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第136話 決闘

 闘技場で、戦いを観戦中。


「人と人とが武台で、戦いをやるのでは無かったのですね」

「魔物との戦闘か、安全ではないけど観てる方はこっちの方が良いかもね」

「勝った時は、こっちもスカッとしますね」

「やね、しかしこれはどうしたもんかね、皆楽しんでない?」

「ですよね、私にもそう見えます」

「昼間はあかんな、ここにいない人を探した方が良さげやね」


 俺達は闘技場を出て冒険者ギルドへ向かう。


 途中の路地裏で、透明ローブを収納し、再び大通りにもどる。


 その時レトが

「いた! いました! ユタさんこっちです!」


 俺の手を引き走り出した。

 友達を見つけたようだ。

 冒険者ギルドへ向けて俺の手を引き、走るスピードを上げる、どうやらギルドの中に入ったようだな。

 そのままレトに手を引かれたままで、入口をくぐり中に入った。


「ユタさんあそこです! 買い取りカウンターで並んでます!」

「じゃあ、パーティーで動いてるみたいだから、話しは出来るかな? とりあえず行こうか」

「はい」


 買い取りカウンターに進み、俺達も並んで、レトが声をかけた。


「や、弥生ちゃん!」


 頑張って!


「はい」


 弥生ちゃんか、振り向いたけど、“?” って感じやね。


「どちら様ですか?」

「あっ、そうか、転生してるから容姿が······」


 弥生ちゃんは、レトを見て少し考えてはなしだした。


「いえ、分かるわ、やっと死んだと思ったのに、転生? ふざけないでよ」


 は?


「あ、あの生前は喧嘩して謝れなかったから」

「はっ、どうでも良いわ、いつも私に付きまとってきて、うんざりしていたのが分からなかったようね、あの喧嘩も、あなたが怒りそうな事をわざとやっていたの」


 おいおい······


「え? それじゃあ」

「ちょっと可愛いからってちやほやされて、クラスの女子から嫌われていたのも知らないの?」


 苛められっ子か······


「そんな······」

「それに、異世界だから言っちゃうけど、あれは事故じゃないわよ、あなたはお酒を飲んで酔っ払ったあげく、自転車で車道に突っ込んだのよ」


 え? まさか······


「え? 私、お酒なんて」

「喧嘩の前にあなたにあげたジュース、アルコール入りよ、すぐに酔っ払い始めるし、あなたの大切にしていた小説に、ジュースをこぼしたのもわざとよ(笑)」


 こいつって称号に

『殺人がありますね、他の5人にも』


「じゃあ、弥生ちゃんの称号の殺人は、元々の称号なんだ······」

「クスクス、そうね、来た時にはついていたわね、一緒に来たこのメンバー全員に」

「そうなんだ、ずっと謝ろうと思って、11年もこっちで生きてきたのは、無駄な事をしていたのね······」

「あははははは、そうね、無駄な事をしてたわね」

「ねえねえ、中々良い武器と防具を装備してない、もらっちゃおうよ」

「あら、そうね、その武器と防具いただこうかしら」


『やっちゃいましょう』

 ああ、封印か、奴隷か。


「ダメです! これはユタさんに造ってもらった私の宝です! 誰にも上げません!」

「あら、転生して私にそんな口が聞けるようになったのね、じゃあそれを賭けて決闘しましょう」

「あなた方は何を賭けるのですか?」

「あははははは、勝てる気でいるようね、私達、Aランクよ、全てを賭けてあげるわ」


 あははははは、そう持っていこうと考えてたのに、自分から飛び込んで来てくれたよ。

 それなら


「ちょっと良いですか? それならきちんとした決闘にしましょう、ちょっと待って下さいね、きちんと処理した方が良いことなので」

「誰? あなた」

「俺は、この子に武器と防具を造った鍛冶士ですね、パーティーメンバーで、リーダーをしてます」

「そう、ならあなたも何か賭けるのですか?」

「では、負けた時は、俺は鍛冶士だから、ミスリルの剣を打ちましょう、皆さんの分を、防具もですね、それでそちらは全てを賭ける、でよろしいでしょうか?」

「ミスリルですって! 本当でしょうね!」

「はい、もちろん、100%ミスリルで造ります。俺が破産して借金奴隷になろうとも」

「まぁ! 100%、確かに聞いたわよ、皆! 良いわね」

「良いよ~♪」×5


 そこで、さっきから気になっていた、ずっと後ろで聞いていた男が、声をかけてきた。


「ふむ、決闘は、双方合意のようだな、こっちに来てくれるか、きちんと決闘の書類を提出しないと犯罪者になるからな」

「そうなのですね、知らずに犯罪者になってしまうところでした、ご指摘ありがとうございます、ところでどちら様ですか?」

「俺は、このギルドのギルドマスターだ」

「あら、そうでしたの、こんな下らない事で犯罪者はつまらないわね」

「ギルドマスターだったのですね、ではよろしくお願いします」

「うむ、付いてきてくれ」


 俺達8人はギルドマスターの後を付いていき、受け付けカウンターに、空いていた席にギルドマスターが座り。


「では皆のギルドカードを出してくれるか」


 俺とレトが、Eランクのギルドカードをギルドマスターに渡した後、6人はAランクのギルドカードを出した。


「確認する、パーティー “わーるどじゃんぷ” の賭けるものは、レトの武器と防具、それに相手全員の防具と、100%ミスリル製の剣の作成で良いか」

「「はい」」

「Aランクパーティー “ミレニアム” の賭けるものは、6人の全て、カードに入っているだけで大金貨が5枚あるが良いか」

「もちろん」×6

「まぁ、100%ミスリル製の剣ならば全然足りんが、全てを賭けるなら、ギリギリ釣り合うか、よし」


 カタカタカタカタ


 ギルドマスターが魔道具に決闘の詳細を打ち込み2枚の書類を作った。


「ではここの欄に名前を書いてくれ」


 ゆびさした箇所に全員が書類に名前を書いていく。

 書類を交換し、そこにも同じように記入した。


「よし、書類はこれで良い、場所は訓練場、審判は俺がやる、良いか」

「「はい」」

「良いわ、皆も良いわね」

「は~い」×5


「よし付いてこい」


 ギルドマスターに付いて行き、訓練場に。


 ナビ、腹パンパクね。

『服はどうしますか? 魔道具ですよ転移の』

 もちろん、全部いただくからね、女の子やし、ちょっと可愛そうだから、安いワンピースみたいな服あるかな?

『ありますよ、ブレイド君達が着ていた犯罪者用のワンピースが(笑)』

 あははははは、あれね、採用。

 あはは、可哀想になってきました。

 レトはどうする? 腹パンパクする?

 いえ、もうお願いしてしまって良いですか?

 良いよ、横に立ってるだけで良いよ。

 でも、落書きとか出来ますか? 眉毛繋げたり、チョビひげ描いたり。

『うふふ、消えない墨がありますから、好きなだけ書いて、描いて、やっちゃってください』

 あははははは、頑張れレト、傑作を期待するよ。

 任せてください、小学校低学年の図画工作の時間で、花丸をもらった、私の実力を見せてあげます!

 あはは、おっと到着かな。


「ここで決闘をやってもらうが、良いか?」

「俺達は良いよ」

「私達も良いですが、魔法は、使ってもよろしいでしょうか? 魔法職がいますので」

「ああ、構わん、壁には魔力吸収が付与されているから少々デカい魔法でも大丈夫だ」

「それを聞いて安心しましたわ」

「よし、、これより決闘を始める、わーるどじゃんぷの賭けるものは、レトの武器と防具、ユタの造るミスリルの剣を6人分、防具も6人分、間違いないか?」

「「はい」」

「ミレニアムの賭けるものは現金を含む全て、間違いないか」

「はい」×6


「よし、この戦いでの敗者は速やかに勝者へ賭けたものの引き渡しをする事、この決闘で、相手を殺してしまった場合は罪に問われないものとする、双方良いな」

「「はい」」

「はい」×6


 ギャラリーが集まってきている、今か今かと期待の眼で俺達に集中している。


 ギルドマスターが俺達から離れ、開始の合図を。


「勝敗は相手の気絶あるいは戦闘不能と俺が判断して決める、では」



「始め!」


 シュ

 シュ

 ドドドドドド

 カキカキ×6

 スポッ×6

 シュ

 シュ

 ドサッ×6


 ············


「ギルドマスターさん、終わりましたよ」

「なっ! まさか!」


 ギルドマスターが、倒れている6人に駆け寄り、状態を確認。


「ミレニアム、6名気絶! この決闘の勝者は、わーるどじゃんぷ!」


 ザワザワ


 ギャラリーがざわつく。


「ギルドマスターじゃあこのミレニアムの全てをもらいますね」

「ああ、それで構わん」

「起きるまでどうするかな、せや奴隷にしても良いの?」

「全てだからな、君達の持ち物と同じだ、売ろうが奴隷にしようがな、しかし私にも君達の見えなかったぞ」

「ああ、鍛えてるからな、その辺の奴なら負けないと思うよ」

「それがなぜEなんだ、それに先日登録したてか、ランクと実力が釣り合っておらん」

「あはは、そうかもね、ん? 起きそうやね」

「ユタさん、奴隷にするのですか?」

「ん~、得に欲しいとも思わないけど」

「封印は? それとも」

 王命は?

 俺もそれかなぁ~って思ってる、罪を償って良いことだけをやるように。

 私もそれに賛成です。

 了解






いつも読んでくれて本当にありがとうございます。


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『まあまあ?』なら★★☆☆☆

『頑張れ~』なら★★★★★


これからも読んでもらえるように頑張ります。



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