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Deviant ー妖魔転生ー  作者: 是色
序章
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プロローグ-1


 輪廻転生。


 全ての生き物に魂があり、死した後、新たな命として生まれいずる。

 日本の片田舎で馬鹿な遊びに興じ、その挙句、手違いを起こして死んでしまった男の魂が、遥か異世界にて生まれ変わったのは、何の因果か、はたまた何処いずこかの神のお導きか。

 剣と魔法が戦場を支配し、人と妖魔がせめぎ合う異世界の、大きな大陸の西にある蒼の森の片隅で、この物語は始まる。



 ・・・・・・・・・・



 あー痛て。クソッ、配合を間違えたかなぁ? 落っことしたくらいで爆発する筈は無いんだが……。やっぱりネット知識で○○なんて作るもんじゃあねぇな。

 誰か来る前に、とっと逃げるか……。

 いくら田舎の廃墟だからって、アレだけでかい音を立てれば通報されてもおかしくはないからなぁ。

 流石にこの年で捕まったら、説教だけじゃすまないだろう。

 ズキズキと痛む頭痛を堪えながら、霞む目を開けて体を起こすと、目の前に見渡す限りの草原が広がっていた。


 はぁ?


 ……何がどうなった? 何で、俺は草原なんかに居る? さっきまで居た筈の廃墟は何処へ行った?

 おい……、おいおいおいおい!

 嘘だよな?

 ナニがどうなってやがる!

 クッソ!!


 …………え?


 感情のままに地面を殴りつけた俺の腕は、日本人にはありえないほどに黒かった。 

 な、なんだよ? 俺の手まで、どうなっちまったんだ?

 ま、まさか……。

 脚も! 体も! ……髪が無い! 顔もなのか!?

 う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!


 ………………。


 …………。


 ……。


 ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……。

 泣いても喚いても、状況は変わらないか。

 ……当然だわなぁ。


 あー、クソ。

 にしても、俺の体はどうなったんだ?

 なんでこんな色をしている? まるで墨でも塗ったのかってくらい黒いじゃねぇか。

 それなりに鍛えていた体も、今は面影すらない。

 二本ずつの手足に五本の指、記憶にある俺の体と同じなのはそれだけだ。

 長い腕に短い脚、アバラの浮いた貧相な体。

 体に毛は無く、黒い肌はごつごつとして硬い。

 手の平は自分の頭をすっぽりと包めるくらいにでかくて、爪なんか鉤爪になっていた。

 ろくに処理もされていないのか、妙に硬い毛皮を腰に巻いているだけで、服どころか靴も無い。

 禿げ頭に短い二本角、顔もこの分じゃ期待するだけ無駄だろうな。


 は、ははは……。コレじゃぁ黒鬼だ。

 まさかココは地獄か? 俺はあの爆発で死んだのか?

 クソ……、クソックソックソックソッ糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞!!!


 ………………。


 …………。


 ……。


 クソォ、日差しが暖っけぇ。

 風が気持ち良いなぁ。


 こんな体でも、生きてるんだな……。

 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ! 

 生きてやる!

 ココが“どこか”だなんて関係ねぇ! “どんな体”だろうが、生き抜いてやる!


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