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03 ビリダマ「主人公レンジの特技」


「緑化にあたって必要な魔法は、3種類かな……」


 風力となる風魔法。川と湿地のための水魔法。電力となる雷魔法。

 風、水、雷魔法の順に消費する魔力が大きくなる。


「まず電気だ。通常なら風力発電機を立てるために硬い岩盤を探すんだが──そんなものここら一帯には見当たらないねぇ」


 風力発電具を現段階では設置できない。

 土壌が毒素に侵されている上に、地中に埋もれる死体もある。腐乱死体は日を追うごとに腐敗と分解が進む。


 きちんと火葬もせず遺体を埋葬すると異臭が発生する可能性がある。 また浸水しやすい場所は遺体の分解プロセスで発生する菌や害虫などにより水質汚染の可能性もある。


 電気そのものを発生できるのが雷魔法だから。先ずそれを使う。


「電力の玉を範囲ごとに地面から浮かせて設置しようか」


 魔法の使い方は天空で過ごして講習を受けたので既にものにしている。あとは自分を信じて安全に取り掛かれば良い。


 準備スキルを頂いた。

 アイテムボックス機能となる『収納魔法・ムゲン』を習得済み、初解放。

 一応、魔法だが魔力消費はない。名の通り無限に近い許容量がある。太陽系が1つ収納できるほどだと講習を受けた。


「ウキウキしてくるのう。なんでも入るやないか……」


 これといって何も入れる予定はないが。

 収納に蓄えた魔道具をいくつか取り出して傍に置き、準備を整える。

 それぞれの魔道具には対応する属性魔法を注いでおかねばならない。


 魔法注入完了。


「うん、これで良し!」



 早速作業を開始する。


 さて腐蝕した大地を生み出し、有機物に豊んだ土壌を形成する。

 それには──


 雷魔法を螺旋状にボールのように丸めて置く必要がある。

 先ず1つ。これを『雷玉(ビリダマ)』とでも名付けようか。


 雷自体を無造作に固めておくと電流が空気中の水滴を伝いスパークが起きてしまうこともある。


「放電するにはまだ早いんやわ」


 エネルギー体として維持するには、リンゴの皮を途切れることなく剥いた様な球状の形を作り、その場に止めておく。地上から10メートルは上空に置いておきたい。

 地面からも先行放電がある。プラスの電荷が上昇すれば両者の繋がりで上に向かって巨大な放電が走る。稲妻のことだ。そして落雷に発展すれば、そのダメージで大地の治癒が失敗に終わってしまう可能性がある。


 だが魔法なので雷電の下部に負電荷が蓄積されるのを防ぐために雷を一定の細い紐状に変化させ、螺旋状且つ球体の雷玉(ビリダマ)にしておくのだ。


 

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