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第58話 先輩また拾って来たんですか? 良いだろ可愛いじゃん!

「おっちゃんネギ抜きで、小ちょうだい」

「おう! 毎度!」

「あっ! 器これね!」


 ダンジョン国の街に来て、冒険者ギルドを聞く為に必要な屋台での聞き込み。

 魔力供給を終え、次に選んだのはダンジョン国(迷宮王国(ラビリンス))だったが、今回もダンジョン前が冒険者ギルドで、屋台もダンジョン前、······不利な状況下で、ダンジョンの情報を聞くため、と言う事にして屋台へ突撃している。


「このダンジョンどんな感じなん? 今日来たとこやから解らんくて」

「ん? ここは最古のダンジョン言われてるな、階層も100階超えると言われててな、ドロップも多彩でゴブリン倒してもポーション、武器、不味いが肉と何が出るかは運次第ででな、今の最高は38階層まで、そこで刀の聖剣が出たと騒ぎになってたぞ、それに昼間と夜で、ドロップ品も変わるからな、夜なら魔剣が出ると噂があるぞ」


 刀が出るのか、それにドロップが多彩の運任せはドキドキもんやね。


「刀! 俺も刀使ってるから聖剣憧れるな! 魔剣は、呪いが怖いし」

「かはは! 頑張って、潜ればいつか手に入るさ、ほい、お待ち! 銅貨2枚だ!」


 俺はポケットから出した様に収納から出し、銅貨を2枚出し渡した。


「はいこれね、ありがとう!」

「はいよっ、また来てくれよ!」

「ああ!」


 そして俺はうどん? を収納し、冒険者ギルドで待つ皆のところに足を進めた、冒険者達が依頼を達成したのか意気揚々と、冒険者ギルドの入口に入っていく、冒険者ギルドは大きな入口のダンジョンの傍らに建てられておりダンジョンを見て右側に有る。そしてダンジョンの左側に、それはそれはでかい一枚岩が、でん! と鎮座してます。

 あの裏が入口やね。確かに、入口が大きく見えていたらまさか隣に有るとは思わんな。

 そんな位置関係を見ながら冒険者ギルドの入口をくぐった。


 皆は既に左側の依頼掲示板前にいて、依頼を物色している。


「お待たせ」

「この依頼受ける?」

「受けるって何か問題あり?」

「隣のダンジョンから出たドロップ品は全て買い取りになるって、そこに大きく貼り出されているのよ(苦笑)」

「なんじゃそりゃ」

「お前らここに来たばかりか? この最古のダンジョンだけだが、ドロップ品は全てこの国の貿易用でな、同じ品物でも高く買い取ってくれる事になっているんだ」

「自分で使いたい場合は?」

「それがなぁ、このダンジョンだけは無理なんだ国王からの依頼だからな、その代わり実入りは良いがな(苦笑)」

「自分で使うなら横のダンジョンでは絶対ダメなんだね」

「そうでもないぞ、緊急時、ダンジョン内で怪我をしポーションで治るなら使用可能だ、後は自分の武器が壊れた時の使用、まぁ、後で申請しなきゃいかんがな」

「ありがとうございます、知らずにいたら怒られる所でした」

「これくらい良いさ、まぁ頑張れよ」

「は~い(ですの)!」×6


 隣のダンジョンだけ(笑)、みたいだから問題無しやね。


 そうじゃの、隣のダンジョンだけじゃし(笑)

 うわぁ~2人の邪悪な笑顔が······

 悪者さんですね(笑)

 うふふ、楽しみですね。

 魔王さんですの! 悪の親玉ですの! 最近は良い魔王さんもいますの! 子煩悩とか、可愛い女の子ですの!

 では参ろうか!

 は~い(ですの)×5


 俺達は受け付けカウンターへ向かう。


 この時間だと言うのに流石やね、夜には品が変わるからなのか受け付けは、混雑している。


 半々で昼夜両方狙いかな。


 順番待ちの列の最後尾に並び順番を待つ。


「あいつら最近有名になった、"キタチュウ" じゃねえか?」

「刀の聖剣みつけた?」

「階層の最高記録を打ち立てた! 確か38階層まで潜ったあの "キタチュウ"!」

「そうだよ! 黒髪の女の子ばかりのパーティー! 間違いねー!」

「わ、私お話してくる!」


 魔道士風の女の子が、小走りに走っていく先には制服を着た7人の女の子達がいた。


「キタチュウって北中かな、召喚者やし······1人あかんやん! 6人もっとあかんやん!」

「見覚え有るね~あの制服~」

「あの一番ちっさい子はダメですね、他のはもっとダメですね」

「うふふ、北中からも来てたのですね」

「葉月よ!」

「みっちゃん!」


 三葉と葉月が列から離れ、北中達の方へ走り出す。


 俺達は何かあるのだろうと、列を離れ2人を追った。


「「柚葉ちゃん!」」

「えっ! 三葉ちゃん! 葉月ちゃん!」

「何々、柚ばぁの知り合い?」

「ああ、何かオタ臭い(笑)」

「あなた達は柚ばぁの仲間? 全然役に立たない商人職だし、あなた達にあげるわ!」

「アイテムボックスだけだもんね~柚ばぁ」

「異世界で商人って、戦う事も出来ないし荷物持ちに便利よ、アイテムボックス持ってなければね、うふふ」

「邪魔だし!」


 ムカついたので


 皆、この子だけ保護だ! 後は知らん!

 賛成 (ですの)!×6


「マジっすか! 俺達も持ってるけど容量足りなくて困ってたんすよ!」

「ほんと! やったぁ!」

「良いわね、三葉ちゃんと葉月ちゃんの友達みたいだし賛成!」

「私達も支援職だから一緒に頑張りましょう!」

「良いのか?」

「良いですの?」

「僕、邪魔にならない?」

「大歓迎!」×4

「柚ばぁ、あなたのアイテムボックスから全部、私に移しなさい!」

「早くしてよね、ジュース飲んだらダンジョン行くんだから!」

「この腕輪も貰えない役立たずがお払い箱! あはははははっ!」

「無駄なお金使わなくて済むわね」

「王様達にはダンジョンで死んじゃったって、伝えておいてあげるわね。うふふ」

「飲み終わったし、行こう」


 ナビ、この子がアイテムボックスの中身を全部あの子達に渡したら、あの子達に移ったこの子の物は全部、俺の収納へ。


『は~い♪ ダンジョンでそこそこ潜った辺りで転送しま~す♪ ついでに今日これから手に入れるドロップ品は、勇大様に転送される様にしておきますね♪ 永続的に♪』


 ぶはっ! ナビが悪い顔してる気がする(笑)

 うんうん×5


「解りました、でも私の服とかは」

「全部よ、私達が稼いだお金で買ったんだから!」

「解りました、えいっ! 入りました」

「うんうん全部ね、皆行こう!」

「バイバイ柚ばぁ!(笑)」×6


 ムカつく子達はギルドを出ていった。


「柚葉ちゃん、もう大丈夫じゃ!」

「そうですの! 私達を見てみてですの!」

「ん? 神眼! ほぇ?」


 柚葉ちゃんは固まった(笑)


「とりあえず、話しもしたいし、一旦出ようか」

「賛成 (ですの)!」×5


 柚葉ちゃんを拉致し、路地裏から魔道王国の家に転移した。

 パッ


「到着!」

「はぇ?」

「混乱しとるのぉ、柚葉良いのか、お尻を床につけたまま足を開いていては、猫さんが見えとるぞ(笑)」

「勇大さんは向こうを向いて鍛冶場で武器を造ってあげて指輪とネックレスもね、柚葉ちゃんも帰れないですし」

「うむ、柚葉ちゃんは小烏丸が良いの、尖端が両刃の刀じゃ」

「確か平家?源氏?どっちかの家宝か宝剣だったかな?」

「平家ですの! 和風異世界ですの! 小狐丸さんもありますの! 小狐丸さんは普通の形の日本刀ですの! 雷ビカビカですの!」

「良く解らんが(笑)、小烏丸は、尖端が両刃の日本刀、小狐丸は、雷ビカビカの日本刀ね、スタンガンみたいなもんか? まぁ、造ってくるよ、虎鉄手伝って」

『いく』


 俺と虎鉄はテラスから出て鍛冶場へ


「尖端が両刃ね、小狐丸は雷か、雷属性COME ON!」

『30秒でインストール出来ますね』

「インストールて、俺はパソコンかいな! ってかポチっとな·······『止めましたよ~』·······素材は黒貨みたいなバージョンで行きますか! これとこれ、アダマンタイトさんは多めにオリさんミスさん半々で、ヒヒさんはちょっと多めに、これで少し長めの日本刀2本分やね」

『インストール終わりましたよ』

「おっ早いな気絶もしないし良し、打って行きますか!」


 カーン カーン カーン

 カーン カーン


 カーン カーン カーン カーン

 カーン カーン


 後は付与

 むむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむ~!


「良いんじゃない!」

『きれい』

「そうだろ、小烏丸は黒貨みたいな黒刃で、ピカピカやし! 小狐丸はヒヒさん多めで雷属性もプラスしたら薄い金色みたいな色味で、これも中々やねぇ、指輪と? ん? 何で指輪造ったの? セットでダイアモンド付きも造ってしまったけど」

『17人目おめでとうございました!』

「はへ?」

『頑張ってましたよ柚葉ちゃん、まだ候補ですが』

「え? いつ? 気絶してたの?」

『押した瞬間ですね、そろそろ夕方ですよ』

「マジかぁ~! 虎鉄見てたの?」

『がんばってた』

「はぁ、戻るか」


 残った素材もしまい、工具も元の位置に、虎鉄はペロッと舐めながら部屋を一回り、鍛冶場を出て部屋へ戻る。パラミス達はまだ居ないが6人は揃っていた。


「柚葉ちゃん武器とアイテムを渡すね」

「ユタさん、僕の事は呼び捨てにしてくだしゃい!はわわ!噛んじゃった」

「解った、柚葉、まずはこれ、小烏丸と小狐丸」

「凄い、抜いて見て良いですか?」

「ちょっと待ってね、次はネックレス」

 俺は頭から被せ、ネックレスの外へ長い髪を出す長さを調節し、少し離れて見て

「うんうん似合ってる、最後は指輪ね」


 と手渡そうとしたが柚葉は左手を前に出している。


 俺はしかたないので、人差し指に


「ぶ~」×6


 中指に


「ぶ~」×6


 小指に


「ぶ~」×6

 親


「ぶ~」×6


 薬指に······はめた、自動調整でピッタリサイズだ、ダイアモンド付きも薬指に。


「末永くよろしくお願いします」

「こちらこそ? でもどうして?」

「妾と一緒に釣りをしておったじゃろ!」

「え? でもあの子、僕って······言ってるね、皆毛糸の帽子やったね、マジかぁ~!」

「妾は目がキツメじゃから解らんでもないが、柚葉ちゃんはしっかり女顔じゃ!」

「ダンディーだった貴方が、こんなにカッコよくなるなんて、おじさんコンプレックス卒業しました!」

「元の時からかぁ~」

「で、一旦ユタさんはパーティー抜けてもらって私達でパーティー組むから! 色々教えたしレベル上げたら私達と一緒になるよ、さぁ! ダンジョンへLet's Go!」

「了解、パーティー抜けて、行くよ。転移!」

 パッ


 路地裏ヘ転移し、冒険者ギルドヘ。


 簡単に三葉が


 シュパッ!


 として依頼登録完了。


 そして路地裏から転移!

 パッ


「到着、そや、柚葉の服に付与するね」


 むむむむむむむむむむむむむむむむむむ~!


「オッケー、ナビ、何階層?」

『は~い、何とこのダンジョン! 9080階層! 水晶玉部屋が9081階!』

「深っ(ですの)!」×7

『ドロップも多彩で、経験値はあの火山の大和レベルです! 作った初代がまた馬鹿だった様です、攻略後は公開しますので、普通に戻す事をおすすめします(笑)』

「すぐになれるね! 飛ばして行きますか?」

『後、皆を呼んで上げて下さい、1段階上がると思われますので』

「ふむ、亜神の上、神と言う事かの?」

『はい、そのレベルになれば、この世界では気絶しているところをドラゴンに噛まれても、くすぐられているレベルですので安心です』

 パッ


 シンディ達が来た。

 パッ


 ケイ&ユリが両手を上げたポーズで皆と転移してきた。

「「てんいできたぁ~!」」

「凄いじゃないか! ケイ、ユリ!」


 なでなで


「揃ったんなら、6人パーティー3個出来るし、1階層づつ交代で行きますか!」

「は~い(ですの)!」×17



「お昼~や無いけどご飯休憩!」

「はいですの! 夜食になりますから、バケットのせのせパーティーですの! スクランブルエッグ、ハム、ベーコン、レタス、チーズ、サラミ、ニンニクオイル等々各種取り揃えてマスの! 好きに乗せられますの! せ~の」

「いただきます(ですの)!」×18

「サラミとコールスロー美味っ!」

「ローストタイラントカウ&メロン!」

「私はハムとチーズで」

「アンコです! マーガリンと合わせて幸せです!」

「全部のせは無理っす!」

「ピーナッツバター!」

「何で梅干し! ってか美味いで! 蜂蜜漬けやん! 高い奴やん」

「アキちゃんそれほんと! 私も梅干しやってみる!」

「「みりんぼし~! うまうま~!」」

「いやいや」×16

「ビーフシチューに浸すの美味しいです!」

「こっちのコーンポタージュも合いますね!」

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

「ごちそうさま(ですの)!」×18

「残り4000階層! 飛ばすぞ!」

「は~い(ですの)!」


「お肉が極上になりましたの! 狩りですの! 取りこぼしは厳禁ですの!」

「は~い」×17


「素材が大漁じゃ! 採取し忘れるでないぞ!」

「は~い(ですの)!」×17


「お疲れ様! これで皆が龍コンプリートやね!」

「お揃いですの!」

「次は美夜!」

「は~い」


 美夜は1歩前に出て ペトペト


『素体情報確認しました』


『お名前を』

「美夜!」


『登録 マスターミヤご用命を』

「まずは他のダンジョンとのリンクを」


『他のダンジョンマスター確認 リンクしました』


 むむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむ~!


『Lv MAX15』

「ダンジョン国(迷宮王国(ラビリンス))全域範囲結界」



『ダンジョン国(迷宮王国(ラビリンス))全域範囲結界展開 完了』

「後は、ここのダンジョンの魔物の経験値を、他のダンジョンと合わせてくれる?」


『経験値レベルの変更 完了しました』

「お名前は コネテス!」


『登録 コネテス』

「コネテス?」

「反対から読むと~」

「捨て猫 (ステネコ)!」×17


「私達はダンジョン巡りしてから戻るわね」

「「てんいれんしゅ~!」」

「はは、練習か、頑張ってな(笑)」


 なでなで


「「いくよ~! てんい~!」」


 ······


「「てんい~!」」

 パッ


「要練習やね(笑)」

「じゃな、そろそろ日も昇り、冒険者も集まるちょっと前じゃ先にギルドは済ませて、ダンジョン披露にしようではないか(笑)」

「だな、路地裏はっと、転移!」

 パッ


 ささっと冒険者ギルドヘ移動し中に入るが閑散としている。


 受け付けカウンターも、2人体制で誰も並んでいない、そこに俺達は進み、受け付けのおっちゃんにした。


「依頼完了の報告じゃ、木札だな」

「はい、お預かりします」


 おっちゃんは軽く確認し


「では、ギルドプレートとダンジョンプレートを」


 三葉は


 シュパッ!


 まずはギルドプレートを手渡す。


「ありがとうございます」


 おっちゃんは魔道具にギルドプレートを通し


 こちらを向いた瞬間に


 シュパッ!


 ダンジョンプレートを出した。


「お預かりします」


 おっちゃんは、プレートをそのまま魔道具へ通した。


 来るか!×6


「新ダンジョン発見と、そのダンジョン完全攻略······完全攻略? 新ダンジョン?」


 カウントダウンだ~!


 3.2.1.


「何だとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~!」


 来たぁぁぁぁぁぁ~!×7


 冒険者ギルド内は職員と、後は、パラパラと冒険者達が居るだけでガラガラ、なのでおっちゃんの叫びで皆の注目が集まる。


 職員の1人が


「ギルドマスター、いかがなさいました?」

「新ダンジョン発見と、その発見したダンジョンの完全攻略だ! サブギルドマスター! 金庫から報酬を!」

「はい! 直に!」

「ふむ、パーティー "わーるどじゃんぷ" 凄い偉業だおめでとう!」

「ありがとう(ですの)!」×7


 パラパラしか居なかった冒険者達も集まって来て。


「すげーな! おめでとう!」

「ほんと凄いわ! おめでとう!」

「チッ! 俺達より先にとは! 目出度いじゃないか!」


 と皆が。


 そこへサブギルドマスターが戻ってくる。


「ギルマス、こちらを」

「うむ、わーるどじゃんぷ! 依頼達成報酬、新ダンジョン発見! 黒貨1枚! ダンジョン攻略! 黒貨10枚! おめでとう!」


 大きくは無いが、拍手と祝の言葉がギルド内に鳴り響いた。


 俺達は報酬をしまう。


「新ダンジョン場所ですが口頭で教えるのですか?」

「いやいや、天井に地図があるだろう、それにダンジョンプレートから読み取った位置が表示される。良し、やってみよう」


 ギルドマスターは、魔道具にダンジョンプレートを通した。


 皆が天井に注目、1点が光る。


「何? この場所は······」

「光っている場所ってここだよな?」

「間違っているのか?」

「あっているぞ、新ダンジョンは現行の隣じゃ!」

「マジか?」

「マジじゃな、見に行くかの?」


 こくこくこくこく


 ギルドマスター、サブギルドマスター、冒険者達が俺達の後を、ワクワクした顔で着いてくる。


 カルガモの親子かっちゅうねん(笑)!


 それを見た朝帰りの冒険者達も、何が起こるのかとワクワクした顔で、Uターンして着いてくる。


 ダンジョン前を通り過ぎ大岩の前で止まる。


「ここじゃな」

「大岩?」

「なんだ? 入口は?」

「あっ! 確かにダンジョン特有の波長は感じますねでも、隣にダンジョンがあるので解りにくいですね」

「マジかぁ~! すぐ横に合ったなんて!」


 冒険者達がワイワイしだしたので


「旦那様お願いじゃ」

「タイミングは合わせるね(笑)」

「そろそろ朝帰りの冒険者達も集まった様じゃし、公開じゃ! せ~の!」

 収納!


「大岩の下に階段だ!」

「スゲー! 新ダンジョンだぞ!」

「俺達は早速もぐるぞ!」

「装備見直して出直しだ!」

「マジかよ! 朝帰りの一杯どころじゃねえ! すぐ買い取り終わらせて潜るぞ!」


 次々にダンジョンへ潜る冒険者達、ギルドに買い取りヘ走る冒険者達。


 ギルマスが


「前例が無い訳ではないが、ここもそうなるとは、さらにこの街は賑やかになるぞ!」


 そこへ


「え~なになに~こんなところにダンジョン合ったんだ~」

「どうしたの、あら新しいダンジョン? 確か黒貨1枚、100億プルね」

「何か奢って貰おうよ、きゃは」

「私達の功績にしましょうよ! 王様も喜ぶよ!」

「あらあら、良い考えね、ギルドマスターさん、そのダンジョン見つけたのは私達、として貰えるわよね?」

「何を馬鹿な事を、王様の頼みでも聴けんな、本人達に交渉しても良いとは言わん!」

「あらあら、そうですの、あら? 柚ばぁ?」

「何? 柚ばぁが見つけたなら私達の手柄じゃん(笑)」

「交渉すら必要無かったわね」

「違うのぉ、柚葉は妾達のパーティーじゃ」

「ん? あら貴方はお昼に居たわね」

「柚ばぁの、知り合いみたいだから押し付けた」

「じゃからそっちのパーティーではないのぉ、さっさとどこかへ去れ」

「良いわよ、ダンジョンの権利は頂きますが」


 俺が前に出る。ついでになでなで


「ん? あげないよ、何でやらないといけないの? バカなの?」

「貴方は?」

「人に聞く前に名乗るって習わなかった? あっ! バカだから覚えられないんだ! ごめんごめん」

「私達はこの国に召喚されたエリートよ」

「エリート? 奴隷なのに? その腕輪って偽装されてるけど奴隷の腕輪だよ(笑)、それをエリート? バカ? あはは!」

「えっ! 嘘っ!」

「良く鑑定してみな、状態の健康の後ろに " · " あるだろ? そこを頑張って鑑定すれば見えるかもよ」


 俺は素早く、腕輪の偽装を解いた。

 シュ


 シュ

「嘘っ!」×6

「でしょ(笑)、この国の操り人形やね! バカでも出来るから良かったね」

「外せない! ほんとに!」

「やだやだ!」

「まぁ、奴隷は解除出来るけど、やることあるよね? バカな頭で考えて」


 6人は混乱してワタワタするだけで、行動しない。


「はぁ、柚葉に謝らないとダメだと思うけどもう良いや、解除! ほら、奴隷は解除したからバイバイ」

「ほんとに! 奴隷無くなってる! この腕輪も外して!」

「外したら精神耐性と、アイテムボックスが無くなって、勇者も解放になるよ? 良いの?」

「はい!」×6


 皆、帝国のごみ捨て場に飛ばすけど良い?

 いい(ですの)!×6

 了解。


「じゃあ、ここは人目につくし、そっちの家の脇で」


 俺達の後ろを歩くバカ達、すぐに人目につかない場所に。


「じゃあ、もうこの国には居られないよね?」

「早々に出ていくわ、私達の力があれば何とでもなるわ!」

「アイテムボックスが空でも? 無くなるし、解除!」


 腕輪を回収、アイテムボックスの中身を適当にこいつらの足元にばらまく。


「解除完了だよ、鞄はサービスするよ!」


 6個の大きいリュックを渡してやった。


 6人は礼も言わず、ばらまかれた荷物を適当に詰め、背負ったところで


「違う国まで送るよ、2度と合うことは無いけど」

「ふん、私達も合いたくも無いわ」

「はは、そうそう、勇者って "歩くトラブル製造機" だから、これからは魔物に盗賊に人拐いに気をつけてね(笑)」

「え? 勇者は最強の職よ! 限界突破も光魔法もあるしレベルも15を超えたわ」

「あ~限界突破は地雷だから使わないでね、使った後、動けなくなるから簡単に死ぬよ(笑)」

「嘘っ!」

「光魔法は治療院とかで役立つね、でも街とかに入ったら魔物の大群が来るから気を付けてね」

「なっ! 街にも入れない、外では魔物に盗賊に人拐いにって、生きて行けないじゃない!」

「だから外す前に聞いたでしょ、6人も勇者がいるんやもん」

「嘘っ! 戻して! 戻しなさい!」

「謝りも、お礼もしない奴らにそんな事をすると思う?」

「謝るから早くもどしなさい!」

「まぁ、ほいっと!」


 ショッキングピンクの馬車の車輪形、封印の首輪ふわふわファー付きを付けてあげた。


 だからスキルも何も使えない。


「それって! 三葉&ユタ特製封印の首輪! ふわふわファー付き!」

「それで勇者は大丈夫だよ」

「ふん、趣味の悪い」

「じゃあ送るけど最後に、その封印の首輪はスキルとかも全部封印するから、今後覚えても今まで覚えていたものも使えないし、100年間は外せないから」

「えっ! そんなの普通の人以下じゃない!」

「そうだよ」

「外しなさいよ!」

「100年は神様でも外せないかな、残念だけど、もっと普通に俺達、柚葉と接していたら元の世界にも帰れたのにね」

「帰れるの? 帰してよ! 早く!」


 帰してしまおうか、この世界の事を喋れ無くしてて、あの首輪付きで


 賛成×6


「帰すけど、この異世界の事は喋らないでね」

「喋らないわ!」

「SNSとかも出来ない様にしてあるから、その首輪は取れないけど」

「え? 外しなさいよ」

「神様でも外せないって、じゃあね、送還!」

 パッ


 大きなリュックが地面に落ちているだけだった。











「帰ってきた?」

「教室よ!」

「皆これ外れてない!」

 ······

「首輪! いゃぁぁぁぁぁぁ~!」×6



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