第54話 のんびりお休みの日
あれ、······もふもふ
『一気に頑張りすぎましたね、気合い入りすぎたみたいです』
あはは、調子に乗りすぎたね(笑)
『壁や天井&床なんてスゴくカチカチにしてましたし(笑)』
今から考えると三葉のコアに頼めば出来たりしない? 環境管理まで。
『あっ! 出来ちゃいますね······』
マジかぁ~やってしまった事は良いか、でどれくらい寝てる?
『まだ1時間程ですね、まだ明るいですし』
「「おきた~!」」
「ん? ケイ、ユリごめんな、皆は?」
「「よんでく~!」」
とてとてとてとて
ケイとしたユリが走って行った、首には虎鉄、なでなで
『ここ ちょうどはまる』
「それで首にはまってるのか(笑)」
『しーわきはまる りんおなか りるしっぽのせる しずかたまにかみのけつつく たませなかのせる』
「みたいだな、皆も心配させてごめんな」
虎鉄達を、寝ころんだまま、もふもふしてると皆がやって来た。
「ごめんな、張りきり過ぎた(笑)」
「壁を、固く固くってやってたらオーバーヒートだって~?」
「そうみたい、酒蔵の地下室やし、崩れたらあかんやろ? んで、頑張りすぎた」
「イルミンスールの時と同じ感じですね(笑)」
「くっくっくっ、旦那様はペースを、調整すれば、ずっと寝ず作業出来るじゃろうに」
「心配させてダメダメですの、反省ですの!」
「あの時は火で、今回はお酒、猫さんでもやりそうです(笑)」
「あはは」
「完成は?」
「まだまだ途中、良く考えたらアルバトとかと相談してなかったな、また次にするよ、よし! キャンプやからカレー! キャンプファイアー!」
「カレー祭り?」
「今日は俺達だけでね」
「は~い(ですの)!」×7
俺は起き上がり、タマから降り、タマをなでなで、よし、ふらつきも無いし。
「カレーは皆がやってくれるの?」
「ユタ様はキャンプファイアーですの!」
「それに、三葉ちゃんとまりあちゃん、ケイちゃん、ユリちゃんはキャンプファイアー組だよ~」
「カッコいいの作って下さいね」
「は~い!」×4
「カレーは任せた!」
「美味しいの作るよ(ですの)!」×3
俺と、三葉、まりあ、ケイちゃん、ユリちゃんは、ログハウスのウッドデッキテラスから外に。
「まずは、木を集めよう!」
「「は~い!」」
「伐採は、酒蔵の近くにしよう! ダンジョン街まで道作るし多少は伐ってしまっても良いやろ」
「ん? コアの力で地下道作った方が生態系にダメージ無く出来るぞ? 水脈も気にせず、距離も自在じゃろうに」
「森は玉藻ちゃんの子供達の遊び場だし、壊しちゃダメですよ!」
「そうか! んじゃ、トレント狩り?」
「「うんうん」」
「ナビ、トレント狩りするからポイントお願いね」
『は~い!』
「転移!」
パッ
「到着! ってエルダーの森ですやん!」
「壮大なキャンプファイアーが出来るのぉ」
「極小ウインドアロー連射!」
まりあが極小ウインドアローを、数千発宙に浮かせたと思ったら発射!
1本1発エルダートレントの眉間に軌道を変え突き刺さる。
俺の収納に10秒後にはエルダートレントが山の様に収納された。
「まりあちゃんずるっ子じゃ!」
「三葉、エルダー中々燃えないから普通のトレント行くよ、次は三葉が頼むよ」
なでなで
「三葉ちゃんごめんね、張りきっちゃった」
「うむ、仕方無しじゃな」
『次は普通の細めのですよ(笑)、酒蔵の材料に良いかと思いまして(笑)』
「あっ! それは助かるな、そう言う事なら全然オッケーだ! それならこの森で1番デカいトレントは?」
『大きいのは居ますよ?』
「それで湖近くに立てて固定して、ツリーハウス!」
「「それ良い!」」
『は~い♪ ポイントしました!』
「三葉、大きいのと、細いのどっちが良い?」
「悩むのぉ、(旦那様のしか知らんしなぁ)」
「三葉ちゃんなら、派手に沢山した方が良くない!」
「沢山したいのぉ(旦那様と)!」
「んじゃ、決まり! 転移!」
パッ
「到着!うわぁ~」
「「大きい~」」
「このサイズなら大きいの出来るな! 極小ウインドアロー!」
ピシュッ
ストッ
巨大な蜘蛛?が降ってきた······15メートルくらいあるね
『あの~お尋ねしますが、私の家はどこに? 急に消えちゃって~』
「すみませんでした!」×3
大きなトレントは、この蜘蛛さんのお家だった様です。
『?』
「え~蜘蛛さんのお家なんですが、倒しちゃいまして、湖の畔で、ツリーハウスになっちゃう予定で」
『まぁ~素敵! 私もあの湖の畔にお家があったらなぁ~と、2億年ほど想ってましたぁ~』
「えっと、一緒に来ます?」
『え~良いんですかぁ~、私大きいし怖がられてますよ~』
「大きくても大丈夫だよ、玉藻前や、ティアマト、ファイアーエンペラーイーグルも友達やし」
『まぁ~玉藻前さんと、ティアマトさんのお友達でしたかぁ~私も友達なれますかぁ?』
「はい! 俺はユタと言います、冒険者で、ねずみ色ランクで鍛冶士です、よろしくお願いします!」
『うふふ、よろしくお願いしますユタさん、名前貰えますか?』
「名前か·····」
蜘蛛ってふさふさだよなぁ、さわさわ
『うふふ、くすぐったいですよ』
蠅取蜘蛛に似てるよなぁ、ハエトリグモ、エトリグ、グ抜いて
「名前はエトリ!」
テイマーが仕事をしたようだ。
『ん~スゴい! 進化しちゃった! ママと同じだぁ~スパイダー! エンシェントが取れたぁ~』
進化してシンプルに?
『珍しいですがありますね、ドラゴンの進化の最終がドラゴンですので、全てを超えてその名になりますね(笑)』
「良かったねエトリ!」
『友達になるのが進化の鍵だったのね~、ママは自分で探しなさいって言ってた! 見つけたよ~ママ~』
『うふふ、人間さん、娘と仲良くしてくださいね』
『ママ~お友達になったよ~』
「はい、ずっと仲良くしていきますね」
『よろしくね、私は他の大陸に居ますのでまた遊びに来て下さいね』
「『は~い!』」
スゴいね、他の大陸からこの状況が解って、念話まで
『ですね、さあ、キャンプファイアーですよ』
「そうだった! しかし1本消えたら、なぁ(苦笑)」
「スゴいのぉ、50メートルくらいの中庭が出来た様じゃ」
「ほんまにそうやね、エトリも一緒に行くよ」
『は~い』
「んじゃ、転移!」
パッ
「ほぉ、なるほどのぉ、幹が直径15センチ無いくらいなら井形に組つけるのにも良さげじゃな、しからば! 極極小ウインドアロー!」
ピュッ
「ほわぁ~1キロ四方くらい草原になりましたよ」
『スゴい魔法~』
「いっぱい採れたな(笑)」
「これでもまた明日には生えとるじゃろう(笑)」
「んじゃ、帰って組んじゃいますか!」
「「『は~い!』」」
転移!
パッ
「「「『到着!』」」」
『細めトレントは解体して、水分も抜いて処理しておきました!』
「ありがとうナビ!」
とりあえず20本出す。
「積んでいこう! の前に、エトリの木をログハウスの横に立てよう!」
「直径50メートル! 深さ70メートル土は収納!」
大きな穴が出来た。
「デカいトレントほいっと! まりあと三葉、ケイ、ユリ、木を真っ直ぐに支えてくれる?」
「は~い!」×4
4人は浮遊で浮き、木の四方から支えてくれる。
「ありがとう! 土戻して行くね! 固めて行くようにドサッと!」
底の方から徐々に固めながら地表まで、土が余らない様にギュっと
「まりあ、三葉、ケイ、ユリありがとう!」
4人はふわふわ帰ってくる。
「エトリ、これで大丈夫だと思うけど」
『確かめて来るね~あら? 玉藻前~この前ぶり~』
『あら、うふふ、貴女も友達になったのね』
『エトリだよ~よろしくね~』
『私は、玉藻よ、よろしくね』
2人は挨拶をしてエトリは木の方へ
玉藻が
『あらあら、あの大きいだけのトレント採って来たのね』
「大きいだけの?」
『あのトレントは、進化出来なかったので養分を吸いまくるトレントだったの、だから森には害に成りかねないトレントだったの、害が出れば私が抜くつもりでした』
「エルダーよりデカいのにね」
『それは年数だけなら中々の物ですよ。そうそう、それにエトリは強いですよ、私やティアママとも良い勝負が出来ますね』
「スゴいなぁ、おっとり喋るから」
『うふふ、本気で動けば私でも速さは負けちゃいます、前後左右自在に動きますから』
「すげ~」
そこへエトリが飛び降りてきた。
ストッ
『良い感じ~景色が良いよ~』
「良かった! そうだ! 皆にも紹介しないと!」
「皆来てますよ、大きな蜘蛛さん」
いつの間にかキャンプファイアーの木は積まれ終わっていたし皆が集まっていた。
「よし! 新しく仲間になったエトリ!」
『皆さんこれから宜しくお願いします~』
「お願いします(ですの)!」×7
「左から聖、紗々、三葉、葉月、まりあ、ケイ、ユリだ! まだまだ沢山居るから今度紹介するね!」
その後はカレー組はログハウスヘ戻り、俺達は組まれた木の枠の中に葉や枝を押し込み完了。
時間があるので、5本のルアーフィッシング用の竿をセットし、小川まで転移、釣りを始めた。
「ぬっ! ヒットじゃ!」
流石経験者、30センチ近くのニジマスをキャッチ。
大きな樽に水を入れ、中にニジマスを入れる。
「ふんぬ! うわわわ! 逃げないで下さいね~」
「「きゃ~ひっぱられる~!」」
「っ! ヒット! スピナー初釣り!」
沢山釣れたが、食べる分だけ残して後はリリース。
「これを塩焼きで食べたら美味しいぞ!」
「「おいしいぃ~!」」
「さばくかのぉ、旦那様はニジマスはさばけるかのぉ?」
「調理場付きの釣り場ならスチールたわしがあって鱗が簡単に取れるけど、包丁でやってみるか!」
小川の傍らにテーブルを出し、まな板と包丁、ニジマスのエラを切り血抜き、まな板の上にニジマスを乗せ包丁を立て尻尾の方からカリカリ。
細かい鱗が取れてくる。
「手間はかかりそうだけど、いけるな!」
鱗を取りハラワタを取り、串を口から刺してくねくねと、S字に形作る。×7
塩をまぶして、ヒレ、尾びれに多めにお塩!後は収納しておく。
「晩ごはんが楽しみです!」
「「くねくねぇ~」」
「中々の手さばきじゃ!」
「そうだ! 籠! 籠でワナ作るぞ!」
「罠?」×4
「ニジマスのハラワタをエサに、カニかエビ採れたらなぁってね」
「ペットボトルで作るあれみたいなやつじゃな」
「そうそう、釣りエサ取るのに、たまにやけど実家の山の田んぼでカニ取ってた」
「水田でカニですか?」
「ああ、うちの水田に流れ込む場所は囲って砂利にして池? 溜め池かな? 浅いけどね、そこに大小石置いておくとカニとか住み着いて結構一晩で取れるからね」
「釣り堀かの? イカダ?」
「防波堤でタコ釣りか、イカダだな」
「でそのワナを作ると、でも、重ねてるだけ?」
「重ねた方は漏斗の形してるだろ、こっちが入口になるんやけど登って穴から入ると出れなくなるんだこれが」
「すごい~!」×3
「完成!後はハラワタとかを布の袋に入れて籠の中へ、で石で重りをして川底に沈めておく」
「早ければ明日の朝ごはんになるかもね(笑)」
「やった~!」×4
ワナを仕掛け終わりログハウスヘ帰還。
既にカレーの臭いがしてきている。
俺達は、ウッドデッキテラスの近くに囲炉裏を作りだす。
「ユタさんもいきなり思い付くのですね、でも囲炉裏で焼き魚ですか!」
「そう言うのをやってみたくなるやろ?」
「炭の端に魚を立てて焼くんじゃよな」
「旅行のパンフレットで見たことあるかも!」
「絶対美味くなる!」
「「やった~!」」
本格的な物は出来なかったが中々の出来、真ん中に炭を入れ火を起こし、少し離れた位置に串に刺した魚を立てていく、確か、じっくり焼いていくんやったよな。
皆の作業も終わり、テラスでまったりお茶を飲む、薄暗くなってきたのでキャンプファイアーに火を着ける。
水分を抜いてある葉が燃え、炎が勢い良く上がる。
枝に燃え移りさらに太めの枝へ。
火が落ち着いてきたので
「そろそろカレーパーティー始めよう!」
「は~い(ですの)!」×7
「タイラントカウカレーですの! 福神漬け、ラッキョウありますの! ヤミツキーフライ&ビッグボアカツありますの! せ~の」
「いただきます(ですの)」×8
「俺はヤミツキーフライいただく!」
「私も! ヤミツキー!」
「「やみつき~!」」
「ビッグボア1択!」
「ビッグボアですね、衣がサクサクです!」
「ダブルですの!」
「私もダブルに挑戦です!」
「なっ! その手が! 俺もダブル!」
「「だふる~! おいしいぃ~!」」
「勇大さん達は魚釣りまでしてくれたのですね」
「今、囲炉裏で焼いてるから、釣りなら夜釣りでも皆でやる?」
「ユタさんは今日はゆっくり寝てもらいます~」
「じゃな」
「もう全快だけどな、まぁ、明日の朝日が上るのを見るのも良いから早めに寝ようか」
こくこくこくこく
色々話し、キャンプファイアーが崩れだす頃囲炉裏のニジマスが良い感じに焼けた。
「焼けてるな! はい皆焼けてるぞ!」
「は~い(ですの)!」×7
「「おいしいぃ~!」」
「塩加減も良いやん!」
「美味しいのぉ」
「うまうまですの!」
「大きなお魚をかぶり付きって初めて!」
「私も~ヒレのお塩の所がパリパリして良いね~」
「皮まで美味しいですよ!」
わいわいと皆はお茶を、俺は冷酒にしてチビチビ
キャンプファイアーも小さくなり、夜も更け、大きなベットで皆に囲まれ眠りについた。
もふもふ むにゅ
今日は首に虎鉄、お腹に凛が乗ってるだけで起き上がれた。シー公爵は脇に居たので猫パンチされたが(笑)、ごめんね。
まだ外は真っ暗だが、遠くの山の天辺に光が差し出している。
皆も寝てるしちょっとだけ釣りしようと動き出したら
「旦那様、籠ワナ上げに行くのかの?」
「起こしちゃった? ごめんな」
「楽しみで、ちょっと前には起き取ったぞ(笑)」
「私だけじゃなくて良かったです(笑)」
「「にひひ~」」
「あははっ! じゃあ行こうか」
5人でそっとテラスから外に出て、小川まで転移!
パッ
「到着!」
「で、旦那様は釣竿を持っとるのじゃ(笑)」
「ちょっとだけだから」
「私も!」
「「ひっぱられる~!」」
「じゃな、ワナは逃げんしのぉ」
それから、早朝釣り!
釣ってはリリース
釣ってはリリース
しばらく楽しみ、ワナをあげる事に
「口側からあげるぞ~!」
「「ひっぱれ~! よいしょ~!」」
「中々重いのぉ、そ~と上げるのじゃ!」
「籠がミシッって言ってる!」
「水が抜けるまで重いから壊れやすい、ゆっくり上げていくぞ!」
「「そ~とぉ~! ゆ~くり~!」」
「よし! 上がったぞ! たらいを出すのじゃ! ほいっと!」
三葉が大きなたらいを出してくれた。
「じゃあ、漏斗を外して、たらいには少し水入れて」
「水さんお願いしますじゃ!」
たらいに浅く水がはられ、俺は漏斗を外し終える。
「一気にひっくり返すぞ!」
こくこくこくこく
「せ~の!」
ザバババババ! 大量のエビ!
「エビ!」
「車エビみたいなエビじゃな! 鑑定では、美味!」
「「おいしいぃ~!」」
「よし! 100匹くらいいるぞ!」
「エビ天麩羅! エビフライ!」
「エビチリもじゃ!」
「「えびおいしいぃ~!」」
「帰って葉月に依頼だ!」
「おお~!」×4
「転移!」
パッ
テラスヘ転移してきて
「コンロで、焼きも良いよな」
こくこくこくこく
「なら、準備して驚かせよう!」
「は~い!」×4
コンロを1つ出し網を温めだす。
干物もついでにテーブルヘ用意して。
皆が起きてくるのを待つことに。
まず葉月が起きて来た。
「おはようですの! 皆早いですの?」
「おはよ、昨日小川に籠ワナ仕掛けたから、それを上げに行ったんだ」
「大漁じゃ!」
「ピチピチです!」
「「ぴちぴち~! いっぱい~!」」
「そこのたらいに」
「ひよわぁ~! コンロで焼きますの! 賛成ですの! お塩か、醤油ですの! 鉄板でバターも! マヨネーズも良いですの!」
「わかった鉄板も準備するよ!」
すぐにコンロを出し鉄板を熱する。
葉月が器用にエビの背ワタを抜いている。
俺ならそのまま焼いていたところだ、面倒くさいから(苦笑)
それも素早い、串を刺し、出たワタをするすると抜いていく。
もうすぐ終わるか、と言うところで紗々が、その後ろに聖がテラスに出て来た。
タイミング良く日が昇ってきた。葉月も手を止め昇って来る日をまぶしそうに見ている、湖に光が反射しキラキラと煌めく。
日が山より全身を出した時。
「綺麗」×8
そしてまた1日が始まった。
手違いで消してしまいテンションが上がらず。
短めででした。




