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ハッとなっている間にも急ぐように話だそうとするおじいさんに隣から待ったの声がかかる。
「どういうことだ?とりあえずここはどこで、お前らは誰だ?」
と威嚇を込めながら聞く川本さん。
その川本さんの態度にピクリと身体を揺らし殺気を出す赤い髪の男。
帯剣している彼が殺気を出すなんて恐怖しかない。
こっちは皆が皆丸腰で状況も掴めていないのに。
恐怖により1歩後ずさると彼の前にいたキラキラとした男性が片手をスッと挙げる。
すると赤髪の彼からの殺気は一瞬にして無くなた。
ホッとしている束の間
「私の護衛が失礼をして申し訳ない。ここはテルージア大陸のレヴァン王国。私はこの国レヴァン王国の王太子ロレンツォ・レヴァンだ。こちらが私の護衛のジャイス・ステル。そしてこちらが我が国の最高魔術師シルーヌ・レバスだ。異世界からの救世主の皆さまにおいては、急にお呼び立てしてしまってさぞ驚かれた事だろう。説明をさせていただきたいのですがここでは椅子も無いので場所を変えさせて頂こうと思いますが、いかがですか?」
とキラキラの男性が話す。
どこまでが本当なのだろうか?ってかこれって現実?もしかしていつの間にか寝ちゃってたとか?
と少々混乱している頭で右手で左手をこっそりつねって見るが、きちんと痛みがあるのでどうやら現実らしい。
「異世界・・・?」
と誰かがつぶやく
「いや。異世界ってなんだ?わけがわからない所でわけのわかららないこと言って信用なんねぇ。悠長に移動してる時間も我慢なんねぇから今スグ説明しやがれ。」
とまたもや川本さんが怒りだす。
それに対して王太子様は
「分かりました。説明はシヌールからさせます。少々長くなりますが、ご了承ください。」
とうなずいた。
「それではワシから説明させて頂きます。まず、この世界は貴方がたがいた世界とは異なる世界となります。どういう事かといいますと、我がレヴァン王国に伝わる秘術でこちらに転移させて頂きました。」
王太子様から説明をするように言われた魔術師さんはゆっくりと伝わりやすいよう話始めた。
「『転移させて頂きました。』じゃねぇんだよ。それって誘拐だろ?犯罪じゃねーか!!」
と怒り続けいている川本さんに
「まぁ、拓真いったん落ち着けよ。ちゃんと話を聞いてみないと分からないじゃないか。何か事情がありそうだよ。」
と後藤さんが川本さんをなだめる。
チッっと舌打ちをした川本さんだが、とりあえずは話を聞く気にはなったようだ。
「すみません。ありがとうございます。」
そう後藤さんに対して頭を下げると続きを話し始めた。
「我々の世界には魔物が存在します。魔物は度々我々を襲っておりましたが、通常は傭兵や騎士団などが討伐しており平和に暮らしておりました。今からちょうど2年前この世界に突如魔王が誕生しました。それにより、魔物たちがどんどん強くなり人々の生活が脅かされ始めました。なんとか魔物を倒してはいるのですが、倒すたびに強くなっていく魔物たちに我々は魔王をどうにかしなければいけないと気付きました。ですが、魔王を倒しに向かった世界でも名だたる先鋭達は魔王に辿り着く事すらできずじまい。そこで代々レヴァン王家に伝わる魔王が現れた時異世界からの救世主現る。という伝承と召喚の仕方についての伝承を受け継いでいたレヴァン王国が貴方達を召喚することになりました。」
そう説明をした魔術師。
「私たちの都合で貴方達には迷惑をかけて申し訳無いのですが、どうか我々を救ってください。」
そう王太子様が言いながら深く深く頭を下げる。