第86話 跳ね橋創造
「行ってきま~す!」×6
「行ってらっしゃい。虎鉄、タマお願いね」
「はい、今日の夕方には戻ります」
「任せるにゃ、ガンガン鍛えるにゃ」
「はは、気をつけてね」
「は~い、行きますよ! 転移!」
パッ
いちゃいちゃバカップル組と、クラスメイトハーレム組が、虎鉄と、タマに鍛えてもらうために煮干し2号へ。
顔合わせパーティーが終わった後に、増えた猫さん関係者。
いや、どんだけの人に助けてもらってるんすか!
まぁ、梨里杏ちゃんと和ちゃんを助ける時に落ちてしまったテンション、調理神で再起動しようか? とまりあ、いなば2人と話している内に、寧々ちゃん&弥刀君の、いちゃいちゃバカップル組になり。
和也君、千世ちゃん、梨里杏ちゃん、和ちゃんの、クラスメイトハーレム······和也君の称号にハーレム王がついてたんやもん! 妻の所に名前が出てたんやもん! ついでに寧々ちゃんも弥刀の妻ってついてるし!
まぁ、それは置いといてその2組がパーティーを組んで、冒険者になって成り上がりをやるんです! と寧々ちゃんが力説するし、言ってたレベルアップ手伝ってと、お願いされるしで、それならと虎鉄、タマ組が弟子にすると言ってくれて、虎鉄がいちゃいちゃバカップル組を、タマがクラスメイトハーレム組を受け持ち、最後は6人のパーティー
"円卓の騎士"
*Knights of the Round Table*"
最終的にはクランにするそうだ······残りの6人は? と聞くと、異世界だしそこは気にしないで! って言われた······寧々はどや顔してたが、残りの5人は苦笑いをしていた。
物語を読んだことがあるのだろう。
実は皆オタクさんらしく、その辺りも読んでたらしい、最終的に12~1000人を超える仲間が出来るかもしれない(笑)
成り上がりやし、王様にでもなるつもりか?
マール公国の女王様のマールも仲間に引き入れられたりして······だとすると、パラミス、パミュ、グロリア、直もか、いなばも王やけど(笑)
「んじゃ、俺は調理神で再起動するから宿に戻るよ、2人はどうする?」
「私も寝ちゃいます、疲れましたね今日は(苦笑)」
「私も寝ちゃいますぅ」
「んじゃ、転移!」
パッ
宿の寝室へ、そして俺は再起動した。
むにゅ
左右にまりあと、いなば。
ナビ、どれくらい寝てたの?
『14時間ほどですね、外はそろそろ明るくなりますね』
そうか、そんなに時間はかからんかったね、起きて朝ごはんの用意やね。
転移!
パッ
キッチンへ転移した俺は、和食かな、金平と鯖の塩焼き、玉子焼き、豆腐の味噌汁かな。まだ浅漬けもあったし。
簡単に朝ごはんの用意を終わらせ、寝室へ行くと、いなばのお腹にまりあが顔を埋めてた······うさぎバージョンなら最高やったのにね(苦笑)
いなばが、物凄く寝苦しそうやし、転移!
パッ
いなばを、お姫様抱っこにし、ベットへ、そ~と戻した。
まりあが寝ながら辺りを手で探っている。
戻っていた虎鉄と、タマは、まりあの探知範囲内にいてしまったので、捕獲された······転移!
パッ
虎鉄もタマも受け止めいなばの横に。
まりあは探らなくなったと思ったら、起き上がり
「もふもふ天国が! はれ? あっ! いなばちゃんズルい!」
四つん這いでいなばのもとへ近づきダイブ!
転移!
パッ
ぼふっ!
リビングのソファーへ転移させた。
するとリビングから声が
「あれ? いなばちゃんが虎鉄ちゃんとタマを一人占めしてたからダイブしたと思ったのにリビング? 夢だったのです? って、わ、私! 夢遊病! 勝手にここまで来たの! 来ちゃったの!」
寝室からリビングへ行き
「違うよ」
「はへ? ユタさん?」
「まりあが、寝てるいなばのお腹に埋もれて、いなばが苦しそうやったから、横に転移させたんやけど、今度は虎鉄と、タマを捕まえたから転移で助け出していなばの横に、するとまりあが、勢いよくダイブしたから、リビングのソファーに転移させただけやで、夢遊病ちゃうから安心してね(笑)」
まりあは、考えをまとめ
「はうぅ、とんだご迷惑を~」
「あはは、寝ぼけてたし次からはタマに大きくなってもらえば大丈夫かな」
なでなで
「えへへ、タマに頼んでみます」
「仕方にゃいにゃ、虎鉄にも大きくなってもらうにゃ」
「あはは、わかりました、小さいままだと潰れないけど潰れそうですし(笑)」
「ありがとう~!」
まりあは虎鉄とタマを抱き上げ頬擦りしている。
寝室から、いなばが起きてきて
「まったく、まりあは私もうさぎになるか? でかいからこの家は壊れるよ?」
いやいや、止めてね、お願いだから。
皆も起きてきたし
「おはよ、アスタロト大公爵に乗って大河上空で朝ごはん食べようか」
「「は~い♪」」
大河上空だが、跳ね橋は無い······そもそも大きな船が川には無くて小舟レベルだ、それに浅瀬も多く大きな船が通れる深さが無かった···河口付近の数キロ辺りまでしか入れずだった。
「跳ね橋が造れないですね、勝手に造ってしまいましょうか」
「あの河口の先端に造るのが1番大きいのが出来そうやね、無駄な橋やけど······」
『魔族の国と、教国の国境付近の海に、秘密基地と同じくらいの島がありますよ、未発見のダンジョン2つ付きで』
「「それで······」」
『領地問題でその島は無人、魔族の国と教国、両方の冒険者ギルドからダンジョンカードをもらいましょう、そして発表すれば島はたちまち大量の冒険者達が訪れます』
「「うんうん」」
『そこへ跳ね橋を、両方の国からかけてしまいましょう! その島との海峡なら大きな船も通っているはずですから!』
「「採用!」」
『魔族の国はギルドに報酬がありますね、教国も国境近くの町が報酬ありの町なのでこちらも好都合です』
「「魔族側から路地裏の、表示!」」
『は~い♪』
「よし!転移!」
パッ
「屋台は······ごはん食べてすぐだからあとまわしで! ってか冒険者ギルド目の前!」
「すぐ行くぞ! 私も冒険者登録するそ~! おお~!」
「「おお~!」」
「「にゃ~!」」
いなばが、先頭で進み、冒険者ギルドへ、受け付けカウンターは早朝のため、並んではいるがまだまだ少ない。
2人に並んでもらって俺はダンジョンの依頼を、取りに行き、すぐに見つかり手に取り2人の元へ帰った。
そこで気が付いた。
「いなば、ツナギ似合ってるな!」
まりあに造ってもらったのか、赤色のジーンズ生地で作ったサルエルのツナギだ。
「まりあが作ってくれた! にひひ! お揃いだ~!それに動きやすいの!」
「うふふ、赤目のイメージでレッドジーンズにしました、付与もガンガンかけましたから、その内背中に刺繍で "わーるどじゃんぷ" って書きますね」
「良いね! マークとか考えようか! でも皆の意見も聞かないとな、マークは帰ってからやね」
「は~い♪ あっ! いなばちゃん順番ですよ!」
「は~い♪」
受け付けのおっちゃんの前に行き、いなばが
「冒険者に登録とパーティーへ参加なのだ!」
「はは、元気が良いですね、わかりました、こちらの用紙に必要事項を、書いてください、それとパーティーリーダーさんのギルドカードを、お願いします」
俺はシュパッ!
ギルドカードを受け付けのおっちゃんに渡した。
いなばも書き込んでいるようだ。
名前 いなば
年齢 忘れました
職業 魔王! 今は魔神!
武器 刀! ユタに造ってもらったよ
魔法 何でも大丈夫だよ
······あかんやん! ってか渡してしもたがな! あれ?
おっちゃんがクスクス笑い
「では登録しますね」
あれ? 冗談で流してくれたのか! エエおっちゃんや!
カタカタと魔道具を操作し、いなばの、ギルドカードが完成した。
受け付けのおっちゃんは
「パーティーリーダーさんのカードはこちらにどうぞ」
「ありがとうございます、いなばがこの依頼を受けます」
木札を受け付けのおっちゃんへ渡す。
「ダンジョンの依頼ですね、わかりました」
カタカタ
いなばのギルドカードを、通し
「では、魔神いなば様、新たな冒険者ギルドカードとダンジョンカードになります。失くさないようにお願いします」
笑顔で鑑定もしてるはずやから、マジ見えてるのに······
『魔族は魔神信仰の国ですので、紙を見て魔神と書かれているのを見て、子供の悪戯だとでもおもい、鑑定はしてませんね(笑)』
あはは、ラッキーやね。
「やった~! 冒険者Eランク!」
「私の娘を思い出しましたよ、娘も魔神と書いてました(笑)」
なるほど、よくあるパターンやね。
「あはは、皆も考えることなんですね(笑)」
「この国ですと新人は半分くらいの子達が、魔神か、魔王、パーティー組む段取りで来た子達は、四天王とかも居ますね(笑)」
「やったぞ! ユタ! だとしたら四天王を、探さないと?」
「あはは! 探さないとね!」×3
俺と、まりあ、受け付けのおっちゃんが笑顔でそう答えた。
その後冒険者ギルドを出て、路地裏から教国の路地裏へ転移。
皆のステータスをコネコネいじって偽装。
冒険者ギルドに向かう。
こちらもまだまだ早朝のため空いている。
木札を取りそのまま受け付けカウンターヘ。
今回は俺が、
「おはようございます、この依頼お願いします!」
木札を、渡して
シュパッ!
ギルドカードも出す。
「はい、お預かりしますね」
カタカタ打ち込みが終わって
「ダンジョンの依頼を登録しました。お返ししますね」
木札、ギルドカード、ダンジョンカードを受け取り
「ありがとうございます!」
「頑張って下さいね」
そうして冒険者ギルドを、出ようとしたら白ローブの団体がギルドへ入ってきた。
カウンターへ向かいそうなので俺達は大回りで出入口へ向かうが、気になったので食事処で待機し神眼!
ああ~偽物黒貨を、持ってるやん!
入れ替えるのでしょうか?
ほぼ間違いなく、ほら奥へ行くね。ナビ表示しておいて。
『は~い♪ポイントもしました、後もう1つの本物のあったギルドの黒貨もポイントしましたよ、動いたら知らせますね』
ついでに教国の教会関係者のお宝セットもお願いします(笑)
『お宝セット入りま~す♪』
俺達は食事処でジュースを飲みながら観察中。
偽物が金庫に、本物が白ローブの、偉いさんぽい人がアイテムボックスに入れたので、中身を金庫の物と入れ替えた。
「さて、用事もすんだし行こうか!」
「「は~い♪」」
路地裏から一旦アスタロト大公爵へ。
後から気が付いたのだが、島のダンジョンがどっちのダンジョンカードで反応するのかわからないので、1枚、教国の分をアスタロト大公爵に置いて島に向かうことにした。
島は無人で、楽チンだ。
魔族の国に近いダンジョンヘ向かう。
何もない岩山に見えたが裂け目がわかりづらい場所にあり、ナビがいないと見付からないやろね。
入口から入るとまたフィールドタイプ。
「フィールドタイプやし、採取は? とりあえずナビ、何階?」
『860階層ですね若いダンジョンです』
「だな、採取次第で時間はわからんが、行っちゃいましょう! よ~い! ドン!」
「魔道具系でしたね、武器防具はチョロっとだけですし」
「薬草もあんまり無かった~」
「だな、とりあえず名前は魔神の秘密基地で、教会関係者の出入り禁止、範囲結界は島と魔族の国全域で盗賊は大国のhalf moonやね、忘れた事はない?」
「はい、それで大丈夫ですね、アスタロト大公爵へ戻って、ダンジョンカードの入れ替えですね、転移!」
パッ
ダンジョンカードを入れ替え、もう1つのダンジョンへ。
「ここは普通やね、深さは?」
『390階層ですね』
「浅いね、ちゃっちゃと済ませて行っちゃいましょう!」
「「は~い♪」」
「武器ばっかやん! 要らんねん! 食材寄越せや!」
「ラスボスまで来ても武器だけでしたね、まぁ、冒険者達には人気が出ますね(苦笑)」
「面白くないね~ユタ、ホントに煮干し4号?」
「思いつかん! しょ~もないダンジョンやし、教会関係者の出入り禁止だけで良いやん! 路地裏へ転移!」
パッ
ムカムカしながら冒険者ギルドへ。
朝のラッシュも終わり受け付けカウンターは空いているので、そのまま受け付けカウンターに、俺はそこでギルド職員全員に念話で
王命である! 騒がず速やかに俺達の用件を確認し、その事について嘘偽り無く確実に依頼完了を受領し、報酬を確実に渡し、私達がギルドを出た後に確実に発表し速やかに確実に公開せよ! 俺達の名前、パーティー名は秘密で、後、罪は皆に報告し罪を償え!
王命使っちゃった(笑)
面倒くさそうやし(笑)
「これお願いします」
「はい、お預かりしますね」
お姉さんは木札とダンジョンカードを見て止まり······そうになるが止まらず作業を続ける。
カタカタ打ち込み、ダンジョンカードとギルドカード通した。
「ほ、報酬をお持ちしましゅ!」
かんだが、動きは止まらない、ギルドマスターと思われるおっちゃんに一言二言。
おっちゃんが立ち上がり金庫を開け、装飾ついた箱を持って受け付けのお姉さんと一緒にこっちに向かってくる。
カウンターまでやって来て
「い、依頼達成の報酬です」
一緒にお姉さんにギルドカードを返してもらった。
ギルドマスターらしきおっさんはプルプル震えながら渡してきたので受け取り。
「そうそう偽物とすり替えた黒貨は、教会の人が偽物を持って行ったから(笑)」
「なぜその事を、偽物を持って帰った?」
「ああ、偽物と入れ替えた後に、入れ替えておいたからこれが本物、だから教会には偽物、わかった? 皆に報酬を、偽物のお金で支払いましたと白状してね、では」
「それでは私は!」
「犯罪者やね、ちゃんと罪を償いなさいね」
俺達は冒険者ギルドを出た、後ろから大きな声で。
「新ダンジョンの発見! 場所表示します!」
お姉さんやね。
歓声が響き渡る。
「さらにダンジョン攻略者が出ました! 攻略者の希望により攻略者の発表は無しです!」
うんうん、ここまではオッケーやん!
「その攻略者に対し、偽物の黒貨と知りながら攻略者に渡しました!」
ギルドマスター、頑張ってね(笑)
「衛兵を呼んでください! 教会と結託し冒険者を騙した罪を償います!」
歓声が、怒声、罵声に変わり飛び交う冒険者ギルド、俺達はそこまで聞いて、路地裏へ向かった。
「よし! 無人やし、収納! &転移!」
パッ
アスタロト大公爵を経て魔族の国へ
「いなば、どんな感じにしたいの?」
「ん? さっきみたいのが楽そうだし?」
「あはは、了解、さっさと終わらせて釣りしようか!」
「うん! 早く! ダッシュ! 冒険者ギルドにいくぞ!」
「歩いてな、行くぞ」
なでなで
「むふふ」
まりあもなでなで
「えへへ」
ぼちぼち歩き冒険者ギルドに到着し、受け付けカウンターへ。
さっきと同じく
王命である! 騒がず速やかに俺達の用件を確認し、その事について嘘偽り無く確実に依頼完了を受領し、報酬を確実に渡し、私達がギルドを出た後に確実に発表し速やかに確実に公開せよ! 発見者、攻略者の情報は伏せる事とする! 罪を犯しているものは速やかに確実にその事を公にし罪を償うこと!
いなばがカウンターへ行き、登録した時のおっちゃんへ。
「お願いします!」
にぱっ!
「はいはい、お預かりしますね」
ニコニコ顔で受け取り、手元を見て震え出し、それでも魔道具を操作しカードを通す。
「ほ、報酬をお持ちします」
ガタッ
椅子を鳴らし立ち上がり、ギルドマスターぽいお姉さんに近付き一緒に金庫へ、金庫を開け中から本物しか無い黒貨を取り出し、俺達の方へ連れだって向かってくる。
「報酬です」
「ありがとう!」
受け付けのおっちゃんが、いなばのギルドカードを返してくれた。
「頑張りましたね」
「うん! 頑張った! じゃあね、今から釣りに行くから! バイバイ!」
俺達は冒険者ギルド出た。
「新ダンジョンが、発見されました!」
歓声が、響き渡る。
それを聞き路地裏へ。
アスタロト大公爵に戻り島上空へ。
「俺とまりあは跳ね橋造るけど、いなばは、はい!」
ルアーフィッシングの道具を手渡すと
「わかった! 行って来るね! 転移!」
パッ
「「早っ!あはは!」」
「透明ローブ着て、まりあはどっちの端を造る?」
「気分的に魔族の国かな(笑)」
「了解! んじゃ、狭い場所だよな、あんまり途中に柱とか立てるとまずいよなあ~」
「吊り橋は? いくら長くても軽量化の付与すればの問題無しです!」
「おお! んじゃ、行くか!」
「はい!」




