第142話 厄災?
はぁはぁと息を弾ませながら買い取りカウンターへ走ってきたお姉さんは
「お、お待たせしました、うふふ」
「お姉さんが買い取りもやってくれるのですね(笑)」
「ひゃい! しょのどおりでしゅ!」
かみかみですやん(笑)
「にゃにをきゃいとりましょうきゃ」
『うふふ、そろそろ何を言っているのか分からなくなってきてますよ』
あはは、せやね
「魔石ですが、大丈夫ですか? 数がそこそこありますので」
「ひゃい! 大丈夫、そ、倉庫にお願いしようかな」
「倉庫ですね、案内を頼めますか?」
「うん、こっちだよ、おいで!」
『幼児退行してませんか(苦笑)』
あはは、ヤバいかな(苦笑)
「早く早く! ほらおいでよ♪」
お姉さんは、俺の手を恋人繋ぎで引っ張り、奥の扉を開け引き込んでしまった。
引き込まれた先は、大きな倉庫になっていて、数人が魔物の解体作業をしている。
引っ張られ連れてこられた場所は、おっちゃんが魔石を魔道具で査定している場所だった。
「ユタくんここに出してね♪」
「あはは、了解、ほいっと!」
お姉さんのために沢山出しましょう!
ガラガラガラガラガラガラ・・・・・・
「あははははは♪ スゴ~い♪ いっぱいだぁ~♪」
でも査定をしていたおっちゃんは
「な、なんじゃこりゃぁぁぁ~!」
来たぁぁぁぁ~!×2
「ま、待て待て、と、止めるんじゃ!」
仕方ないので止めてあげた。
「まだちょっとしか出してないけど、もうダメですか?」
「そうよ、お父ちゃんも意地悪言っちゃダメだよ」
「おい、お前何か幼くなってないか? いやいや、この魔石は、なんだ! この数はおかしいだろ!」
「ん? そうかな? まだまだあるぞ、買い取りは無理なのか?」
「あ、いや買い取りは大丈夫だが、分かった、1度しまって、この魔道具に流し入れてくれるか?」
そこには大きな魔道具があり、大きな口が開いた箇所があって、そこに魔石を入れるようだ。
なるほど、大量な時用の調べる魔道具なんやね。
俺は出した魔石を1度収納して、大きな口に魔石を流し入れた。
ガラガラガラガラと、勢いよく入っていき、黒いモニターのような所に、個数や、いくらになるかのカウンターが増えていく、ここのお金の単位ってなんだろね。
ギルドのコインやったし、色々違うね。
見ていると、カウンターが、
999999999個で止まり。金額が
900885549074153ほにゃららで止まっていた。
おっちゃんは口を開いたまま止まっているし、お姉さんも正気に戻ったのか、口を開いたまま止まっている。
そこに1人のおっちゃんがやって来た。
「どうしたのだ、魔石を数える魔道具が止まっているようだが」
「9億9999万9999個で止まったみたいですね」
「は? 9億9999万9999個?」
「9億9999万9999個ですね」
「何が?」
「魔石ですね」
「9億9999万9999個の魔石?」
「そうですね、ちなみについた値段は900兆8855億4907万4153ですね」
「は?」
「だんだん面倒くさくなってきたので、覚えて下さいね、値段は900兆8855億4907万4153ですね」
「黒貨が9万88枚?」
おお、ここも1番上は黒貨やねんな。
「は、払えるかァァァァ~!」
「えぇぇ~」
「いやいや、払えるわけが無いだろ、全部のギルドから集めても絶対に足らん!」
「じゃあ俺のごはんは? 食べちゃダメなの? お金無いんよ、頼むから買い取って」
「魔石100個くらいに、押さえてもらえないかな(苦笑)」
「はぁ~、了解、収納~」
オークキングのモンスターハウスで拾った魔石を入れ直した。
カウンターは
100個で止まり
値段は
1000000000で止まった。
「10億ですね」
「それでも大白貨じゃねえか、······はぁ~分かった、ついてこい」
フリーズしたままのおっちゃんと、お姉さんをそのままにして、その場を離れついていく。
ついて行った場所は受け付けカウンター。
おっちゃんが受け付けに座り、カタカタと魔道具を操作している。
「すまないが、ギルドコインを出してくれるか?」
「はい、どうぞ」
「とりあえずコインに入金しておく、現金はどれくらい必要だ?」
「ん~、屋台でたらふく食べれるくらい?」
「うむ、では5万ほど出しておこう」
「お願いします」
カタカタカタカタ
「5万プルと、コインを返す、出来れば1度に引き出す事は遠慮してくれるか?」
「あはは、ですよね、了解しました」
「すまぬな」
「では、失礼しますね」
冒険者ギルドを出てまっすぐ屋台へ突撃だ。
「へぇ~ほとんど変わらないかな」
『そのようですね、値段もほぼ変わりませんね』
「やね」
「お姉さん、そのししとう挟まったやつを3本ちょうだい、塩でお願いします!」
「は~い、ちょっと待ってね」
「は~い」
焼いてもらっている間に周囲を見ているが、変わった感じはしない、厄災が暴れているところはこの近くではないのかもね。
「はい、銅貨6枚だよ」
「あ、銀貨しか無いけど大丈夫ですか?」
「おお、ちょっと待ってね」
お姉さんは隣の屋台に行き、金庫を持って帰ってくる。
「旦那の金庫にあるから構わないよ、はい、おつり」
「ありがとうございます」
「毎度ありがとうね」
焼き串を手に街を歩き
神眼! 遠いな! 真裏やん!
『あはは、ポイントしますね』
お願いします、ってか丸々っと反対側って、帰ったらシロシロはお仕置きやね。
『お手柔らかに(苦笑)』
俺は3本とも食べ終え、串を収納し路地裏に入る。
透明ローブを羽織り、転移!
パッ
夜の森、その上空に転移してきて
「浮遊!」
『大きい亀ですね』
「デカいな、山が動いてるみたいやん」
『進んでいる方向に大きな街がありますね』
「まだまだ大丈夫そうやけどね、歩くの遅いし」
『1週間くらいは大丈夫でしょうね、でも歩いて来た方は更地ですね(苦笑)』
「やね~、倒した後は木魔法で直さないとね、よし、いっちょ、やってみましょう! 眉間狙って超極小ウインドアロー! 連射!」
シュパパパパパパッ!
「続けて行くぞっと」
「超極小ウインドアロー!」
シュパパパパパパッ!
「虎鉄も、お願い出来る? この文字化けさんは再生が速いねん」
「は~い♪ 超極小ウインドアロー!」
シュパパパパパパッ!
シュパパパパパパッ!
俺と虎鉄で眉間の同じところを、ウインドアローを連射で少しずつ傷を深くしていく。
途中から、たぶん頭蓋骨に到達したのか、進まなくなった。
「虎鉄、ロックアローとウインドアローの連射で行くよ!」
「はい、行きますね、超極小ウインドアロー&ロックアロー! 連射!」
「俺もや! 超極小ウインドアロー&ロックアロー! 連射!」
シュパパパパパパッ!
ズドドドドドドドッ!
シュパパパパパパッ!
ズドドドドドドドッ!
大亀はヤバいと思ったのか、首を甲羅に仕舞おうとしているのか歩みを止め、長かった首が徐々に短くなってきたので、俺は
「ヒヒイロカネの太さ50センチ、長さ50メートルの槍、ほいっと!」
上空3000メートルに転移し、ヒヒイロカネの槍を上から押すように下に飛翔!
あっという間にスピードを上げ、後少しで頭が甲羅に入りそうな所に間に合い、傷がついた部分に槍の先端が接触
ズン
思ったより静かな音で、亀の頭蓋骨を突き抜け地面に穴を開けた。
びくん、とした後、入れようとしていた首が、でろんっとだらしなく甲羅から出てきた。
「神眼! よし収納!」
『お疲れ様、美味しいそうですよ(笑)、後、スタミナ満点ですね』
「おお! これだけ強かったのに食べられなかったら、ちょっとショックだよね」
「マスター、ヒヒイロカネの槍を回収しなきゃ勿体ないですよ」
「ありがと虎鉄、収納!」
『厄災終わりましたが、依頼はどうしますか?』
「森も直さないと、忘れてますよねマスター」
「ん~、受けてしもたし、やっちゃいますか、とりあえず森は、木魔法! 大森林! ほいっと! よし、んじゃ、さっきの街に、転移!」
パッ
「よっと、ダンジョンの位置を確認しやんとね」
『そうですね、冒険者ギルドに行けばダンジョンの位置を教えてくれますよ』
「やな、透明ローブは、収納! んじゃ、行きますか」
ギルドでダンジョンの場所を聞き、馬車移動······お尻が痛くは無いが振動がヤバい。
「ユタ、何をぼ~っとしてる、馬車移動と言っても周囲の気配を探っておくのが冒険者だ、そんなことも知らんのか?」
変な貴族は放っておいて、なぜ馬車に乗っているか説明しよう。
いつも読んでくれて本当にありがとうございす。
これからも読んでもらえるように頑張ります。




