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第89話 ・・・・・・

「な、なんなのですか!」

「あ? あんたこそなんなの? 姿も現さへんし」

「ぐっ! 私は管理神ですよ!」

「俺は創星神だぞ」

「へ? まさか! ホントに!」


 即座に姿をあらわし


「申し訳御座いませんでしたぁぁぁ~!」


 見事な土下座だ、が気になる部分が······


 ゆらゆら揺れている。


 ナビ、缶詰プリーズ


『あはは······ポイントしましたよ(苦笑)』

 だろうな。


 缶詰を出す。


 カシュッ


 プルタブを起こす。


 ぴくっ


 だろうな。


 シャカ


 蓋を引き上げる。


 ぴくぴく


 (笑)


 シャカ!


 蓋を切り取った。


 ごくり


「おい、食べんの?」

「に、にぁ······」


 やっぱりかぁ~


「はぁ~シロシロ······勝手にいやんくなって心配したやろが」

「······」

「いつもの皿はないけど」


 お皿に鯖の水煮を出す。


「猫缶ちゃうけど食うか?」

「う、う、うにゃあぁぁぁぁ~! ごめんにゃ~! ゆるしてにゃぁ~! 悪気はなかったにゃ~! 後生にゃぁぁ~!」

「ほら」

「よいにゃ······」

「ああ」

「ユタぁぁぁぁぁ~!」

 ・

 ・

 ・

 ・

「なんだ、 "にゃ" 無しでも喋れるやん」

「サービス! ユタは猫好きだからな」

「まぁ、タマとかぶるからNGやな」

「タマとは! 私の猫缶を奪うやからか!」

「ん~シロシロ負けるかな?」

「そんなはずは、······よわよわデシタ。······」

「タマのマスターは、まりあ」

「聞き覚えが······」

「聖、紗々、三葉、葉月、直、アキ、美夜、柚葉、寧々、弥刀、和也、千世、梨里杏、和」

「聞き覚えのある名前ばかり······」

「シロシロに縁があった者達だな、シロシロの世界に紛れ込み帰れない者達の名前だな」

「帰れない?」

「まぁ、神になってしまったからとも言えるが、元の世界に帰れない者達だな、俺は元々帰れなかったが」

「それは······私は、ボッチだったの、何をやっても、お世話しても、いっぱい頑張っても、それでも管理神になれて頑張ったの······でも、ボッチは変わらない」

「うん」

「創造神様が息抜きしろって色々な所に行ったよ、海だけの星、水も空気も無い星、いつも燃えている星、動物の星、機械だけの星、凍った星、何も無い砂の星、龍の星、動物だけの星、いつも争ってる星、色の無い星、笑顔が絶えない星、ユタ達がいた星」

「······」

「時間も何も無い空間で漂ってた。ユタ達に会うまでは」

「······」

「掛け替えの無い者を見つけてしまった、沢山の時間も、瞬く間、溢れる力も、何も成さない、そんな存在を、無償の手で包み暖め(はぐく)む者達、私の宝」

「······」

「神様なんてやだよ! 友達欲しいよ! 何気ない挨拶を交わし、笑いあう仲間が欲しいよ、もう······ボッチはやだよ!」

「······転移!」

 パッ


 俺はシロシロの襟首を掴み、テラスから中へ。


「ユタさんおかえ······り?」


 まりあはシロシロを見て止まった。


 10秒で戻って


「シロシロちゃん!」

 まりあが叫ぶ


「えっ! マジ! シロシロだ!」

 寧々が驚く


「シロシロ? うわっ!」

 弥刀が目を見開き


「シロシロぉ!」

 千世も叫び


「マジか、シロシロ」

 和也は呆け


「きゃ~!·シロシロちゃん!」

 梨里杏は歓喜し


「ひゃ~シロシロぉぉぉ~!」

 和は奇声をあげた


「シロシロ、仲間がいたな」

 なでなで


「うわぁぁぁぁぁぁ~~~~ん!」












 皆がシロシロと話をしてる間に······俺も話したいが!


 残業を片付けてしまわないと。


 まずは勇者50人······か、聞くと和也や、車輪コースの奴らと同じ、中学の同年らしい。


 たぶん週末の映画鑑賞で集まっていた者達のはずらしい。


 らしい、なので確定ではない。


 そして、らしい子達がいる上の樹洞のテラスに登る階段を上がる。


 上から何か、湖の方へ投げられた物が見えた気がする。


 もう少しで到着だ、はぁ~なんて説明したものか、帰れないって言ったら、ん? 神様に俺達は聞いたし聞いてるのか? 聞いてて欲しいなぁ。


 そんな事を考えて階段を上がってるとまた目の端に映る、湖に何かを投げた軌跡。


 ようやく到着したのだが······投げているのは封印の腕輪······


『何か来ます!』

 マジか!


 ドゴンッ!


「きゃー!」

「なんだよこれー!」

「うあぁぁぁぁぁー!」

「来ないで! ぎゃぁー!」

「ばか野郎どもが!」

「助けてユタ! こんな事したくない! いやぁぁぁぁー!」


 シュ


 俺は100年外れない首輪をまだ息のある者へはめて行く、天神(あまつかみ)の振るう尾で木に叩きつけられる者、テラスから転落する者、原型をとどめていない者、呆然と立ちすくむ者、まだ半数が残っているのが奇跡だテラスから落ちた者も浮遊はかけたが、息をする者は居なかった。


「いやぁぁぁぁー!」

「天神落ち着け!」

「いやぁぁぁぁー!」

「天神! 転移!」

 パッ


 遥か上空にに転移し


「天神!」


 ドゴッ! 殴られる


 鱗が飛び散る


「天神!」


 ドゴッ! 噛みつかれる


 牙が砕ける


「天神! 落ち着け!」


 ドゴッ! 尻尾が振るわれる


 尻尾が千切れる

 ・

 ・

 ・

「くそったれぇぇぇ~! 何でだよ! 天神が······収納」


 転移

 パッ


 俺は全てを消してやるつもりで樹洞のテラスに帰って来た。


 50人から、22人へ減った者達の前に


 集まる者がいた


 まりあ、いなば、虎鉄、タマ、玉藻、エトリ、リア、ルア、ルナ、ジョン、マール、寧々、弥刀、千世、和也、梨里杏、和、シロシロ


 血だらけの


 聖、紗々、三葉、葉月、直、アキ、柚葉、美夜、パラミス、パミュ、リリ、グロリア、シンディ、ローパー、ケイ、ユリ、一華、二華、三華、五華、六華、七華、円、ティアママ、ティア、シル、静、シー公爵、凛、玉藻の子供達、セバス、セレス、エス、アルバト、テンシュ、ギルマス、お兄さん?、アルト、三葉の弟子、魔道士のギルマス、傭兵のギルマス、薬士のギルマス、エスの父ちゃん、アモルファスの王さん、シロちゃん、獣人の女の子・・・・・・まだ下にも、傭兵達



「「ユタ!」」



 皆が俺を呼ぶ



「「ダメ!」」



 何が?



「「ヤメ!」」









 ・・・・・・

 パッ










 (そら)に浮いてる


 天神(あまつかみ)と共に


 剥がれた 割れた 千切れた 溢れた 砕けた 


 組み立てよう くっつけよう 貼り合わせよう 繋ぎ止めよう 注ごう


 全てをあげよう 手にあるもの全てを


 もどれよ たのむよ 友達に なったのに


 おまえは にがさない あまつかみ にがさない 絶望の先の景色を見せてやる!!


 ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!













 (そら)に浮いている


 天神(あまつかみ)を抱きしめ
















 もふもふ


 むにゅ


 あれ······


 もふもふ


 なにしてたっけ······


 もふもふ


 むにゅ


「天神!」

「はい? あれ?」

「天神?」

「はい、ん? 何か······」


 自分の身体をペタペタ触っている。


 見覚えのあるワンピースやね。


「これ、私?」

「起きたよ~!」

「起きたにゃ~!」

「「ん?」」

「ユタ! 心配かけんじゃねぇ!」


 セバス? え?


「全く、やりすぎじゃ」


 三葉? へ?


「心配しましたよ(笑)」


 紗々まで、え?


「すぅ~はぁ~」


 深呼吸。


 見渡すと皆がいる······


「お寝坊ですの!」


 葉月


「あはは~メ!」


 聖も


「えぇぇぇぇぇぇ~!」

「やかましい!」


 ガコン


 アルバト······ハンマーはあかんやろ。


「ユタ、呼ぶなら祭りだけにしてくれ、ばか野郎」


 エスさん


「ん~どうして皆がいるの?」

「ユタの叫びが聞こえたからだ! 転移したら何かにぶつかるし散々だ!」

「エスさん何で転移出来るの? 他の皆も?」

「妾が鍛えたのじゃ!」

「三葉が······そりゃ転移くらいなら出来るようになるわ(笑)」

「ユタさんと、まりあちゃんと、虎鉄ちゃんと、タマちゃんがダンジョン潜って、すぐに皆を強制連行したの!」

「あはは、聖、皆の都合は?」

「知らないよ~(笑)」

「まったく······あいつらは」


 たぶん殺気も出てただろう。


 ガコン


「禍々しいもん出すな!」

「アルバトハンマーあかんて! 普通死ぬよ!」

「ふん! ユタは炉に放り込んでもしぶとく生きとるわ! ハンマーぐらい我慢せい!」


 いやいや······耐性でいけそう?


「ユタ、あの者達は王命で縛り、教国の前にも追放した奴らと同じ街に飛ばしたからもう忘れろ」

「そうか、エスさんありがとう、たぶん俺なら上に飛ばしてたよ」

「大気圏外ですの!」


 そうそう


「落ちて来るじゃないか!」


 それがねぇ


「大丈夫ですの! 落ちる前に無くなりますの!」


 正解!


「そだ!」

「奴隷にされてた者達も転移で帰したぞ、どんだけ助けてるんだ! 傭兵ギルド全員来たのに手が足らなかったぞ!」

「マジか!」

「9384名いましたから、勇大さん途中から数えて無かったってナビさんが言ってましたよ(笑)」


 紗々数えてくれたの!


「どうせ途中で面倒くさくなったからでしょ~」


 聖よ、当てないで(苦笑)


「で帰れるのか? 公務が修行で止まってるからヤバいのだが」

「そや! シロシロ!」


 とてとてとてとて


 走りよってくる。


「どうした?」

「前の世界に帰れるか? 結界外せば」

「帰れるが面倒くさい」


 ペシ!

「痛! 暴力反対! 神様虐待! メ!」

「結界 外すよな(笑)」

「え、でも」

「結界 外すよな(笑)」

「今、この星から動けないし」

「結界 外すよな(笑)」

「こっちにも、遊びに来てくれる?」

「まだやり残しがあるから来るよ」

「なら、ほいっと! はい外したよ」

「おい! それの! どこが! 面倒だ!」


 ペシ!×4


「デコピンやめ! 神様でも私は、よわよわなんだぞ!」

「そこ威張るな! 地球には······魔力無いからどっちにしてもあかんかぁ~」

「ん? そうか! 地球は魔力の設定が面倒でまだやってないしな」


 は? ちょい待て


「おい、地球に魔力あるように出来るのか?」

「ちょい! で、出来るぞ」

「すぐやれ!」


 ぐりぐりぐりぐり


「梅干しはダメぇ~! こめかみがぁぁぁ~!」

「さっさとやらんか!」


 ぐりぐりぐりぐり


「あがが! 今はこの星を離れられんから無理だから! 現地に行けば、ちょいだから!」


 とりあえず、放してやる。


「何で離れられへんの?」

「魔力の流れが不安定な時期で調整しなきゃダメなの、今もやってるし、本来ならユタが召喚された星にも行かなきゃダメなんだけど、召喚が多いでしょ、止めたいのだけど、ちょっと気を抜くと、あの勇者塊あれが起きるから」

「向こうは、全大陸回って魔道具回収したからしばらくは大丈夫だな、この星も全部回るからそのうち頼むよ」

「ほんと?」

「うんそれなら頑張れるか?」

「うん!」



 何とか帰れる方向は定まったな。





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