第93話 謁見、王様?いえ、鍛冶士です。
3人連れで中庭に出たが。
広っ! 魔道王国の家の何個分やねん! 金持ちの国みたいやけどデカいわ!
メイドさんは、お仲間達のメイドさんの所に戻り、俺は兵士長さんとなんだか舞台がある方に向かっている。
そこには既に確かに数千人いるよなぁ。
『2329名ですね。門にいた盗賊の人はこちらに回されたようで全て揃いましたね』
もう偽装の魔道具は収納してしまうか、収納!
「兵士長さん、偽装は解けてますのでわかるでしょ」
「はは、自分で見ると情けなくなるな、半数以上が盗賊とはな」
「王様来る前にやりますか?」
「いや、宰相らが一緒に来るからな、幸い近衛にはいなかったのが救いだな、近衛の団長には話を通した、授与で前に出て、あっちの広い所にシーサーペントを出して、皆が注目した時がスタートだ」
「了解、後、気絶させる奴らの魔道具も外しますが、もらっちゃって良いですか?」
「構わんが悪さはするなよ、止められんからな(笑)」
「あはは、可愛い悪戯くらいですよ~(笑)、城壁も後で直すので、見積もりの料金はちゃんとあの門兵に請求してくださいね」
「あはは、黒貨数枚になるな、一族郎党揃って返済させるさ」
「お願いします、来ますね」
「ん、所定の位置に着くぞ」
「は~い♪」
王様はなんと馬車でやって来ます。
歩けよ! ぷよぷよになるぞまったく。
大理石で出来たような石舞台に、横付けされた馬車から数名のおっちゃん達が降りてくる、最後が王様やね。
やっぱりぷよぷよやん! 石舞台に上がるのにも介添人が左右と後ろに。
高さが、2メートルくらいの階段を上り終え、中央の王座へ、やっとこさたどり着き、ズズンと鳴るが如く王座へ座った。
宰相らしき、盗賊グランドマスターが1歩前に出るとざわざわしだすが宰相は
「これより、シーサーペント討伐者への報酬授与を行う」
俺がこの場にいるのを確認したのか、驚いたがその後は、渋~い顔をして
「討伐者前へ!」
俺は歩きだし石舞台に上り、王様の数メートル手前で止まった。
「跪きもせんとは、ふん、シーサーペントを出せ!」
「なんや? おっさん偉そうに、盗賊ギルドのグランドマスターのくせに、シーサーペントか? ほいっと!」
言われた場所に出す。
ズズズン
「出したが? 盗賊ギルドグランドマスター」
「近衛よ、捕らえよ!」
「はっ!」
「不敬罪で縛り首だ! 根も葉もない事を、私が盗賊ギルドグランドマスターだと! そんなざれ言を!」
俺達の方に向かって来た近衛兵さん達、俺の横をすり抜け宰相を取り押さえる。その瞬間に
シュ
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド×1272
ドサッドサッドサッドサッドサッドサッ×1272
そしてこっそりエトリ参上!
いなばもいるやん!
ユタ! 腹パンやる前に呼んで欲しかったの!
なんかごめん······
ほぼ全員が、エトリといなばが、エトリの糸でぐるぐる巻きにされて、転がされている。
大臣系も気絶させたから近衛さん達が縛り上げていた。
じゃあね!
また呼んでくださいね~転移!
パッ
2人は転移で帰って行った。
ナビ、グランドマスターや、他の盗賊ギルドメンバーのお宝セットは?
『もちろんオッケーですよ~全域オッケーです』
ありがとう! 収納!
『うはうはですよ報酬以上ありますね』
あはは、ついでに教会は?
『それがですね、ここの教会まともに活動してるのですよ、奉っているものが違いますからね』
そんな教会あるんや!
『この国だけですね、国の神様として海と地と天の神を奉っていますね』
なんほど、シロシロを奉る教会は悪者なんやね。
『それが違うのですよ、何も奉ってません』
は?
『盗賊ギルドから派生した国が教国ですね、なので大国が2つ目の教国になる可能性は高かったですね、この国も危なかったですが』
はぁ~、早めにダンジョン巡りしやんとね。
『煮干し3号がいっぱいになりますね』
あははあり得そう、シーサーペントしまっておこう、傷むとやだし、収納!
「おい! シーサーペントをなぜしまう!」
誰か話しかけて来たが、王様やってわかってるけど振り向かずに
「出しておいたらお肉が傷むから? 鑑定で美味しいって出てたから楽しみやし!」
「こっちを向き跪き頭を垂れ話をせんか!」
振り向くと、当然王様でした(笑)
「ん? なんで?」
「貴様! 我は王だぞ!」
「うん、知ってるけど、なんで? 俺は貴方の配下でもないし、この国の国民でも無いよ?」
近衛兵達が剣に手を掛ける。
「ああ~抜いたら腹パンだよ」
「跪かんか! どこまで貴様は愚弄するか!」
「俺が跪く理由は何かな? 納得できる事があるならきちんと跪き頭も垂れよう」
ナビ、貨幣は別で、お宝セットしておいて、城だけで良いよ。
『作りたての貨幣もたんまりありますね、表の倉庫にもポイントしましたよ(笑)』
あはは、ナイス、そこ忘れてた。
「すまぬが言うことを聞いてはくれまいか」
近衛兵の偉いさんぽい人が話しかけてきた。
「どうぞ、聞きましょう(笑)」
「いや、跪き」
「だから、なぜか聞いてるでしょう! 俺が貴方に跪かんか! と言って貴方は跪くのですか?」
「いや、それは出来ぬ」
「俺も同じですよ、それに初めて会って、いきなり命令? 貴方ならその命令に従うのですか?」
「いや、出来ぬ」
「それを貴方は俺にやれと言うのですか?」
「······」
「じゃあ、その理不尽な事は言わず、早く報酬いただけますか」
「······」
黙ってしまったね(笑)
「おい、王様、報酬は? 連れを待たせてあるんや、早くしてくれる?」
「貴様は!」
「頼む! 言う事を聞いてくれ!」
「話にならないな、理不尽を少しだけ経験させてあげるよ」
大きく息を吸い
「王命である! シーサーペント討伐の報酬を速やかに討伐者へ渡せ!」
「なっ! 王命だと! ぐっ! 報酬をもってこい!」
近衛兵3名が馬車に走り、中から宝箱を持ち出し、帰ってくる。
はぁ~、偽物やん! そうか、近衛兵さん達は知らないから本物渡してるつもりなんやね。
もう、貨幣を収納!
『うふふ数千億枚ありますね、お金には困りませんね』
あはは、さて王様はどう反応するか
「なっ! それは偽物だ! 宝物庫から持ってくるのだ!」
知っててやってたのかぁ(笑)
「ふ~ん、最初から偽物渡すつもりだったんやね、糞王」
「くっ、言いたいことはわかるが、不敬にもほどがあるぞ!」
「近衛兵さん、詐欺を働く犯罪者だぞ? この糞は、犯罪者の配下は犯罪者か?」
「確かに、騙そうとしたかも知れないが」
「知れないが、何?」
「······」
「実際、この場にあったのは偽物、犯罪者じゃなくてなんなの?」
「そやつを切れ! こんな奴からはシーサーペントも奪い取るのだ!」
近衛兵達が剣を抜いた。
シュ
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドサッドサッ×20
近衛兵の偉いさんだけは残し、皆を腹パン。
「近衛兵さん、貴方だけは剣を抜いて無かったので何もしませんでした。さて、この状況で犯罪者は誰か貴方には解った筈だ、誰を捕らえる、誰が犯罪者で誰が犯罪者でないか、動きなさい。そのロープは飾りですか?」
「王よ、貴方を拘束致します!」
「貴様ぁー! クソ! 誰か騎士団長を捕らえよ! 謀反だ!」
騎士団長が糞に近づきロープ腰から外し
「国家反逆の罪で拘束します!」
ダッ
走り出したと思ったら、糞にロープが絡まり縛り上げてしまった。
「国家反逆だと!」
「この方は王命を持っております、ならば何処かの王、であれば今回の振る舞いは国家間の火種になり戦争になります。己の私利私欲で戦争を起こそうなど、国家に対し明確な反逆です」
「ぐぅ」
「法に基づき、幽閉されていた前王が指揮を取り、貴方は牢です」
騎士団長は俺の横にずっといた兵士長に
「兵士長! 前王をお呼びして下さい!」
「はっ!」
ナビ、お金戻そうか
『ポイントしましたよ(笑)』
転移!
『うふふ、戻してすぐに近衛兵さんが宝物庫に入ってきましたよ、数えてますね(笑)』
まぁ、元々の物がもらえたら良いよね。
その後も、バタバタしてはいたが報酬ももらい、兵士長さんに、壁直して帰るからって言うと
「はぁ~、何なんだよ貴方は、この状況で帰る? なぜ帰れると思うのですか?」
「用事すんだし、壁は直すよっと、土魔法! 元の壁! ほいっと!」
ズズズズズズズズズズズズン
壁が起き上がり、欠けたり砕けた箇所も補修され、ついでにツルツルのピカピカに仕上げたらそこだけ浮くので、全面改装、お城がみすぼらしくなったからついでにってやってたらナビが
『まりあちゃん達が待ってますから(笑)』
「そっか、まぁ、こんなもんで良いやろ、んじゃね」
兵士長が呆けている内にその場を離れ庭木の影から~転移!
パッ
路地裏へ
まりあ達と合流するため冒険者ギルドへ。
「おっちゃん小でネギ抜き! 器はこれで!」
「はいよ!」
「冒険者ギルドってどこにあるのか知ってる?」
「兄ちゃんの後ろにあるだろ!」
「あはは、わかってたけどなんか聞きたくなるやん! 今日来たばっかやし」
「ったく、どこの田舎から来たんだ?」
「ん? イモータルの辺境」
「は? えらく遠いところから来たんだな、こんな遠くまで」
「ダンジョン巡りしてる途中なんだなこれが、全部の国を回るつもりしてるから中々忙しいし」
「若いのに壮大な目標なんか持ちやがって、ほら、出来たぞ、300プルだ」
「ほいっと! 銅貨3枚ね」
「ありがとよ、また来な!」
「ありがとう!」
ラーメン? を収納し、冒険者ギルドへ向かう。
「お姉さん、その肉ししとう3本! いや、4本ちょうだい! 塩で!」
「は~いありがとうね~」
「海が近いけど肉も美味いよね」
「あはは、シーサーペントがいるからねぇ~最近は近場でしか漁してないからさ、魚もだいぶ少なくてね」
「シーサーペントならもういないって、王城から連絡来るよ」
「ほんと! うふふ、なら来週には魚の屋台も増えるはね」
「あはは、賑やかさがパワーアップやね(笑)」
「そうだと良いね、はい銅貨2枚ですよ」
「ほいっと! はい200プル」
「ちょうどもらいますね」
「ありがとう!」
肉ししとうを収納し冒険者ギルドへ向かう。
「ユタさん(笑)」
「まりあ(苦笑)! おまたせ?」
「ぶ~ですよ!」
「あはは、ごめんね屋台の引力に負けてね(笑)」
「「あはは」」
ちみっこ2人にも笑われた
「ごめんなさい」
「はぁ~、買い物はもう良いの?」
「ごめんね、よし、行こうか!」
俺達は路地裏を探して歩く。
「登録は出来たの?」
「「はい! Eランク!」」
2人はギルドカードを、印籠のように突き出し見せてくれる。
後ろでなぜか世界樹の杖を持ったまりあが偉そうに胸をはり仁王立ち。
どこの縮緬問屋やねん! 諸国行脚やるん? やってますやん! 諸国まわってますやん!
「「ひかえおろろ~!」」
おろろ~って、おろうやん!
「練習したんだよ!」
「「決まりました!」」
「あはは、頑張ったね」
なでなで
まりあ、おろろ~やなくて、おろうね。
え! 嘘! ずっと私は聞き間違いしてた!
orz
俺はまりあを浮遊させおんぶ。
「こうなったらしばらく動かないから、付いてきてね」
「「は~い、つんつん」」
まりあはつつかれても反応がない(笑)
その後すぐに路地裏を発見し、アスタロト大公爵へ転移。
まりあをソファーへ。
「まりあいないけど、俺達でダンジョン行くか?」
キラキラした目で、こくこくこくこく、ヘッドバンキング。
「了解、ナビ、どこ行く予定?」
『未発見が2件並んだダンジョン! で片方が出来立てほやほや! まずは、ほやほや! 表示!&ポイントしましたよ』
「また海の中?」
『そうなんですが、すごく浅瀬で、実は3個並んでいて最初のダンジョンが発見され石の桟橋が作られました!』
「あはは、その下って事やね(苦笑)」
『木の桟橋なら今頃お祭りですね』
「やね、1つ目行こうか、転移!」
パッ
「せや! エトリ! ダンジョンマスターしてくれる?」
パッ
「は~い♪ 玉藻が先かと思ってました~」
「玉藻もリア、ルア、いなばもなったからね」
「わかりました、では! ぺとぺと」
『素体情報確認しました』
『名前は、蜘蛛!』
『蜘蛛 登録しました』
「えへへ、紗々ちゃんに漢字をおしえてもらいました!」
「そうなんや! 中々難しい字やん!」
なでなで
「うふふ、あっ、いなばちゃんを待たせてました、溺れない内に帰りますね」
「ありがと!」
「は~い♪ 転移!」
パッ
「さて、次は」
パッ
「ぶ~ですよ! ユタさん!」
「あはは、次行く前に武器造るよ」
「そうでした、どこで?」
「ここの国って鉱山がいっぱいあるなら変わった金属あるかな?」
『難しいですね、プラチナくらいですかね貴重な金属では、ミスリル、オリハルコン、アダマンタイト、ヒヒイロカネなどは既に沢山ありますし』
「そっかぁ、残念やけど、廃鉱になった場所はある? そこなら誰もいやへんやろうし、多少は何か残ってるかもやし!」
『それなら辺境にありますよ、128年前に廃鉱ですね、ポイントしますね』
「ほお、転移!」
パッ
「到着! ほおほお、岩山なんやね、さてさて何かあるか」
「ユタさん! オリハルコンだらけですよ!」
おい! 俺もやりたかったのに!
「ユタさん、心の声が聞こえましたよ(苦笑)、ごめんなさい」
「あはは、ってかオリハルコンだらけ? この岩山?」
「はい、だらけって言うかその物?」
「神眼! ほお! マジか! ふん!」
ドガッ!
ガラガラガラガラ
1発シバいて表面の硬い岩を剥がすと
「中身が丸々やん! 収納!」
「はわわ!」
「「すご~!」」
「山の中身が無くなりましたよ!」
「まりあ、それにこの硬い表面の見てみたら面白いよ」
「神鉱! 神の鉱物!」
「さらに、錬金! ほいっと!」
「分離ですね、ふむふむ、神金、神銀、神銅、神鉄···神鉄!これで神剣が打てますよ!」
「まりあ、打とうか(笑)」
「ユタさん、打ちましょう!」
「「土魔法! 炉! ほいっと!」」
カーン カーン カーン カーン
カーン カーン カーン カーン
カーン カーン カーン カーン
カーン カーン カーン カーン
カーン カーン カーン カーン
カーン カーン カーン カーン
・
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・
・
「タマさん、虎鉄さん、まだまだかかりそうですね」
「お腹空きましたね」
「皆の作り出しましたから、しばらくは無理ですね(苦笑)」
「だめにゃ」
『うふふ、お家出しますね、ほいっと!』
持ち運びハウスを出した。
『中に食事もありますから休んでいてください』
「「は~い♪ ごはん~!」」
「タマが外で見張っておくにゃ、虎鉄は中でお世話にゃ」
「わかりました、お願いします」




