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158/159

第158話 オタクは無双をしたいらしいが······

「ダンジョンを攻略したのは誰だ?」

「ん、俺達だが」


 嫌な予感がしたので、俺が皆の前に立ち、対応することにした。


「ふむ、まだまだ幼い子供ではないか」

「で、何の用や?」


 ナビ、こいつ、俺達には効かないけど、魅了のスキル使ってる。

『その様ですね、何がしたいのでしょう』


「まあ良い、その黒貨をくれないか」


 魅了してるからもらえると思ってるんやね。

『その様ですね、お宝セットしました、それにギルド入口に、うふふ』

 いなばか(笑)、ちょっと待っててね。

 は~い♪

 さあ、少年、無双はしないのか?

 ん~、やるなら魔王かなぁ。

 私とやるのか?

 え? 神眼! も、申し訳ありませんでしたぁ~!

 あはは、なら俺がやっちゃうね。

 は~い♪×4


「なぜあげなきゃいけないの(笑)」

「ん? 効きが悪いのか、ふん!」


 ふん! だって、魅了には王命かなぁ(笑)

 ユタさん! 私にやらせて下さい!

 あはは、仕方ないな、じゃあ、今までの魅了を全て解くように言ってくれる?

 は~い♪


 王命である! これまで人々に掛けてきた魅了を速やかに解きなさい! そして今まで犯した全ての罪を償い、今後は良いことだけをして生きていきなさい! 永続である!


「魅了解除! なっ! なぜ解除を、不味い」

「あっ! てめえ! 俺の金返しやがれ!」

「そのミスリルの剣は俺のだ! 返せ!」

 ・

 ・

 ・

 ほぼ裸状態になった、男は


「ひぃーた、助けてくれ!」


 いなば、軽~く腹パンパク良いよ~


 シュ

 ド

 シュ


 いなばは手を振り


 また来るね~♪


 去っていった(笑)


『あまりお金は持ってませんね(苦笑)』

 そうなんや、魅了しまくって、うはうはやと思ってたけど。

『奴隷ですからね、スキルの奴隷化で縛られてますから、全てそっちに流れているのでしょう』

 ならそっちをピンクにするしかないよな。まあこいつにも着けておこう。


 シュ

 はめて~

 シュ


『分かりましたよ、皇帝ですね、お宝セット&王命ですね』

 奴隷を解かせないといけないか(苦笑)

 少年、やるか?

 いやいや、僕は細々とダンジョン攻略して、ダンジョン方面で無双することにしたよ(苦笑)


 いなばを見て悟ったようだ。


「何だコイツ、急に変な首輪着けやがって!」

「ふざけてんのか!」

 ・

 ・

 ・

 こっちもボコボコやね、よし皆、行こうか。


 は~い♪×3


 ギルドを出て路地裏を探す。


「せや、少年はこの後は王国に戻るのか?」

「いえ、とりあえずこのトラブルは最後まで見ていきます(笑)」

「あまりに中途半端ですので、皇帝の行く末を見てから旦那様と帰ります」

「了解」


 路地裏に入り、透明ローブを羽織った後、皇帝の執務室に転移した。




「コイツが皇帝?」

「縛られてますね、こういう趣味の方ですか?」

「うわぁ~、嬉しそうな顔してますよ」

「女性の方はメイドさんですのに、皇帝をムチ打ちしてらっしゃいますね、物凄く嫌そうな顔で」


 皇帝は、Mさんだったようです。


「ん~、とりあえずメイドさんは趣味じゃないようやし、奴隷解除!」


 びくん!

 メイドさんが小さくジャンプして、手にしていたムチを皇帝に投げつけながら


「嫌ぁぁぁぁ~!」

「あふん♥️」


 バタンッ


 執務室の扉を勢い良く開け、外に走り去ってしまった。


「メイドさんはそんなに嫌だったのですね、助け出せて良かったです」

「さてさて、この皇帝は······無いなぁ(苦笑)」

来なけりゃ良かったよ(来たのは間違いでした)······(······)


 俺もそう思う、それに誰か来るし。


「陛下! どうかなさいましたか!」

あふんあふふん?(メイドはどこだ?)

「放置プレイですか、陛下もお好きですね、あ、少しお待ち下さい、今回のメイドは新人でしたので、目隠しを忘れてますね」


 そして兵士さんはテーブルに置いてあった目隠しを皇帝に装着する。


「では、陛下、お邪魔いたしました」

あふんんあふ~ん!(違う! 待つのだ!)


 兵士さんは部屋から出て、扉を閉め離れていった。


 この国ヤバいな(苦笑)


「ユタさん、王命して、お宝セットして帰りましょうか」

「頼むよ、あはは」


 まりあが王命をやった後


あふん!(奴隷解除!) あふんあふんあふん(ヤバいヤバいヤバい)おふふふん(本物の皇帝に)あふあふあふふん!(殺されてしまうぞ!)



 慌てた様子だな? まあ良いか。


「んじゃ、お宝セットやるか」

「ユタさん、大勢の人がこっちに来そうですよ!」

「ん? 走ってくる気配がってか来るぞ!」


 バタンッ!


 凄い勢いで扉は開かれ兵士さんが、執務室に入ってきた。


「いたぞ! この国を乗っ取って()()大罪人だ!」

「よし、目隠しと、猿轡(さるぐつわ)を外せ!」

「はっ!」


 1人の兵士が皇帝の目隠しと猿轡を乱暴に外す。


「良いの、そんなに乱暴にしたら。」

「ユタさん、そう言うプレイなのでは?」

「おお、せやな、皇帝もストレスをこれで発散してるんかな」


「ま、待ってくれ!」

「貴様! よくも我々を奴隷にしてあやつってくれたな!」

「悪かった! だから殺さないでくれ!」

「皇帝陛下の牢の鍵を出せ!」


 何だ? 様子がおかしいぞ?


「ユタさん、この人皇帝さんじゃないよ!」

「ん? 神眼! 料理長補佐さんやん!」


「わ、分かった」


 チャラチャラ


 アイテムボックスから鍵束を出したようだ。

 それを素早く兵士さんが拾い上げ


「一刻も早く牢よりお救いするのだ! 走れ!」

「はっ!」


 鍵束を拾い上げた兵士さんは部屋から走り出し出ていった。


「料理長補佐、いや、元だな、覚悟は出来ているだろうな」


 しばらくすると、ロマンスグレーの昔はイケメン確定のおっちゃんがさっき出ていった兵士さんと、他数名も執務室に入ってきた。


「ひぃー、ど、どうかお助けを!」

「貴様のやったことは大罪だ、この数ヶ月よくもやってくれたな、宰相」

「はっ!」

「この数ヶ月でコイツは何をしでかした?」

「国庫の1/10を教国に流しております、大聖堂建築に半分、教国からの女奴隷の購入は、他かが知れてますが35名、他は我々がフォローしていたため、他国との国交は無事です」


 6割使っちゃったの! あかんやん!

『お宝セットの量が少ないと思ったら、そういうことだったのですね(苦笑)』


「よし、コイツは奴隷にして死なぬギリギリまで働かせ続けろ、教会をこの国から排除! 教国とは即刻国交を停止だ! 俺は公務を再開する、連れていけ」

「はっ!」



「帰ろうか」

「は~い」×3







いつもお読みいただきありがとうございます。


これからも読んでもらえるように頑張ります。



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