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お嬢様は救世します5

 お嬢様に言われた通りに私はミノタウロス族のカウルさんと共に攫われたエルフを助け出しました

 とにかくお嬢様に言われた通りのことができてよかったです

 カウルさんにも褒められました

 彼女はまるでみんなのお姉さんのような方で、言葉は粗暴なものの皆さんに頼られる方なのです

 そして彼女には親友というべき方がいることを教えてくれました

 その方はオーク族の女性なのですが、オークの中でも非常に聡明なオークマジシャンというオークから進化した種族で、今回のエルフ救出作戦でも北の関所からエルフたちを奪還しています

 名前はベラダさんと言いまして、お嬢様の相談係も務めていらっしゃいます

 オークは確かに人を襲うような非道な者もいますが、ほとんどが森で平和に暮らす民

 彼女もそんな一人でしたが、集落を人間族に襲われ、旦那さんとお子さんを失ったのだそうです

 美しかった彼女はそのまま人間に攫われたのだそうですが、その途中でお嬢様に助けられ今に至ります

 そして魔法と大剣を駆使して戦う戦士となったのです

 

 エルフたちを全員救出できた私達はすぐにエルフの里の一つにいるコニアさんに連絡を取りました

 コニアさんは大変に喜んでくださり、さらにはエルフの王へと取りついてくださったのです

 そのおかげでお嬢様はエルフの王に会えるそうです

「ふぅ、ハク、こういった時はどんな衣装で行けばよいのか分かるか? 我はそういうふぁっしょんに疎くてな」

「申し訳ありませんお嬢様、私もそう言ったことはよくわからないのです」

「そ、そうか、すまなかったな」

 そうです、私は生まれてからずっと奴隷だったので、公式の場でのなりふりや衣装などが全く分かりません

「でしたらお嬢様、クルフルフさんに聞きましょう、あの方は確か元貴族ではありませんでしたか?」

「そうだな、そうするか」

 クルフルフさんとは人間族の男性で、非常に温厚なおじい様です

 もともとは辺境伯という貴族の方でしたが、富んだ領地を悪い貴族の策略によって奪われ、殺されそうになって逃げたところをお嬢様に救われました

 クルフルフさんは自分の姓を捨ててお嬢様に生涯仕えると決めたそうです


 私とお嬢様はクルフルフさんのいらっしゃる城の一部屋へとやって来ました

 そこでは安楽椅子に座って優雅に紅茶を飲むおじいさんが座っています

 にこやかにお辞儀をするクルフルフさんは紅茶を置いて私達のカップを用意してくださいました

「魔王様、どのようなご用件で私のような老体の所へ?」

「うむ、実はな」

 エルフの王に会いに行くこと、そのために着て行く服はどうすればいいのかなどを尋ねました

 クルフルフさんはまたニコリと笑うと色々と教えてくださり、私はそれをメモしました

「なるほどの! さすがクルフルフ、助かったぞ」

「お役に立てたなら光栄です魔王様、さぁ紅茶が冷めないうちにお飲みなされ」

 クルフルフさんの淹れてくださった紅茶は良い香りで美味しいものでした

 心が安らぎます

 

「なあ、こんな感じでいいのか?」

「素敵ですお嬢様!」

 私は言われた通りの衣装を仕立ててお嬢様に着せました

 なんと愛らしい、なんと、なんと愛らしいのでしょうか

 愛らしくて抱き着いてずっと連れ回したいほどです

 興奮して何を言ってるのか分からなくなるくらいに可愛いのです

 仕立てたのはドレスで、それは正にお嬢様をお嬢様たらしめる衣装だと思います

 フリフリのたくさんついた薄いピンクのドレスに、角についた真っ赤なリボン

 それは子供の姿であるお嬢様の可愛らしさをより引き立てつつも、清楚なイメージを出させています

 殿方がみれば思わずエスコートしたくなることでしょう

「よし、ではエルフの王の元へ行こうぞ。もちろん一緒に来てくれるな?ハク?」

「もちろんですお嬢様! 私はどこまでも嬢様と共にありますとも」

 お嬢様が転移の魔法を使い、エルフの王が住む大国、フリアルゲルドへと一瞬で移動しました

 

 ゲートを出たその瞬間、私達は取り囲まれてしまいました

 何故でしょう?

「ま、待ってください、話は通ってるはずですが?」

「君は妖怪族か? 何故魔族と共に? もしや攫われて」

「違います! お嬢様はそのようなことはしません!」

「魔族に洗脳されているのかもしれん! こいつを倒して洗脳を解くんだ!」

 エルフたちはまったく聞く耳を持ってくれません

 でもすぐにその誤解は解かれました

「待ちなさい!」

 その声には聞き覚えがあります

 あの里にいたエルフのコニアさんです

「コ、コニア様! お戻りになっていたのですか?」

「ええ、この通りフィアも無事です」

「フィア様! 心配しておりました!」

 どういうことでしょう? エルフの兵たちが二人に跪いています

「あの、王女様、この方たちは?」

「こちらの方はフィアを助け出して下さったあなた方が魔王と呼ぶ魔族の方です」

「ま、魔王!? しかしなぜフィア様を?」

「この方が世間で言われるような悪の権化ならば、この国は既に無いのではありませんか? あなた方もこの方の魔力で分かるでしょう?」

「は、はい、しかと分かります。しかしなぜ魔王が…」

「疑問も最もですが、この方たちはフィアの、ひいては私の恩人です。無礼な態度は許しません」

「申し訳ありません王女様! そして魔王、いえ、魔族の方、そして王女様を救っていただき感謝いたします!」

「よいよい、我は別に謝れも感謝を述べられるようなこともしておらん。それにしてもコニアとフィアよ、お主らエルフの王女だったのか」

「すみません、言っておけばよかったですね」

「いや、今考えればエルフの王にこれだけ早く取り次げるのだからその可能性は考慮すべきだった」

「とにかく、お父様に会っていただけますか?」

「うむ、これを機にエルフ族と仲良くなれればよいのだが」

「大丈夫です。お父様は争いの嫌いな方です。きっと分かり合えます」

 驚きました

 コニラさんはエルフの王女様だったのですね

 どうりで高貴な気配がすると思いました

 ええ、初めてお会いした時からそう思っていましたとも

 本当ですよ?

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