る睨みを男に浴びせた。


それに男は口を半開き、顔を自らそらして距離を取った。


「ーーそれでいい」


ただそれだけを言い残し、巨躯は女を連れて夜風が多く吹く夜道に出た。



「‥‥‥‥ねぇ。何かお礼をさせてくれない?」


場と距離は先刻の一軒家とは大きく変わり府の都市部、その商店街にその身を置いた私はそばでたこ焼きにわざとらしく食らいつく大男に声を掛けるが、大男は何も返さなかった。ーーこっちはお礼を返したいのに。


この大男は人気を嫌うことはなんとなく私にはわかったが、そのさがを無視してまで私とここまで移動したことは、おそらく私を案じてのことだろうと思う。


「ねぇ、貴方の名前は?聞かせてほしいの」


それを聞いて、隣に座る大男はこちらを嫌そうな視線を練り向けたあと、ため息をついて。


「‥‥‥川尻。川尻春野だ」


「川尻春野‥‥‥いい名前じゃない」


「悪い名前だよ」


そう私が言った称賛に、春野は拒絶を吐き捨てた。どういうことかと聞いてみれば、自分が最も嫌、う再婚した母親の性なんだとか。


「ーーーそう。でもいい名前だと私は思うわよ?」


笑みを含めた私の言葉に春野はあからさまに嫌そうなため息をついて、こちらに苦笑を浮かべた顔を向けた。


「変わった女だな、お前」


どうやら話をしてくれる心にはなったようだ。ーーーなら。


「私はお前じゃないわよ。私は神華鏡 柚果霊。さっきは助けてくれてありがとね、春野」



「‥‥‥‥」


「思い出してくれた?」


「ーーあぁ。あのときの女だったんだな、柚果霊」


そう言って頭を振ると、柚果霊は満足気な笑みを浮かべながら。


「まさかこの世界に召喚されていたなんてね‥‥私は嬉しいわ。また貴方に会えて」


「俺も、『理解者』ができたことに喜びを感じてるぜ」


「む。私と会えたことには喜びはないの?」


それを受けて肩をすくめた春野に、また柚果霊は失望の目を向けることになったのだった。


だが、今度はすぐに微笑みをたたえてまた春野の顔を見つめ始めた。


それに春野は返すように細めた目を向けて。


「酒、飲みにくいからやめてくれねぇか?」


「懐かしさにふけさせなさいよ。‥‥‥本当に親友とは思えないわね‥‥‥」


「悪かったな身勝手で」


そう言ってしかめた顔をそらし、チビチビとコップに注いだウィスキーを飲み始めた所で、春野は気づいた。


「‥‥なぁ、一つ気付いたんだがよ‥‥‥お前はどうやってこの世界に来れたんだ?」


「うん?ーーーーあぁ、そういうばあのときは言ってなかったわね。私はね、『知った世界に行けたりその世界の物を取り出せる』《能力》を持っているのよ」


「人の苦労舐めんな」



「‥‥‥楽しくされているようですね」 


笑みを浮かべながらそう呟いた朔刃は、キッチンにて母親が放おっておいた皿の山を洗い片付けながら、奥から聞こえてくる二人の会話に耳を寄せた。


最近は、春野があのように気晴らしができる機会が全くと言うほどになかったので、ああして楽しく会話に花を咲かせていることが、朔刃には嬉しかった。


「‥‥‥よかった」


ただ最後に、そう心の底から安心した心から出た声を漏らし、朔刃は皿洗いに再び取り掛かった。


ーーその時だった


「あ」


ポツリと漏らした声とその視線の先には二つの食器棚

の間から姿を現した黒艶の体と二本の触角を頭に生やしたーーー皆が嫌いなアレだ。


「‥‥‥まぁ、お母様がここをこうしてしまってますからね‥‥出ますよね‥‥‥」


奥で会話を続ける母親に届くはずのない視線を向けたあと、朔刃は近くのテーブルにおいてあった新聞紙を自身の右手に包んだあと、それを掴み取ろうとそれに歩み寄りーーー


「え」



ーーそれについていたパイプ状の尻尾、その先端が口を開き、無防備となっていた朔刃の肩に齧り付いた。



ステータス 


神華鏡柚果霊 破壊力『C』・スピード『A』・スタミナ『B』・攻撃距離『A』・知力『S』・魔力『S』・精神力『A』・防御力『A』・耐久力『E』・体力『E』


《能力》:狭間 自身が知った世界や場所に移動、もしくはその場所にある物を取り出せる。

《特性》:吸収 周囲から魔力マナを取り込める


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