表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

04 To-The-Sky-Of-One's-Home[故郷の空へ]

帝国機との戦闘後、ブルーオーシャン基地では侵入経路や、撤退先の特定がされていた。

「室長、結果がでました。」

「うむ。」

「撤退した帝国機ですが、帝国領に入ってしばらくした後、突然レーダーから消えました。侵入経路はおそらく低空で侵入してきた為、センサーが反応しなかったようです。」

クラックスは顎に手を当てながら報告を聞いている。

手を下ろし目を瞑ると、しばらく考え込んだ。

「…やはり、帝国なのか。」

「室長っ!!」

するとそこへ部下の一人が息を切らせながら慌てて入ってきた。

「なんだ、どうした?」

「これを…!」

部下は自分の席につくとモニターにテレビの映像を出した。

『先日、突如我が帝国空軍レオール基地を襲った国籍不明の戦闘機部隊は、連合軍ブルーオーシャン基地から発進したものであることがわかりました。』

映像は帝国国営テレビのニュースだった。

ニュースは帝国軍基地が連合軍部隊に襲撃されたという。

さらにその発生時刻は訓練生が襲われたのと同時刻だった。

『これは明らかに侵略行為であり……』

クラックス達はそのニュースを見ながら茫然としている。

全員がモニターを見て固まってしまっている。

「これは…どうゆうことだ…」

「映像に合成の形跡は見られません…実際の映像です。」

するとまたしても、部屋の外から走ってくる音が聞こえてきた。

ドアが開き、入ってきたのはリーベンハルトだった。

「おい、クラックス!あの放送はなんだ!?」

「落ち着けリーベンハルト。我々も今その話をしていたんだ」

クラックスはモニターを指差しながら言った。

ニュースはまだ襲撃の映像を映している。

「どこの馬鹿がやったんだ?」

「それより同時刻とゆうのが怪しい。その時間に出撃していた連合の部隊はない」

二人ともモニターを見ながら考え込む。しばらくするとリーベンハルトが口を開いた。

「クラックス」

「ん?」

「お前に任せる!」

そう言うとクラックスの肩を軽く叩き、出ていった。

「……一体何しに来たんだか」

クラックスはため息混じりにそう言った。

           翌日――

『先日の連合による攻撃は、卑劣で許しがたいものであり、さらに【遺産】を自分達のものにしようている』

帝国から世界中に向けて、全てのメディアを使って放送がされた。その内容は……

『我々はこのまま、連合に蹂躙されるつもりはない!よって我々は連合に対して宣戦を布告する』帝国の宣戦布告……

これにより二国間の確執は一気に武力衝突に発展した。

連合国の最東端基地であり、周りを観光名所に囲まれたブルーオーシャン基地は、帝国に対する最前線基地となった。

           ブルーオーシャン基地――ブリーフィングルーム           今ブリーフィングルームには訓練生が全員集められていた。

訓練生達の前には機動隊大隊長となったリーベンハルトがいた。

「いろいろと聞きたいことはあるだろうが、戦争が始まった以上お前等もスクランブル要員だ」

終了試験から数日、グリム達は結果の合否もないまま、帝国との戦争に駆り出されていく。

「それとこれからお前等の機体は《シルヴァーナ》になる」

グリムがふと横を見るとミズキが不安そうな顔をしていた。

膝の上に置かれた手が、小さく震えている。

「それじゃ、解散」

みんなが部屋を出ていく中、ミズキはなかなか立ち上がろうとしない。

「ミズキ」

「あ!グリム」

グリムが声をかけると、ミズキは少し驚いたように答えた。

「終わったよ」

「え、あ、はい」

ミズキは辺りをキョロキョロとしている。

それを見てグリムは少し笑いながら隣に座った。

「やっぱり、恐い?」

少し黙った後に……

「軍に入るって決めた時にこうなる事も覚悟してました。でもいざとなると……」

「おれだって恐いさ」

うつむいていたミズキは顔を上げて、グリムを見た。

「これから人を殺すかもしれないって思うとね。でもそうしないと守れない、大切な人とか場所とか」

「グリム…」

「無理しなくたっていいんだよ。仲間だっているんだから」

グリムは笑ってそう言った。

「はい」

ミズキ笑って答えた。

           その時基地内に警報音が鳴り響いた。

『中央より入電!セントマリー軍港に帝国機が出現、攻撃を受けている』ミズキはそれを聞いた途端跳ねるように立ち上がった。

「そんな……セントマリーが」

セントマリーは軍事施設が多いため真っ先に狙われたのだろう。

そこはミズキの故郷でもあった。

「ミズキ行こう」

「……はい」

ミズキは小さく頷きグリムの後に付いて部屋を出た。

           この戦いが公式では初めての両軍激突の場となるのだった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ