【第7話】KILL・WORKS
サブタイトル:佐藤覚醒
あの日を皮切りにパージコーポレーションは
体制を更に強化して行った,,,1ヶ月後,なんとか
切り離された腕は合着に成功した,余談だが
目黒先輩は義手をすると思って内蔵する
兵器を考えて居てすげぇ落ち込んだ。
ちなみにだが迅速な処置があった故に
本来は致命傷に値する脇腹の傷を止血して
鉄斎さんは僅か3日で退院してみせた,いや
老人の治癒力じゃねえ。
この1ヶ月の間様々な事があった,依頼失敗に
伴いパージコーポレーションが付いて,
契約を取り,なんとあの鉄斎殿率いる
構成員13名から成る傭兵団生者と言う
平均年齢が128前後の人たち皆が仲間
となった。
場所は変わる,そこは小森と噴火から形成された矮小な山の下,分厚いコンクリートと鉄骨から
形成された地下のボーリング施設があった。
「退院祝いに地下のボウリング場ですか?」
「あぁ,貸切だよ〜」
社長は言う。
「じゃあ早速皆で楽しみましょ!」
「え?あんた誰⁉︎」
全くの他人がそこに居た。
「(180cm,150kgはあるなぁ)」
「社長のお知り合いですか?」
「いやわしは知らん」
次の瞬間惨劇を目の当たりにする。
「あちゃ〜手加減をしたんだがなぁ,難しいな,
手加減ってさ」
「あぁぁ,,,」
若手のパーコレ従業員の二人の頭を
右の腕左の腕で握り潰して居た。
「テメェ!」
「チャカ出せや人間ども」
「まるでお前が人間じゃあ無いみたいに言うなぁ!」
次の瞬間,爆発的な力が飛ぶ,が。
「っな⁉︎」
「目黒先輩の一撃を顔面に直撃してへこまない
どころか,何も感じてない,表情一ついや,眉一つ動いちゃいねぇ⁉︎」
「まだまだだぜゴラァ! 」
二発,三発とまじの拳を人柱全ての弱点部位に
両拳が骨折してしまう程殴る,殴る,部位鍛錬や
筋トレを欠かさずやるあの目黒先輩の骨と
肉が通用しない,常人なら掠るどころか風圧
だけでも間違いなく致命の一撃だぞ。
だが。
「はぁ,つまらん」
あり得ないタフネス,あり得ない肉体,あって
いいはずが無い程のフィジカル。
「なら次は俺の番だぜ,だがその前に謝罪させて
くれ」
「謝罪?」
「この二人だ,こいつらはなぁ潜入してお前達の
パージコーポレーションを内部破壊しようと
して居た工作員だぜ」
「はぁ⁉︎」
「まさかそんな」
「まぁそうだよなぁ信じ難い話だが,
自己催眠していたから気づけなかったんだ,
とにかく喋らないで殺害した事を詫びる」
殺気なく発せられた言霊には嘘偽りや
あまつさえ自己催眠と言う歪な幻もなかった。
「2週間と3日前に結成された組織がある,
バトルオーガナイゼーションと言う,私は
そこを結成する際に初めから居た初代に
値するメンバーの一人,バトルプロの
バッハと申す」
「あんた方とやり合ったバトルエリートの
アイデアだが私と彼の二人で結成した」
「は,はぁ」
「そこでだ,あんたらと契約したくてなぁ
手切れ金はこいつらの魂だ,2体の自己催眠者
どもの殺害がそれだ」
「代表取締役,あんたと直接話に来た」
「ふむ,,,話を聞こうか」
次の瞬間,二人の大物の気が混じる,地震が
まるでそれに呼応するように発生する,
震度は8,あまりにも強いが瞬時に停止する。
「邪魔だぁ!」
バゴーン!えげつないパンチが地にクレーターを
形成すると同時に地殻変動に近しい地震は
揺れる事を躊躇う。
威圧感だけで押し潰れそう,失神する奴らすら
出てくる,殺気にすら見紛う覇気,目黒は
余力なしだがやる気あり,折れた拳で
タフネスだけで殴る。
「ガァァァ!」
「フン,少しお痛が過ぎちゃった様だな,精神性が
あまりにも狂気に塗れた男よ,少しばかりでは
あるが本気を出してやる得と見て天を仰ぎ見よ」
瞬間周囲には異様な熱が走る。
「(なんだよこりゃ,あいつドンドン巨大化
してやがる⁉︎違う圧縮されて居たんだ,
もしやミスタチオ関連筋肉肥大なのか⁉︎
ならば納得だ体積に見合う質量に矛盾が無い)」
身長はミルミル内に275cmと巨人症にしか
あり得ない身長に,体重は700kgとあり得ない
質量を持ち出す。
「(張り裂けない程分厚くて硬い,,,皮膚線維症⁉︎
しかも骨,,,部位鍛錬すら超える硬さもしかして骨硬化症か⁉︎)」
「ウギギギギギィ! そこの君確か佐藤だったか」
「なぜ私の名前を」
「調べ上げて居るのだよ,ご明察通りだが,間節を除く全ての部位が厚く硬いのだよ,そして骨は
固くなるが痛くは無く筋力低下もない」
「人間兵器かテメェは!」
運動エネルギーを体内の血流の流れを,循環を
高めて,体温に合わせて膨張する熱暴走,
超人的な肉体が初めて成せる形態変化とも
呼べよう代物。
次の瞬間,完成した巨躯で大振りのパンチを放ち,熱エネルギーを音に乗せて放つ,その拳は
空気を押し潰す,実にして時速563 kmを
超える速さ,拳は燃える。
「炎放射器⁉︎」
「残念拳だ!」
自然発火すらするほどに高まった熱,まさに蒼炎が如し火柱が如し。
「我はこれを臨界突破と言う」
平均して170cm体重が70kg前後の模範的一般的な人間が幾百人居たってゴリラや熊には勝てない,だがそんな野獣が幾百体居たって目黒先輩には勝てない位,強く動物には比較可能な生物が
居ない程強い,だがこの男はもっと強い。
「サイいやダメだもっと,トリケラになる!
激突進!」
「象形拳の一つの武技かな?だがね佐藤くん
残念だがあまりにも軽,,,む?」
不可抗力の拳,腕が勝手に動くほどに武闘家は
日々鍛錬し続ける,無意識に打ち込む死角の拳。
「(爆発的な力を出すには重さだけではなく,
速さが重要だ)」
格闘技において彼は常に成長し続ける佐藤には
態々身体が勝手に動く程は必要なくそれを
振るえる。
「(他者が得た特別,特徴的,独自の力を収集する
理論上自己を無限と強化可能な身体,進化,成長,感情的にそれは覚醒,それら物理的に肉体,
精神を超越して飛翔を永続的にアベレージを
上げ次元を繰り返し続ける,象形を模倣を,それは究極の力でありその性質上最終的には単なる
オーラですら生き物を殺せる人間と化す,,,
バトルエリートの都市伝説は本当だったか)」
「佐藤くんどうだ,僕らのバトルオーガナイゼーションに入らないか?高待遇を約束するよ」
「おっと引き抜きは契約違反だぜ」
「代表取締役,あんたに一体なにが出来る」
「煽るねぇ凡夫が」
「は?」
次の瞬間,バッハの顔に切り傷が出来る。
「,,,テメェが何したか理解してんのか?なぁ!
地獄のどん底まで突き落としてやる!
首だけになろうが刺し違える覚悟だからなぁ,
死ねよ,いや偶発的,偶々なんか分布相応だな,
殺すと言う必然性が居る,お前は生きる価値に
値しない,塵芥素粒子すら残ると思うな
霊体すらバラバラにして死霊ですら無くなる,
お前の生きた痕跡や証拠,友人関係や家族や
先祖に至るまで情報を調べ上げて全て
根絶やしにしてやるからなぁ!!!」
「良くキレる凡だなぁ」
次の瞬間大咆哮が聞こえる,クジラに等しい
音波が反響して地下の建物が揺れ動く。
「水泳に加えて吹奏楽まで嗜んでいてな!
特注の鉄風船を破るまで膨らませるのに1回の
呼吸で十分,,,ハァァァ」
息だけで微竜巻が巻き上がり一部が局所的に
真空となる。
「シュシュ」
「ガハ⁉︎」
「なぜ俺にダメージが」
「弱点が見えない筋肉なら,隙間を突いて弱点に当てるまでだ,レイピアの刺突技術を学んで
よかったぜ」
「クソ」
少し前の話し。
「俺になんか用事か?」
「鉄斎さん,私はあの時にあいつが使って居た
回転を使いたいです」
「何⁉︎あの速さを見抜けて居たのか,常人なら
腕を引っ張って引きちぎったくらいにしか
見えない鞭の先端よりも早いあの速さを」
「体をくるりくるりと捻りあげるあれを」
「高い遠心力と体幹と締め上げる拘束力に
加えてしなやかな柔軟性が必要な高度な
技術そして何より遅筋の持久力と速筋の
パワーが必要なのは気づいてますが軸が」
「なるほどへそだなじゃあ」
「へそ?」
「丹田トレだ,腹式呼吸の真逆をやるんだよ」
「ふむふむ」
今に行く。
「あの速さに視力が適応してデスロールを
模倣仕切る演技力,佐藤くんなら」
鉄斎は祈る。
「遠心力を意識して,2万RPMレベルにまで
引き上げる!」
腕を刈り取りに行く,,,だが。
「雑巾搾りかな佐藤くん,よくやるもんだが
僕は無痛なんだよ,さよならだ!」
神経が生まれつき特殊なのだそして腕を振りかぶる。
だがだが。
「それだけだと思ったか?」
「何ぃ⁉︎」
ピント・オブ・フォーカス
必中する技術,対象に対しての未来予測による
ものとは格別のもの,反射神経と運動神経を
極限まで鍛えて,冴えさせた覚醒状態であるのが
前提条件として聴覚,触覚など完璧な空間認識を
持ち蟻の動いた地面の衝撃や雀が羽ばたいた風圧すら感じる皮膚,遥か地平線の先で針先ほど
に小さな物体が落ちる音をはっきり聞こえる程になって初めて足元に来る,超簡単に言うと
相手が打った場所,角度,方向に合わせる形で
後から動いて先に当てるとか言う超脳筋力業。
心臓部にドリルの様にとんでもない遠心力と
推進力の蹴りが入る,だがだがだが。
「プレートを内蔵してやがるのか⁉︎」
「はぁはぁはぁそうさ,貴様の様に弱点をつける
やつもいるからな,,,はぁっはぁっ,悪かった
悪かった,こうさんだ,それより」
ボーリング場は滅茶苦茶となって居た,いや
なんなら目黒先輩の敗北から臨界突破時に
移行する際に既に地下の一部はコンクリに
ひびを割り鉄を破き小山と森がぐちゃぐちゃになり地下は崩落であったんだ。
「これさぁ,誰が賠償金払うよ」
「いや山の下に建てられた違法建築だし
大丈夫だろ」
「マジか」
こうして意味不明なバトル?は
終わった,後日目黒先輩は拳を治すために
また2週間休んだ,その後に再パーティが
行われた。
代表取締役こと社長とバトルエリートの
対談を終えてパージコーポレーションと
バトルオーガナイゼーションは締結したの
だった。