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17 Enemy-Of-True[本当の敵]

「連合軍航空部隊が首都上空に入りました 地上部隊も接近中です」

 

「シャロンとリーベンハルトを出せ」

 

 その頃二人はすでに自機に乗り込み待機していた

 

「出撃命令が出ました」

「やっと出たか」

 

 シャロンは文句を言いながらヴァルキリーを起動させた

 その隣ではリーベンハルトも準備している

 彼の機体はヴァルキリーをベースに改良された専用機である

 

「今回は大総統も来られるんだろ?」

 

「私達が奴らを落とすところをご覧になりたいそうだ」

 

「じゃあ他の機体はどうすんだ?パイロットいねぇぞ」

 

「他はルドラが制御することになっている」

 

「ハッチ解放 進路クリア 発進どうぞ!」

 

「さぁ行くぞ」

 

 ハッチがゆっくりと開き滑走路に出る

 滑走路中央の誘導灯に沿って加速し、大空に飛び立った

 

 

 

 

「みんな、来たぞ レーダーに反応多数」

 

「やっと来たのかよ」

 

 そして今回も、まずバスターの長距離砲による先制攻撃を行なう

 

 前方の敵に向かって閃光が走る

 

 しかしレーザーはかすることなく敵の集団を抜けた

 

「避けた?」

 

「今までのやつらとは違うってことだな」

 

「地上部隊が来るまでに終わらせよう!」

 

 

 両軍高速で接近し、まずはすれ違いざまの攻防で何機かが被弾した

 その後は反転し、入り乱れる乱戦が始まる

 

 そしてグリム達は、敵が今までとは違うという事を実感する

 

「おい!なんかおかしくねぇか!?」

 

「はい!あんな無茶な旋回したら体が保ちませんよ!」

 

「本当に人間が乗ってるの!?」

 

 敵機の動きは、パイロットにかかる

「G」

を完全に無視したものだった 驚きながらも戦っているとグリムがある事に気付いた

 

「いない……」

「あ?なんだって?」

「コクピットに誰も乗ってない!」

 

 敵機のコクピットには誰も乗っていなかったのだ

 

「どおゆうこと!?」

 

「オソラク、ルドラガ制御シテイルンデショウ」

 

 通信してきたアグニがその答えを出した

 

「やはりそうだったか」

 

 クラックスも感付いていたようだ

 

 とゆうのもクラックスは、アグニのシステムを調べるうちに、航空機を遠隔操作する機能があることを知った

 

 アグニに聞けば、ルドラにも同じ機能があるという

 

「なるほどね」

「誰も乗ってないんじゃ気負いすることないな」

 

 その後はエグザイルの性能を存分に生かし、次々に敵機を撃墜していく 

 

 

 レーダーに新たに三つの影が映った

 二機はヴァルキリー、もう一機は空中管制機のようだ

 

『目障りなエグザイル!ここで消えてもらう!』

「ヴァルキリーか!」

 

「隊長……」

『言ったろグリム 次戦場で会う時は手加減なしだってよ』

 

 シャロンとリーベンハルトを加え、戦いはさらに激しさを増していく

 

 

「当たれ!」

 

 右アームに装備したビームマシンガンを連射する

 敵機にはいくつも穴が空き爆散した

 

『ちっ!』

 

「うお!当たった!?」

 

 ケリィの機体が激しく揺れる

 シャロンの放ったレーザー砲が、アーセナルのミサイルブロックをかすめた

 ケリィはすぐにミサイルブロックを切り離した 

「ケリィ!大丈夫か?」

「あぁ!大丈夫だ!」

 

 ケリィは体勢をすぐ立て直た

 

 

 

『なかなかしぶといな』 

 管制機から見ていたシュナイダーは、長引く戦闘に苛立ちを感じていた 

『ルドラ、クランブル・レイはまだか?』

『準備ハ出来テイル』

『ならばすぐに撃て!』 

 再び巨大な砲身が伸び火を吹いた

 

 するとシュナイダーの乗る管制機に警報音が鳴り響いた

 

『なんだ!?』

 

『クランブル・レイの照準が本機にロックされています!』

 

『なんだと!? ルドラ!どうゆうことだ!』

 

 

『何故ココマデ攻メ込マレタノカワカルカ?』

 

『……何が言いたい?』 

『オマエハモウ必要ナイトユウコトダ』

 

 機内に響く警報音は次第に大きく、早くなっていく

 

『砲弾、来ます!』

『回避だ!』

 

 管制機はすぐさま回避行動に移った

 だが降り注ぐ雨は容赦なく管制機の胴体に命中した

 

『馬鹿な……こんなことで……』

 

 機体はシュナイダーの思惑と共に空に散った

 

『大総統!』

「父さん!」

 

 爆発を見て二人が叫ぶが爆発音にかき消される さらに、ルドラが制御していた帝国軍機がシャロンとリーベンハルトにも襲いかかった

 

『くそ!』

『ルドラ!これは何のつもりだ!?私達を裏切るのか!?』

 

『勘違イシテイルナ 我ハ最初カラオマエ達ヲ味方ト思ッタコトハナイ』 

 その時再びクランブル・レイが発射された

 目標は下で戦っている地上部隊だ

 

 雨は帝国と連合を無差別に攻撃した

 上空から襲う雨に対してなすすべの無い地上部隊はその半数を失った

 

『我ハ勝ツタメニ生ミ出サレタ存在 負ケハ許サレナイ』

 

 帝国首都全域を地震が襲った

 するとクランブル・レイがある山がどんどん崩れていく

 

『準備ハ整ッタ 敵対スルモノハ全テ排除スル』 

 山が崩れ現われたのは航空機の何倍もある巨大な飛行物体だった

 その巨大な体には、クランブル・レイを中心にいくつもの砲台がある

 

「な、なんだ……あれ」

「なんて大きさなの」

『あんなもんがあったなんて、聞いてねぇぞ』

 

『ふざけるなあぁ!』

『シャロン!やめろ!迂闊に近づくな!』

 

 怒りに我を忘れたシャロンがリーベンハルトの制止も聞かず、突っ込んで行った

 

 そして正面からレーザー砲を撃つ

 

『無駄ダ』

 

 しかし本体に届く少し手前でレーザーは弾かれた

 

『シールドがあるのか!』

 

 シャロンは距離をとるため機体を旋回させる

 だがその時すでに敵の砲台はシャロンを捉えていた

 

『群ガル虫ハ叩カナクテハナ』

 

 砲台から一筋の光が放たれた

 光はシャロンの機体を貫通していた

 

『シャロン!』

 

「皆サン!一度戻ッテ下サイ!」

 

 シールドがある以上今はどうしようもない

 これ以上被害を増やさないため、グリム達は撤退を決めた

 

『逃ゲルカ マァイイ、イクラアガコウト奴等二勝チ目ハナイ』

 

 


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