第82話 魔王
「お疲れ様ぁ~! ラスボス部屋開けますよ~!」
まりあが、ボス部屋を開けて行く。
キィ~
開いた広間には、ボロボロなローブに身を包んだ骸骨。
だが、まりあの前に現れたアンデッドは······
「鎮魂歌ぁ~♪ ほいっと!」
何も出来ず消えて行った、宝箱を残して。
「真ん中辺りから全部、アンデッド系が、出てきたから予想はしてたんやけど、ちょい可哀想な気がするのは俺だけか?」
「まりあちゃんの聖女神はアンデッドには可哀想過ぎ、初めて出てきたゾンビなんか視界に入っただけで浄化されてましたよ(苦笑)」
「ここのボスは、ちゃんと技使ってもらいましたからましな方ですよ(苦笑)」
「僕はノーコメントで(苦笑)」
「ぶ~」
「あはは、まりあの称号にDon't touchが、付くかもね」
「ユタさんが、言うと本当に付くじゃ無いですか!ステータス!」
名前 マリア・ミカミ (御神 まりあ)
種族 創星神
性別 ♀
状態 健康·ポチ
職業 聖女神
鍛冶神
忍神
刀神
魔道神
農業神▼
スキル
魔法 転移·ルーム·飛翔·環境対応●
多重思考
念話
料理
武術
神眼
神体強化
無限収納
完全耐性▼
装備
称号 聖女
魔法生物の創造主
世界樹の祝福
世界樹の加護
世界樹の祝福
世界樹の加護
ユタ・ミカミの妻
光の精霊女王の友達
超越者
創星神
海神の祝福
海神の加護
ドラゴンスレイヤー 光龍 闇龍 火龍 水龍 風龍 土龍
いじられ神
Don't touch
従魔 ポチ·タマ
「ほらやっぱり! ぶ~!ぶ~!」
「マジか(苦笑)、すまん」
なでなで
「マグロ」
「マグロ?」
「マグロが、食べたいです」
「わかった、さっさと帝都のダンジョン終わらせて釣りに行こう、ごめんな、まりあ」
「絶対ですからね! 嘘付いたら産んじゃいますからね! よし! 水晶玉の部屋をさっさと終わらせて行きますよ!」
「ん? 産んじゃう? まりあ~!」
「あなたの名前は 煮干し3号!」
『煮干し3号 登録しました』
それからは、まりあが爆進。
4つのダンジョンへ魔力供給巡り、まだまだ夜も明けない、冒険者ギルドで受け付け中。
「ダンジョン攻略の依頼ですね、ギルドカードをお願いします」
シュパッ!
まりあが
「お願いします! あっ! ジョン君だった! おっちゃんちょっと待ってね!」
まりあの代わりにジョン君が、ギルドカードを手渡す。
「お願いします!(苦笑)」
「お預かりします」
魔道具をカタカタ操作しギルドカードを通し
「では木札、ギルドカード、ダンジョンカードです」
「ありがとうございます」
「お気をつけて」
受け付けのおっちゃんは、次のパーティーの受け付けに戻る。
こんな時間にも、そこそこ冒険者達が活動中。
俺達はギルドを出て、路地裏探し。
「まだまだ夜も明けない時間なのに、人気のダンジョンがあるのでしょうか?」
「せやな、どうなん?」
『帝都南門を出てすぐの所に武器、防具系のダンジョンですね、看板には夜、日が落ちた後から日が昇るまで、ドロップが良くなりますと書かれてますね』
「時間帯でドロップするものが変わるのか、中々面白い仕組みやね」
「魔物も、強くなりそうな気がするのは僕だけでしょうか(笑)」
「ですね~そんなイメージありますし、この路地裏なんて良さげですね、ナビさん表示お願いします」
『は~い♪ 透明ローブを着てくださいね』
俺達は透明ローブを羽織り
「めっちゃ白ローブの人いますやん! 転移!」
パッ
「到着! めっちゃいるやん、教会関係やろうけど」
「あそこで作戦会議っぽいですよ、こっそり参加しましょう!」
「あはは」×3
まりあが言った通り円陣を組んでなにやら話をしている。
「今日のノルマは回復薬の素材だ1人にこの籠分がノルマだ」
「そんなに沢山でしょうか? 冒険者ギルドで安く買い叩けば良いのでは?」
「買い取りノルマを冒険者ギルドへの指示は、皇帝がしてくれる事にはなってはいるが後、数日かかる予定だ、だからこんな金に成らん事をしなければ糞下民の薬が作れん!」
「勝手に死んでしまっても良いのでは?」
「考えが浅いぞ、下民が減れば税収が減り、適当に作る薬を原価の100倍で売ってる収入も減る、金の成る木を自ら手折る必要はない!」
「採取メインだが、シルバー、ゴールド、ミスリルスライムは見つけ次第刈るのだ、よし、この籠を配り出発だ」
「ナビ、お宝セットね、この国の一般都民以外の(笑)」
『は~い♪ ここの教会しこたま貯めてますよ(笑)』
「貧乏さんですね(苦笑)」
うんうん
「んじゃ先行して、素材もスライムが、いるらしいので、根こそぎ行くぞ!」
「は~い(にゃ)♪」
「スライムばかりやん! 素材の、草木も薬系ばかり、ナビここ何階層まで?」
『2370階層ですね、この分だと深く潜ってる可能性は高いですが、この先に急ぎ排除してしまいましょう♪』
「んじゃ、回収しながらペースあげるぞ!」
「ラスボスデカっ! それに多いやん! ぷよぷよやん! せ~の!」
シュパパパパパッ!
シュパパパパパッ!
シュパパパパパッ!
シュパパパパパッ!
シュパパパパパッ!
シュパパパパパッ!
シュパパパパパッ!
「宝箱回収! 神眼! 罠無し! マール開けてみる?」
「はい! ドキドキですね~ほいっと!」
パカッ
「えっと、インゴット沢山ですね、宝箱がアイテムボックスになってますね」
「やろね、ここまで素材ばかりなら(苦笑)、収納! んじゃ、先にお宝セットの、収納! では、ジョン君お願いね」
「わかりました!」
ペト
『素体情報確認しました』
『お名前を』
「ジョン」
『登録 マスタージョン ご用命を』
「他のダンジョンとのリンクを」
『他のダンジョンマスターを確認 リンクしました』
魔力供給!
むむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむ~!
『Lv MAX6』
「帝国全域に範囲結界、それから盗賊ギルドメンバー及びこの国に害をもたらす者、魔物を除くをダンジョン煮干し3号の範囲結界内に排除」
『帝国全域範囲結界展開 完了 この国に害をもたらす者 魔物を除くをダンジョン煮干し3号結範囲結界内に排除 排除完了』
「ありがとう、ついでにこのダンジョンへ、教会関係者の立ち入り禁止」
『教会関係者のダンジョン立ち入り禁止 設定完了 ダンジョン外へ排除 完了』
「お疲れ様、あなたの名前はhalf moon2号」
『half moon2号 登録しました』
「ナビ、ダンジョン入口前はどんな感じ?」
『表示しますね、クスクス広間が裸ん坊でいっぱいですね』
「ユタさん、私、教会の人は排除されると思ってたのに何でいるの?」
「ん? ああ、教会が迷惑かけてたのは人民だろ? それで国が潤ってた訳だよね?」
「あ! そっか、国には害ではなかった、皇帝とかは?」
「微妙だな、排除された貴族は多いとは思うけど、皇帝がこの国に害となってたかは」
『排除されましたね、教会からもらった賄賂を、自分のためにしか使ってなかったのでしょうね(笑)、上層部は、ほぼ全滅、盗賊ギルドの大陸の本部がありましたので全滅、残りも多いですが大国の元盗賊ギルドメンバーと、教国、エルフの国、ドワーフの国、獣人の国、魔族の国、この大陸は大きいですからまだまだ沢山国がありますね、そこの盗賊もそのうちでしょう。そうそう、サーンカーク王国と、魔族の国の間は大きな河がありますよ(笑)』
「「跳ね橋!」」
『その河の源流の湖は綺麗そうですね』
「「次の決定!」」
「ぶ~」×3
「学校が休みの日には連れて行くよ、その前にちょっとやりたい事があってね(笑)」
「まだ私達と、タマ&虎鉄ちゃんだけだった時の目標? やってみたいことなんだよ~ねっ!」
「せやな」
「絶対ですよ!」
「僕も楽しみです!」
「師匠! お待ちしております!」
「了解、んじゃ、ささっと冒険者ギルド行こうか、ナビ、路地裏お願いね」
『は~い♪ ローブは着たまま?』
「ん? 脱ぐよ」
『は~い♪』
俺達は透明ローブを脱ぎながら
「おっ、転移!」
パッ
「到着、ジョン君任せた!」
「は~い!」
ローブを脱ぎ終え収納し、ジョン君を先頭に冒険者ギルドへ向かう。
数分で冒険者ギルド前に到着し、入口をくぐった。
夜にダンジョンへ潜っていたのか、買い取りカウンターが混雑している。
受け付けカウンターも、まだまだ早い時間だが数組のパーティーが並んでおり、俺達はその最後尾に並んだが、受け付けカウンターの人員が3名補充され一気に俺達も受け付けが出来る番になった。
「ちょうど、朝ラッシュ前の補充やったんかな」
「ラッキーですね、早く終わらせてマグロ行きましょう!」
まりあと話をしている内になぜかカウンターの奥へ案内されることになっていた。
「ジョン君どういう状況?」
「早く終わらせるために、少しマールちゃんの力を借りました」
「結構混雑していたから、あそこで発表したりなんて時間ばかりが掛かっちゃいそうなので、最初からギルドマスター、サブマスター、受け付けさん、それになんとグランドマスターがいました(笑)」
「なるほど、考えたね」
「さらに、マールちゃんが王命を使い
"騒がず速やかに確認し、嘘偽り無く確実に依頼完了を受領し、報酬を渡し私達がギルドを出た後に発表する"
ってやってもらいます」
「あはは、頼んだ! 俺達はおとなしくしてるよ」
「はい!」
少し待ち受け付けお姉さんが戻ってきた。
「お待たせいたしました、応接室へ案内いたします」
軽く頭を下げ先導するため歩き出す、カウンター内に入り奥へと進み、応接室と書かれたドアを開け中へと入っていく、皆が立って待っていると思ったが1人は書類に目を落とし1番奥で座っている。
俺は
「受け付けのお姉さん、あの奥で座ってるバカは放り出して良いですか?」
「え?」
「だって、女王が立ってる場で座ってるなんてバカだし不敬罪だよね」
「あの方はグランドマスターで」
「グランドマスターと女王は、グランドマスターの方が身分は上なの?」
「いえ、違います」
「では、排除しますよ(笑)」
「なにをごちゃごちゃ言ってやがる、冒険者ギルドでは俺が1番だ、文句あるなら掛かってこい」
ナビ~腹パンパクで、パンツ以外あいつの財産、家も含めて全てポイントねっ!
『は~い♪ 奥さんと娘さんの今着てる服以外全てポイントしました♪』
やっちゃった(にゃ)~!×6
「バカさん行きますよ~!」
気絶しない程度に(笑)
シュ
ド
シュ
「ぐはぁっ!」
ガシャッ! ドンッ!
「マール役目ちょうだいね」
1歩踏み出し
「王命である! 騒がず速やかに俺達の用件を確認し、その事について嘘偽り無く確実に依頼完了を受領し、報酬を確実に渡し、私達がギルドを出た後に確実に発表し、速やかに確実に公開せよ! 罪を犯しているものは、速やかに確実にその事を公にし、罪を償うこと!」
「じゃあ座るからお茶と茶菓子でも出してくれる?受け付けのお姉さん」
俺達は7人座れるソファーを、フードから出た虎鉄とタマも座り陣取った。
「じゃあ、お茶」
「は、はい!」
「ギルドマスターとサブマスターさんかなソファーが無いね、ほいっと!」
ドン ドン ドン
「ソファー出したから座って」
ギルドマスター達は動きだしソファーに座る、グランドマスターまで座ろうとするから、座る瞬間に収納。
ドシャ
「ぐはぁっ!」
「バカがソファーに座るな、そのまま床で正座しとけバカが」
お姉さんが座れる場所にソファーを出す。
ドン
「お姉さんのソファーねっ!」
「はいぃ!」
お姉さんは、プルプルしながら虎鉄とタマにもお茶を出してくれる。
グランドマスターのは床の上に(笑)
「じゃあ、ジョン君お願いね(笑)」
「くっくっくっ、はい、受け付けのお姉さんこれを」
ジョン君が上から木札、ギルドカード、ダンジョンカードを重ねて出す。
「この部屋にカードを通す魔道具はありますよね?」
「はい、少々お待ち下さい」
お姉さんは席を立ち壁の棚から魔道具を持ってきて、テーブルの上に置く。
「では、皆が見える状態で操作をお願いします」
ジョン君はお姉さんに木札、ギルドカード、ダンジョンカードを重ねたまま渡す。
「お預かりします」
木札を見て操作を
カタカタカタカタ
打ち込み、ギルドカードを魔道具へ通し、次にダンジョンカードを魔道具に通す、プルプル震えながら、見てしまったのだろう(笑)
「依頼、ダンジョン攻略完了及び、新ダンジョン発見です、ギルドマスター、依頼報酬、新ダンジョン発見 黒貨1枚、ダンジョン攻略 黒貨10枚です、金庫より出して下さい」
「その報酬の管理はグランドマスターだ、グランドマスターお願いします」
「無理だ無い! 使ってしまった、土地を買い家を立て、嫁と娘に贅沢をさせ使った!」
「なっ!」×3
俺はギルドマスターに
「他のギルドにはあるでしょう、速やかに報酬下さい1番近いギルドは?」
「隣の工業街に、早馬でここからなら1時間だ、魔道具で連絡し持ってきてもらえ!」
「はい!」
お姉さんが壁にあった魔道具で連絡。
「こちら帝都ギルドです、大至急、新ダンジョン発見、ダンジョン攻略の報酬、黒貨11枚を持って早馬で、馬が潰れても構いません確実に届けて下さい! 帝国の冒険者ギルド存続に関わる事です、今から1時間以内がタイムリミットです」
「出来るかあ! ガチャ」
「切られましたね(笑)、次はどうするの」
ナビ~! 今の冒険者ギルドにはあるの?
『ありますね偽物が』
ぶはっ!×7
この国には?
『全ての冒険者ギルドからかき集めても無理ですね(苦笑)』
どこに行った?
『元々偽物? が1番しっくりきますね。』
教国のギルドにはあるかな?
『3ヶ所だけ本物がありますね、後は偽物です1番北の港街、名前はオオマーです。』
了解
「お姉さん、俺達はこれから教国へ行くからオオマーの港街のギルドへ連絡して」
「移動は?」
「内緒の高速移動手段があるから大丈夫」
「わかりました」
お姉さんが魔道具で連絡し向こうで受け取れる様にしてもらった。
受け取り用の書類をもらい出掛ける前に
「ちゃんとオオマーのギルドに、お金返しなよ、後、バカ、罪は償えよ」
「······」
「それと、新ダンジョンは教会が隠してるからね、確実に、早急だから今日中に公開する事」
「教会が隠しているだと!」
「私腹を肥やすことしか考えて無いから、スライムがいて金属のドロップ、さらに薬草類も大量にあるから低いランクの冒険者でも稼げるダンジョンだよ、場所までの地図描こうか?」
「そんなに良いダンジョンを、ぜひ描いてもらいたい!」
紙ちょうだいねペンと
『描いたものを出しますよ(笑)金属板に描いて』
ありがとう。
「これね、ほいっと!」
ギルドマスターへ渡す。
「今なら多数の冒険者が帰ってきている、すぐに皆に知らせる、教会の横暴には参ってたからな、すまぬ、ギルドから出てもらわないと動けん」
「じゃあ、頑張ってね」
俺は立ちあがってもらいソファーを、回収し王命かけて転移。
オオマー港街にやってきた。
「ユタさん、オオマーって大間と響きが似てますね!」
「マグロ有名やしな! それに北やから肌寒いし良いかもな!」
「ああ~ダジャレになるからなぁ」
「どした?」
「思いついて言いたいけど、ダジャレかなぁって」
「オオマーで? 大間で?」
「どっちでもだけど、大間で気付くまで連続で言う!Ready Go!」
「大間 大間 大間大間大間大間大間おおまおおまおおまおおまおおまおおまおおま お お!魔王!」
「正解(苦笑)!」
「確かに(苦笑)」
「呼んだか(笑)」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ~!」」




