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第55話 あっ! パン買い忘れてる! 先輩朝ごはん抜きです!

「今日は、焼きエビ! エビチリ! エビマヨ! エビづくしですの! なので、ご飯は炊き込みご飯! キャベツと豆腐の味噌汁ですの! ちょっとバランスは悪いですの! ごめんなさいですの! せ~の」

「いただきます(ですの)!」×8


「あっつぅ! 熱くないけど、焼きたて美味だ!」

「エビチリもぷりっぷり!」

「妾は、焼きを塩で、むふぅ!」

「「えびまよ~♪ えびまよ~♪」」

「そうだ、ケイとユリは、今日はどうする?」

「せばすしばくの~!」

「せばすししょ~!」

「今日はセバスが師匠か(笑)」

「せれすごはん~!」

「りょうりはせれす~!」

「セレスもなんだ!」

「確か今日はアルバトさんに、お兄さん(お姉さん)、錬金術ギルドマスターも来る日だよ」

「少しづつゆっくり教えて、経験を積ませると言ってましたね」


 んじゃ、別行動か、じゃ、小国群で絡まれても大丈夫やね。

『絡まれる前提ですね、なら、1番過激な国へ』

 過激なんや(苦笑)

『ダンジョンに勇者達が居ますので、魔物が活性化仕掛けてますし手強い? かも? ですね、さらに! 食材系です!』

決定(ですの)!」×5

「「がんばって~!」」

「あはは、聞いてたのね」

「美味しいの採取しますの!」

「んじゃ片付けして出掛けますか!」


「エトリはここに残るの?」

『は~い、お留守番で~す』

『この家もお願いね』

『任せて下さいね~♪』

「頼むね、今度は沢山友達連れてくるから!」

『は~い』


 片付けも終わり、ケイとしたユリを転移で送った。


「んじゃ、俺達も行きますか、転移!」

 パッ


「到着! ギルトは?」

「もちろん(ですの)!」×5

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~! やるんやね(笑)」


 こくこくこくこく


「ダンジョンプレート貰いに行きましょか」

「は~い」×5


 路地裏から大通りヘ出て、屋台のおっちゃんに


「串肉6本ちょうだい!」

「おう! まいど! 塩とタレどっちだ?」

「塩でお願いします!」

「おう、ちょっと待ってな」

「この町に来たとこなんやけど、冒険者ギルトはある?」

「ん? 来たところか、この通りを真っ直ぐ行けば右側にデッカい建物がある、だからすぐ解るぞ」

「おっ、ありがとう、近くにダンジョンとかあると助かるけどなぁ」

「近いぞ! この鶏肉もダンジョン産だ、うめぇぞ!」

「マジか! そりゃ良いな、頑張って採取してくるよ」

「おう、頑張ってきな、1200プルだ!」

「大銅貨1枚と銅貨2枚あいよっと!」

「おっ! 計算ちゃんと出来るな、良いぞ、この街は、たまにぼったくる店があるから気を付けてな、ほら6本! 毎度あり!」

「ありがとう(ですの)!」×6


 鶏肉が6個刺さった串を頬張りながら冒険者ギルドを目指す。


「この鶏肉美味いな」

「ヤミツキーほどではありませんが、お値段を考えるとコスパは良いですね」

「塩にしたのは正解じゃな、素材の味が解るからのぉ」

「凄く濃い旨味がありますから、タレは勿体ない」

「皮がパリッて美味しい~」

「水炊きが美味しそうですの! 骨付きが欲しいですの!」


 程なくして冒険者ギルドがあって見えてきた。


 入口をくぐると朝の混雑。


 作りはどこも一緒みたいに右側は、テーブルや椅子が乱雑に置かれ奥にカウンターがある。


 正面は受け付けカウンター、左側に買い取りカウンターと、依頼の貼られた壁がある。


 俺達は依頼を見に壁際に来たが、こちらも人で混雑している、隙間を見つけてやっと壁に貼られた依頼の確認が出来た。


「ありましたわ! 依頼内容 ダンジョン攻略 期間指定無し ランク指定無し 達成報酬 黒貨10枚 これですね」

「だな、よし! 受け付けに並ぼうか」

「は~い(ですの)!」×5


 受け付けカウンター前は朝の混雑時のために、ごった返しているが、なんとか列を作っている、カウンターの受け付けも、7人体制でフル稼働だ、中々手際よく処理されており進むが、待っている人も多い後、俺達の前のパーティーが呼ばれれば、次は俺達の番だ。


 三葉と葉月は、小さくテンプレ~テンプレ~と呪文を唱えている。


 祈りが届いたのか!


「そこをどきたまえ!」


 ニアミス、俺達の前のパーティーの様だ、俺達と変わらないくらいの年齢の5人パーティー。三葉と葉月は、悔しそうな顔を、撫でておこう。


「なんだ? 並べば良いじゃん!」

「横入りとかダッサッ!」

「おっちゃん後ろはあっちだよ」

「舐めた口を! 銀色ランク冒険者に逆らうとは覚悟は良いな!」


 おっちゃんは剣に手を掛け威圧している。


「なっな!」

「嘘っ!」

「あわわわ!」


 5人パーティーは、びびってしまった(苦笑)、勢いあったのに。


 つんつん


 三葉と葉月がつついてきた(笑)


 うんうん


 了解!


「おっちゃん、ちゃんと並ばんとあかんよ、そんなん子供でも解ってる事やで?」

「なんだ貴様は! 横から!」

「いやいや、横から来たのはおっちゃんやから、頭悪いんか?」

「貴様は、銀色ランクに楯突くならそれなりのランクなのだろ?」

「俺か?」


 シュパッ!


 三葉と葉月が頷いている。


「俺はねずみ色ランクだが、銀色にもなってルールも守れやんほど頭悪いんや、あっ! 考えたらハゲるとか?」

「俺はこの街で3人しか居ない銀色ランク、覚悟は良いな」


 おっちゃんは剣を抜いた。


 シュ

 ド

 シュ

 ドサッ

 

 もちろん腹パンパクです。パンだけおっちゃんの出来上がり、それも見えないくらい早めに動いたから、から見たら勝手に倒れ、パンおっちゃんになってる様に見えるはず(笑)


「うわっ! 何このおっちゃん勝手に倒れて裸やん! 変態やん! 女の子達も居るのに変態過ぎるやん! 衛兵さ~んここに変態がいますよ~! 裸で倒れてますよ~!」


 そこにホントに居た衛兵さん。


「どうした! なっ!」

「そっちのパーティーに絡んでたので注意したら、勝手に転けて裸で倒れてます」

「本当か?」


 衛兵さんは周りを見て、皆が頷くのを確認し腰からロープを外し、手際よく拘束し


「ん? こいつは銀色ランクじゃないか、こんな破廉恥な事をすればランク剥奪、追放は免れんな」


 こっそりギルドプレートをおっちゃんのパンツの中に出しておいた。


 衛兵さんはおっちゃんを持ち上げようとして


 カラン


 ギルドプレートが、落ちた、パンから。


「ふむ、これを渡しておく、すまないが抹消しておいてくれれば手間が省ける」


 受付のおっちゃんにギルドプレートを渡し、裸のおっちゃんを引きずり冒険者ギルドを出ていった。


 静まり返っていたギルド内も、朝のざわめきが戻ってきた。


「さっきは間に入ってくれてありがとうな!」

「ホントに助かりました!」

「剣抜いたと思ったら裸だし、変態ね~」

「ははは、あんなの居たら嫌だよね(苦笑)」

「俺達この街のダンジョン潜ってるからまた会うかもしれないけど、何かあったら俺達で出来る範囲だけど力になるよ」

「うんうん、あっ! こっちの人の焼くパンは、めっちゃ美味しいから、今日は持ち合わせないけど、良かったら貰ってくれる! 私達、今小麦の採取してるから」

「はい、余り物になりますが以前から、パン職人でしたので」


 年齢合わんやん! 中学生くらいやのにパン屋? 鑑定!

「ブハッ!」

「どどうかしましたか?」

「はぁ、娘のお小遣いにしやんで良いの?」

「へ? 何でそれを······」

「生徒手帳拾ってくれてありがとうな(笑)」

「まさか勇大さん! 御神 勇大さんなのですか!?」

「あはは、はい、とりあえず、今日の依頼はキャンセルで良いかな?」

「いいよ~(ですの)!」×5

「何か解らないけど訳ありみたいだな、こっちも良いぞ」


 俺達11人は冒険者ギルドから、出て


「どこか、落ち着いて話せるところ無いかな? 俺達今日来たところだから」

「俺達の宿か?」

「私の部屋は娘と2人なので、少し広目ですからいかがですか?」

「では、お願いします」


 聖、紗々、三葉、葉月、まりあ、すまんけどダンジョンは後回しね。

 は~い(ですの)!×5

 パン屋の人ですの?

 面影はあるのぉ

 ちらとしか見たことは無いですが

 私もはっきりとはみてないし~

 私は解りません!

 うんうん×4

 しかし、この5人で召喚者やけど勇者は居ないよなぁ、他にも召喚されていると見て間違いは無さそう。

 猫さんは助けて無さそうですが、他の中学生はうちの中学では、無さそう、見たこと無いし。

 ああ、違う学区にも配達してる筈だからそっちで巻き込まれた可能性はあるかな。

 なるほどのぉ、しかし、こやつらも支援職パーティーじゃな(笑)

 見事に(笑)

 ハブられたですの? 可哀想ですの。

 それはあるかもなぁ、他のメンバー次第になるが、戦闘職で集まりたがるだろうな。

 着いたみたいですね。


 俺達は宿の2階の1番奥にある部屋に入った。


「まずは、元の世界にかえりたいか?」

「え?」×5

「帰りたいなら帰せる、他にもこの世界に召喚されている者も含めてね、たまに条件を満たしていると帰れない人はいるけど俺達みたいに、で帰りたい?」

「もちろん!」×5

「なら、他に何人召喚されたの?」

「○○中学 1年1組の10人と、パン屋さんで11人です」

「私が○○中学の購買ヘ納品している時に、10人がたまたま購買から出て来て、娘が居たので話していると非常口付近が光り召喚です」

「お店の方にも買いに行ったことあるから皆が顔見知りだったので」

「なるほど、他の6人とは別行動?」

「ああ、あいつらは3日でギルドランクが、銅色になったから隣の国へ今朝、旅立った」

「マジかぁ、勇者居るんだろ?」

「ああ、、委員長が、勇者だ」

「やっぱり委員長なんや(苦笑)」

「後は魔剣士、魔法剣士、重戦士、剣士、剣士だな」

「えっと、お城で召喚だよね?」

「ああ、俺達は結構自由だな、支援職だから仕方ないけど、戦闘職は皆がアイテムボックスの腕輪、精神耐性付きの貰ったのに俺達はくれないし」

「良かったな、その腕輪奴隷の腕輪だろうね、それに、勇者は違う腕輪も貰ってない?」

「貰ってましたねって奴隷の腕輪?」

「まず、戦闘職の欲しい目的は戦力それだけ、魔王も居ないから。それで逃げないように奴隷にしているだろうね。勇者だけど、歩くトラブル製造機だから封印されてる。」

「魔王が居ない? トラブル製造機?」

「魔族の王様は居るよ、ちゃんと交易もしてる国だしね。勇者は居るだけで魔物を呼び、ドラゴンが襲ってくるし、街道を歩けば、魔物、盗賊、人拐いと襲いかかって来るよ(苦笑)」

「じゃあ、封印されていたら大丈夫だよね、限界突破のスキルあるし、光魔法もあるから」

「限界突破は地雷だな、使うと後で動けなくなるよね? 魔物の的だよ。光魔法も簡単な治療とゴーストとか霊関係なら、役にたつけどね、剣は使えるけど剣士以下だから相当頑張らないと、この世界では難しいね、魔剣士もね、魔剣って呪われてるから、ピンポイントでその耐性無ければ呪われるし。ましなのは魔法剣士と剣士だね」

「早く助けなきゃ!」

「場所はわかるの? なら、すぐに行くけど」

「街道を馬車で出たから方向は解ります!」

「アスタロト大公爵使うと面倒くさ、じゃなくてローブで行くか!」

「面倒くさい言い掛けたね(笑)、透明ローブ? で飛んでく?」

「無難?」

「アスタロト大公爵呼んで上空で待機して貰うのが楽じゃない? 風圧でこの人達なら息できないよ」

「ってかダンジョン攻略してないやん! 忘れてたやん! アスタロト大公爵ここの領域飛べへんやん!」

「あっ!」×5


 ゆっくり目に飛ぼうな。

 は~い(ですの)×5


「よし! 行くぞ荷物は全部持ってね」

「大丈夫です! パン屋さんがアイテムボックス持ってるので全部入ってます!」

「よし、このローブを着て!」


 皆がローブ着たら浮遊させ部屋の窓から空に飛び立った。


「ぎゃぁぁぁぁ~!」×5


 ニヤニヤ×6


「大丈夫か、これから飛んで追いかけるから方向だけ教えて、後見つけたら教えてね」


 パン屋のお姉さんが、指差す方向の街道上空を飛んでいく。


 最初は固まっていたが慣れたようで


「馬車が見えます!」

「近寄るから確認お願いね」


 そして何台かの後で中々豪華な馬車が


「あの馬車のマークって王族のマークだよな」

「みたいね、今回は関係無いけど」

「その前の馬車へお願いします」

「は~いよっと!」


 王族らしい馬車を追い越し、少し先を走っていた馬車に近づく。


「中が確認出来ません」


 箱馬車で窓が無くて確認出来ない様だ


「どうしようかなぁ」

『当たりですよ、あの馬車に封印の腕輪が1つ、奴隷の腕輪が6つありますね』


 そうなん? 停めよう馬車の車軸を


 デコピン!


 ビシッ

 ガコンッ


 ガガガガガガガガッ


 4つある車輪の後輪2つ、車軸が折れた事により、八の字になり馬車が止まった。


 俺達は少し先に行き降りてローブを回収。


「じゃあ、歩いて行くよ」

「はいっ!」×5

「は~い(ですの)!」×5


 俺達は少し足早に街道を、止まった馬車に向け進む。


 もう100メートル行けば接触出来る。


 向こうがこちらに気付き手を振っている。


 5人も振り返す。


 程なくして距離は0に。


「お疲れ様です、故障ですか? 後持ち上げましょうか?」

「助かります、車軸が折れてしまいまして、困っていた所です」

「解りました、土魔法で台を作りますので皆で持ち上げましょう!」

「ありがとうございます。では、後へ」


 男だけで馬車の後に回りタイミングを合わせ


「せ~の!」


 キシッ


 馬車のお尻が持ち上がったので土魔法!


 下からボコッと土が盛り上がり、固まった。


「台を作りました、ゆっくり下ろして下さい」


 ズシッ


 馬車の後輪が、少し浮く程度に持ち上がった状態で安定した。


「ありがとうございます、これで直せます」


 御者さんは馬車の下から新たな車軸を出し、折れた車軸を着け替える作業を始めた。


「おい、お前ら何で喋らないんだ?」

「言葉を喋るなと命令でもされてるのだろうな、解除!」

「なっ! 喋れるぞ!」

「くそ! あいつら奴隷になんてしやがって!」

「あいつらって王族?」

「ああ、この腕輪、奴隷の腕輪だ」

「くそ! 後から来てやがった!」


 あの馬車はこいつらの見張りか。


「その腕輪は解除したから大丈夫だぞ」

「え?」×6

「奴隷は魔法で解除したから大丈夫、こっちの子達に頼まれて助けに来た、召喚者だよ」

「あんたらも召喚されたのか!」

「別の国だけどね、それでもうすぐ到着する馬車は? 敵?」

「公爵が乗ってる、俺達の見張りだ、俺達は隣の国との戦争に参加させられる所だった、ありがとうな助けてくれて」


 ナビお宝セット

『は~い♪』

 悪い顔してるですの(笑)

 貧乏じゃな(笑)

 うふふ(笑)

 やっちゃえ~(笑)

 あはは、またですね(笑)


 公爵を乗せた馬車が止まった。


 兵士2名と、高そうな服を着たおっさんが降りてきた。


「とりあえず、お前達は奴隷状態みたいな態度でお願いね(笑)」

「何かやるんですね(笑)」


 素晴らしい通じた様だ。


 11人は跪く。


 御者さんも気が付き跪く。


 俺達は立ったまま、向こうの動きを待つ。


「ふむ、不敬な奴等がいるが、何者だ?」

「ん? おっさんこそ何者だ? 偉そうに髭なんか生やして似合ってないぞ(笑)」

「切れ!」

「「はっ!」」


 兵士が剣を抜いたので

 シュ

 ドド

 シュ

 ドサッドサッ

 

 兵士は、パンになりました(笑)


「なっ! 何が起こった!」


 馬車から御者していた者と、馬車の近くで待機していた4人がこちらに向かって走り寄ってきた。


「公爵様、私共の後へ!」


 そう言い公爵の前に出て盾を構える。


「貴様! 何をした!」

「剣を抜き襲おうとしたから 返り討ちだな」

「バカな! 近衛兵だぞ! ガキに倒されるものか! 構わん切れ!」


 5人が、一斉に剣を抜き走り出したところを


 シュ

 ドドドドド

 シュ

 ドサッドサッドサッドサッドサッ

 

 またですね、パンです。


「近衛兵が、何故だ! くそ! おい、お前達命令だ! その者を捕らえよ!」


 右手で俺を指差した状態だ。


 皆は動かない。


 おっさんもビシッ! と指差したまま動かない。


 どちらも動かない(笑)


「ああ~、奴隷なら、解除したぞ、おっさん(笑)」

「なっ、何! そんなことが······」


 そこへ、さらに登場した人物が


「何事だ!」

「王子様! 出てきては行けません! 賊がおります!」

「ふん、ガキではないか、近衛兵達は何をしておった! 俺の手を煩わせるなど、仕方ない、俺が引導を」


 そしてキラキラな剣を抜き向かってきたので


 シュ

 ド

 シュ

 ドサッ

 

 あかん全裸やん!


 シュ

 パサッ

 シュ


 よし! 皆は目を閉じていた。


 見たくないです(の)!×5


「王子様!」

「武装もしてない俺達に、武器を振りかざし襲ってくる盗賊は捕まえないとね(笑)」

「なっ! 盗賊だと!」

「ああ~、その前に人拐いだな、召喚なんかしやがって」

「何故その事を、貴様ら喋ったのか!」

「いや、俺も召喚者だからな、他の国のだが」

「貴様が召喚者だと! だとしたら何故奴隷になっておらん! 我等と同じ足りなかったからか!」

「いや、自分で解除したに決まってるやん」

「では、その国は」

「俺達は国外へその国はまぁ、残ってはいるよ」

「召喚のリスクがこんな、勇者が出たが封印出来たのに終わりだ」


 おっさんは座り込み項垂れたので


「んじゃおっさん、この国のお宝全部を、慰謝料として貰うから、後は頑張ってね、収納!」


 シュ

 パサッ

 シュ


 この国の王族はパンまで魔道具か!


 馬車まで魔道! 無くなってますやん! 馬車の有った地面にはお酒の瓶や細々(こまごま)したものが散乱していて裸のおにいさんまで!


 シュ

 パサッ

 シュ


 油断のならない国だ、まったく。


「さてと、御者さん、俺達はもう馬車には乗らないので、せやけど直しますね、ほいっと! 土魔法も解除っと!」


 ズンッ


「では、御者さん俺達は行きますね」


 俺は皆の方に振り向き


「しばらく歩きな、行こう!」

「は~い(ですの)!」×5

「······」×11


 見えないところで転移!

 パッ


「なっ!」×11


 飛んで出発した宿屋の部屋に戻った。


「えっと、これで全員揃ったで大丈夫?」

「今のは?」

「転移だね、それの発展系で皆を元の世界に帰す事が出来る、ちなみに、元の世界は魔力無いから "ファイアー" とか言っても出ないからね、あっ、残りたい人いる? 帰れなくなるけど」

「帰れるのか?」

「来た場所、時間に帰れるよ」

「お願いします」×11

「了解、後、この世界の事は誰にも喋らない、それを守ってね」

「はいっ!」×11

「俺達は帰れなくなったから、皆は向こうで幸せにね。送喚!」

 パッ


「はぁ、何とか無事帰せたね」

「パン屋さん、帰せて良かったね」

「あの人居ないとパン屋が潰れるって言ってたし、良かったよ」

「では、冒険者ギルドに出直すかの」

「木札持ったままですし」

「行きますの! 食材が待ってますの!」


 俺達は部屋を出て宿屋を出たが

「どっちか覚えてる?」


 ふるふる×5


 路地裏を探そう。


 路地裏から、今朝の路地裏へ、屋台はスルーしてやっと冒険者ギルドへ。


 受け付けカウンターも列は少ない。


 少し待つだけで俺達の順番が来た。


「依頼を受けたいのですが、これをお願いします」


 紗々が初ではないだろうか。


「はい、ギルドプレートをお願いします」


 シュパッ!


 紗々もやるなぁ。


 葉月が~んな顔をしている、そうか! ギルドプレート出したかったんやね。


 なてなで


 次ね。

 はいですの。


「お願いします」

「お預かりしますね」


 おっちゃんは魔道具にギルドプレートを、通しダンジョンプレートと共に返してくれる。


「はい、受け付け完了です」

「すみません、こんなに高額な報酬って大丈夫なのですか?」

「はい、既にギルドで保管されております、新ダンジョン発見の分も保管されております」


 ナビ大丈夫?

『無いですね(苦笑)』

 マジかぁ(苦笑)

 無いのですね(苦笑)、見たいとか言ってみましょうか。

 採用(ですの)!×5


「まぁ! スゴいですね! 見ることは出来ますか! 皆に自慢出来そうですし! キラキラですか!」

「残念ですが、達成者パーティーしか見れませんね、後は職員でも私の様なギルドマスターでないとね」

「失礼しました! ギルドマスターとは思いもよらず」

「いえいえ、確かに黒貨はキラキラでしたよ」

「はぁ~解りました! 必ずダンジョン攻略してみせましょう! よし!」


 紗々は1枚の紙を出し、サラサラと何かを書いている。


「完璧! ギルドマスターこれをお願いします! 友達に自慢してやるんですから!」


 紙を手渡す。


「ほうほう、これは愉快ですね! 友達もビックリしますね、サインして、ふふっギルド印も押しますね」

「やったあ~! サインとギルド印のダブルなら絶対ですね! ギルドマスターありがとうございます!」


 ギルドマスターがサイン&ギルド印を、押した瞬間、見てしまいました、紗々の悪い顔を(笑)


 紗々は、ギルドマスターからサイン&印をした書類を受け取り、俺達に見せるふりをしてギルド中に見せるように。


「見て下さい! 貰っちゃいました! ダンジョン攻略したら報酬+全冒険者ギルドからも黒貨10枚! 合わせて20枚貰えることに成りました! 良いでしょう!(笑)」


 仕方ないね(笑)


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!」俺達


「すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!」他者

「あはははははははははははははは~!」ギルド職員


「ギルドマスターやりました!」

「あはは、ビックリがギルド中ですね!」

「ありがとうございます! 頑張りますね!」

「はい、頑張って下さいね」


 そして俺達はギルド出てダンジョンへ向かうのであった。



「紗々、良いネタをあのギルドに持ち込んだな(笑)」

「あの流れは妾には無理じゃな(笑)」

「貧乏さん確定ですね!」

「紗々ちゃんの悪い顔、決まってました~」

「シュパッ! も決まりましたし鉄は熱いうちに打てですの!」

「うふふ、美味しい食材が待ってますよ、行きましょう!」


 ダンジョンは、街の外壁のすぐ外にある、俺達は街の門をくぐり壁沿いの道を歩いていく。

「おっ! さっきのパーティーじゃないか! ダンジョン攻略したら酒でもおごってくれよ! 応援するぜ!」

「あら、さっきの子達ね、頑張って!」

「あんな楽しいギルドは、久しぶりに見た気がするわ(笑)」

「しかしあれは、本当に攻略したらギルドは、破産だぜ!」

「書類は完璧! ギルマスのサインとギルド印、王様でも覆せないわあれ(笑)」


 ダンジョンへ、続く道で俺達の回りは冒険者者で溢れてきた、既にギルドに居た人以外からも声援を受ける始末である、俺達はその中心で局地的に有名人になった。


 さて、何とか皆を振り切り1000階層、思ったより


「あまり良くないですねぇ~」

「だな、食材は出るけどそこまで良くないよなぁ」

「それにここで終わりだと、なっとらんぞ!」

「お肉が少ないですの! お野菜多いですの! 茸も無いですの! お塩は、要らないですの!」

「外れは初めてですね~」

「早く攻略してしまいましょう(苦笑)」

「あけるぞぉ~」


 テンションだだ下がり、だが!


「火属性龍! これは当たり! つんつん つついてから首チョンだ! おかわり来い!」


「水! いただきます!」


「風! よ~しいい子だからにげないで~!」


「ラスト! ······土は?」

「居ました! あの天井の角に張り付いて保護色してます!」

「行けぇぇぇぇ~!」


満足(ですの)!」×6


「シンディだよな?」

「はい、これるでしょうか?」

『お昼休憩中で大丈夫だそうですよ』

「転移!」


 パッ


『ケイちゃんと、ユリちゃんはギルドに行ってるから無理ですが他の方はオッケーですよ』

「転移!」

 パッ


「シンディ、お待たせ」

「はいっ!」


 シンディが踏み出し、ペト


『素体情報確認しました』


『お名前を』

「シンディ!」


『登録 マスターシンディご用命を』

「他のダンジョンと、リンクを!」


『他のダンジョンを確認 リンクしました』


 魔力供給!

 むむむむむむむむむむむむむむむむ~!


『Lv MAX13』

「ユタ、この小国群全てとか出来ませんかね?」

「出来れば次の大陸に行けるしよいよなぁ、聞いてみてくれる?」

「はい」


「この大陸の小国全ての範囲結界」


『この大陸の小国全域範囲結界展開 完了』

「出来たね!」

「やりました!」

「100国以上巡るのは流石にね(苦笑)、後は名前だね」

「あなたの名前は ミレニアム」


『ミレニアム 登録しました』


「お疲れ様! とりあえず皆を戻すね、お昼休憩中に長々出来ないし」

「バタバタすいません(苦笑)」

「私達もケイちゃん、ユリちゃん帰ってくるかも知れませんし」

「了解! 転移!」

 パッ


「ささっとダンジョン回って、お昼ごはん食べて、おやつ食べてからギルドやね、皆がギルドに集まる時間帯に乗り込もう!」

「ニヤリ(ですの)!」×5




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