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14 EXILE[エグザイル]

『前方の孤島上空にアンノウン出現!高速で接近中!』

『来たな』

 

『気ヲ付ケロ 性能ハ明ラカニ向コウガ上ダ』

『だからお前に部隊を預けたんだ 私達はデータを収集する』

 

 航空部隊から数キロ後ろにシャロンとリーベンハルトのヴァルキリーがいた

 

『モウスグ会敵スルゾ』 

 

 

「敵機を視認、攻撃準備だ」

 

 各機コクピット内のパネルを操作し標準武装のビームマシンガンをアームに装備した

 

「新しい相棒の実力、見てみようか!」

「各機、攻撃開始!」

 

 グリムの指示を待ってましたとばかりにケリィが飛び出す

 

「ほらよ!ご挨拶だ!」

 

 ケリィは同時に四機の敵機をロックしミサイルのスイッチを押した

 機体後部のミサイルブロックが開き、八発が発射され一直線に敵機を襲う

 敵機の回避行動に合わせて追尾し見事に命中、撃墜した

 

「今度は私よ!」

 

 カレンは機体の脇にあるレーザー砲の照準を合わせる

 

「当たって!」

 

 砲口に光が集中する

 次の瞬間、放たれた光が突き進み敵機を包む

 それでも光は進み続け後ろにいたもう一機を破壊した

 

「すご……」

 

 カレンが予想以上の威力に驚いていると、今度は向こうから撃ってきた

 

「おっと!」

 

 

 グリムは右アームのシールドで敵の機銃を防ぎそのまま左アームのビームマシンガンで攻撃した 

 攻撃をもろに浴びた敵機はバラバラになりながら落ちていった

 

「ミズキ!大丈夫か!?」 

 ミズキのエスペランサは空気抵抗を意識した外見の高機動機だ

 

 グリムの心配をよそに後ろを取った敵機に瞬く間に接近しビームマシンガンで落としていた

 

「大丈夫!なんとかやれます!」

 

 その後も彼らは新しい力を存分に発揮し敵部隊を全滅させた

 

 

『確かに脅威ではあるみたいだな』

『だが相手はルドラが制御していた部隊だ 私達とは違う』

 

 数キロ離れていたシャロンとリーベンハルトは収集したデータを冷静に分析している

 

 それぞれが違うタイプの装備をすることで、幅広いミッションに対応することができる

 それが『多目的』たる所以である

 

『シャロン、戻って詳しく分析するぞ』

 

 戦闘の終了を確認し、二人は基地に引き返した 

『どうなんだリーベンハルト 部下だった者を敵として撃たねばならない気分は?』

 

 基地に戻る途中シャロンがそう言ってきた

 

『……お前には関係ないだろ』

 

 リーベンハルトは静かに言う

 その言葉からは複雑な心境が感じられた

 

 

 

「レーダーから消えた」

 

「おれ達の力を計ろうってか」

 

「どちらかは隊長だったんでしょうか?」

 

「うん、だと思うよ」

 

 今度会う時は敵同士  四人全員が心の中でそう思っていた

 

 自分達に操縦技術を叩き込み、空戦のイロハを教えてくれた隊長も、今は撃たざるを得ない敵となった

 

「さあ 帰ろう」

 

 彼らはブルーオーシャン基地に戻る

 

 今が戦争である以上、撃たねば自分が撃たれる状況である以上――

 

 やるしかない

 

 そう自分に言い聞かせながら……


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