雑文童話「本当は空を飛べるけど、飛ばない事にしたドラゴンのお話」
そのドラゴンはいつもひとりぽっちだった。
まぁ、それも当然で、そもそもドラゴンは種として数が凄く少ないのだ。正確なデータはないが多分世界中探しても2桁いないと思う。
ならば絶滅危惧種なのかと言うとさにあらず。そもそもドラゴンは最強且つ長寿なので33万年の昔から数が減りもしなければ増えもしていなかったのだ。
とは言え、そんなドラゴンでも100万年単位では世代交代は起きる。そう、なんとドラゴンの発情期は33万年毎なのだっ!
すごいぞ、ドラゴンっ!もしも中学生男子が異世界に行ってドラゴンに生まれ変わったら絶対泣くっ!そらもう、絶望して死んでしまうかも知れない。いや、体はドラゴンでも中身は中学生男子だから人間の女の子を追い掛け回して気を紛らわすか?
だが、それはそれで迷惑な話だ。何故ならばドラゴンはとてつもなくデカイのである。まぁ、個体差はあるらしいが、普通にキリマンジャロ山くらいの大きさがあるそうだ。
因みにキリマンジャロ山の大きさは各自でグーグル先生に聞いてね!
はい、調べましたか?うん、デカイでしょう?そんな大きさの生物が女の子を求めて町にやって来たら比喩ではなく本当に一歩で町はぺしゃんこです。
多分333km向こう側をドラゴンが歩いていたら地面が揺れます。33kmならば震度6強は確実だ。
だけど驚けっ!そんなドラゴンだか、なんと空を飛べるのだっ!しかもその方法は『羽ばたき』であるっ!
オーマイガーっ!止めてくれ、想像もしたくないよ。だってドラゴンってキリマンジャロよりでかいんだぞ?
そんな巨大なやつが羽ばたくだと?それってカデゴリー5の台風よりも強烈な風を巻き起こすんじゃないのか?
うん、多分ドラゴンの直下では毎年米国のカンザス州を襲うハリケーンがそよ風に感じてしまうくらいの暴風が吹き荒れる事だろう。
いや~、ドラゴンってまさに災いの塊だね。ちょっと歩いただけで地震を起こし、飛べば巨大台風なみの被害を撒き散らす。
と言うか、じっとしていても膨大な範囲を日陰にするから日照問題が発生するはずだ。
うん、まさにドラゴンとは『生まれてきてゴメンナサイ』的な生物なのである。
だが、かなり昔にひとりの中学生男子が別世界からこちらの世界へ転生してきた。
そしてその男子生徒は異世界転生・転移の間にて女神に「生まれ変われるのならばドラゴンにして欲しい。」と願い、女神はその願いを承諾した。
なので晴れて男子生徒はドラゴンの精子に生まれ変わりその時を待ち続けたのである。
うん、先にも言ったがドラゴンって滅多に異性と出会わないし、そもそも発情間隔が33万年なので待機時間が長いのです。
しかしこの男子生徒は運が良かった。なんと今を遡る事3千333年前に一組のドラゴンカップルが成立し、男子生徒はめでたくメスドラゴンの卵子へ向かう旅に出発する事になったのだ。
しかしメスドラゴンの卵子を狙っていたのは男子生徒だけではなかった。そう、数万、数百万のライバルたちが一斉に卵子めがけて突撃していたのである。
まぁ、その競争場面を書いているとお話が進まないのではしょるが、女神の加護もあって、中学生男子は一番で卵子のお部屋に侵入する事ができた。
その後、中学生男子は卵子のドアを戸板で塞ぎ、他の精子たちが入って来れないように防御する。
そして卵子の中で待っていたXX染色体であるラン子ちゃんとチュッチュしまくるのだった。
いや、実際には中学生男子はラン子ちゃんに取り込まれてXY染色体遺伝子情報だけになっちゃうんだけど、まぁこれもまた話すと長くなるので省略だ。
そして今から3千年前、333年もの長い受精期間を経て中学生男子は待ってましたとばかりに卵から孵化し、ドラゴンとしての素敵なやり直し人生をスタートさせたのでした。
そう、知っている人は知っているだろうが、なんとドラゴンは卵生なのだっ!つまり爬虫類っ!多分恐竜の親戚っ!なので変温動物っ!そのくせ、何故か口から数万度のブレスを吐き出しますっ!
で、そろそろ気づいた人もいるだろうが、ドラゴンって寿命は長いせいもあって成長スピードが馬鹿みたいに遅いのです。
なんと人間の中学生に相当する体になるまで3千年かかります。つまり漸く中学生男子は精神的実年齢とドラゴンの体が一致するようになったのである。
そして中学生男子と言ったら体はまだ大人ほどにはなっていないが精神的には生意気なやんちゃざかりである。
なのでドラゴンとなった中学生男子は盗んだバイクで走り回ったり、夜の学校の窓をバットで割りまくったり・・はしなかった。
そらそうだ、だってこっちの世界にはバイクなんてないもの。学校の窓だってドラゴンならばバットなんか使わなくてもひと蹴りで学校ごと破壊できるもの。
つまりドラゴンとして遊ぶんだったら『ゴジラ』的な行動しか他にやりようがないんだよね。
いや、ゴジラだったならば強敵と書いて『友』と呼ぶライバルが遊んでくれるのだけど、この世界ではドラゴンと遊べるサイズの生物はドラゴン以外いない。そしてドラゴンは絶対数が少ないのでまず巡り合わないのだ。
だが、そのドラゴンは姿こそドラゴンだが中身は中学生男子だ。なので性的嗜好の対象は人間の『可愛い』女の子だ。故にドラゴンは南のリゾート地の海岸で人間の女の子をナンパすべく、トコナツのピーチに向かおうとした。
だが、生憎とドラゴンが生まれた育った場所は巨大な大陸のど真ん中だった。なので海岸線までは3万3千kmも離れている。
さすがにこの距離だとドラゴンの巨体をもってしても歩いてゆくのはダルい。そこで中身が中学生男子なドラゴンは閃いた。
「歩くのがかったるいのならば飛べばいいじゃんっ!」
そう、なんとドラゴンは巨大な癖に空を飛べるのであるっ!・・多分飛べるはずだ。飛べるんだよね?
まぁ、何事も挑戦なくして対価は得られない。
なので中学生男子は初めて背中に折りたたんで収納していた翼を全開にしてみた。
するとどうだろう、なんと差し渡し333『km』にはなろうかと思われる立派な翼が開いたではないかっ!
うん、この大きさの翼ならば如何な巨大なドラゴンでさえ確かに空を飛べるかも知れない。
いや、飛ばないで下さい・・。だって333『km』の翼だよ?それが羽ばたいたらどうなるかなんて火を見るよりも明らかでしょう。
しかし思春期の中学生男子にそんな事を諭しても聞く耳は持っていない。なのでドラゴンは飛翔の勢いをつける為に脚を屈めて筋力を爆発させる準備に入った。
だが、その時ドラゴンは足元にふたりの女の子がいる事に気付いた。どうやら女の子たちは病気のお母さんの為にもぎたてものトウモロコシを病院へ持ってゆく途中だったようだ。
そしてこのままドラゴンが飛翔したらその女の子たちはお母さんよりも早く、比喩的にも物理的にも遠いところに言ってしまうはずである。
その事を解したドラゴンは葛藤した。
「僕は飛びたいっ!そして南のピーチで女の子の水着姿を堪能したいっ!そうっ!僕の翼で風を起こせばポロリハプニングを誘発する事くらい昼飯前で、北風が太陽に負けたのは根性が足りなかったからだっ!だが僕ならば出来る。出来ると信じて強風を送れるっ!」
いや、強風云々の前に女の子たち自身が吹っ飛ぶわいっ!そんな事も判らないのか、お前はっ!
だが、私の突込みを聞くことが出来ないドラゴンは更に自問する。
「しかし、この僕の望みを実現させると、今僕の足元にいる女の子たちを吹き飛ばしてしまうおそれがある。それはそれで由々しき事だ。あーっ、飛ぶべきか、飛ばざるべきか、それが問題だっ!」
どこでネタを仕入れたのか、ドラゴンはハムレットをパクって葛藤した。そんなドラゴンを見かねたのか、どこかの女神様が助け舟を出してくれた。
「その女の子たちを乗せて、まずは病院へ行って降ろしてから南のビーチに行けばいいじゃない。」
さすがは女神様である。解決方法が斜め上だ。そもそもドラゴンはその巨大さからちょっと間違えただけで女の子たちを踏み潰しかねない故に悩んでいたのだ。
更には仮に女の子たちを無事に乗せる事が出来たとしても、今度は病院に近付いただけで多分病院が瓦解する。そなん事になったら女の子たちは泣いてしまうだろう。
だが、ドラゴンとは究極の反則生物である。なんとドラゴンは魔法が使えたのである。なので女神様のアドバイスを聞いて魔法にて自身のサイズを大型バスくらいにまで小さくし、尚且つ腹の部分をバスのように変化させて女の子たちに乗るよう促した。
うんっ、ここまで説明すればもう判るであろう。そう、ドラゴンは『ネコバス』ならぬ『ドラバス』に変身したのだ。
勿論額の部分には行き先案内板があり、そこに書かれている行き先は当然『七国山病院』である。
かくして女の子たちを乗せた『ドラバス』は風を切って夜の空を疾走した。勿論サイズが小さくなったのでもう病院を壊す心配もない。
そして病院で女の子たちを降ろした『ドラバス』は今度は南のビーチ目指して飛び去ったのであるった。
だが、現地に着いたドラゴンは悲しんだ。うん、もう夜中なので南のビーチは誰もいなかったのである。
いや、ドラゴンよ。お前何万年も生きているんだろう?ならば一晩くらい我慢しろよ。と言うか、そもそも体のサイズを小さく出来るのならば人にだって変化出来るんじゃないのか?何故にその事を思いつけない?
まぁ、恐竜はその巨大さ故に尻尾を踏まれてもその情報が脳に達するまでに時間が掛かったかも知れないなんつう説もあるからな。
ならば更に巨大なドラゴンがお馬鹿キャラでも仕方ないか。
因みにその後のドラゴンは南のビーチで女の子専用の飛行アトラクション屋として商売を始めて、お店は結構賑わったそうだ。
成る程、視覚よりもふかふかの椅子から伝わる女の子たちのでん部の感触を味わう事に喜びを見出したのだな。
ははは、さすがは中学生男子である。考え出すエロがぬるいぜっ!
-お後がよろしいようで。-
しまった・・、タイトルを回収するのを忘れていた。うん、途中で話がずれちゃったんだね。
まっ、勢いで書くとこうゆう事も起こるよな。失敗、しっぱい。




