第152話 貴族になるらしい
「我は入れてくれんのか?」
いつの間にかフリーズから戻ってきた王様がそんなことを言う。
「なんや、王様も仲間になりたいんか、ええよ」
「え? 王様!? 隣のおっちゃんは誰かなと思ってました!」
ババッとベットから下り王様のベットに向かって
「ごめんなさい、不敬罪にはしないで下さい、お願いします!」
腰から90度に腰を曲げ頭を下げる。
「うむ、同じパーティーメンバーではないか、堅苦しく考えるな」
王様中々やるやん(笑)
「はい、よろしくお願いします、そうです! 初めまして、ニュクスです、よろしくお願いします」
「うむ、エレボスだ、よろしく頼む」
「あはは、ユタです、よろしくお願いします」
「まりあです、よろしくお願いします」
「虎鉄です、どうぞよろしくお願いします」
「タマにゃ、よろしくにゃ」
「猫が喋るだと!」
「あはは、そうだぞ、すごいだろこう見えて2人より強いからね」
「そうね、ワンパンですね(笑)」
こうして、わーるどじゃんぷのメンバーがまた増えた、この2人は将来結婚するのだが、まだまだ先の話である。
「王様、ニュクス、今度俺達は爵位をもらわないといけないから、少し離れるけど、ニュクスの武器と防具は造るから王様がダンジョンで鍛えてくれないかな?」
「ユタは爵位をもらうのか? 我もやろうか、侯爵でよかろう、心配するな、お披露目はせんから爵位だけもらっておいてくれ」
「あははは、ユタさんが侯爵なら私は侯爵夫人♪」
「まあ、名前だけなら良いか」
この後、刀と革鎧を造り、早速王様とニュクスはダンジョンに行こうとしたが
「せや、王様もニュクスも一緒に来ない? 俺の貴族になる祭り」
「祭りか、いつだ?」
「まりあ、いつだっけ?」
「え~と、タマ、いつでしたっけ」
「今日の3時にゃ、もうすぐにゃよ」
「「え!」」
「はぁ~、やっぱり忘れてたにゃ、行くにゃよ、転移にゃ!」
パッ
「到着にゃ!」
「あははは、タマありがとね、完全に忘れてたよ」
「まったくにゃ」
「ユタさん、猪鹿蝶騎士団は呼ぶとして、にゃんこ隊は呼ぶのですか? こっちに来てからのお友達ですし」
「せやな、後で向かえに行こうか」
「遅いぞユタ! 来ぬかと思いドキドキしたぞ!」
アイリーンが、今はドレスに着替えて俺達の前に姿を表した。
「アイリーン、ごめんな、そのドレスよく似合ってるよ」
「はわわ、にゃにを言うのだ、て、テレるでは無いか」
アイリーンは顔を赤くしもじもじしている(笑)
「ユタよ、我には紹介してもらえんのか?」
「おお、王様、こっちは、アイリーン、女王様になりたてだ」
「アイリーンと申します」
「でこっちが、エレボス王と、ニュクス」
「エレボスと言う、よろしく頼む」
「ニュクスでしゅ! はわわわ、噛んじゃった! よろしくお願いします」
「エレボス王にニュクス殿、仲良く頼む」
「よし、祭りや!」
「いやいや、ユタ、まずはお披露目だぞ」
「ええ~、逃げようかな」
「ユタさん、往生しなさい(笑)、ほら行きますよ♪」
いつの間にか来ていたメイドさんが先導してくれて謁見の広間に行くことに。
「このままの格好で良いのか?」
「構わん、名だけの爵位だからな、顔合わせだけだ、すぐすむし、その後が祭りが待っているのだ、長々とはやるつもりはない(笑)」
「それなら気が楽やね」
「私は自身のお披露目もあるからな、流石に冒険者の格好ではな(苦笑)」
「そりゃね(苦笑)、王女から女王やし」
「到着いたしました」
話をしている内に、謁見場に到着したようだ。
大きな扉の前で止まると
「アイリーン様、そちらの方達はご一緒に、でしょうか?」
「うむ、パーティーメンバーであろう、ならばユタの横に居てもなんら問題はない」
「分かりました、では参りましょう」
扉前に控えていた兵士さんが王扉を左右に開けてくれる、中が見えて、結構な広さの謁見場だな。
ってか、後ろから入るのかと思ってたのに目の前に王座があるし、壇上やし、皆こっち見てるし!
ユタさん、このパターンは想定してませんでした! はわわ、ですよ! えぇぇぇぇぇぇ~! ですよ!
俺も、ビビってしもたわ! 何でこんなことになってるんや!
うふふ、どうだ、ビックリしたであろう(笑)、サプライズだ!
しかし仕方がない、ここまで来たら······逃げるか?
ユタさん、アイリーンさんが泣きそうになってますよ(苦笑)
はあ~了解。
なでなで
「うふふ」
アイリーンが、復活し、まぁ、そんな感じで俺達は前に進み、アイリーンが、王座に座ると集まった貴族達は一瞬ざわついたが、すぐに静まり、俺達が、王座のだが横に置かれた椅子に座るとざわつきが復活。
「静まれ!」
アイリーンの一言で、場が静まり返り、皆が姿勢を正した。
「では宰相、頼む」
「はい」
1人だけ座っていなかった、メイドさんが返事をしたぞ!
はわわわ!
むふふ、宰相に抜擢だ!
「では、本日はお集まりご苦労様です、本日付で宰相になりましたので、進行をさせていただきます」
ここでは、貴族達もざわつきをなんとか飲み込んだ。
「まずは、現王の退位により、新王は、アイリーン様が王になられました」
アイリーンは王座から立ち上がり
「よく集まってくれた、本日付で王位に着いたアイリーンだ、よろしく頼む」
その一言を待っていたかのように謁見場が、ライブ会場で、イントロが、鳴り出した時の様な歓声に包まれた。
「静まれ!」
一瞬で静寂に包まれる。
「うむ、皆にはこれまで苦労をかけたな、本日より、新たな体制でこの国が始まる、そのために私と一緒に頑張っていこう!」
わあっとまた歓声に包まれた。
すげえね、これもう俺要らないよね。
逃げちゃダメダメですよ(笑)。でもすごい人気ですね。
ああ。
「静まれ! 宰相、頼む」
アイリーンは王座に座る。
「それでは、これより、皆の爵位変更に移ります」
聞いていると、悪さをしてなかった全ての人が、今までの男爵から爵位が上がり、悪さをした、公爵、侯爵、伯爵、子爵が、男爵に落ちた。
1人ひとり、歓喜する者、絶望する者。
「では、最後は、新たに侯爵位を設けます。アイリーン陛下」
おい! 侯爵ってなんだ!
あはは! これもサプライズ!
アイリーンが、立ち上がり
「ユタ、侯爵だ、頼むぞ(笑)」
「お前なぁ~」
前に向き直り
「ユタ侯爵だ、私の夫となる」
歓声に、本の少し悲鳴も交ざる。
あはは、やられたよ。
「ユタには特に公務は与えん、飾りの侯爵と思っていてくれ!」
俺か?
ユタ、一言で良い(笑)
「あ~、せや、立たないとな」
俺は立ち上がり。
「ご紹介にあずかった、ユタです、なぜか侯爵位をもらい、アイリーンをもらう事になりましたが」
大きく行きを吸い。
「王命である! 今この場よりアイリーンに忠誠をつくし、良い国を造って行け! 永続である!」
場が静まり、アイリーンが
「約束しよう」
ってことで、さらっと終わらせ城の中庭でバーベキューである。
いつの間にか猪鹿蝶騎士団が集まり、セッティングが終わっていたので、アイリーンの音頭で祭りが始まり、日が落ちても続いたお陰で次の日は、猪鹿蝶騎士団以外、誰も公務が出来なかった(笑)
いつもお読みいただきありがとうございます。
これからも読んでもらえるように頑張ります。




