第99話 ショッキングピンクの大放出前に
あれ? 目をこするが違うよなぁ~なんかわからんけど、あかんかなぁ。
まぁ、つついてみるか。
「ん~で、へーメラーさんはクロートーの近衛騎士兼、お姉さんになったってこと?」
「そうですわ! 私の趣味を理解してくれる、お友達にもなれると思いましてよ」
「へーメラーさん、悪いとは思うけど俺は信用出来ないよ」
「なっ! 何を言いますの! こんなに親身になってくれる方なんていらっしゃらないわ!」
「私も何か引っ掛かるものがあるんですよね~」
「まりあちゃんまで!」
ステータス霞んでるところあるよな。
あります。ユタさんが言ってから気が付きました。
嘘っ! 本当だ······
クロートーはまだお姉さんの見方してて、どうなってるのか考えるよ。
はい······
ナビ、魔道具は?
『変わったものは持っていないのですが、アイテムボックスの中身は異常者ですね』
異常者?
『毒を含む薬、爆発物、暗器、拷問道具、それに遺体が多数』
はぁ、ナビ、へーメラーさんの身体以外全部ポイントしてホコリでも何でも体内の物も全て人の身体以外ね、アイテムボックスの中身も全て。
『わかりました、ピンクの首輪も用意しておきます』
了解、皆、神眼で見落とし無いように。
はい×6
「へーメラーさん、自分から何をしているか白状する気はないかな」
「何の事だか」
「アイテムボックスの中身が見えたとしても?」
「なっ!」
お姉さんが動こうとしたので、収納!
裸になったお姉さんを見ると文字化け!
シュ
ショッキングピンクの車輪型封印の首輪をはめた。
シュ
「なっ! なぜだスキルが! 魔法も?」
「王命である! お姉さん動くな!」
「ぐぅ!」
お姉さんは、扉の方へ向きを変えてる途中で止まっている。
「そのまま質問に嘘、偽りなく答えよ! 俺達に対して、いかなる方法を用いても害することを禁止する、永続である!」
「お姉さんは何者?」
「普段は、へーメラーを名乗るが、 だ、この星では発音できない、この星ならへーメラーが1番発音が似ている、外の世界から来た」
シロシロこんなん来てるぞ!
『何こいつ!』
湖のダンジョンのラスボスもこんな文字化けやったけど
『あり得ないわ、次元渡り? でもそれならこの世界の文字で表記される、でもこんな神眼で文字化けするなんて私の結界を知られず突破出来るってこと?』
こっちに来た時のダンジョンのラスボスも文字化けしてたな。
『そんな、ここへ来た手段と、目的を聴いて』
了解
「お姉さんのここへ来た手段と、目的、湖にいた魔物との関連は?後、他に仲間は?」
「手段は、魔道具の結界無効を使い転移してきた、目的は、この星への厄災の廃棄と監視、関連は、その星にあるダンジョンで1番深いダンジョンに廃棄した私の星の魔物、4人いたが地球という星に入った瞬間に厄災と共に死んだ、だから3人だ」
だそうだぞ。
『そんな、私の管理する世界の生物が存在する星の数と一緒······』
もう1個あるならそこにも厄災がいるはずやね、ん~倒す?
『お願い、その星もダンジョンあるし』
了解、後、何聴くかなぁ
「仲間との連絡とかはしてるの?」
「いや、連絡手段は無い」
無いのか、せや
「転移で仲間のいる星へ行った時は、仲間の事場所とかわかるの?」
「私達は個別の発信器を持っている、その発信元を探る受信機があるのでそこへ転移する」
ナビ、そんなのある?
『私には、分からない魔道具になると思いますので、4個ポイントしますね、出して聴いて下さい』
了解。
俺はテーブルの上に魔道具を出した。
「この魔道具の使い方は? 右手だけ動かして指差しながら指差した魔道具についておしえて」
「これは」
1番右の魔道具を指差し
「発信器」
その横の魔道具を指差し
「受信機」
その横を指差し
「結界無効」
最後に
「認識書換」
『ありがとうございます、シロシロ様、こちらの文字に変換出来ますか?』
『任せて! ほいっと! うん! この掛け声良いね』
『勇大様、これで検索出来ますからやっつけちゃって下さい!』
『そうよ! もう1つもナビに場所を教えておくからお願いね』
あはは、了解。
『後······』
わかってるよ、触って見るからこいつらの星ポイントしておいて。
『はい』
「最後に、アイテムボックスに入っていた死体は何?」
「暇潰し、冒険者も」
「ふ~ん、じゃあね」
お姉さんの肩に触れ
『ポイントしました』
「上に転移!」
パッ
死にましたね。
収納
「完了、とりあえずあっちの厄災は倒したから、監視者がどんな奴か探すか」
『いえ、既に倒して? ますね、世界最高峰で思い出すのでは?』
「ルアの所で氷漬けになってた奴?」
『はい』
「暇潰しにあの山に登ったの(苦笑)、それにダンジョンまで奪う予定だったとはね」
『それでどうします?』
『ユタが今やってるの終わったらその······』
「はぁ~行くに決まってるだろ、シロシロの大事な星なんだろそこも」
『うん! ありがとー!』
『それでこそ勇大様ですね』
「はぁ、まずは出ようか」
「そうですわ! そろそろ衛兵も、帰ってるでしょうし!」
「そんなに家が嫌なん?」
「冒険者をさせてくれませんでしたわ! 毎日お願いしていましたのに!」
毎日か(笑)
「なんとも可哀想な、ですね(苦笑)」
「やね(苦笑)」
応接室の扉を開け外に出る。
もう衛兵さんは帰ったようで通常? に戻っているようです。
カウンター内部から出ても呼び止めようとする者も居らず俺達は、冒険者ギルドから出た。
路地裏へ入り
「ナビ、もう1個の星の厄災を先に潰すよ、ダンジョン近くの街の表示お願いね」
『そうすると思ってました、受信機も準備しておいて下さいね』
「ああ、ちゃっちゃと終わらせて、ここの続きやってしまいましょう」
『うふふ、表示しますね』
「よし、皆いくか?」
こくこくこくこく
「ははっ、転移!」
パッ
「到着、んじゃ、一応冒険者ギルドに登録する?」
「賛成~!」×4
即答かい!
「あはは、じゃあ」
「屋台ですね(苦笑)」
「良いやん! 初めての街やん! 初めての星やん! 情報収集やん! いい匂いしてるやん!」
「確かに、美味しそうな匂いが」
「うんうん!」×3
「やろ! Let's Go!」
「Sir Yes sir!」×4
俺達は、よい匂いに誘われ大通りへ歩み出る。
左右確認、右からいい匂いが来るようだ。
匂いをたどり、行き着いたのは
「「ラーメン屋!」」
「ラーメン?」×3
そう屋台のラーメンだ!
シュ
シュ
「「5人前下さい!」」
「1つはネギ抜きで!」
「器はこれでお願いします!」
「らっしゃいっ! 5人前、器はそれね、ネギ抜きは1つで良い?」
「皆は大丈夫だよな?」
「は~い♪」×4
「1つで大丈夫」
「は~い、じゃあちょっと待ってね」
おっちゃんが麺を大きな寸胴鍋に、ほぐしながら放り込む。
「おっちゃん、冒険者ギルドってある?」
「おう、この通りをまっすぐ行けば門が見えてくる門のすぐ近くだ」
「ありがとう! 初めての街だから全然わからなくてね」
「ほお、この街にはダンジョン目当てか?」
「ああ、どんなダンジョンなの?」
「食材系だ、だからこの街は飯は最高だぞ、安くて美味い!」
「おお! それは嬉しいな」
「はい、美味しい物は正義です!」
「あははは、その通りだ! ほら、出来るぞ! 2500プルだ!」
「「あ! お金!」」
「おっちゃん魔石払いでも良いか?」
「なんだ、買い取りまだだったんだな、あははは!良いぞ、どんな魔石だ?」
「オークだ、ほいっと!」
オークの魔石を3個出す。
「おお、オークなら1000プルにはなるから大丈夫だ」
「ありがとう! お詫びにお釣りは取っておいて良いよ!」
「あははは! じゃあチャーシュー1枚ずつサービスだ!」
「ありがとうございます!」×5
すぐに収納して俺達は、微妙にカーブしている道を進んで行く。
10分ほど歩けば門が見え、近づくと立派な冒険者ギルドがあった。
入口をくぐり、やはり正面は受け付けカウンターである、そこに進み1人のおっちゃんが空いていたので、そこに突撃。
「冒険者登録お願いします! 5人ですパーティーも組みます!」
「はい、ではこの用紙に記入して下さい」
俺達は、それぞれ用紙に書き、アトロポスの分は俺が書いた。
「お願いします!」
「はい、確認しますね」
書き漏れがないか確認して
「大丈夫ですね、少々待ってもらいますね」
カタカタカタカタカタカタカタカタ
「早っ!」×5
「あははは、長くやってますから」
そう答えながらも
カタカタカタカタカタカタカタカタ
そして新品のギルドカードを魔道具に通していく。
「はい、登録完了です」
一人一人に渡してくれる。
「では、あちらに依頼が貼ってありますが、皆さんはダンジョンでしょう?」
「はい」
「では木札と、ダンジョンカードになります」
「スゴ!」×5
おっちゃんは既にダンジョンの依頼を登録してくれてあった。
「あははは、皆が最初に受け付けする依頼ですからね(笑)」
「ありがとう、報酬はいくらになるんですか?」
「ダンジョン攻略は、黒貨10枚、新ダンジョン発見は黒貨1枚だよ」
「ありがとう! 頑張るよ!」
「はい、お気をつけて」
冒険者ギルドから出た俺達は、路地裏へ行き、受信機を起動、タブレットみたいで1つの光が画面に現れた。
「これやね、皆、透明ローブを羽織ってね」
5着透明ローブを出し各々へ手渡し、羽織る。
「浮遊!」
全員で500メートルほど上空へ、タブレットの方向を確認して
「行くよ!飛翔!」
シュン!
3分ほど飛び光点の真上に到着、街では無いようだ。
そのまま降下していく。
「ユタさん6人パーティーのようですね」
「いや、6人パーティーがもう少しで通る木上にいるよ」
「ほんとですわ! 言われないとわからなかったですわ!」
「「うんうん」」
「ナビ、丸裸セットで」
『は~い♪ 女性ですし(笑)』
「違うからね、そんな意味では言ってないからね!収納!」
「すぽぽんぽんのぽんぽこです! 慌ててますよ(笑)」
「一応」
シュ
ショッキングピンク! 装着! ほいっと!
シュ
「ナビ、アイテムボックスの中身は」
『先程と変わりませんね』
「了解! 上に転移!」
パッ
確認して、収納!
「よし、監視者はいなくなったから、ナビ、ダンジョン表示してくれる?」
『は~い♪ ですが、下の方達放っておきますか?』
下を見ると盗賊? に襲われているやん! さっきの奴は見張りか何かか?
『盗賊ギルドですね全員で59名全員が殺人、強姦の称号持ちですね(苦笑)』
「丸裸はまずいかパンツだけ残して収納!」
下から
「きゃー!」×6
全員女性だったようだ。
シュ
ドドドド×59
ドサッ×59
シュ
「これで大丈夫やろ?」
『この先の村が魔物に襲われてますが』
「行くぞ! 飛翔!」
シュ
「オーク! ぶらぶらさせてんな!」
シュパパパパパパハ
シュパパパパパパハ
シュパパパパパパハ
シュパパパパパパハ
シュパパパパパパハ
シュパパパパパパハ
シュパパパパパパハ
パパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパハパパパパパパ!
「完了かな?」
『はい、大丈夫そうですね、ダンジョン表示しますね』
「ありがと、人がいるけど透明ローブやし、転移!」
パッ
「到着!」
「沢山いますね」
「ここはこの街の食料倉庫でしょうね、あの買い取り場で出されるのが、食材だけですわ!」
「ほんまや、肉、魚、野菜に、果物、調味料か! 塩や砂糖っぽいのも持ち込んでるぞ!」
「「食べ放題です!」」
「ところでこんなに喋っていて大丈夫ですの? 皆は気にしていないように通りすぎますけれど」
「クロートーちゃん、このローブは透明だけじゃなくて、声も、音も、匂い、気配まで消してくれる優れものなのです!」
まりあが我が事のようにどや顔だ。
ただのドロップ品やからね(苦笑)
「そうなのですわね! では! まりあちゃんの言っていたこっそり作戦の重要なアイテムですね!」
「その通り! ここまでの偉業を一気に」
「そろそろ行きますよ!」
「そうですよ! まりあちゃんとクロートー、ユタさんが生暖かい目で見てますよ(笑)」
「さあ! 行きましょう!」
「そうですわ! ゆっくりなどしていられませんわ!」
まりあとクロートーが人波を掻き分け······
ほんまに掻き分けてるやん!
皆は、"えっ?" って顔してるやん!
こけた女の子を立たせているけどその子も "えっ?" やからね!
ほら、おっちゃんがよろけてお姉さんに抱きついてシバかれてますやん!
従魔の狼が吠えてますやん! 野生の感?
そっちのおっちゃんはよろけて、屋台の鉄板に手をついて「アギャ~!」って言ってますやん! 回復魔法! ほいっと!
そんなこんなで、ダンジョンの入口へ。
大きい入口なので入る人、出てくる人が左右に分かれ流れが出来ている。
俺達は、中に流れ込む人の流れに紛れ込みダンジョンへ入った。
「フィールドタイプですね、さっさと行きましょうか!」
「だな、浮遊! 人のいない場所まで飛ぼう!」
「は~い♪ 浮遊!」
「ナビ、何階層?」
『839570階層ですね、またエレベーターでしょうか? 現在の最高記録は26階層ですね』
「その可能性はありそうだから、皆、神眼は忘れないようにね」
「は~い♪」×4
「Are you ready?」
こくこくこくこく
「get set」
ピクピク
「Go!」
シュン
俺達は、スタートダッシュをしたのだが、このダンジョン1階層にいた人達が口々に
「風が吹き荒れてヤバかったんだ!」
「そうよ! それで薬草が飛び散ってしまったの! 半日かかって籠いっぱい近く採取したのに! それが10階層からしか取れない果物が満タンになってたんだってば!」
「俺はその風が吹いた時に、ゴブリンに囲まれてたが、風が吹いた後は綺麗さっぱり、周りの魔物はいなくなっていて、命拾いしたぜ」
「俺は怪我が治っちまっんだよ! 本当だって」
「私達はそこの縛ってある奴らに襲われて、ヤられそうな時に風が吹いてこいつらが裸で気絶したんだ! 嘘は言ってないからね!」
「僕は剣が折れちゃって、後少しでゴブリンに殺られるところだったのに剣は魔法剣に変わるしゴブリンは消えて、魔石はなぜかオークの物だし!」
「こっちは宝箱の罠で、毒を受けたのに治ったし、宝箱には醤油が入っていたはずなのに、ミスリルのインゴットに変わってたんだよ! 食材じゃないのが出たの初めてだよ!」
俺は、私はと、その日のダンジョンは1階層だけでなく、潜っていたほとんどの者が、不思議な風と現象を体験したと、冒険者ギルドへ報告がされた、翌日に、とあるパーティーがダンジョン攻略したと発表されたが、パーティー名や冒険者の名前が発表される事は無かった。
「ここのダンジョン本当に人が多いですわ!」
「ほんとね~怪我してる人もいっぱいいたしね~」
「回復魔法の練習にちょうど良かったです!」
「それに女性を襲ってるのは許せませんわ!」
「腹パン出来て良かったね!」
「いなばちゃんって人が、ほとんどの腹パンしてましたけど(苦笑)」
「終わったら、釣りの途中でした! って帰っていきましたし(笑)」
「ユタさんと、まりあちゃんは採取のランクを上げてましたね」
「薬草を高級果実とか、ポーションをミスリルにも変えてましたよ(笑)」
「あっ! この先にもオークに囲まれたパーティーがいますわ! アトロポス! ラケシス! 行きますわよ!」
「「は~い♪」」
「なんか、目的忘れてるね」
「うふふ、ですね、じゃあ私達はオークの魔石をオークジェネラルに変えて(笑)」
「肉も特上に変えておこう(笑)」
その日のダンジョンでの犠牲者は、怪我人も含めて0だった。




