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第70話 先輩どこ行くんすか?  解体ショー!  向かいのビルの?  解体せんわ!

「日が昇りそうやね」

『夜も出掛けるのが遅かったですからね』

「帰るか、シェルターかな?」

『皆さんはそこですね』

「転移!」

 パッ


「ただいま!」


 大きな部屋の大きなベットで皆がすやすや寝てる。


『まだ寝てますね』

「だな、毛布でもかけておくか、ほいっと!」


 皆の身体の上に毛布出しふさっとかけていく、流石に玉藻達の魔物組は起きた。······魔王(いなば)······起きろよ!


 おはよ皆

『念話? あぁ、皆が寝ていますからね』

 起こしちゃったみたいやね、魔王のいなばが起きないのはビックリやけど

『中々の大物ですね』

 俺とその、良かったの? 旦那さんに怒られない?

『うふふ、私もティアママも旦那様が居て子供を創るのでは無いですよ』

 創る? 作るではなく?

『魔力の塊が出来るのですが、それがティアママなら卵に、私はしっぽが17本になり子供達を創りました、だから初めてですよ』

 マジか! んと、皆これからも永い付き合いになるからよろしくお願いします。

『はい、よろしくお願いします』×9

 いなばもおはよ。

『おはよ~ユタ、この身体ならユタが持ってる竿で釣り出来る?』

 おお! 出来るぞ! 投げ方とかリールの巻き方とか教えるよ、簡単やからすぐ覚えられる!

『やた~! ユタ頼むね!』

 了解!

 俺は玉藻の方に向き

 玉藻、ダンジョンマスターしてくれない? ここの

『は? 私がですか? 六つ子の誰かかと思ってました』

 あの子達は他の国で活動してるからすぐ対応出来ない可能性があるからね、お願いしたいな。

『わかりました、どうすれば?』

 まず水晶玉の所に。


 皆はなぜかバスローブを羽織り俺に着いてくる。


「ここまでくれば声出しても大丈夫やな」


 歩きながら、説明し、このダンジョンは俺達の仲間しか入れない設定して貰った。



「あなたの名前は、野に敷き詰められた様な緑が波打つ景色、私が見た最初の景色」


「命名 緑波敷野(みどりはひらひろ)!」


緑波敷野(みどりはひらひろ) 登録しました』

「野に敷き詰めた波打つ緑か、生まれた場所?」

「現在の大国の位置に大きな草原がありました、私が生まれた後にダンジョンが生まれ街に成りました」

「私のしっぽが2本になった時が正解ですね玉藻前に成った時ですからね」

「始めからじゃ無かったんや!」

「その前の記憶が野性の本能と、少しの知性しか無かったので景色何てなんとも思ってなかったですね、私はそこで寝てた筈です、ただ、ダンジョンの水晶玉があって魔力を吸い取った様でダンジョンになるまで数十万年かかりましたから、うふふ」

「あはは! 悪い子だ! でもそうだから逢えたんやね」

「そうですね、あのダンジョンには悪い事をしてしまいました」



 ダンジョンの設定が終わり、皆のいる部屋に戻って来たら、シンディ達は旅路に戻り、ケイとユリはダンジョン巡りに転移していったとのことで、パラミス達も追いかけ家に戻るそうだ、六つ子達も朝から男の子達とその彼女達を鍛えるため合宿だそうな。

「私達は皆を連れてエンドレス採取して、レベルアップしてくるね、海神さんは?」

「行きたい所ですが海を離れすぎるのは荒れてしまいますから」

「また時間ある時に遊びましょうね」

「よろしくお願いしますね」




 屋上のベンチでサンドイッチ。


「美味しいけどさ~な~んか違うくない?」

『うふふ、カレー祭ですか?』

「俺寝てたやん、カレー食べてないやん、朝カレーオッケーやん、美味しいけどサンドイッチ美味しいけど」

『お弁当に入ってますよ♪ 皆さんは朝カレーは無し派でしたので』

「マジか!よし! やる気出てきた! 神眼! 居るやん↘」

『あはは、上がったテンションが、表示、お宝セット完了です』

「お話し中か? 会議?」

『召喚者の方が仕切っていますね?』

「プレゼン? かな? 透明ローブ着て、転移!」

 パッ


「では、この国の魔物問題を解決に導くため、我々が召喚と言う魔法で現在この場所にいる訳ですが、正直申しまして、不可です」

「補足致しますと、我々は神様と称する方より力を頂きました、ですが、医士、薬士、人を治す力はありますが戦う術はございません」


「お医者さん呼んじゃったのね(苦笑)」

『年齢も58歳と、63歳ですし、王様42歳父と子の年齢差ありますね(苦笑)、ちなみに封印が2個、召喚の魔道具1個、奴隷無しですねポイントしました』

「微妙に良い子なんや」


「街道を塞いだトレントなる魔物を我等2人で倒せる勝算は?」

「うぅ、皆無じゃ、この国はこのままトレントに囲まれたままなら数ヶ月で全滅じゃ」

「最後の望みの召喚を、力ある者から頭の良い者に変えたのが」

「魔道士長、我も賛成した事だ」


 トレントさん?


「神眼! うわぁ、何体居るの? ぐるり一周してるやん」

『39万1527本? 匹ですね、トレントに他の魔物が駆逐され他の魔物は極少数ですね』

「ぶはっ! 多いよ! 囲まれるまで気が付かなかったの? バカなの? 死ぬの?」

『トレントの動きは早くは無いので数十年は気づいて無かったでしょうね、北にエルダーがいますが北の森レベルで魔力が濃そうですね、大きいです、表示』

「まん中のはさらにデカいな、エトリのトレントレベルじゃない?」

『今度こそツリーハウス作れますね♪ ポイントしました(笑)』

「採用! 転移!」

 パッ


「極極小ウインドアロー!」


 エルダートレントの眉間に5センチ程の穴が開く。


 ビクンッ


 動かなくなったので飛んで近づく。


『近くで見るとさらに大きいですね』

「エトリのトレントの1.5倍あるかも! 樹洞あるし!」


 樹洞の場所まで飛び上がる。


「中もめっちゃ広い! 良いエルダートレントさんや!」

『秘密基地作りますか(笑)、大き過ぎて秘密になりませんが』

「確かに! この入口の所にテラスサイズの犬走り作ればバーベキューとかしたら楽しそうやん!」

『枝を利用してやればお祭りも可能ですね!』

「良いやん! 収納! 気分も良いから刈っちゃうか! スーパーミニマムウインドアロー! やっぱり超極小ウインドアロー! 大量生産!」


 シュッタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ


 中略


 タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタッ


「ハゲたね(苦笑)」

『見事にハゲましたね(苦笑)、所でミニマムは気に入らなかったのですか?』

「なんか極小の方が小さそうな気がしたから(笑)」

『大きさは変わりませんでしたね』

「意味は一緒やから気分の問題やね


 マキシマム!

 と、

 極大!


 極大のが大きい気がしない?」

『うふふ、確かにそんな気がして来ますね』

「やろ! まぁ、丁度場所も出来たしおっちゃんらポイントしてくれる?」

『は~い♪』

「さて、地面に降りてっと、ローブ脱いで、収納! &転移!」

 パッ


「「ぬぁっ!」」

「おはようございます、初めまして」

「外? ふむ、おはよう、ここはどこかな?」


 63歳のおっちゃんが58歳のおっちゃんを、手で制し話をする様だ。


「ここが異世界という事は理解してますか?」

「あぁ、この国の王に先程聞きましたね、理解し難いですが、魔法と言うものを体験してしまった以上は、理解はしてます」

「俺もこの世界に、この国では無いですが召喚されました、その国は余り俺達の扱いが良くなかった為、その国を脱出し、他にも召喚者が居ることを知り、皆を助けて回っております、その際貴殿方を見つけ、この国が魔物により窮地に陥っているのを知り、魔物の排除を完了した後、貴殿方をここに導いた次第です」

「ふむ、ではこの国の危機は去ったと?」

「はい、国の状勢が解らないので完全とは言えませんが、魔物の居座りは無くなりました」

「では、解決ですね、塞がれたのは10日前と言ってましたので、その程度なら食料も今から手配しても大丈夫でしょう」

「ですね、では貴殿方は、元の世界に帰りたいですか?」

「帰れるのですか?」


 おお! 完璧ではないが動揺を隠したよ!


『年下の方は顔に出てますね』

「ある条件がありますが」

「どう言った条件でしょうか?」

「簡単な事です、元の世界に戻ってもこの異世界について、如何なる方法を用いようと漏らさないが条件です、もし漏らせば神様案件ですね」

「なるほど、我等には守れる条件ですね」


 後ろで58歳のおっちゃんが小さくガッツポーズ


「はい、以前、刑務所の囚人と看守が召喚されまして、囚人が全て亡くなりました、看守さんだけが帰ると事情聴取と、職務ですので報告をしなければならず、帰還を断念されたケースがありましたので、今回は当てはまらずほっとしました」

「職務とはいえ辛い決断だったでしょうね」

「今は知り合った国王様の計らいで職をいただき、生活をしてます」

「不幸中の幸いですね」

「はい、この後送還しますが召喚された場所、時間に戻ります、よろしいですか?」

「君も良いかね」


 後ろを振り向き後ろのおっちゃんに確認。


「はい」

「すみませんが、頼めますか、名前も聞かない無礼をしますが、情報は少ない方が良いと思いまして」

「ご配慮ありがとうございます、お元気で。送還!」

 パッ


「だぁぁぁぁ~! 肩こるっちゅうねん! こんなん入社試験の時しか経験ないわ! 地元企業やったら方言オッケー言うてたけど俺受けたの東京本社やっちゅうねん!」

『うふふ、見ていた私はボロがでないか、ドキドキしてましたよ(笑)』

「はぁ、次行こか」

『表示しますね、無人の様です』

「ローブ着て行きますか! 転移!」

 パッ


「18連目は! 神眼! いっぱいいますやん↘」

『勇者5名と17名、22名海外の方ですかね? 皆さん日本人には見えませんし、ケントさんにジョンさん』

「軍服出はないし皆殺人者やね~海外の刑務所から? かな? まぁ、お宝セット」

『国の全域セットしました~♪』

「収納! &上に転移!」

 パッ


『お疲れ様、そろそろお昼ですね』

「せや! お弁当や! どこで食べよかってやるとまた何か見付けてしまいそうやし、テーブル&椅子! ほいっと! ここで食べます!」

『あそこに見える大きな湖の畔で、とか行きたかったくせに(笑)』

「絶対何か居そうやもん! 良いの! ここで食べるから、パカっとな! おお! 籠の中で分けてくれてるしヤミツキーフライと福神漬け! ゆで玉子! 完璧! いただきます!」

『良かったですね』

「美味っ! フライも揚げたてサクサク! ゆで玉子は固ゆで! カレーやったら固ゆでか、生たまごやし! ってか、福神漬けに蓮根さんが! 本物に近づいてるやん! あれ? も1つ籠が、······カレーうどん! マジか! 葉月神だ! 降臨! まずはカレーライス食べてからやね~収納!」

『うどん屋さんに、教えてもらったのでしょうね』

「ふぅ、やね、さてクリーン! 収納! カレーうどんカモン!」

『一味が有りますが?』

「まずはそのままいただきます!」


 慎重に跳ねないようにすする!


 ずるるるっ!


「美味っ! お出汁が効いてる、うどん屋さんのカレーうどんや! カレーうどん専門店があってスーツでも紙製のエプロン着けて食べたの思い出す!」

『専門店まである人気の食べ物なんですね』

「辛さも選べるしトッピングも沢山あるし、何回も行ったよ受け持ちの企業が近くにあって助かった(笑)」

『うふふ、()()()近かったですね、お店に(笑)』

「あっ、そやね普通は()()()やね(笑)」


「ごちそうさまでした! ぽんぽんやわ」

『一応次を表示しますね』

「ありがとう、無人やね~転移!」

 パッ


「カレーの後の5連目は! 神眼! いるやん! 3名!」

『表示しますね、おやつの時間?』

「セレブ感があって王女さんかな? お茶してるねポイントお願い」

『は~い♪』

「どんな話をしてるか聴いてみよ~! 転移!」

 パッ


「私達に何をさせようと?」

「魔物の討伐ですわ、下民が跪きなさい!」

「あら、貴女は偉い方なのですか? 私より? 貴女こそ、その軽そうな頭を床に着けなさい! 無礼な!」


「このまま帰ろうか(苦笑)」

『お宝セットと3人にはポイントしました、称号が···』

「うわぁ、虐殺、拷問、詐欺、誘拐、女優? 女優さんなんやけど、後ろの2人も重罪やね、収納! 上に転移!」

 パッ


「何! 何処へ! 消える様なスキルもありませんでしたのに! あなた達、······裸、······」


 自分の身体を見ると


「きゃぁぁぁ~!」

『うふふ、お腹はコルセットで頑張ってましたね』

「そこは見て見ぬふりしてあげて、これからはお金もないから痩せる筈! 顔のニキビもましになる筈! よし! 全域神眼! いやんね、よしよし! 次を表示してね」

『終わりましたよ? タブレット見て下さい♪』


 俺はタブレットを取り出し見ると!


「マジか! よしよし全部塗り潰されてる!」

『お疲れ様でした!』

「やっほい! ならさっきの何か居そうな湖見に行くか! 後に取っておくつもりやったけど」

『やっぱり行きたかったのですね(笑)』

「せやかて、この作業終わるまではじっくり釣りも出来ないし」

『釣り目当てですね、表示しま~す!』

 俺は既に釣竿を出し、スピナーをセット

「ありがとう! 転移!」

 パッ


「到着! あっ! いなば呼ぶか?」

『楽しみにしてましたし』


 いなば、釣りしようと思って誘ったんやけど来る?

 行く~! えっと転移!


 居ないよユタどこ?


「北の森に行ったのか(笑)」

『いなばちゃんポイントしますね』

 ありがと~皆行くよ~! 転移!

 パッ


「お待たせ~! 間違えちゃった(笑)」

「俺が呼ぶつもりやったからポイントしてなかったしね、てか皆も良かったの?」

「丁度おやつにしようとしてたから大丈夫です、ここも綺麗な湖ですね」

「お魚いますの?気配無いですの」

「じゃなぁ、鑑定! 岸に白い塊があると思ったがいわゆる塩湖じゃな」

「水底が白い! キレ~!」

「ユタお魚······」

「いなばお魚居ないよ······アスタロト大公爵! 来て!」


 呼んだ瞬間に小国上空にいたアスタロト大公爵が到着。俺は皆を連れ転移!

 パッ


「きゃ!」


 いなばだけがこけた······魔王(いなば)······

 少し上昇してもらい下を見ると


「スゴいですの! 映ってますの! 鏡ですの!」

「ふぁぁ~! 手を振ったのが解るくらいはっきり映るのですね!」


 皆が船縁に張り付き下を見る。俺も一緒になりその綺麗さを目に焼き付けた。


 少しして、俺の小国巡りが終わった事を話し、この後どうするか、俺は海にターゲットを変え釣り、いなば、三葉、柚葉が参戦し、他の皆は、今良いところだったから、おやつ食べて転移でダンジョンへ戻って行った。······何が採取出来るのか気になり三葉達に聞いたが "ニヤリ" と笑い教えてくれなかった。


 気になるが、俺達は海へ。


「旦那様、トローリングしてみぬか?」

「僕もやったこと無いです!」

「私は大物~!」

「トローリングしてみようか」

 俺は両軸受けタイプのリールを取り出し錬金術で異世界金属で大きめに造る、竿も同様に。

 作っている間に三葉はルアーを錬金術で作成。

 柚葉は釣り用のハーネスを作っている。

 いなばはじっと見ている。······仕方ないのでさっきのスピナーの代わりにメタルジグを着けてあげ、やり方を教えてやると、船縁に陣取りシャコシャコしゃくりながら巻きだす。


 しばらく大丈夫やなと作業を再開······


「ぬおっ! 来たのだ!」


 かかった様だ! 皆が作業を止めいなばに駆け寄る。


 ライトタックルでそこそこ簡単に上がってくるので大丈夫だと思ってたら大物、海神さんが釣れました。


「海神! 朝ぶり!」


 いなばは元気に挨拶を。


『釣られちゃった、うふふ、そ~れ!』


 海神は人化しアスタロト大公爵の甲板へ飛び乗った。


「このメンバーで、お魚釣り?」

「ああ、朝ぶり、大物を釣ろうと思ってね(笑)」

「釣ったぞ!」


 確かに大物だぞ、いなば!


「海神さんも一緒に釣りしますか?」

「私は海に手をつけないわ、なので見るだけにしますね」

「ふむ、縛りがあるのじゃなまぁ、見て楽しむが良い」

「じゃあ、今度は川か湖に誘うよ」

「楽しみです」

「よし! 早く道具作ってつるぞ!」

「「おう!」」

「私はさらに大物を釣るぞ!」


 いやいや、海神より大きいのは竿が折れるからね。


 頑張ってシャコシャコしている。後は竿だけやから早い。


 さっさと


「ふんぬっ! 来たぞ! 竿が折れちゃう!」


 俺は走りよりドラグを緩める。


「いなば大丈夫だ、これだけドラグを緩めてたいして糸が出ないなら慎重に巻いて行けば上がる!」

「任せて! ぐるぐる慎重に~!」


 大丈夫そうなので竿を仕上げる。


「大物だぁ~! 大きいよぉ~!」

「マジか!」

 シュ


 船縁に来て糸の先を見ると


「マグロ!」

「「マジ! ギャフ!」」

「任せろ! いなばそのままキープ」


 俺はギャフも作ってあったのだ! ロープのはしを手首に巻き付けマグロのエラに勢い良く突き刺した!

「きゃっ! 切れた~!」


 間一髪だか間に合い俺はロープを引きマグロを甲板に持ち上げた。

「やった~! 大きい~!」か4


 120センチは超えてるだろう大物だ!


「いなばやりおる!」

「いなばちゃんおめでとう!」

「最高やんいなば! 今からこれ狙う筈が先にやられた(笑)」

「やった~! 大物だぁ~! 美味しい?」

「もちろん!」×3


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