第127話 何回目なん？ あらまた居たのね(苦笑)
『何か悪さをしたのでしょうか？』
「知らず知らずやってしまう事があったのかもね、聞きに行くか、転移！」
パッ
「しぃ～」
いきなり現れた俺にビックリしているが、両手で口を押さえなんとか声を出さずにすんだようだ。
神眼！ よし犯罪系の称号も無い。
上に転移！
パッ
「お疲れ様、いや、この場合は、お勤めご苦労様？ 牢屋入ってたし」
「いやいや、お疲れ様でお願いします」×6
「ところで何で牢屋に？」
「勇者だからって、なぜ勇者は捕まるのか聞いても教えてくれなかった」
「ああ、勇者と英雄の職は、"歩くトラブル製造機" って言われててね······」
「······だから今回のスタンピードの原因は君達やね」
「マジかぁ～」×6
「まあ、もう封印してあるし、せや、偽装！ ほいっと！」
偽装を付けて元勇者と分からないようにした。
「ところで、君達を召喚したの帝国やろ？」
「はい、なんとか男爵とかって人が召喚したらしい」
「でこの街居ろって言われて」
「お小遣いももらったし」
「宿も大きな領主の屋敷の近くで良い宿だったしなぁ」
「あ～、たぶん、そのなんとか男爵がここの領主の子爵を潰そうとしたんやろね、勇者の特性を生かして」
「マジかぁ～」×6
さて、この子達はどっちかな。
「1つ質問やねんけど聞いても良いか？」
「はい」×6
「元の世界に帰りたい？ それとも異世界でこのまま楽しんで過ごしたい？」
「異世界で！」
「早っ！ ってか躊躇無さすぎ！」
「だって俺達は転生でもあるから」
「通学途中で事故にあって意識が戻る可能性無いって女神様が言ってたし」
「軽傷の友達とかは元の世界に帰ったしなぁ」
「そうそう」
「俺達は帰ったらずっと起きないし」
「ちょっとイケメンにしてもらったし」
「俺も、結構イケメンに！」×5
そのパターンは考えてなかったな。
「なるほどね、君らは帰らないって決めたみたいやし、それにしても勇者にしたらそのスキル？ バカだろ」
「酷っ！」×6
「いやいや、職は勇者でスキルは生産系のスキルしか無いやん！ 普通は限界突破とか取って自滅するだろ？」
「したくありません！」×6
「あはははは、じゃあ街中で暮らして行くんやね」
「いやいや、冒険者でしょう！」×6
「バカだろ！ それなら戦闘系のスキル取りなさい！ 鍛冶、調理、薬士、裁縫、錬金術、農業？ おかしいやん！ 冒険者するスキルの取り方じゃないやん！」
「えへへ」×6
「照れんな！ ったく、しゃ～ない、武器やら防具は造ってやるから」
「ありがとうございます！」×6
「はぁ～、俺の趣味で、武器は、ハンマーと、包丁と、救急箱と、縫い針と、鍬で、防具は、囚人服ナンバリング入りで良いやろ？」
「普通に刀か剣でお願いします！」×6
「服は囚人服でオッケーなん？」
「古いけど、ウ○ビッチみたいだし？」×6
「あはははは！ 分かったスクール水着女子用にしておくよ」
「普通に革鎧でお願いします！」×6
「分かった、んじゃ下に降りるか、ってかこの街はあかんから、港町に行くぞ、転移！」
パッ
砂浜の人影の無い所に転移して、打ち始める。
途中、釣りがしたいだの、貝が採れただの騒がしい奴等だったが、刀が出来出すと集まり真剣に見てくる。
12本の刀と、革鎧を6個それぞれに渡してやると
「あの、服は？ パンツしか俺達持ってない······」
「パンツに革鎧は恥ずかしいですよ！」
「うんうん」×5
「ん～サルエルツナギで良いか？」
「はい、お願いします」×6
「色は、赤青黄緑黒ピンクで良いな！」
「俺ピンク！」×6
「ピンクで良いのか？」
「嘘付きました、普通に黒でお願いします」×6
そんなこんなで黒にしてリバーシブルで中がピンクにしておきました。
「よし、んじゃ冒険者登録して、ダンジョン攻略の依頼を受けてこい、俺達はここで昼ごはん作って待ってるから」
「はい、行ってきます」×6
そしていくら待っても帰って来ない。
「遅いですねぇ～♪」
「また捕まってますねぇ～♪」
「なるほど！ ナビ、どうなの？」
『ぷぷっ！ 奴隷商にいますね、ああ～奴隷になりました』
「はあ？ 何してんの？ わざとなの？」
『称号は何も付いてませんね、相手の奴隷商の方もまともな感じですし』
「皆は先に食べててね、向かえに行ってくるよ(苦笑)」
「は～い(苦笑)」×6
ナビにナビされ奴隷商に向かいます。
屋台があったがここは流石に我慢しましたよ。
奴隷商に到着し中のカウンターへ。
「こんにちは、奴隷を見に来ました」
「いらっしゃいませ、本日はお越しいただきありがとうございます、ご予算は？」
「とりあえず今日入った6人は買いますね、他にも良いのいたら見せて下さい」
「大金貨を超えますが？」
チャリン チャリン チャリン
黒貨を数枚カウンターの上に置いてみた。
「ははは、お見逸れしました。こちらにどうぞ、ご案内いたします」
案内されたのは、豪華な応接室、座るとしっかりメイドさんがお茶と茶菓子を置いてくれる。
「ではまず、先ほど入荷した6人の披露から」
チリン チリン
テーブルにあったベルを鳴らす。
コンコン
「入って下さい」
中に入ってきたのは
「こちらの女性でございます」
へ？ あいつらじゃないの？
『次に控えてますね、しかしこの女性達はどうしますか？』
1人転生者が居るんだよなぁ、この子が居たから6人以外で買う予定やってんけど、後の5人も封印されてるけど召喚者の元勇者やん！ なんで見えなかった？
『私にもその転生者しか分かりませんでした』
もう1回、神眼！ 変わらんなぁ。
まぁ、買いやね。
「全員キープで、他の方も見せてもらえますか？」
「分かりました、君達は、一旦下がってください」
6人の女性は部屋を出て次にやって来たのが、奴等だった。
「あっ！」×6
「はぁ～買いますね」
「かしこまりました、お知り合いでしたか？」
「はい、こいつらの服や武器、防具は？」
「いえ、何も持たず連れてこられましたよ」
「お前ら、どうしたんだ？」
「冒険者達に絡まれて身ぐるみはがされた、せっかく造ってくれたのに、ごめんなさい」
「抵抗したら、ぐるぐる巻きにされて衛兵に突きだされて」
「今ここです」
「おっちゃん、こんなことよくあるの？」
ナビ、俺が造った武器やら全部探して！
『既にポイントしてあります、盗った奴等も』
ありがと、動きがあったら教えてね。
「衛兵からの納品は良くありますね、この子達は珍しく称号がありませんでしたので罰金刑ですが、お持ちでは無かったのでしょうね、1年間の強制労働でこちらに来ました」
「なるほど、それと、その前に来た6人は？」
「1人以外はこの子達が来た後に入荷した者ですね、借金奴隷となっております、隣の帝国からですね」
『こちらに来る間にここへ来た様ですね』
だな。
「ありがとうございます、先ほどの子達もあわせて買いますね」
「ありがとうございます、では少々用意がございますのでお待ち下さい」
「なら少し出掛けますね、代金はおいくらですか？」
「黒貨1枚と大金貨3枚になりますね」
「分かりました、ほいっと！ これで」
「お預りしますね、では後ほどご来店をお待ちしております」
「お願いします」
そして俺は店を出る。
ナビ、今はどこに居るの？
『冒険者ギルドから動いていませんね』
了解、急ぐか。
屋台を横目に······焼き串を手に冒険者ギルドに入る。
『食事処のあの6人ですね』
装備はしてないな、品定め中か、まあ、返してもらおうかね。
ローブを出し羽織る。
そいつらに近付き
「良い武器や防具だな」
男達にはなしかける。
「んだ？ そうだろ高かったからな」
「そうなんだ、綺麗だし今日買ったみたいだね」
「ああ？ んな訳あるか、手入れの腕が良いんだよ」
俺は声を大きくして
「じゃあ、6人の子供から強奪したのはお前らだな、皆さ～んここに泥棒が居ますよ～！」
「なっ！ てめえ！ 何を言いやがる！」
「ふざけた事ぬかすんじゃねぇー！」
俺は切猫を出し、革鎧もローブを外し見せてやる。
「この刀と、防具は俺が造った物だ、見間違える筈がないやろ、何か言い訳はあるか？ ちなみにお前らに衛兵に連れていかれた子達は俺が黒貨で買い取った、お前らは誰かに買ってもらえるかなぁ、あはははは！」
「チッ！ 逃げるぞ！」
男達は荷物をアイテムボックスに入れ出口に向かって走り出した！
シュ
気絶しないように
ドドドドドド
ポーションセット
シュ
ドサッ×6
ゆっくり近付きながら
「すいません、衛兵呼んでください！」
受け付けのお姉さんが
「はい！ ただちに！」
そう言うと魔道具を取り出し操作し
「強盗犯を捕まえました、冒険者ギルドです！」
「すぐに向かいます ガチャ」
「すぐに来ます、拘束をお願いします」
「ありがとう、やりますね」
おっさん達が床に腹を押さえ倒れている所に近付き
「おっさんとりあえず、盗んだ物。全部出せ！」
「うぐぐぅ」
ガチャ ガチャ
ドサッ ドサッ
チャリン チャリン
出る出る。
「あっ！ 俺のローブ！」
「私の杖が！」
俺は自分のだけを収納し。
おっさんらのアイテムボックスから全て俺の収納経由で出し。
隠してあるのも、ナビにポイントしてもらい収納し、この場に出してあげた。
『沢山ありますね』
マジでな、どんだけ盗んだりカツアゲしてたんやこいつら。
「おい、この紋章って、ドワーフ王国の紋章だぞ！」
「封印されてるから密書だな、こいつら首が飛ぶぞ」
「あれじゃないのか、姫さんが諸国を回ってるってやつ」
「あれから盗んだのか！ おいおい！」
俺はそんなのを聞きながら縛り上げていく。
そこに衛兵がやって来た。
「すまないが通してくれ、強盗犯を捕まえたと聞き来たが、うむ、そいつらだな」
連絡をしてくれたお姉さんとギルドマスターかな？ が来て
「そうだ、そこの少年が捕まえてくれた」
「ギルドマスター、ありがとう、して、少年少し話は良いかな？」
「はい、大丈夫ですよ」
「なぜ、こいつらが強盗犯と分かったのかな？」
「まず、俺の仲間が奴隷商に居ることに気が付いて向かえに行き、すると今日造った武器やら全部盗られて衛兵に連れていかれ奴隷商に居ると聞きました」
「ぬ？ 6人組の少年か？」
「はい、盗まれ、ぐるぐる巻きにされて衛兵に連れていかれたと」
「うむ、確かに否認はしていたが、皆否認するからな、そのまま1年の強制労働で奴隷商に連れて行ったのは間違いだったか、あはははは！」
「おっさん何笑ってるんや？ てめえがちゃんと調べやんから俺は黒貨払ってそいつらの身柄を保護したんや、何がおかしい、てめえには黒貨を返してもらうから覚悟しとけよ」
「ぬっ！ そ、それは」
「そっちのお仲間さん達にも手伝ってもらえばすぐだろ、俺は間違った事をいってるかなぁ！」
ギルド内に響き渡るように大きな声を出した、
ギルドマスターが
「間違いない、その金はお前達衛兵が責任を持ってこの少年に返すべき物だ」
「し、しかし、そんな大金この少年が持ってる筈は」
「いや、ダンジョンを攻略したパーティーの少年だ、11枚までなら持っていた筈だ」
「だから、おっさん頼むぞ、後あいつらの罪は無効にしてもらえるんだよな？」
「いや、1度登録すると消せない、金を払わないと」
「じゃあその分の慰謝料も請求するから」
「なっ！ いったいいくらになるのだ！」
ギルドマスターが
「犯罪者の称号が付くからな、黒貨で数枚は無いと国で消してもらえないからな、黒貨で20枚はいかないだろうか」
「そんな、この国の衛兵に下りる年間予算の5年分ではないか」
「ふ～ん、じゃあ、後で国に取り立てに行ってくるよ、王さんか宰相当たりに言えば予算から出してくれるだろ」
「そんな······」
「とりあえずそいつらを確実に罪を償わせろよ」
「はい······」
6人を連れて出ていく前に捕まえる。
「おっさんは衛兵の偉いさんか？」
「ああ、このまちの統括だ」
「じゃあ、あんたは残れ、この後城に行くから、俺に付いてこい、行くぞ」
「は？ 本気で言ってるのか！」
「当たり前だろ、おっさんがやらかした後始末やろ？」
「そ、それはそうだが」
「さっさと来い、あいつらが待ってるからな」
固まってるおっさんの襟を持ち引きずる。
「ギルドマスターありがとうございますね」
衛兵の統括を引きずりギルドを出た。
いつも読んでくれて本当にありがとうございます。
これからも読んでもらえるように頑張ります。
