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第29話 下積み生活。その5

「ただいまぁ~!」

「お帰りなさい(ですの)!」×5

「帰ったか、帝国はどうなる?」

「ん? もう無理じゃないかな」

「無理ですの?」

「悪い顔してる~」

「可哀想ですね(笑)」

「やっちゃったね」

「くっくっくっ、貧乏じゃな」

「???」×7

「(笑)」×5

「南端から光の見える所は全部回ったよん(どや顔)」

「あちゃ~」

「それはもう無理ですね」

「更地より酷いです」

「まぁ、頑張ってですの!」

「悪さをするからじゃの」

「帝国は武器、防具、魔道具、貴金属、貨幣、魔道書ほぼ全て無い?」

「無いな」

「ぶはっ!」

「だから大国が来る前に敗戦国確定」

「ん? おっさんパクって来たのか?」

「取り返して来てやっただろ、まぁ、新しいのやるよ魔法剣士は火属性だったよな?」

「おう!」

「ほいっと、帝国の宝物庫にあった火属性の剣!」

「スゲー! サンキューな!」

「お前は魔剣士、何だ? 呪いだらけじゃん! 無い奴で良いのはこれに、風の精霊が造った剣で自分の魔力を乗せると鎌鼬みたいなのが飛ぶ! ウインドカッターみたいだな! カッコ良いやん! ほいっと」

「おお! やるじゃねえか! 呪い耐性だけなら弱いらしくてな困ってたんだ、ありがとよ!」

「んで勇者だったな?」

「「勇者!」」

「ん?」

「はい、俺は勇者ですよ」

「マジか!歩くトラブル製造機!」

「歩くトラブル製造機!」×5

「歩くトラブル製造機!」×6

「何だそれ?」

「居るだけでトラブルが、起きるんだ、封印だ! セレス!」

「無いですよ!」


 それでアモルファスも帝国もか、封印ねぇ


『ありますよ、魔の森のお宝に2つ有りました』

 ちょっとちょうだいな

「勇者、ちょっとこっちほいっと」

 手首に腕輪を素早くはめた

「なっ!」

「勇者封印完了! エスさん王命永続で」

「よっしゃ! 王命である! 勇者は封印の腕輪を外す事を禁止する! 永続である!」

「「はぁ~」」

「ユタ助かった」

「魔道王国が、帝国状態になるところでした」

「え? 勇者って······」

「勇者、英雄の職業の者は向こうからトラブルがよってくるんだ、街道を行けば魔物、盗賊、人拐い街に居れば魔物の大群が押し寄せたり、ドラゴンが、来たり遥か昔南の国で勇者を召喚し1月経たず滅んだ、今回は、帝国に大国が、滅んだな帝国、お前トラブル多かっただろ」

「そだな、委員長絡まれてばかりだったな」

「ダンジョン街入る前も絡まれてたな、後、街入ってすぐ鐘鳴って魔物が来てたらしいし」

「アモルファスの王城の階段いつも踏外しそうだったよね」

「私落ちたの見た」

「ご飯の時はいつも石入ってるってぼやいてたね」

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

「それが前兆だ、もしアモルファスに後数日居たらアモルファスが今の帝国だな」

「そんな······、選べたから勇者、限界突破、光魔法取ったのに、ラノベの定番スキルなのに······」

「そのラノベ勇者が活躍する奴ですの! 最近は勇者がモブですの! 嫌われ役ですの! ざまぁ対象ですの!」

「じゃの、そのパターンじゃな、まぁ、おらんじゃろうが、バカにしていた奴に 勇者の彼女が惚れて取られるパターンもあり得るの、そのバカにしていた奴が実は主人公じゃ! くっくっくっ」

「エスさん、セレスさん、ちゃんと封印出来てるでしょ」

「あぁ、間違いない、助かった」

「はい、死を覚悟しましたよ(苦笑)」

「まぁ、ステータス元が高いから頑張ればそこそこ強くなるって」

「職無し、ニート」

「限界突破と光魔法あるじゃねぇか!」

「そうだぜ! やれるさ!」

「すまんが、限界突破は使うなよ、死ぬぞ」

「え?」×3

「確かにステータスが数倍になるが、その後動けんぞ、動けなければ死だな、光魔法は浄化や回復が多少出来るくらいだな、聖者職なら良かったのだが、治療院を紹介するぞ」

「そんな······」

「落ち込むな、俺らは召喚者やろ、スキルガンガン覚えて行けばこの世界の住人より大分優遇されてるんやで、ランクだって他より上がるの早いって、自分次第や」

「頑張って見るよ、ありがとう」

「今日はもう寝ろ」

「ケンジとお前と3人部屋なセレス」

「あん! 勇者居るじゃねえか! おん? 封印かよくあったなその魔道具! 中々発見されないし出回らんが、それなら良いな、冒険者やるんだろ弟子に言っといてやる、お前なら金だな! そっちの二人がパーティーだなお前らも金だ! おっ! おとなしい3人と盾も居るじゃねえか! 3人は黒だ! 盾はSだ気張れ!」

「あ、勇者には聖剣良いのがあるからほいっと」

「ありがとう、っえ! なにこれ!」

「かっ、元勇者、Sだ! なんちゅう聖剣やるんだお前はったく、元勇者ステータス見てみろ」

「へっ? レベル1なのに、基本ステータス100越えてる!」

「その聖剣 持ち主登録出来るならしておけ」

「あっ、出来ました」

「それで盗まれても、谷底に落としても戻ってくる」

「用務員さん、執事さんありがとうございます頑張ってやっていきます」

「おう!」

「はぁ、ついでた、魔剣士、耐性をガンガン取れ、ピンポイントの耐性を取ればそれだけ沢山の魔剣が扱えるようになる、そうなればSだ、魔法剣士、お前はまずは4属性それから光と闇全て覚えて各レベルが5以上に成ればSだな」

「ありがとうございます」×3

「おら! もう寝ろ糞ガキ!」

「はい!」×3

「僕たちは······」×3

「お前らは普通にして黒だ、頑張れば? わかんだろ盾は言わんでも気張るからな」

「ありがとうございます」×4

「ほら寝ろ」

「はい!」×4

「母ちゃん案内してやってくれよ」

「はいはい、皆様こちらへ」


 男の子組はセレスさんの先導で部屋を出ていった。


「セバス、良いしきりだ」

「王さんはあの辺の見立ては出来んやろ、母ちゃんは身内になってからしかやらんからなぁ、弟子も、もーちょいなとこまでは来てるが」

「あそこまで沈んだ奴を浮かべたんだ、よしセバス執務室で会議だ!」

「良い奴だろうな、俺はアルバトのがまだある」

「よし行くぞ!」


 セバスとエスさんが部屋を出ていった。


「今日は、勉強会無理っぽいね」

「だよね~(ですの)!」×5

「明日にしましょう!」×5



 もふもふ、危ない昨日の二の舞を演じる所だった、転移


 あれ今日は玉藻の子達とティア虎鉄とシル、静、シー公爵、凛だけか、葡萄取りにだけど、まりあ行くかなぁ葉月もそろそろ起きてくるかな?

 覗くのはダメ出し

 まりあ~葡萄狩り行くかぁ~

 行きますの! 葉月ですの! 動けませんの! 助けて欲しいですの!

 葉月? 念話覚えた?

 覚えましたの!

 おはようございます、私も動けません!

 まりあもか、転移

 パッ


 ちゅ


「下ろすな」

 転移

 パッ


 ちゅ


「下ろすな」


「はぁ、葡萄狩り行こうか、転移!」

 パッ


「到着!」

「昨晩は来れませんでしたからね」

「バタバタしてましたの、魔法も出来ませんでしたの!」

「まあ、皆揃ったし、これから覚えて行こうかね」

「ですね!」

「ですの!」

「よし、葡萄狩り開始だぁ~!」



「ユタ様カニさん欲しいですの!カニ祭りですの!」

「よし、あの卵持ってるのは止めて、大きい奴を3?4匹で足りるか?」

「ハサミも大きいので食べごたえがありそうです!」

「4匹居たら足りますの! 茹で、焼き、鍋ですの!」

「2人で1匹づつ背中押さえて俺が縛るよ」

「あれが大きいですの!」

「その横のも大きい!」

「「えい!」」

「良し!まずはハサミをぐるぐる×2 足はたたんでぐるぐる×2、次は!あれデカいぞ俺が押さえる」

 シュ

 ぐいっ

「ハサミがデカいから片方づつ縛ってくれる?」

「「了解!ぐるぐる(ですの)!」」

「持ち上げて、足いける?」

「「たたんでぐるぐる(ですの)!」」

「デカいな! ぬあっ! あっちさらにデカい!けど、今回はこの3匹でいいかな?」

「足りますの! 大きいですの!」

「これで、まだ小さい方かな? この中では最初のも大きい方ですが、私が見た中で1番大きかったのは円ちゃんと同じ位の子がいましたよ、その子の爪欠けさせてしまったからよく覚えてる」

「「スゲー(ですの)!」」

「円ちゃんサイズはって居たね」

「大きいですの! ヌシですの! あ逃げたですの······」

「ビックリさせたかな(苦笑)」

「葉月さんのテンションに(笑)」

「ヌシはリリースが鉄則ですの!」

「ははっ帰るか、転移!」

 パッ


「到着」

「カニさん!」×3

「夜はカニですの!」

「やったー!」×3


 ぞろぞろ皆がやって来る


「おはよってカニ!」×5

「ウオッ!カニデカ!」×3

「おはようこざぁぁー!」×4

「おはよですの!夕食はカニ祭りですの!」


 やったぁぁぁぁ~~!!!




「朝ごはんは、コーンクリームスープにスクランブルエッグ!ビッグボアのベーコン!お魚のバター焼き、パンはクロワッサンですの!座って下さいの!せーの、」

「いただきます(ですの)!」×6

「いただきます!」×5

「いただきます!」×3

「いただきます!」×4

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

「やかまし3人は冒険者ギルドで再発行、おとなしい3人と盾達は? とりあえず冒険者ギルドで良いのかな? ギルマスに丸投げ、1年1組は魔道士ギルド、俺とまりあは鍛冶士ギルド、三葉は錬金術ギルド、聖、紗々、葉月は?」

「セバスさん(ですの)!」×3

「了解!いってきます!」

「いってきます!」×8

「行ってらっしゃい(ですの)!」×3

 転移!

 パッ


「今夜は勉強会! ずるっ子!」

「はいはい、行きますよ」



 さて冒険者ギルド付き添いかぁ


「妾はこっちじゃ行ってくるの」

「私達もいってきます!」×5

「行ってらっしゃい!」×7

「「気をつけてね!」」

「良し行くか!」


 とやかまし3人はギルドへ勢いよく入って行った。

 その後をゆっくり歩いてギルドへ入る4人


「行くか」

「また、楽しいことありますかねクスクス」


 俺達も続いてギルドに入った。


「混んでるなぁ」

「ガキが邪魔なんだろうが!」


 パッ


「消えましたね」

「大国行きだね」

「楽しみが」

「減ったね」

「緩めてもらいます?」

「それも面倒臭い、まぁ、平和になるかな(苦笑)」


 順番待ちが続き、やっとやかまし3人の番。


 何か順調に再登録。


「受付のお兄さん」

「いやね、あら先日ぶり」

「おはようございます、先日ぶりです」

「今日はなあに?」

「ってか、受付復帰?」

「そうなのサブマスはいやん! て言ったら受付に。うふふ、アルトはまた買い取りね」

「あっ、ほんとだ。そだ! ギルマスにこの3人とそっちの4人鍛えてもらいたいんやけどいける?」

「あら、言ってた子達ね まかせといて特にそこの子には手取り足取り、うふふ」

「ははは、頼みますね!」

「ところで、さっき人消えたわよね?」

「大国の港町に行きましたよ」

「あら、どうしてかしら?」

「俺達に敵対心抱いたからかな、昨日は2万5000人の帝国兵士が大国の港町に行きましたね」

「あらあら帝国無くなるわね、うふふ」

「無くなりますねクスクス」

「じゃ、お預かりしてお持ち帰り有り?」

「当人に確認です(笑)では」


 居たたまれない気に成り(そうろ)う。

 ギルドを足早に去ることにした。



 アルバトの工房に到着。


「ん、来たか」

「「おはようございます今日もよろしくです!」」

「よし着いてこい!」


 まずは右の部屋へデカい!

 メンテの部屋の倍はある、扉をくぐってすぐ左から見ていく様だ。

 弓、鞭、棍、槍、ナイフ、短剣、片手剣、両手持ちの剣、大剣、ダガー、斧、ハルバード、鉤爪、小太刀、太刀、大太刀、レイピア、モーニングスター······

「武器は、使われているのはこんな所だな」

「ボーラとか無いんだな」

「うむ、狩りには使うが武器としては使う奴を見たこと無いな冒険者の中に足止めには使っとるな」

「便利なのにな」

「確かにの、重りの部分に工夫すればだが、威力がなぁ魔法付与するかすればだが、高くなるな」

「だね」

「次は防具だ、2階に展示がある好きに見てみろ、それで今日は終わりだ」

「「はい!」」

「ナイフ楽しみにしてるからな」

「予定では7日後かな」

「よしでは行け」

「「ありがとうございます」」



 1度工房から出て外階段を上る。


 カンカンカンカン


 アパートの階段を思い出す、雨で所々錆びが浮いてる階段を。

 カラカラと引戸を開け中は建屋全体の広さがあり綺麗に順路が作られ順路通りに進む。


「このドレスみたいな鎧カッコいいです! でもスカートは足元不用心?」

「そっちの下半身用とセットじゃない?」

「ほんとだ! 流石に足元も防具無いとね、セットと見ればスゴく有りですね! 可愛い」

「でもこっちのスラッとした感じでラインが綺麗に見えるよ」

「ほんとだ! 洋画の女スパイとか着てそう!」

「わかる! 潜入捜査官も有りだな」

「クスクス、あっ! ヒャッハーだ!」

「ヒャッハー! 肩のトゲが!」

「これ着る人はモヒカンになる呪いがかかるんです!」

「いやいや、モヒカンの人がこれを着るんだ、元から呪いはかかってる!」

「ビキニです! えちえちです! 防御する気がありません! 男用も! パンだけです!」

「こっちは着たら動けるの? って鎧が!」

「着過ぎです! ビキニと足して2で割りましょうよ!」

「この辺りは盾! 姿見か! 映ってるやん! 部屋に置くの!」

「部屋に欲しい!パク?」

「ダメ~、作るか、鉄板磨き? ガラスって何で出来てたっけ? 石英?」

「ガラス有るから売ってるかな?」

『収納にありますよ』

「やったー!」

「良かったね」


 なでなで


「ユタさんよく皆の頭なでるね」

「あぁ、住んでた所に託児所あってちびちゃんと遊んでたから癖かな、嫌だった?」

「うえるかむです!」

『そろそろお昼ですよ』

「そんな時間なんや」

「お腹空きましたね」

「大体見たし、途中で食べて帰るか」

「はい!」





「なに食べようか」

「夜はカニですし、魚介類は止めて肉? あっ!うどん? 食べたいかも!」

「おっ! 俺はそれなら肉団子入りにするか、やっぱうどん? の気分やな、よし行こー!」


「おっちゃん2人分ちょうだい俺は葱要らんから」

「あれってコロッケ? かな」

「この間のフライドポテト屋さんやん! 可能性は高いな」

「聞いてくる」

「了解! あっ! この器に下さい! ありがとう!」

「コロッケでした! チキンフライがあったので買っちゃいました!」

「良い子だねぇ~後でお小遣いあげようねぇ~」

「わ~い」

「おっ、あそこで食べよか、座れる感じやし」

「はい!」

「ここ噴水なんや、水抜いて掃除中やね、んじゃ、テーブル出してほいっと」

「私もほほいっと!」

「コロッケとりあえず1口······美味っ! これはうどん? にダイブだ!」

「ホント美味しい! 私も入れよっとぽんっと」

「当たりやね、お出汁もほとんど関西風のお出汁」

「優しい味ですね」

「関東風も、うどんでだけ食べる時は良いけど、ご飯と食べるなら関西風やね」

「私はその辺りわからないかな(苦笑)」

「名古屋で食べたきしめんなんやけど お出汁が透明でつけ汁あるんかな思ったら透明なのにちゃんとお出汁でビックリした」

「名古屋味噌煮込みうどん食べました! お家でしようとしたら赤味噌がなくてお味噌汁で煮込んだんですけど、美味しかったけどお味噌汁に入ったうどんでした」

「赤味噌が決め手なのかなぁ、生姜とか入ってそう? あったまる感じ、唐辛子も有りそう」

「葉月ちゃんに挑戦してもらいましょう!」

「それが無難、チキンもつけたら美味いな!」

「そのままはちょっと脂っこいからお出汁で良い感じって終わっちゃいました」

「俺もお出汁も無くなった、んじゃ、クリーン」

「クリーン! はい器ありがとうございます」

「収納っと、あっ帰って本気の刀打ってみる?」

「乗ります!」

「じゃ、そっちの隅にこそこそしましょう」

「こそこそ、うふふ」


 人通りの無い細い道に入り確認! よし! 転移!

 パッ


「到着!」

「本気の刀!」


 カチャ

 扉をくぐって


「「あっ!火!」」


 買い忘れてた!


「生活魔法! 火さんそこの炉で頑張って!ほいっと!」


 火さんはふよふよとロに入り待機


「私も! 火さんお願いします! ほいっと!」


 ふよふよすぽっ! 炉で待機

「ミスリルかな、1番多いし、太刀ならこんな位ほいっと、まりあは?」

「大太刀ですよ!」

「じゃあ、ほいっと! 炭は半分にして器に別けて、はい」

「ありがとうございます、本気の本気で!」

「やっちゃいましょ~!」

「お~!」





 カーンカーンカーン


 カーンカーンカーン


 カーンカーンカーン


 歪みは無い、うっすら光を放つ、まだ行ける


 カーンカーンカーン


 カーンカーンカーン

 まりあは終わった様だ


 さらに輝きが増した、これ以上はミスリルでは無理っぽい


「出来た様ですね」

「あぁ、良い出来」


 まりあの大太刀軽い反りがあり、ダマスカスの様な波紋引き寄せられるような美しい大太刀だ。


「スゴくカッコいい! 龍でも抵抗無く切れる!」

「ありがとうございます! 命名 魔裏安(まりあ)

「おぉ! 魔の裏って事で安心ってこと?」

「その通りです! 私の名前も入れました!」

「納得の出来です」

「ユタさんのは、反りはほんの少し波紋は綺麗な波でグラデーション美しいこれぞ日本刀です!」

「ありがとう! 命名 切猫(きりねこ)

「この猫さん好きがクスクス」

「あははっ! 猫さんのしなやかさのイメージの反りなんだ」

「でもこの刀しばらく使えませんね」

「ダンジョンまで封印やね、よし戻ろか」

「はい」


 片付けてお掃除、火さんは戻ってもらって工房を出た。


 カチャ


「虎鉄! ごめん来てくれてたんだ! もしかして呼んでくれた?」

『······』

 ぷるぷると横に首をふる。


「虎鉄ちゃん、気付いて無くてごめんね」

『······』

「よし! たまには歩いて帰るか!」


 屋敷に方に歩き出す。


「やっぱり可愛いなぁ~猫さん、ん~」

「クリーン悩んでるの?」

「宮崎先生」

「バス? 紳士?」

「紳士の大食いさんも悩むけど、あっ! 紳士さんもだよ! だけどやっぱりバスさんだよねぇ~小学校の3年生に観たのだけどあのインパクト! あのやわやわふわふわ! も~家の猫さん集めて顔からダイブしたら猫パンチ!」

「わかる気がする、大きい猫さんが特に好きパターン?」

「そうかも」

「じゃあ理想の大きさの考えたら? 虎鉄もシー公爵も大きさは標準に近いんだから」

「クリーン! 顔に抱き付けるくらいで毛は長めで茶色で毛先が黒なのさらさらふわふわで~お腹とかもにゅんって! 尻尾もふさふさ抱き枕! くるんって体に巻き付いて持ち上げられて背中に乗せてもらうの! 2階から見おろす目線で町を歩いて近所のおばちゃんに、まりあちゃんタマちゃんおはよう、元気で可愛いねっておやつを貰うの! 煮干し! ぽりぽり食べながら河川敷の大きな木の下でお昼寝! 夕方になっちゃったから急いで帰るんだけど、タマは家の屋根をぴょんぴょん跳んで、あっという間にお家の屋根の上、お庭に降りて晩御飯も一緒! いつも足りないにゃ~って言って、私のお魚を狙って来るの、阻止の為攻防が始まりいつも負けちゃう、その後は一緒にお風呂に入るんだけど、ペロペロと湯船からお湯を飲んじゃうから私が入る前にはお湯が半分! 半身浴ねお風呂上がりは顎下に水玉が付いているから私が拭いたバスタオルで拭いて、寝るのはお腹にもふんって沈みこんで尻尾がお布団! 夢の中でも出てきて走り回ったりお昼寝したりそんな猫さん!」

 そんな猫さんが目の前にかまぼこ状態で、俺は目を閉じて妄想爆発させているマリアをつついた つんつん


「もー少し待ってくださいね今良い所なんです! お月さんを猫パンチで落とす所ですから!」


 おとさないで! ではなくて


「まりあ出てきてくれたよ」

「えっ!」


 まりあはこぼれそうな位目を見開き


「タマ~!」


 とタマ? の顔にダイブし抱き付きタマの顔にまりあは顔面沈ませてぐりぐりしている。


「~!」

「まりあ、タマのヘアスタイル乱れちゃうよ(笑)」

「へっ? タマ?」

「なんだにゃ?」


 喋った!


「ホントにタマ?」

「そうにゃ」

「ユタさんタマ来てくれた、タマ異世界ってわからないかもだけど仲良くしてくれる?」

「しかたないにゃ~乗るにゃ」


 尻尾でまりあをくるんっと巻き付け背中に乗せ


「まりあのお婿さんにゃ? 一緒に乗るにゃ」


 と俺も乗せてくれた、お婿さん? まぁやわらかふわふわだ。


「ありがとうタマこれからよろしくね」

「タマ! 私がタマをよろしくするからね! よろしくね!」

「はいはいにゃ、あのいい匂いの所に行けばいいにゃ?」

「今日はカニよ! カニ祭りよ!」

「あ~足りないかな、追加しに行こうか!」

「タマいっぱい食べる?」

「タマはご飯食べないにゃよ、魔力食べるにゃ」

「「あっ!クリーン!」」

「「あははは!」」

「行くにゃよ!」


 大きいのに足音がしないし!


 ほどなくしてテラスに到着した。


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