第六話:to the sky・・・・・(笑)
今回は短めです。
コツコツ頑張るんで、感想などよろしくお願いします。
『おい、アレって・・・イオラ様じゃねぇか!?』
『え!ウソ!!あの大勇者イオラ・グラン・ド・バリエ様!?』
『うおーーーーー!!すげぇ!!本物だ!!』
イオラの登場にクラスの奴等が騒ぎ出す。中には黄色い歓声をあげる女子まで居るが・・・確かに、イオラは顔だけは綺麗だと俺も思うが・・・何?そんなに有名なのか?
「イオラ様、どうしたんですか?」
「ふん、どっかのバカが逃げてないかのチェックとコイツを持って来た」
イオラはそう言い残すと教室から出て行った・・・扉を蹴り飛ばして。最後のは要らないだろ!!イズルは手渡された紙の束を見つめている。よく見ると裏側に『企業秘密!』と書いてあるが、そんな物ココで渡すなよ・・。兎に角、いつまでもココに立っている訳にもいかないので自分の席に座ろうとした時・・。
「ちょっと自習しててね!!」
慌てたようにイズルが飛び出して行った。この学校は・・この学科は飛び出すのが好きだなぁ・・。前から二列目の席が確か俺の席だったな?取り合えず、席について一息ついた。今日は朝からファンタジーな体験の連続で精神的に疲れが溜まってるんだが・・・。
「なぁなぁ、えー・・・三ノ宮言うたっけ?」
突然隣の奴に声を掛けられた。横を向けばへらっと笑った男がいる。青色の髪に水色の目完全に異世界の住人って奴なのに――
「自分えらい目におうたなぁ。あの赤い髪の奴はカガト・ランジスタ。学年主席のエリート中のエリートや・・・ただし欠点が一つあってな、イズル先生のことになると誰しも構わず噛みついとる奴や・・」
なぜ・・・関西弁!?見るからに異世界オーラをかもし出しているにも関わらず目の前の男は流暢とは程遠い似非関西弁を使ってる。この世界にも関西弁はあるのか・・・ハッ!そうに違いない!!
「あっ、俺の名前はルト、ルト・ガルト。よろしゅうな!!」
「俺は三ノ宮昶。ちなみに昶でいい・・・なぁ、ルト・・・」
「何や?アキラ?トイレか?」
俺は自習という名の休み時間になった教室を見渡した。クラスの殆どの奴は隣の奴との雑談や宿題らしき物のチェックをしている。後ろを見れば、あの赤色・・基カガトが回りに注意しまくっている。ハッキリ言ってお前が一番うるさいだろうが・・。今、このクラスには生徒以外は教師も何も居ない。
「トイレに流されたいのかクズ」
「うわー、まだ会って間もないのにこのツッコミ・・・何でや・・」
「話を戻すぞ・・・ココは何階だ?」
俺の質問に『は?』と言ったまま固まるルト。コイツには関西弁しか通じないのか・・。いや、似非だけど・・。フリーズしたルトの頭に近くにあった教科書らしき本を叩きつける。バンと鈍い音がしたが、そのおかげでルトの思考も正常に起動し始めた。
「急に何を聞き出すと思ったら・・・ココは確か・・・二階やけど・・」
「よし、行くぞ」
「はい!?ちょっ、どこにや!?」
ルトの返事を聞くと同時に俺は走り出した。もちろん、ルトの襟を掴んで。後ろから怒鳴り声が聞こえる・・多分、カガトだな・・。カガトの怒鳴り声を無視して俺が目指すは、青い空と白い雲がよく見える―――――窓。
「アカン、アカンって!アキラ!!そっちは窓やっ!!」
俺の向かう先にいち早く気付いたルトが暴れだした。だが、ココで道ずれ・・早速出来た友達を放す俺ではない。スピードを上げ、勢いよく窓枠に足をかけ飛び出す。
「アカンてええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「ばいびー☆」
一瞬の浮遊感の後に俺達の身体は地面へと落ちて行った。幸い、下には藁が積まれていた。ボスンと藁の上に落ちる俺とルト。身体を調べるがどこにも以上は無い。無事着地したみたいだ・・・良かった良かった。
「なんでワイ・・・転校して来たばっかの奴と窓からダイブしてるんや・・」
「コレが運命って奴だよ、少年・・」
一度はやりたかったシーンを入れてみました。
新キャラも出てきていよいよ本格始動って感じですね・・・。