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FPSプレイヤーの妹!!  作者: 紅月レン
2/2

1話:突然の来訪者!!

俺、「根城 陸」の家庭は独特で俺と一つ下の妹、「根城 飛鳥」が中学生にも関わらず一年前に両親は仕事で海外でゲームを作る為に俺ら兄妹を置いて海外へ行ってしまった。両親がゲームを作っているということもあり、家にはゲーム機がいくつもある。その為俺も飛鳥も家ではよくゲームをして過ごしている。俺は現在中学3年生で妹は中学2年生だ。俺はもうサッカー部を引退してしまったが、妹は絶賛バレー部で活躍中・・・のはずだったが、妹に嫉妬した部員の一部のせいでやめてしまった。そんな訳で現在俺ら兄妹は何もすることもなく土曜日を絶賛ゲームで消化中だ。


「ピーンポーン♪」


大嵐闘スマッシュブラザーズを白熱しながらやっていると友達を呼んだわけでもないのにインターホンの軽快な音が鳴った。


「ちょっと出てくるな。」

「く...任せた。」


いい試合の途中だっただけに飛鳥は悔しいような腹立たしいような何とも言えない顔をしていた。俺は苦笑いするしかなくゲームをPOSEボタンで止めてソファーから立ち上がり玄関へと向かう。ドアの前に立ちドアの覗き穴から外を見るとそこには見たことがあるというか見慣れた顔の40代程のおっさんが立っていた。


「え、父さん?」


鍵を開けてドアを開けるとそこには海外に居るはずの父さんが居たのだ。

何の連絡もなしに帰ってきたようだ。とりあえず外で話すのもなんだからと父さんは家へと入る。二人で暮らすには十分な一軒家の廊下を歩いていると父さんはキョロキョロと辺りを見回していた。


「へぇー、ちゃんと二人で暮らせてるみたいだな。」

「家事は基本的に俺がやってるけどね。」


あははと苦笑いをするとリビングから睨まれた気がした。

まあ、どうやらキョロキョロしていたのは子供がしっかり暮らせているかの確認だったようだ。


「父さん...おかえり。」

「ただいま、飛鳥。元気してるかー?お、大嵐闘スマッシュブラザーズやってたのか、タイミング悪かったか。」

「まあ、大丈夫だよ。」「うん、悪い。」


飛鳥さんや、もうちょっと気をつかおうや・・・。

そんなことを思っていると父さんは荷物をそこらに置き、テレビの下からコントローラーを出してなぜかやる気満々といった風にソファーへと座っている。二人からの催促の視線がすごいので俺もソファーへと座りメニュー画面からキャラクター選択画面へと戻る。


「で、連絡もなしに急にどうしたの?それに、母さんは?」


ポチポチとキャラクターを選択しながら会話は始まる。


「母さんは仕事が終わらなかったから置いてきた。んで、俺が帰ってきた理由は二人を明日ある所に連れていくためだ!」


キャラクターとステージを選択し終わりゲームが始まる。

3・・・2・・・1・・・GO!


「あるところって?」「明日は予定がある。」


ポチポチ・・・

驚かしたくて連絡なしで来たようだが、裏目に出たようだ。

ガーンというような顔をして固まってしまった父さん。勿論ゲーム内でも固まっておりそんな父さんのキャラクターを飛鳥は容赦なく叩きのめして落下死させていく。鬼か。


「ハッ!あ、飛鳥、そこをなんとか!」

「勝ったらいいよ。」

「ほ、ほんとか?父さん頑張っちゃうぞ!」


なんだかんだ飛鳥は父さんが帰ってきたことが嬉しいようだ。いつもは無表情な飛鳥の口角が少し上がっているのがわかった。

なんかわからないが二人の勝負が始まってしまったためデスマッチのはずが俺だけ孤立してしまった。暇だし隅っこでアクションでもしていよう・・・。


「りく、そこ邪魔!」

俺は大きいゴリラのキャラで見ているだけで腹が立つが面白いアクションをしているとステージを移動してきた父さんと飛鳥が俺に横スマッシュを決めてくる。

「えー。」

あっけなく飛ばされて落とされた俺は次はアクションも何もすることもなくただ見ていることしかできなかった。


♦♦♦


結果は父さんの敗北だ。

「あずか゛あ゛あ゛あああ頼むよ~。」

今は飛鳥へと泣きすがっている。父親の立場とはなんだろう。

「まあ...予定なんてないけど。」

父さんのポカーンとした表情を見て二人して笑う。そして、俺は夕食の準備をするためにキッチンへと向かう。

「お、夕飯か?!」

全くどっちが子供なのだか。

「急に帰ってくるからそんなご馳走とか作れないけどね。」


二人がソファーに座りゲームを続けているのを見ながら料理を作る。

二人分も三人分もあまり変わらない為一応手慣れた?手つきで野菜と肉を炒め味噌汁を作り、料理が完成しそうなタイミングで二人を呼ぶ。


「ご飯できたから、それで最後なー。」

「ん。」「はーい。」


飛鳥の素っ気ない返事と父さんの子供っぽい返事が返ってくる。

終わるまでしばらくかかりそうなので机を拭いてお皿と箸を並べて、ご飯と味噌汁をよそってカウンターに並べる。丁度、決着がついたようでカウンターのものを運んで並べてくれる。


「じゃあ、いただきます。」

「「いただきます。」」


今晩のメニューは簡単な野菜炒めと煮物にご飯と味噌汁といった和食といった感じのものだ。

父さんが久しぶりに日本に来たんだしきっと日本の味が恋しいだろうと思ってだ。


「おいしい。陸、ちゃんと料理できるようになったんだな。父さん感激だ。」

「そんな大袈裟な。」

「りく、最初は全然ダメだった。」

「う、うるさいな。」


皆が笑い、母さんはいないが久しぶりに兄妹以外の誰かがいる食事ということもあり、飛鳥もいつもより喋り楽しい食事となった。今度帰ってくるときは是非とも先に連絡が欲しいものだ。


「今度は連絡頂戴よ、そしたらもっとすごい料理作るからさ。」

「次は母さんも。」

「そうだな、次は家族四人で陸の作った"すごい料理"を食べような。」

「すごい料理は置いといてさ、食べたら今度こそ三人で色んなゲームしよ!」

「そうだな。」「ん。」




この後、陸は滅茶苦茶ぼこぼこにされた。

まだまだはじまったばかりですが、よろしければブクマやコメントお待ちしております!

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