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文章力や語彙力がないのでほぼこの作品の主人公の心の声ですが、読みやすく頑張ってみました


「うぎゃぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!」



大きな叫び声が屋敷全体に広がる。

侍女達は恐怖と混乱により肩を震わせ、叫び声の正体をただ見つめていた


(な、な、!なぁ!?!?)

侍女達の視線の先には、鏡を見て顔を青く染めている人物がいた

侍女達は一体何があったのか知りもしない

鏡を見ている人物はただずっと、己の姿に青ざめていたのだった…









「お嬢様.......た、体調の方は.....」

「...............あっ、大丈夫です〜...」

「.........ッ!!お嬢様...!やはり...やはり医者にお見せした方がぁ!!」

「ぎゃー!!痛い!!首!!首締まってるから!!!」

「...ぁ、も、申し訳ございません...!」

「いや.......いいけど、さ...あの.....お水を...持ってきていただいても.....」

「ひぃ...!」

「水頼んでもよろしくて!?」

「はい!ただいま!!!」


バタンッ


.............敬語使ったらビビるのやめてくんないかな!!!どうやって接したらいいか分からんもん!!!


.............はぁぁぁ...なぜこんなことになっているのだろうか.......

朝目覚めると私は見たことのない美少女を見てしまった。見てしまったというか、まぁ、鏡をみて困惑した。


私は確か、花宮凛という名前で、女子高校生...ごく普通の平凡な女の子だ。うん、そのはず。

住んでるところも普通のマンションだし、朝起きたら必ず兄2人が寝癖やべーとからかってくる...........

そう、それが私の朝といっても過言ではなかった。


.........それが、どういうことだろうか.....


寝苦しいと想って目を覚ましたらまぁびっくり!真上にカーテンがあるよ!おかしいと思って飛び起きればリビング、自分の部屋、兄の部屋合わせても足りない数倍の広さの部屋が!

映画の中でしか見たことの無い家具が沢山

大きい窓からは眩しい日差しが.......


やっと私に素敵な王子様が迎えに来てくれたんだわ!と思う人は居ないだろう。

馬鹿な私でもそんなこと思わん.....


私が思いつくのは拉致、誘拐の類だった

寝てる間になんか捕らわれた!?

けどマンションは10階だし、まず鍵は閉めていた。

さすがに誘拐なら私も飛び起きてる。


これらに可能性がないとなるとあとは夢だ。

しかし頬を引っ張っても痛い。覚めない。


呆然としてるとメイド服来た人達が部屋に入ってきて

"おはようございますお嬢様、いい天気ですわよ"

.....うん。そうだね.....

そして目の前に持ってこられた鏡を見て目を見開いた。

鏡に映っていたのは、綺麗な黒髪を内巻きにして目が大きく、だが少しつり目で唇もぷるぷる、そういう趣味の方が喜びそうな............とにかく可愛い女の子だった。


そう、それで終わればいいのだが.......

.......その顔を私は見たことがある。

どこで見たのかも覚えている.......


これは、恋愛好きの私がしていた乙女ゲームのキャラクター.....主人公の恋をしつこく邪魔する悪役令嬢、リル・アルヴァハンだったのだ!

そして私は叫んでしまった.....



でも、まだ理解が出来ない

今の状況には慣れた。だがしかし、なぜこんなことになっている...?

なにがあってここにいる...?

これはもう転生と言ってもいい。 それしか言葉が思いつかない。いや、来世って言ってもいいの.....?

.........でも私には死んだ記憶が無い。大体死んで転生した!っていうのはわかるんだけど.....でも死なないと転生なんか出来るはずないし.....


...............多分、私はどっかで死んだんだと思う。

それが事故死か自殺かはもうどうでもいい。思い出したらあぁそうだったって感じで流せばいい

何をしたってこの現実からは逃げられないんだから.....



.....それよりも私が気になってるのはなんで乙女ゲーム?

しかもなんで悪役.....?普通転生するなら主人公じゃね...?



........まぁ、なっちゃったのは仕方なし!

この人生を楽しく平和に生きなきゃね!!

そしてまず私がするべきことは!!



.....破滅フラグ、回避。



悪役なら絶対に断罪をされる日がくる。

それは日々主人公に対しての悪態が原因...

なら主人公と関わらなかったらいいのでは?いやいやそんな訳には行かない。


鏡を見たらまだ幼かった。4歳くらいだろうか.....

とにかくめっちゃ幼かった私、リル。

そしてゲームが始まるのは16歳になったとき、リルの婚約者である王子様の誕生日パーティから始まる...


悪役は産まれた時から婚約者が決められていた。

それはこの国の第2王子、アルト様だった


その王子様の誕生日パーティで...たしか主人公が王子様の白いジャケットを汚してしまう...王子様は気にしなくてもいいと言ったけど主人公は自分のドレスを破ってまで拭く...

たしかそれに惚れたんだよねぇアルトは...


....それで王子様が主人公をダンスに誘い、それを見てしまった婚約者、リルが主人公に嫌がらせをする.......


.....結局、主人公とは何かしら関わってしまう位置にいるということだ。


.........まぁけど、難しいことじゃない


だって、主人公と王子様の恋を応援したらいいわけでしょ?

王子が主人公に惚れました。2人ラブラブしてます。私は嫉妬せずにお似合いだわ〜と2人を応援。逆に感謝されて2人も幸せになり、お互いハッピー。


.....どうよこれ!!これこそが回避の仕方よ!!!



「よし!!!そうと決まれば16歳になるまで色々作戦粘っちゃうんだからー!!」

「お、お嬢様!!大声を出すなどあるまじき行為です!」

「.....あ、ごめんなさい」

「あとベッドの上に立ってはいけません!!」

「はい.......」



...めっちゃ厳しくない?あれぇ、こんなこともしちゃダメなの?私普通にベッドをトランポリンにしたり兄達とバカ騒ぎしてたんだけど.......




「まったく.....今日は昨日の続きでダンスのレッスン、お裁縫、国の歴史についてのお勉強、沢山やることがあるのですよ」

「.........えー!やだー!!!」

「お、お嬢様.....?」

「退屈じゃんかー!外で遊びたい!!」



いつもはショッピングとかしてたけどここにそういうのないでしょ...だからせめて外で遊びたいんだけど!!

なに!?貴族はこういう遊びが趣味なの!?




「何事ですか」





シン...と、部屋の中が静まる

その声はドアから聞こえてきた

そこにいたのは、長い黒髪を右に流した高身長の絶世の美女だった

たしか、リルの....



「お母.....さま...??」

「なぁにリル」

「リリア様...!お嬢様が急に習い事をやりたくないと.....」


あ、遊びじゃなくて習い事だったのね


「あら、それは本当なの?リル」

「あっ.....えっと.....」

「一体どうしたというの。お裁縫もダンスも、楽しそうにやっていたじゃない」



.....お母様、あとからリルになってしまった私がそんなこと知るわけないよ...



「朝も大声を上げて.....様子がおかしいわね」

「やはり医者に.....」

「だ、だだだ大丈夫です!」

「「です??」」

「ですわ!!!!」



あぁぁぁもぉぉぉ喋り方これであってんの!?



「お母様!私我慢してやっておりましたの!」

「あら.....でも駄目よ。貴方は王家に継ぐ者、こんなことも出来ないなんて恥ずかしいわ」

「...........................はい」

「ラン、リルを連れて行ってちょうだい」

「はい、リリア様!さ、行きますよお嬢様!」


憂鬱だぁ.........貴族って、面倒くさいのね...



ズルズルと引きづられ、リルは大きな広間へと連れられた

まずはダンスの練習


「ダンス.......か...」


ダンスなら私にもできる!!ダンス部部長だったし余裕にこなせるかも!!













「.....リル様、まだまだですな」

「ぐっ.........」



リルは地面に倒れ込んだ

高いヒールを履いて、飛び跳ねるようなワルツ

もちろん舞踏会にヒップホップはやらない



「スニーカー履きたいよぉ.......」

「さっ、リル様、あと少しでございますぞ!次はこの...」

「まだやるのー!?」













「いったーい!!」

「まぁ.....リル様、ですから針はそう向けるのではなくてこっちに...」


次はお裁縫

貴族の女性はお裁縫を趣味にしている

これが遊びといってもいいくらい、ずっとお裁縫をしているのだ


「私にお裁縫は向いてないわ...だ、だから外で遊ぶのは...」

「リル様、そんなはしたないことしないでくださいまし...」
















「リル様!さっきも教えましたわよ!!」

「う、うぇぇえ.......」

「ですからこの国は.........」



最後は国の勉強

昔の英雄やら、経済やら、社会が面倒くさいのはどこも変わらないようだ
















「お疲れ様でした、お嬢様」

「はぁぁぁぁ...........つかれたぁぁぁぁ...」


全ての稽古が終わった途端、リルはすぐさま部屋に戻り布団の中へ入った

凛の頃に自由に生きてきたリルは、これから先の縛られた生活にストレスを感じ始めていた


「ねぇ.........平民、ってさ.....どんなことしてるんだろうね.....」

「お嬢様には無縁の話でございます。知らなくても良いのですよ」

「でもさ.....知っておきたいな.....」

「.............平民は、城下町に存在する人全てを言います。城下町には色んなお店があって、パン屋やオシャレなカフェ、綺麗な服屋もあるのです。そこで働く人達は己の好きなことを職業とし、自由に暮らしておりますよ」

「そっかぁ.....................まじで!?!?」

「お嬢様!」

「あ、ごめんなさい...」



平民は自由に暮らしてる.......?



「お金持ちの貴族は自由じゃないのにね...」

「何を言いますかお嬢様!お裁縫やダンス、そして煌びやかな舞踏会にある出会い.....貴族はとても素晴らしいのですよ!これこそ、自由と言うものです!」

「.......私は、違うと思う.....」




私は、平民になりたかった.....なんで貴族なんかになっちゃったんだろう.................




「はー...平民になりたいなぁ...」

「お嬢様、寝言は寝てからでございますよ。さ、明日も忙しいので、おやすみになられてください」

「うん.........」

「...............お嬢様」

「んー...?」

「.........私は貴族が羨ましいですが、無理に作る言葉遣いはあまり好んでおりません。ですから、今のお嬢様の話し方はとても好ましいですよ」

「え?.............あっ」

「ふふっ、おやすみなさい...」



バタンッ




「.......言葉遣い、忘れてた.....」



まぁ、明日からちゃんとすればいいだろう.....

それにしても.....平民.....いいなぁ.....平民の人たちも、貴族が羨ましいって思ってるのかなぁ.......

...きっと思ってないよね。だって自分の好きなことして生きてるんだもん.......貴族のこと、可哀想って思ってるかもしれない.....


平民になりたいなぁ.........




そっと、目を閉じる。

今日あったことを全て忘れ、リルはゲームの話に集中していた

たしか誕生日パーティで、主人公は先に王子様に出会う...

しかし、攻略キャラは王子様だけではない。

王子様の幼馴染で、国一番の騎士長の息子、ゼン

位の高い貴族の息子、アベル

そして、主人公の幼馴染のロイ


...そういえば王子様しか攻略してなかった.....

ほかの3人も顔は知ってんだけどなぁ.......

........イケメン好きの私にとって王子様は本当にどストライク.....実は腹黒設定もいいかもって思ってたけどそんなことはなく、普通に優しい王子様、時に厳しい。

飴と鞭の使い方が上手いって設定に書かれてたような.....


すぐに攻略して悪役の断罪シーンはグッときた記憶がある

大勢の目の前で裁かれるあのシーン.....何回見てもうるっとくる


それで悪役のリルは国外追放とまではいかないけど、家を追い出されて平民になるんだったよね.....

貴族だったリルにとってはそれが辛くて確か自殺.......


可哀想とは思ったけど、主人公への嫌がらせと比べれば...........




...............ん???ちょっと待ってよ...??

悪役であるリルは、罰せられ、平民に.......なった.......??






「きたこれぇぇぇぇ!!!!!!!!!」


聞こえてない!!小声で叫んだ!!


いいじゃん!!!え!?めっちゃいいじゃん!!!!

平民になれるんでしょ!?

リルは嫌だったから自殺した。

でも今のリル...私は平民になりたい


なれんじゃん!!!!!

最高!!え!!!私お先真っ暗と思ってたのに明るい!!!とても明るい!!!!

ゲームが始まるのは16歳、そして終わるのが18歳

平民になって一人暮らしするにはいい歳なんじゃない!?

しかも、王子様と主人公に媚び売って2人お幸せにね〜って言ったところで私が平民になれるわけでもないし!!!



.....そうよ!!私が悪役令嬢なのよ!!!

なら、あの二人をとことん潰さないといけないじゃん!!



「ふふ...ふふふふふふ.......」





待ってろぉ.......私はあんたらをボコボコにして、無様に断罪されて、平民になってやるんだからー!!!!!

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