表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/70

霧深き沼の支配者

霧がいつもより濃く感じる夜。

沼地の水面が微かに揺れる音だけが、静寂を破る。


私は静かに立ち、周囲を見渡す。誰もいない。

人間たちは相変わらず、恐怖と欲望に振り回され、願いを求めては、代償に怯えている。


「また来るのね……」

独り言のように呟きながらも、心のどこかで楽しみでもある自分に気づく。


遠くで、何かが水を蹴る音。

ヒールでも靴音でもない、自然の音とは異なる微かな気配。

私は素早く霧の中へ足を踏み出す。

目には見えなくても、気配は確実に私の前を横切る。


瞬間、私は魔力を解き放つ。

小さな水面が一瞬で波立ち、霧が渦を巻く。

空気が振動し、夜の静寂は破られた。


「……逃げられると思っているの?」

声は届かなくても、全てを圧倒する力で相手を追い詰める。

霧の中で、存在感だけが私の支配を告げる。


しかし相手は怯えず、逆に挑むような気配。

「ふふ、面白いじゃない」

その瞬間、私は笑う。人間たちが愚かだと思っていたその感情に、少しだけ心が動く。


霧の奥で、私は静かに微笑む。

人間たちの願いも、恐怖も、今日も私の手の中にあるのだ。

次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ