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15 Meet-Agein[再会]

 新たな翼『エグザイル』を手に入れたグリム達は、その後幾つかの戦場へ派遣され驚異的な戦果をあげる

 

「上を見ろ!エグザイルが飛んでる!これなら勝てるぞ!」

 

 一般兵の中には彼らを英雄と呼ぶ者も出始め、彼らとエグザイルの名は帝国軍兵士にも知られるようになっていた

 

 エグザイルの登場で互角だった戦況はいつしか連合軍有利に向かっていた 

 そんなグリム達に意外な訪問者がやってくる

 

 

「ふぅ……」

「グリムさん、お疲れ様です!」

「あとの事、よろしく」

「はい!」

 

 グリム達が作戦を終えて基地に戻った

 パイロットスーツの前を開けながらシャワールームに入った

 

 軽くシャワーで汗を流し出てくると、同時にケリィも出てきた

 

「おう、グリム お前大丈夫だったか?」

「あぁなんとか ミズキに助けられたよ」

 

 脱いであったパイロットスーツを専用の大きな洗濯機に放り込む

 

「あいつのエスペランサは速えーよなぁ」

「カレンのバスターだって攻撃力が凄いじゃないか」

 

 他の二人の話をしながら軍服に着替え、シャワールームを出る

 

 髪を拭き、タオルを首にかけたままロビーを通るとカレンとミズキに呼び止められた

 

「二人共どうしたの?」

「あの、これ……」

 

 ミズキが一枚の紙を差し出した

 

『――今夜2100時、東の丘で待つ――』

 

「これは……」

「今朝私達宛てに届きました」

「グリム、どうすんだ?」

 

 グリムは手紙を見つめながら少し考えた

 

「……行こう」

「行くの?」

「そりゃ罠かもしれないけどさ」

 

「ならおれ達も行くぞ」

 

 手紙には一人で来いとは書かれていない

 しかしたとえ書かれていてもケリィは

「行く」

と言っただろう

 それをわかっていたグリムは

「わかった」

と少し笑いながら言った

 

 

 2100時――

 

 グリム達は基地の車両を一台拝借し、指定された丘にやってきた

 

 丘の下にはまさに宝石をちりばめたような夜景が広がっている

 

 すると彼らの背中に強い光が当てられた

 

 振り向くとバイクが一台、エンジン音を響かせていた

 逆光でよく見えないが誰かがバイクの前に立った

 

「誰だ?」

 

 顔の前に手をかざしながら相手の顔を見ようとする

 

「お前等、ちゃんと時間通りに来たな」

 

「やっぱりあなたでしたか……リーベンハルト隊長」

「もうお前等の隊長じゃあねぇよ」

 

 

 グリム達にとってリーベンハルトは特別な存在となっていた

 今でも隊長と呼んでしまうのはその表れだ

 

「隊長、ここは敵地だろ?何しに来たんだ?」

 

 ケリィが本題を切り出した

 するとリーベンハルトはおもむろに口を開いた 

「お前等、こっちに来る気はないか?」

「え?」

 

 リーベンハルトの口から出たのは思いもよらない言葉だった

 みんなが戸惑う中、グリムはハッキリと言った 

「行きません」

「お前ならそう言うと思ったよ」

 

 それを聞いたリーベンハルトはバイクにまたがりエンジンをかけた

 

「次会う時は手加減なしで行くぞ」

「……はい」

 

 爆音と土煙をあげてリーベンハルトが去って行く

 

(手加減なしで行くぞ) 

 遠ざかるバイクのライトを見つめる目には強い決意が見えた

 

 

 

(エグザイルガマダ残ッテイタトハナ……)

 

 その頃、帝国首都遺産の間では連合軍エグザイルの登場で、連合軍有利に傾き始めた戦況を打破しようと作戦会議が繰り返されていた

 

(ソロソロカ……)

 

 


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