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第80話 under the sea 海の中

 朝ごはんが終わった後、バルバロッサさんとアンさんは公務の為帰って行った、残った皆でダンジョンに行こうかとなりかけたが、お若い方達だけで、と帰って行った。······いやいや俺も49歳になったんやけど······


 で4人で港町へ行くことになりました、俺は虎鉄をフードに入れ、まりあはタマを、皆の用意が終わり港町の路地裏へ。


「んじゃ、まずは冒険者ギルドやね、ルナちゃんとジョン君は登録は?」

「私はしてますよ!」

「僕もしてますよ!」

「ならパーティーは?」

「組んでます、私が登録しました(笑)」

「せやな、冒険者ギルドで受け付けしてたらやれるよね、なら後は簡単! 2人パーティーでダンジョン攻略の依頼を受ける! そして2個ダンジョンを発見&攻略! 作戦だからよろしくね!」

「「は~い♪」」

「ね、言った通りでしょ、絶対に私達にやらせるって(笑)」

「こっそり作戦&えぇぇぇぇ~! でしたね(笑)」

「「そうそう、ここで目立つのは君達だ!」」

「「あはは」」

「冒険者ギルドに行こうか!」



「お姉さんそのピーマンとモヤシもちょうだい!」

「ホントに朝だと種類も多いね(笑)」

「あんたらほうれん草買って行った子達だね、朝採りトマトと、とうもろこしが食べ頃だよ」

「「いただきます!」」


 後ろであきれた目で見ている2人には悪いが美味しいご飯のためだ!


「この港町のファンになりました!」

「小国なのに、食材も豊富やし新鮮!」


 そして、屋台で聞いた冒険者ギルドヘ到着。


 入って、やっぱり左側は依頼が貼られている、俺達は混雑する掲示板へ挑み見事に依頼の木札を手に入れた。


「へ~ここってマール公国なんだ!」


 マール公国?


「最南端の国マール公国か、新婚旅行の候補だったけど、先に来てしまいましたね(笑)」


 最南端ってことは、この大陸の1番南にあるんやね。


「もう、ジョンったら」

「あはは、我が領地と変わらない大きさと聞いた小さな国だけど、海の幸はもちろん、農業も酪農(らくのう)畜産(ちくさん)も盛んな国だから美味しい物が沢山あると有名なんだ」


 そうそう鰻も美味しかったし、お野菜も豊富やしなぁ


「確か、サーンカーク王国の王様のお姉さんの国だったっけ、この前学校の授業で習ったよね」


 なるほど、サーンカークの王様のお姉さんで公爵やから公国か。


「そうそう、第2王女様は、隣のバーツ王国の第1王子様とご婚約されたと先生は言われてたね、僕達と同い年だから、来年はご成婚のお祭りがあるね」

「私達も領地でお祭りしましょう! お米いっぱい提供してくれるよ! お父さんとお母さんなら! お酒も!」


 お祭り! ユタさんお祭りですね! 私達も食材提供しましょう!

 あはは! もちろんだ! 盛大に祝ってやる! お酒も食材も山の様に! 祝い金も目が飛び出るくらいな(笑)!

 あはは、私はウエディングドレスとタキシード! 付与もいっぱい付けた普段着も! 山の様に積んでやります(笑)!


 俺達のフードの中では

 またやりすぎるにゃ~確実にゃよ

 あはは、大騒ぎですね~絶対


「楽しみだよ、ルナ」

「私も、ジョン」

「ふむ、そこの、ジョン殿と申すか?」


 突然、話に入ってきた少女? 少年? 髪の毛は三角帽子とフード付きローブで見えないからわからないが、年は


 俺達くらいやね。


「ん? はい、そうですが」

「イモータル王国、バルバロッサ辺境伯殿の嫡子の?」

「はい、しかし、殿はいけませんよ、様にしないと起こられちゃいますから(笑)」


 確かにね、相手が同じ子供だからかな、優しいジョン君やね。


「それはすまなかった、気をつけよう」


 ペコリと頭を下げる。


「大丈夫ですよ、父はそんなに心の狭い人ではありませんから」

「ジョン君有名だからね、イモータル王国1の剣豪バルバロッサ様の1番弟子ですもの」


 剣豪なんや!


「その通り、赤髪の子で領地持ちと聞き、浮かぶ名はバルバロッサ辺境伯様の嫡子、魔道士ではあるが近接も(たしな)むのでな、思わず声をかけてしまった」

「冒険者なんだ! 魔道士良いなぁ、私は農業士だよ(笑)」

「刀を2本持つ農業士か、良い選択だな、ほれ」


 少年or少女はローブの前を開くと腰に2本の


「「刀! 二刀流! 同じだ!」」

「ふふっ、それも声をかけた理由だな、しかも4人もいるのだぞ! 嬉しいではないか!」


 俺とまりあのも見てたんやね(笑)


「あはは、全てこちらのユタさんが作ってくれたんだよ! 鍛冶も出来るし師匠の師匠なんですから!」

「師匠の師匠か、確かに! 魔法も素晴らしいよね」

「なんと! 目指している物を持ち合わせた方とは! 失礼しました! 初めまして! 私はマール、冒険者Eランクの魔道士です! どうか、ご指導ご鞭撻よろしくお願い致します!」


 姿勢を正してから深く、腰で90度の角度のお辞儀をする。マール君、体育会系やね(笑)


「初めまして、ユタといいます。冒険者Eランクの刀術士で、パーティー"わーるどじゃんぷ"のリーダーもしてます、こちらこそよろしくね(笑)」

「私も! 初めまして、まりあといいます、冒険者Eランクで回復術士です! わーるどじゃんぷのメンバーです!」


 まりあも挨拶をし、次は


「そうだね、初めまして、ジョンといいます、冒険者Eランクで剣術士です、パーティーは"永遠(イモータル)"のリーダーもしてます」


 パーティー名が、カッコいいやん!


「初めまして、ルナです! 冒険者Eランクで農業士で冒険者ギルドの受け付けのバイトもしてます! 永遠(イモータル)のメンバーです!」

「「にゃ!」」


 いやいや、虎鉄達も自己紹介したかったの(笑)?


「ありがとうございます! それで、······その依頼を受けるのですか?」


 ここは俺が


「はい、この国にはダンジョンが発見されてないと聞いて、俺とまりあがこの国気に入ったし、見つけようってね、辺境で知り合った、ルナちゃんとジョン君も一緒に」

「なるほど、そうだったのですか、ユタ師匠! どうか私もメンバーに加えて下さい! この国のあるかどうかわからない、ダンジョンを探すのにお力をお貸しください!」


 また、お辞儀をする。


 俺はマール君の肩を持ち起き上がらせ、魔道士らしく細いなぁ(苦笑)、良いよ君は、一緒に探そうではないか!


「マール君の、わーるどじゃんぷ入り及び弟子入りを許可します、まりあ、良い?」

「マールちゃん一所懸命ですし、賛成!」

「お二方とも、ありがとうございます! やったぁ~! 初めてのパーティーだぁ~! 師匠!私の事はマールと呼び捨てでお願いします!」


 あはは、初めてなんだ、言葉遣いもちょい崩れてしまってますし、嬉しいんやね。


「わかったマール、厳しい修行だけど頑張ろうね」

「はい!」

「よし、ジョン君とルナちゃんは、ダンジョンの受け付け頼むよ、俺とまりあは、マールとパーティー登録してくるから」

「「は~い♪」」


 2人は木札を持ち受け付けに、俺達も後に続くが、流石に朝は混んでいる、5名の受け付けさん達はフル稼働! 1組3分として10分前後で俺達の番になりそう。そこにマールが話しかけてきた。


「師匠は、ご自身で刀を打つと聞きました、ぜひ刀を拝見したいのですが、見せてもらう事は可能でしょうか?」

「良いよ、でも冒険者ギルドの中では抜いたり出来ないから、後で港の桟橋辺りで見せてあげるよ」

「やったぁ~!」


 マールは小さくぴょんぴょん跳ねて喜びを表す。


「あはは、そんなに喜んでくれるなら後でマールの刀も打ってあげるよ、サイズはその長さが良いの?」

「ほ、本当に! やったぁ~! あだ!」


 転けた(笑)


 俺はマールの脇から手を入れ起こしてあげた。


「はしゃぎ過ぎ、よいしょっと!」


 むにゅ


「きゃ」


 へ? ほのかな柔らかさが、······むにゅむにゅ···

 っ! 俺はマールを立たせ脇から手を抜いた。


「すいませんでした!」


 (ひたい)が足に付きそうなくらい頭を下げた。


「ユタさん、無自覚セクハラですよ! メ! です!」

「頭を上げて下さい、転んだ私が悪いので、師匠は悪くないです!」

「マールちゃん、貴女は、むにゅむにゅされたんだから怒っても良いよ、いくら弟子でも、ユタさんは、メ! です!」

「はわわ、そ、そうでした!」


 ぼっ!と顔が真っ赤に。


 そのタイミングで


「次の方、どうぞ」


 俺達の順番が回ってきた。


 受付まで進み、なんとか気を持ち直し


「すいません、パーティーの追加登録をお願いします」

「はい、パーティーのリーダーさんと新規のメンバーさんのギルドカードをお願いします」

「「はい」」


 俺は


 シュパッ!


 マールは


 スッ


 と、受け付けお姉さんへ渡す。


「お預かりしますね」


 魔道具をカタカタと操作し、ギルドカードを通し


「マールさんはダンジョンの依頼を受けていますが、このまま、わーるどじゃんぷとして引き継ぎますか?」

「師匠、よろしいでしょうか?」


 まだ少し顔が赤いが訪ねてきたので


「はい、継続して探します」

「師匠ありがとうございます!」


 ペコリ


「わかりました、引き継ぎの登録もしておきますね」


 お姉さんは魔道具をカタカタ操作、再度ギルドカードを通し


「これで登録完了です、頑張って下さいね」

「ありがとうございました!」×3


 ルナちゃん達も終わったようで、5人で冒険者ギルドを出た。


 俺は先頭で歩き、その後ろをルナちゃんとジョン君が、いちゃいちゃ歩き、その後ろをまりあとマールが、こしょこしょと話をしながら付いてくる。


 その状態のまま港に出て、桟橋のその先端部へ。


 繋船柱(けいせんちゅう)がある場所で止まり、まずは


「マールさっきは本当にごめんなさい」

「いえ、師匠は悪くありません、マリアちゃんと話をして納得しましたから」

「ありがとう、はい、刀を見せる約束だったね」


 俺は腰から刀を外しマールへ渡す。


「30分ほどは見てて良いよ」


 俺は、繋船柱(けいせんちゅう)に腰掛け、土魔法で炉を造り、火さんは桟橋は燃やさないでね、ほいっと!


 マールの刀を打ち出す、俺と同じ太刀と小太刀を持ってるしそれでいくか、お詫びの印に頑張りました。付与もいっぱいに加えて柄と鞘は世界樹(イルミンスール)で造ろう! 魔道士だから杖代わりにもなるし。


 完成! 道具と炉も片付け


 ふと顔をあげると、皆が見ていた。


「どしたん?」

「師匠、その刀は?」

「これか? あっ、俺の切猫と切仔猫は、中々の自信作だからあげられないよ(笑)、代わりにこれあげるよ」


 俺は切猫と切仔猫を返してもらい、新たに打った太刀と小太刀を渡した。


「結構気合い入れて打ったから大切にしてくれると嬉しいかな」

「抜いて見てみても?」


 俺は頷く。


 マールは元々持っていた刀をアイテムボックスへしまい、2本とも腰に差し太刀の方を抜いた。


 うん、中々の力作やしなぁ、名前は


「海で打ったから、海の最強の達の名前を貰って、太刀が、"海神(わだつみ)丸"!小太刀が、"海龍(リヴァイアサン)丸"!丸は、マールをもじった!」

「海神丸、海龍丸」


 マールは2本の刀を構え軽く振り感触を確かめているようだ。


 ルナちゃんとジョン君も呼び、


「今回の新ダンジョン発見&攻略は、マールに譲るよ、良いかな?」


 こくこくこくこく


 皆がうなずいてくれた。


「それは私も良いよ、でもユタさん、自分の以外で初めて名前付けましたね」

「うん、マールが抜いて構えた時に、名前が浮かんだからね、俺達の刀と差はないよ」

「内緒ですが、ルナちゃんやジョン君のより遥かに力作ですし(笑)」

「「ぶ~」」

「内緒になってないやん! 初弟子やん、力も入るよ(笑)、さてさて、上手い具合に人目が無いから、転移!」

 パッ


「到着! マールおめでとう! 新ダンジョンです!」

「へ?」

「予定通り固まったので、おんぶしてっと!」


 マールをおんぶ。


「道順は教えるからジョン君主体で経験値は、ジョン君と、マールへ、ジョン君が上がり切ったらマールだけね、行くよ! よ~い、ドン!」


 3週目でジョン君が剣神になり、経験値は、マールだけに、既に亜神になっているが、固まって? 寝息が聞こえるので寝てるね(苦笑)


「マールちゃん寝ちゃってるね」

「このダンジョンは深いから、後10回くらい巡ったら魔道神ですね!」

「僕も剣神になりましたし(笑)」

「せや、そろそろお昼休憩かな?」

「後一周してボス部屋で!」

「「「賛成!」」」


 お昼前の最後のボス部屋前でマールは起きた。

 が、そのままボス部屋へ突入!

「このパターン初めてや! レアボス! ヒヒイロカネゴーレム! 採取! 虎鉄とタマも参戦!」

「は~い(にゃ)!」×5



「再生無くなりました!」

「よし! 1体残してやっちゃって!」


 シュパパパパッ!

 シュパパパパッ!

 シュパパパパッ!

 シュパパパパッ!

 シュパパパパッ!

 シュパパパパッ!


 俺はマールをおろし


「マール、自分の得意な魔法でゴーレムの胸の真ん中打って!」

「は、はい!ウインドアロー!」


 マールの放ったウインドアローは電柱サイズあり、ゴーレムの胸に大穴を開け、ヒヒイロカネゴーレムは消え去った、宝箱を残して。


「お疲れ様、マールも皆も」


 なでなで、マールを撫でてあげる。


「はれ? ウインドアローが大きくなってますよ? それにダンジョン?」

「ああ、刀の柄と鞘は魔法の威力増幅とかも付いてるし、それよりお昼ごはん!」


 俺はテーブルと椅子を出し、鰻丼を出した。


「ユタさん! 鰻丼最高! 早く席に着いてください! 良いですか! せ~の!」

「いただきます!」×5


「ユタさん、また後で買い足しに行きましょう!」

「もちろんだ! この店のためにここに通いたいくらいだからな、海鮮丼も探したいところだな」

「あの師匠?」

「なんだ? 鰻丼嫌い?」

「いえ、大好物ですよ、海鮮丼も」

「海鮮丼あるのか! 頼む! 教えてくれ!」

「ユタさん、近いよ、ちゅ してしまいますよ」

「はわわわっ!」


 後、数センチで鼻がくっつく所だった。


「うわっ! すまん、つい」

「いえ、海鮮丼も大好物でお店も知ってますので教えます」

「マールありがとう! 愛してるぞ!」

「はへ! しょんにゃ! いきゅなりいわりぇても!こきょろの準備が! でも、おっぱいもみもみされちゃったし、スゴい刀も貰っちゃったし、顔は好みだし、スゴく強いし、婚約者もいないし、宰相には早く決めなさいって言われてるし、パーティーに入れてくれたし、この国も気に入ってくれてるし、一目惚れだし、私も愛しています!」


 ちゅ


「「きゃ~!」」

「末永くよろしくお願いします、師匠♥️」


 え?


「ユタさん良かったね~マールちゃんこれからよろしくね!」


 あの······


「はい、まりあ先輩! わからないことばかりですが頑張ります! よろしくお願いします!」


 仲良くね······


「ユタさんがお嫁さん増やしちゃった(笑)」


 そうなるのか?


「ははは、ユタさんなら100人でも大丈夫ですよ(笑)」


 いやいや、······でも既に1/4いってますやん!

 ・

 ・

 ・

 和気あいあいと話す皆のそばで虎鉄に肩をぽんぽんされ慰められてる俺にマールが


「ところで、ここは?」

「ここは刀を打った桟橋の下に入口があるダンジョンやね」

「え? えぇぇぇぇ~!」


 来たぁぁぁぁ~!×4


「この後冒険者ギルドヘ報告に行こう、マールの手柄として」


 マール以外の皆が頷く


「ずっと俺達より先に探していたんやろ? そして俺達のパーティーになって見付けて攻略、ならマールが発見者で俺達はなんの文句も無いよ(笑)」

「私も賛成! やっぱり地元の人間が見つけた方が角も立たないしね」

「「同感!」」

「皆さん、ありがとうございます、マール公国国王として感謝します!」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇ(にゃ)~!」×6

「あれ? 言ってませんでしたっけ······」


 こくこくこくこく


 マールは三角帽子を取り白に近い青色の髪の毛がふぁさっと黒っぽい紺のローブに落ち可愛い顔が初めて皆の前にさらされた。


「師匠も皆さんも今まで通り仲良くしてください!お願いします!」


 マールは満面の笑みを俺達に放つのだった。






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