ブラック&フレイム
息抜き程度にファンタジーも書いていきます、楽しんでいただけたら光栄です。
こちらも学園モノ共々よろしくお願いします。
奇跡を起こすとされる十二個の石、人はこれを「神の宝珠」や「悪魔の瞳」、「奇跡の魔石」などと呼ぶ。
その石は存在するだけで様々なモノに影響し、奇跡や異変、怨念や呪いという形で人々に知られていく。
その石を全て集めると神の力が得られると言われている、ただそれは古い書に記された過去のこと。
残ったのはただ奇跡を起こす不可解な石のみ。
―――――『一人目は国を一つ焦土に変えた』―――――
宿の一室で一人の男が埃っぽいベッドから目覚める、宿と言っても金を支払ったわけではない。そもそも、この宿には支払う相手がいない。
濡れると発光するクリスタルに明かりを点し、右腕に包帯を巻いた男は鞄から乾し肉を取り出してかぶりつく、もう何日もこればかり食べている。本来、宿がある町にいるのだから外で食べればいいはずだが、この町には誰もいないのだ。
簡単に食事を済ませ、装備等を整えてから、クリスタルを水の入ったランタンに入れ、大柄な彼の身の丈を越えるほどある巨大なハルバートに類する戦斧を背負い部屋を出る。
外は夜、この宿で寝る前も、この町に来た時も同じ夜だった。
この町の夜は終わらない。
夜しかないことへの恐怖と、それに伴う治安の悪化によって町の人たちはこの地を去り。盗賊たちが住み着いたが完全な夜であるが故に光はなく、町の外が昼か夜かもわからないため、不便であるという点からその盗賊たちもこの町から去った。
そして、今では誰も住み着いてはいない、普通の旅人も恐ろしがり近寄ることもない。そう、ここに近寄るとしても、トレジャーハンターか魔物の類のみ。
そして、彼もその類に漏れない、彼もトレジャーハンターである。だが、それにに到る経緯は特殊だとしか言いようがない。
孤児で生まれ、ある研究者の元で育ったが、親代わりのその研究者が事故で亡くなる。その後、研究者の知り合いの考古学者の元で助手をしながら考古学を学び知識を得るが、魔族と人間の三年に及ぶ大戦に兵士として送り出される、そして無事に帰還し、一度は王族直属の護衛兵を任されるがそこを一年もせずに辞め、もう一度家に戻り再度考古学を学ぶ。しかし、それも長くは続かず、次は竜族と魔族との戦争に竜族側の傭兵として参戦する、そしてその活躍を認められ、人では他に例がない竜族の間で皇族を意味する純血種との婚約を許されるが、彼は現在所持している戦斧『ミスティックブレイカー』を受け取るだけで婚約することをしなかった。竜族の地を離れて、家に帰るがすぐに旅に出て今にいたる。
彼が特殊であるのは、人間社会では王族直属の護衛兵と同じ権力を持ち、竜族の中ではその皇族に当たる純血種との婚約を許されていること。すなわち、人族、竜族、魔族の三大種族において二種族で王族や皇族とほぼ同等の地位や権力を持っていることにある。
彼は町の大通りだったであろう場所で周りを見渡し、小さな魔族の気配すら感じ取れないことを考える。
(魔族も食料がなければ住み着けないか)
魔族の食料は基本的に肉であり、竜族でも人族でも同族でも、肉であれば何でも食す、もちろん好みなどはあるが、他の種族がいなければ同族同士で殺し合い、いなくなってしまう。
(誰も寄り付かなければ、魔族もいないのか、だから誰もいない)
頬を吊り上げて笑ってしまう、誰もいないと今考えたことが真実には思えない、だから皮肉を込めて笑う。
(本当に誰もいないなら、ここに俺が三日間もいないか……)
考えを改めてフラフラと町をさ迷い歩く。
どんな時も夜になっている部分と通常通りに日が昇る部分には境目がある。そう、この現象には有効範囲がある、とすればその有効範囲の中心に原因があると考えられる。
この三日間でその有効範囲の中心に見当をつけて、今日はその場所に向かう。
しかし、そこには廃墟になった教会があるだけだった。
「いや、それはありえない、ありえないんだよ」
彼はそう言うとゆっくりとその入口に近付く。どんなに信仰の厚い町だとしても、こんな小さな町に教会は二つも存在しない。昨日、この町にある本当の教会を見つけていた。
ならば、なぜここにありえない教会があるのか、その答えは簡単である。
"誰かがこの場所に潜んでいる"
カチャン
ミスティックブレイカーを構えて、教会の入口に振り下ろす。
刃が風を切る音だけだ辺りに響くと、ゆっくりと廃墟が歪み薄れていく。
「手の込んだことをする」
薄れた幻の廃墟の代わりに現れたのは、窓に明かりの灯った図書館。
ここに住むのが廃墟の幻を作った犯人であり、この夜が終わらぬ原因がこの場所にある、そう思うのが一番妥当であろう。
「……」
扉を開き中にはいる、図書館の中は明るく、入口にランタンを置いて奥へと進む。
神経を尖らせながら本の並ぶ棚の横を歩く。
キィン
彼が一歩踏み出した瞬間、金属を叩くような甲高い音が響き、彼の足元に魔法陣が浮かび上がる。
(感知型のトラップ)
ヒュンッ、ザンッ
背負っているミスティックブレイカーを流れるように手に取り、足元の魔術陣を切り裂くように刃突き立てると、バチリッと音を立ててその陣が消える。
「ダメだ、それじゃあダメだ」
一人で小さく呟き、ミスティックブレイカーを引き抜き、今度はそれを背負わずに手に持ったまま先に進む。
本棚の切れ目で十字路に差し掛かった瞬間にカタリと何かにスイッチが入り、ズダダダダと連続する掃射音を立てて何かが四方から放たれる。
「そう、その方がいい」
迫るのは投擲用ナイフ、それも十や二十ではなく一方向につき五十九本、計二百三十六本の連続発射。
彼は迫り来るナイフを前に考える、上に逃げようにも間に合わない、本棚を盾にしようかと考えるが、本棚自体が罠である可能性が高い。
そこまで考えて、時間的にもう一択した残されていなかった。
全て叩き落とす。
―――――――
「足りないな、この程度じゃ殺せない」
叩き落としたナイフの山を踏み付け、金属の擦れる不快な音を聞きながら奥の部屋へ向かう。
本棚の道が終わり、彼は小さな扉の前に立つ、中に何物かの気配を感じる。他の扉などには気配を感じなかった、おそらく中にいるのは屋敷の主。いや、この町の主。
彼が扉に触れる前に扉が開く、まるで彼を誘うように。
「誘いに乗るのは嫌いなんだがな」
呟きながら扉の中へ入ると、扉がゆっくりと閉まる。
扉が閉ざされるとそこは完全な闇、微かの光もないため目が慣れても何も見ることは出来ない、彼はそれを気にすることなく先へ進む。
「怖くはないの?」
突然の問い掛けに彼は立ち止まり、肩をすくめて笑う。
「もちろん怖いさ、けど進むしかないだろ」
彼に問い掛けた相手は「そう」と呟き、ピンッと指を鳴らす音と共に明かりが灯る。
明かりが灯り、彼は少し驚いたような顔をする。
「松明か、珍しい物を使うんだな」
ユラユラと燃える橙色の炎、戦争などでは制圧の術として、よく使われるところを見るが明かりや暖を取るために使われることはほとんどない。
魔力を練り込んだクリスタルは汎用性が高く、安価で扱いやすいことから、炎よりクリスタルが広く流通している。
「私はあまり使われない物が好きなの」
時折陰りを見せる不安定な明かりの中で"彼女"は怪しく笑う。
本来、彼女という表現は正しくないのかもしれない、どんなに愛らしくても、人間の女の姿をしていても、奴は人ではないのだから。
「それは、自分に似ているからか?」
煌々と燃える炎を眺めながら彼は彼女に笑いかける。
彼の落ち着いた態度に彼女は少し不満げな顔をする。
「私が異端だと言うの?」
「ああ、お前は祝福も望まれもせずに産まれた命だ」
彼が言い終える前に彼女は指を鳴らす、すると彼女の左右にあった松明が激しく燃え盛り、大きくなったと思うと竜に形を変え、彼に襲い掛かる。
「そうだろ?ドラキュラ、竜族と魔族の異端児」
彼はミスティックブレイカーを炎の竜に振り下ろす、炎の竜は刃に触れた部分から崩れるように消えて、灰になった松明だけが残る。
「私もこんな姿で産まれたくはなかったよ」
彼女はゆっくりと漆黒の翼を広げて彼へ歩み寄る。
竜族は他の種族との混血が産まれることを嫌う。その理由は、それらの子のほとんどが竜族と違った姿で産まれ、特殊な生態を持つことにある。
「お前は、まだ当たりの部類だ、翼もあれば牙もある、手もあれば足もある、自我もあれば感情もある、そうだろ?」
彼の言葉にギリッと彼女は歯ぎしりを立ててから、さらに彼に近付き、表情とは裏腹に落ち着いた調子で話し始める。
「当たりか……そうだな、他の同胞に比べれば当たりなのだろうな、ただそれ故に許せない……私達を異端扱いする奴らを」
ズンッ
彼と彼女の間で床がまるで巨大な爪で引っ掻かれたような形にえぐれる。
「なるほど、昼も寝ないで構築した魔術が、これか……」
彼は皮肉っぽく笑いながら、彼女へ一歩踏み出す。
「そう、貴方はこれで死ぬの」
「そうだと、いいな」
彼女の視線を追って、自分の胸にその視線が止まった瞬間、ミスティックブレイカーをそこへ向ける。
「っ?」
先程の魔術が発動しない、彼女は顔を微かに引き攣らせる。
彼はニンマリと笑って彼女へ向かって踏み込み、ミスティックブレイカーを彼女へ振り下ろす。
ガンッ
彼女は顔を渋らせながら片手でそれを受け止める。
「やはり当たりじゃないか」
ミスティックブレイカーは本来人間の扱えるものではない、その理由は二つあり、所持者の魔術を全て打ち消してしまうこと、そしてミスティックブレイカーそのものが異常な重量をしているからである。
彼の一撃を受け止めた彼女の足元の床には亀裂が入っているが、彼女の手にはただ一筋の血が流れるのみ。
「竜族の肌を持っているから?」
「そうだ、この重量を耐えられるのは竜族の肌くらい……なものさ」
彼が言い終える前に、彼女は爪を立てた手を振る、それを彼は素早く避けるが、完全には避けられなかったため、彼の服から布が切れて落ちる。
「私を馬鹿にするなよ、人間風情で」
彼女は自分の絶対的な力が、すでに彼に通用しないことを理解した。相手が人間であるとことで、驕っていたのは彼女の方だった。
一度見せた魔術で全て理解された、発動場所の特定方法や発動までの時間。そして、それにより彼女は彼の認識を「狩りの対象」から「敵」へと改める。
彼女は翼を広げ身体を低く保ち、片手を地に付いて構える、そして
バシュン
「っ……」
一瞬で彼の左肩から血風が舞う。彼は目で追いきれない彼女の動きに、ただ本能的に半歩下がった、それにより首をえぐられずに済んだ。
あまりの速さに耐えられず、彼女が構えた形のまま穴が空き抜け殻のように残された服が、ゆっくりと崩れ落ちる。
「避けるのは上手いのね、でも結局貴方はズタズタになる」
姿の見えない彼女の声は部屋全体から聞こえて来る。そして、崩れた服の上に彼女が現れる、漆黒の翼を広げ、服の代わりに闇を身に纏った、ドラキュラらしい姿を見せる。
「美しいな」
素直に感想を言うと彼女は溜め息混じりに笑って見せる。
「今更何と言おうが、手加減も手心も加えない」
そして、それだけ言い残して彼女が消える。
ギンッ
彼のミスティックブレイカーが瞬時に彼女の一撃を受け止める。
「手負いの左なら受け止められないとでも思ったのか?」
「いいえ、私が欲しいのは、ソッチ」
彼女の視線が右腕に向けられ、そして
バシュン
右腕を覆っていた包帯が弾け飛ぶ。
「……っ」
彼は地を蹴り彼女から離れる。決定的な一撃、人の身体では耐えられる道理はない。
しかし、有利のはずの彼女は表情を歪める。
「どういうカラクリ?」
彼女の視線の先には変わらずにそこにある繋がったままの黒い右腕。
――――――
ありえない、そう彼女は考えてしまう。あの魔術を受けて何事もない彼の右腕、何か黒い感情がゴポリと泡を立てて湧き出てくる。
「タネも仕掛けもこれだけさ」
黒い腕を握り込みながら彼は笑う。
ギリッと歯を食いしばり不快そうな顔をする、彼の持つ戦斧が魔術を打ち消す力があるのは理解できる、だがあの腕はそういった類のことはなさそうに見えた。
(魔術を弾いたのは包帯方?)
もう一度彼の腕に視線を向けて魔術を発動させる。
バシュンッ
耳をつんざくような音がするが、彼の右腕はそこにあり続ける。
「どうした、それだけか?」
彼はその腕を持ち上げて、手を前に出して見せる。
右腕が魔術を弾く程度、気にしなければいい、戦い方ならば他にも無数にある。だが、彼女の視線は彼の腕から離れない。
ゴポリゴポリと彼女の中の黒い感情が更に沸き上がる、息苦しさを感じて自分が息を止めて彼の腕を凝視していたことに気づく。
「カハッ…」
口を開いて息を吐き出す。
カチン…カチン…
しかし、今度は開いた口が噛み合わず奥歯が震えている。彼女は自身に何をされたのか、何が起こっているのか、それがわからない。
息も荒くなり、過呼吸のように肩を上下に動かし必死に肺に空気を送り込み、上限を超えると咳込むように空気を吐き出す。
ゴポリ…ゴポリ…
彼女は自分が無意識に後退りそうになるのに気付く。
自分の中で何がどうなのか、どうしてこうなのか、それすらわからず、疑問ばかりが浮かんでは更にその上に疑問が上書きされる。
「ぐっ…」
そう呻くが、退きそうになった足を前に一本踏み出す。
彼女はプライドだけで自身を必死に支え、彼を睨むように見据える。
「やはり、竜族の血筋か」
彼が呟き構える、その瞬間彼女は踏み出して彼に飛び掛かる。
「でも、それじゃダメだ」
彼が言う言葉の通り、彼女は焦りすぎた結果、素早い訳でもなく、変化の有る訳でもない、ただ直線的な動きをしてしまう。
ドコンッ
それ故に彼の黒い腕が彼女の腹部に深く突き刺さる。
「ガハッ」
次の瞬間には彼女の身体は突き飛ばされるように、ワンバウンドする。しかし、そのまま倒れることを本能的に回避するため、彼女は爪を床に突き立てて無理矢理吹き飛ぶ身体を停止させる。
「まだ……」
口から血を吐きながら呟く。魔族特有の再生の早さ、皮肉にも憎んでいる自身のその力で、彼女は一秒と経たずに再度攻撃に転じる。
翼を広げ、そして飛び掛かるように、彼の首筋を狙い鋭い牙が並ぶ凶悪な口を開く。
速度は申し分ないが、しかし、それを彼は一度見ている。
彼女の目の前に黒い手が現れる、今の速度では避けられず、そのまま頭を掴まれながら床に押さえ付けられる。
ズダンッ
「……残念、どんなに速くても直線的なら待ち伏せは出来るんだよ」
頭を押さえたまま彼は冷たく言い放つ。そんな彼の腕を彼女は掴み爪を立てる、人間の腕なら肉をえぐり取ることも、押し退けることもたやすい、しかし、黒い腕は肉をえぐり取ることはおろか傷を付けることも、押し退けることも出来ない。
「ハァ…ぐぅ……」
頭は完全に動かせず、必死に抵抗する彼女に過去の場景がフラッシュバックする。
それは、最後まで抵抗し殺された母親、そのことを悲しむ暇さえなく魔族との混血と呼ばれ、ただ必死に竜族から逃げる日々。
それは彼女が感じた始めての恐怖、そして彼の黒い腕はその恐怖を呼び起こした。絶対的強度と絶対的力、そして見た相手に恐怖を植え付け増幅させる、それが黒い腕の有する能力。人間ならば一目見ただけでその恐怖から逃避しようとするだろう。しかし、恐怖を知らない個体や自尊心が高い個体は、その恐怖を堪えようとしてしまう、その結果恐怖は許容量を簡単に超えて、堪えることで下がれず、恐怖で前にも進むことも出来なくなる。そして、ほぼ錯乱状態で無茶な行動にでてしまう。
恐怖に怯える彼女は涙を流しながら必死に腕に爪を立てるが、ただ虚しくガリガリと自身の爪が削れる音がする。
「嫌……いや……」
譫言のように呟く彼女の耳に小さく囁く声が聞こえてくる。
「目を閉じろ」
ビクリと身体が震えたが、その声に従いゆっくりと目を閉じる。
「吐くことを意識して呼吸をしろ」
次の指示がくると、縋るようにそれに従い呼吸する。
「そのまま俺の話を聞いてくれ」
彼女は腕から手を離し、落ち着き始めた頭で彼の話に耳を傾ける。
「俺はお前を殺すつもりはない、ただ取引がしたい」
そう言いながら頭から手を離す。
「お前の所持しているこの町を夜にしている原因を渡して欲しい」
「……それを私が嫌だと言ったら?」
目を閉じたままゆっくりと上半身を起こして、彼に尋ねる。
「待て待て、これは取引だ、俺の叶えられる範囲でお前の望みを一つ聞こう」
彼は少し慌てたように彼女に言うと、彼女は少し考える。
そして、一つの望みを口にする。
「アギトへ、私をアギトへ連れて行って欲しい」
皇竜の都『アギト』、皇族に属する竜の半数以上がそこに住み、竜族の皇帝が住まう都市。
「わかった、それで取引成立だ」
そう言って笑い、右腕を布で覆い隠してゆっくり立ち上がる。
「俺の名前は___だ、お前の名は?」
「名はない、名付けて貰えなかった」
彼女も小さく羽ばたいて立ち上がり、後ろを向いて涙を拭う。
「そうか、しかし呼び名がないと不便だな」
彼は腕組みする、辺りを見渡すと松明がパチリと鳴る。
「……そうだな、ならフレアと呼ばせて貰うぞ」
炎の揺らめきを見ながら、彼が言うと彼女はゆっくりと振り返り、手の平の上に緋色の石を乗せて彼に差し出す。
「わかった、そう名乗ることにする……これは先払いだ、この地を離れるなら、もう私には必要ないからな」
彼はそれを受け取ると、彼女は彼に寄り掛かるように意識を失う。
「今は昼間なのか、仕方ないな夜になるまで待っておくか」
長期的な不眠状態と、無理な戦いによる疲労感から彼女は深い眠りにつく。その顔を見つめて少し笑ってしまう、彼女は夜の住人には見えない安らかな寝顔をしていた。
名前を付けて貰えていないのは彼の方だったりします。
この話は二人を中心に進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。