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第七話:回想は意外とむずかしい。

「で、学校抜け出して何が目的や?」


「事前にこの世界を知らないと何かと不便だからな」


「本音は何や?」


「隣でへらへらしている奴をトラブルに巻き込みたかった☆」


「もう嫌やあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


こんな話しをしながら俺達はフォトン街を全速力で走っていた。何が原因かって?


『待てやコルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』

『jそdンkdンgkldj日dbkd!!!』

『ヒャァハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』


どこぞの世紀末の雑魚キャラの様な外見と言葉を吐きながら俺達を追いかける筋肉ダルマ・・・もとい『(自称)女王陛下直属護衛騎士団』から逃げている真っ最中だからだ。ハッキリ言って、あんな色とりどりのモヒカンが女王陛下直属の騎士だったらこの国(?)はお仕舞いだな。っと、何でこんな事になったのか回想に行くぜ!!


―――――――――

―――――


「ココはやな、帝都フォトン。文字通り王様・・フォルス国王が住んどるんや。各地からフォトンに商人やら騎士団に入る奴やら一般の観光客やらが来るんや!どや?すごいやろ?あの城の城壁にはもの凄い魔術がかけられてるんやで~」


窓から飛び出した後、俺はルトの必要でもないガイドを聞きながら街を回ることにした。そんなルトのガイドに聞き捨てなら無い言葉が聞こえた・・。は?魔術って・・。


「勇者って魔法使えんのかよ・・・・」


「何言ってるんや!今のご時世、魔法の一つや二つ使えな勇者なんて出来んで~」


何言っとるんや~と、俺の背中を叩きながら笑うルト。予想外だった。勇者って殆どが剣術しか出来ないもんだと思っていたのに・・・。テイル〇シリーズの主人公達に聞かれたら惨殺モノだな・・。魔法っつーと、アレか?『リ〇カル・マジ〇ル』とか『エクス〇クト〇トローナー〇』見たいな奴なのか?考え事をしながら歩いていると、何やら人だかりが出来ている店があった。


「何だ?祭りか?」


「ちゃうみたいやで・・・何や・・・揉めてるんか?」


人だかりを掻き分け騒ぎの中心へと行くと何やら老人にモヒカン男が怒鳴りつけていた。老人の方は必死に土下座をしているに対してモヒカンは言葉にならない怒鳴り声を張り上げて、近くのテーブルを蹴りつけた。ギャラリーは誰も止めに入らない。


「うわぁ、あのモヒカン『女王陛下直属護衛騎士団』の一員や!」


「その女王陛下の騎士ってのはあんなに偉いのか?」


「地位はまぁまぁやけど、女王陛下直属ってのを利用してあんなことしとる奴もいるんや・・・」


ざわりと周りが騒がしくなった。モヒカンが老人の胸倉を掴み上げている。モヒカンは拳を握り締めると大きく振りかぶった。殴る!そう思った瞬間、俺の体が動いた。本当に不本意だが動いてしまった・・。後悔するのも遅く、気が付くと俺はモヒカンの拳を受け止めていた。


「爺さん相手に大人気ないぜ?モヒ・・・おっさん」


「なっ!?て、てめー・・俺を騎士団の一員だと知っての行ないか!!」


「へぇ、そんな頭で騎士団なんて出来るんだな?世紀末に尖がった鎧でも着てた方が似合ってるぜ?」


「貴様っ!!」


俺の言った事が分かったのか怒りで顔を真っ赤に染めた。北〇の拳知ってんのかよ・・。しかし、この状態はかなり厳しい。周りをよく見ると、同じ鎧を着ている奴が居る。多分、つーか、絶対にコイツの仲間だろう。腰にはサーベルみたいなのを差してるしな・・・俺1人なら大丈夫なんだが・・この爺さんが居ちゃあまともに動けねぇ。


「オイ、このz「ちょっ!何しとるんや!アキ《ガッ》るああああ!?」・・・あ」


俺の行動に驚いて固まっていたであろうルトが立ち直り、俺とモヒカンに駆け寄って来た。さぁ、そこまでは良い。だが、奴はとんでもない失敗をしてしまった。もはや、運命なのかルトは足元の段差に躓いてしまった。倒れていく中、何かに摑まろうと必死に手を伸ばした結果、掴んだのは――――――モヒカンのズボンだった。



『『『『『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』』』』』



ピンクだ・・・・・。誰かがそう呟いた。俺は目の前の光景を否定したかった・・だが、無情にも俺の目にその光景が焼き付いてしまったのだからしょうがない・・・・。

静まり返るギャラリーから、クスっと笑い声が聞こえた。それをきっかけに徐々に笑いが周りに伝染していった。呆然としていたモヒカンも笑い声で我に返り、慌ててズボンを上げた。が、時既に遅し・・・騒ぎの中心は笑いの渦に巻き込まれていた。倒れていたルトが俺の後ろに慌てて隠れた。モヒカンが俺達を見る。


「・・・・・・・・・・・・キサマラ・・・」


「「・・・・・・・てへ☆」」


そして、冒頭に戻る。


――――――――――――

――――――


「はい!以上、回想でしたーーーー!」


「誰に言っとるんや!?あ、アキラ右や!右!!」


ルトに言われて右に曲がるとそこは・・・・行き止まりだった。マズイ!と振り返ると、モヒカン達が立ちはだかっていた。じりじりと近づいて来るモヒカン達。赤色もモヒカンが口を開いた。


「さっきの落とし前は付けさせて貰うぜ?なぁ?」


「何言ってんだ!テメーのズボンを下げたのはコイツだ!!コイツだけ殺れ!!つーか、テメーもあんな恥ずかしいパンツ穿いてんじゃねぇよ!!キモいんだよ!!」


「アキラ止めて!火にガソリン注がんといてや!!頼むで!あのパンツはきっとお母さんの形見なんや!せやで、穿かなアカンかったんやっ!!」


「何、人に設定付けてんだよ!!母ちゃんの形見じゃねーよ!!俺の母ちゃんピンピンしてるわっ!!」


「さっさと死ねモヒカン」


「殺っちまええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」


「アキラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!(涙)」


向かってくるモヒカン達に受けてたとうと構えた時だった。


『         う  る  さ  い          』


何処からか声が聞こえたと同時に、周りから色が消えた。


「何だ・・・・これ・・・」


「アキラ!モヒカン達が!!」


ルトに言われてモヒカンを見ると、奴等は俺達に殴りかかる格好で固まっていた。瞬きさえもしていない。もちろん、モヒカンからも色が消えていてあのカラフルなモヒカンさえも灰色になっていた。兎に角、逃げられるチャンス!


「考えるのは後だ、逃げるぞ!       っと、その前に・・」


「何するんや?アキrのわあああああああああああああああああああああ!!」


俺は固まっているモヒカンズに小説では書けない、アニメではモザイクが入るであろう格好にすると路地を出た。あれで、社会的抹殺は出来ただろう。何やら、ルトが青ざめているが気にしない。しばらく走り足を止めて歩き出した、俺達。


「何や・・・怒涛の一日ってこんな感じなんやろうか・・」


「話し掛けたのが運の尽きってな?」


「でも、騎士団にあんな事出来たんは良い思い出かもしれんなぁ」


「どんな事かなぁ?」


「そりゃ、ズボンをだn・・・・・・・・・・・・」







    

















           ――――――――――――――――




     勇者科1年G組『三ノ宮昶』ならび『ルト・ガルト』の二名は


    

         一週間の補習追加・トイレ掃除をするべし。


                

                



        学科総主任 イズル・フィフラート



          ―――――――――――――――――――









「学科総主任!?マジで!?」


「マジだよ~~」






後々、あの声がキーワードに・・・・・・なってくれると良いな(笑)


ご感想など、お待ちしてまーす!!

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