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第120話 血糖は!

 財務さんがソファーに座りメイドさんはお茶を取り替え、俺達にもおかわりを入れてくれる。


「さて、まずは確認をしたい、姫様、確かな事なのですね」

「はい、私が受付をしギルド内で話をしている最中(さなか)に他のギルドより連絡があり、ギルドマスターが確認しています」

「分かりました、最初の冒険者ギルドで11枚の黒貨は受け取っており、残りを受け取るために王都の 冒険者ギルドに来られたと、21枚を受け取るためには王城へ行くことを提案し今ここにいる、これで間違いはありませんね」

「はい、全額の引き出しとの事なので」

「分かりました、では、黒貨を出して見せて下さい」

「はい」


 財務さんはアイテムボックスから木箱を取り出しテーブルへ置いた。


 宰相さんは


「ふむ、開けてもらおうか」

「はい」


 パカッ

 シャッ


「確かめて下さい、黒貨21枚でございます」

「ふむ、ふざけておるのか?」

「財務さんは冗談がお好きでしたのね、うふふ」

「いえ、ふざけてなどはいません」

「えっ?」

「お前はこれでふざけてないと言うのか? その黒貨を鑑定してみろ」

「はぁ? 鑑定! なっ! なぜだ! た、ただちに別の物をお出しします! これはもちろん冗談であります、あははははは」


 偽物は収納し、新たに出してきた木箱、また開けるように言われ


 パカッ

 シャッ


「これが本物でございます」

「貴様、ふざけるのもいい加減にせよ! 偽物ではないか!」

「すまないが兵を呼んでください、大至急ですベルの仕様を許可します!」

「はっ!」


 メイドさんは扉の横にあったベルのボタンを押し


「大至急応接室に急行して下さい! 大至急です!」

「なぁっ! これは何かの間違いです! つ、次は本物ですから!」

「出せ!」

「はっ!」


 チャリン チャリン


 と出してくる偽物を


 シャッ シャッ


 と傷付け偽装の解除をやっていく。


 チャリン············


 最後の1枚が出終わり、財務さんは真っ青な顔になっている。


「お主、これ程の偽物を用意しているなど最早弁解の余地は無いな」

「俺がとりあえず縛っておきましょうか?」


 ナビ、パクさんお願いね、服は要らないから。

『は~い♪』


「うむ、頼む」

「はい」

「なぜだなぜ偽装が切れている!」


 おっさん自白してるよ(笑)


 シュ

 エトリの糸でぐるぐる巻きだ。


「終りました」

「ありがとう、お主、爵位剥奪、一族郎党、関係者及びその家族まで連座で罪を償ってもらう、お主が偽物に差し替えた冒険者ギルドの報酬分まで合わせると、犯罪奴隷として働き続けることとなるだろうな」


 そう言うと、冒険者ギルドのリストを財務の前に置く。


「なぁ! 全てバレていたと言うことですか」

「うむ」

「あはははは! ならばこの国にはもう出て行くとしよう、この城の財務を預かり全ての金を手に入れる予定であったがもう十分稼がせてもらったからな」

「······」


 皆さん沈黙です(笑)


「では、さらばだ! 転移だ!」

「······」×7

「ん? 転移!············」

「あぁ~おっちゃんの魔道具は全部回収したから、転移は無理やね」

「何を! まさか、ファイアーボール!」

「······」×6

「だから、魔道具無いおっさんに魔法使えるわけ無いやん、スキルも計算があるだけやし」

「そ、それでは私は」

「うむ、先程も言ったとおり犯罪奴隷として働いてもらうことになるな」


 部屋の外が騒がしくなり


 コンコンコン


「騎士団です! お呼びと聞き参りました!」

「入れ」


 カチャ


「奴隷の腕輪は持っているか?」

「はっ! あります!」

「よし、そこの元財務にはめ永続で縛る、やれ」

「はっ!」


 身動きの取れないおっさんは、簡単に奴隷の腕輪を嵌められた。


「これより聞かれた事は包み隠さず本当の事を話せ、永続だ」


 元財務のおっさんは兵士さんに連れられ部屋から出ていった。


「さて、後は報酬だな、私が行ってこよう」

「はい、それが1番よろしいかと」

「忙しいのにすいません、よろしくお願いします」

「お願いします」×3


 宰相さんは立ち上がり、応接室を出ていった。


「この後魔族の国のダンジョン行くのですよね!」

「そのつもりやね、ってかマジで行くの?」

「もちろん♪ ちょっと向こう向いてて下さい」

「まぁ、良いけどね」


 振り返って壁際に書棚があったのでそこへ向かい、本のタイトルを眺めて行く。


 1つ気になるタイトルがあったので手に取り表の著者の名前を見て······


「グ・パヤナタ・シーか、······は?」


 いやいや、俺は目を閉じ深呼吸。


 目を開けもう一度確認してみる。


 タイトル シー家の娘の大冒険Ⅲ

 著者  グ・パヤナタ・シー


「グさんなんでこっちにいるんや! 死んだんちゃうん! 転移してきた? 訳分からん······」

「ユタさんどうしたのですか?」

「クシナダか、この本のな、著者、は難しいか、書いた人なんやけど、俺が別の星から来たのは言ったよね」

「はい、聞きましたね」

「この本の書いた人も向こうに居たんや、ずっと昔やけどね」

「へ~ユタさん達の他にもそんな人が居たのですね、なんて名前の人なのですか?」

「ん? グ・パヤナタ・シー」

「おお! グ・パヤナタ・シー様! この国の初代国王様ですね」

「初代国王?」

「商人をしながら、この国を大きく開拓し、国王になった伝説の王様ですよ」

「あはは、こっちでも同じ事をやったんやね」

「グ・パヤナタ・シー初代は、妻と共に遠くから旅をしてきたと伝えられておりますね」


 どうやってこっちに転移してきたんやろね、まぁ、こっちでも頑張ったってことやね。


「お! 冒険者スタイル! お姉さんカッコいいやん!」

「うふふ、今でもきちんと手入れはしてますから」

「うん、中々の出来やね、素材も良いの使ってるし、付与は弱いけど重ね掛けで行けるかな?」

「こちらの刀も自慢の一品ですよ」


 そして見せてくれたのは


「ああ~惜しい、後ほんの少しミスリル加えたら完璧やん! この人スゴい鍛冶士やん!」

「でしょう、ミスリル少なかったのは私が値切っちゃって、てへ」

「くぅ~、よし、俺が完璧なの造ってやる! 俺の中でやけど」

「本当に! うふふ、よろしくお願いします」


 コンコンコン


「私だ入るぞ」

「宰相様がお戻りです」


 帰ってきたようだ、本を戻してソファーに戻る。


「すまないな、とりあえず座ろう」


 俺達はさっきと同じ場所に座り、宰相さんが装飾された木箱をテーブルに出し蓋をあけた。


 パカッ


 神眼! 本物やね。


「大丈夫ですね、流石に」

「あはは、では受け取って下さい」

「クシナダ、お前の収納に入れておいてね、初依頼の達成記念やし」

「そうでした! 初依頼です、これで私も立派な冒険者です!」

「しかし、初依頼がダンジョン攻略と新ダンジョン発見なんて、あはは」


 お姉さんが呆れ顔になってます。


「では、すまないが私は公務に戻らないといけないので失礼します、姫様はこれから冒険ですか? それなら連絡は使者を出しておきますので、そのまま行かれても大丈夫ですよ」

「ありがとう! このまま付いて行くわ、連絡お願いします」

「分かった、では、魔族の国から黒貨失くすまで帰らないとか言わないで下さいね、ちゃんと連絡もする事、良いですね」

「うふふ、黒貨全てですか、うふふ」


 宰相さんがいらんこと言うからその気になりかけてますよ。


「では」


 言うだけ言って部屋から出て行った。


 メイドさんも宰相さんに付いて出て行ったので俺達だけやし


 ナビ、魔族の国のダンジョンは?

『海に浮かぶ島のダンジョンはどうでしょう、そこそこ大きな島で未発見がありますよ』

 島か、オッケーそこにしよう、表示お願いね。

『は~い♪』

 人影なし、転移!

 パッ


「到着!」

「へ? 外ですよ······」

「よし固まってるし、行こうか」

「は~い♪」×3


 また腰に手を添え押してやると歩き出す、上手く誘導して冒険者ギルドを探そう。


 路地裏から出ると······冒険者ギルドがありました。


 屋台はパーティー登録した後で。


 冒険者に入り木札を手にカウンターへ、お姉さんのギルドカードを勝手に出してパーティー登録とダンジョン攻略の依頼も受けて、さあ屋台だ!


 出入口に向かい、どんな屋台があるかワクワクしてたら


「美しい女性がいるじゃないか♪」


 変なのに絡まれる。


 ナビ、腹パンパクセットね、いなばが来るだろうし

『は~い♪ 今、路地裏から出てきましたよ』

 早っ!


 俺は無視する方向でお姉さんを操縦し、話しかけてきた奴の横を通り過ぎる。


「おやおや、僕が話しかけてると言うのに、女性が可愛そうですよ」


 出口に向かう。


「ふむ、耳が聞こえませんか? さあ、美しい君達は僕と食事をしましょう♪」

「間に合ってます」

「嫌ぁ~」

「嫌だぁ~」

「皆は嫌だと言ってますが? まだ何かご用件でもあるのですか?」

「照れてるだけさ♪ さらに可愛いですね、美しさと可愛さをあわせ持つ、照れることはありません僕がさそっているのだから」

「はぁ、バカやったか、あんたなんも理解してないよな? あんたとは行かん言うてるやろ? 言葉も分からんか? そうかバカやし!」

「き、貴様! 私が誰か知らないのか!」

「知らんな、バカは知り合いにはいないぞ」

「Aランク冒険者の僕を知らないのか! では教えてやろう」

「いや、知りたくないから早く消えてくれ」

「決闘だ! 貴様と僕との決闘だ! ギルドマスター!」

「何を騒いでいる」

「僕とこのガキとの決闘だ」

「ギルドマスター、こいつバカだろ? 話が通じない、こんな奴がAランク? 間違ってなったか?」

「間違っては無いな、で決闘だが訓練場でやるぞ」

「なんや、ギルドマスターもバカなんや、なんで俺がこのバカと決闘する流れになってんのや? バカだろ」

「貴様に拒否権は無い、ギルドマスター権限でこの決闘を行う、文句があるなら決闘で勝ってから言え」

「ふ~ん、分かった、で賭けるものは?」

「僕が求めるものは美しい女性だよ♪」

「じゃあ、俺が勝ったら?」

「そんな奇跡が起こるわけ無いだろ、もし僕が負けたら俺の物ならなんでもあげよう」

「黒貨1000枚で良いよ」

「あるわけ無いだろ!」

「なんだ、負けないんやろ、それくらい賭けろよ」

「その賭け金は不成立だ、価値が違い過ぎる」

「せやね、ギルドマスター分かってるやん、1人につき黒貨10億枚で良いか、1000枚なんか安すぎて釣り合わないよな、流石ギルドマスターになる人は分かってる」

「なぁ! ち、違う! 女性の対価なら金貨あるいは大銀貨が相場だ!」

「いやいや、俺の仲間の価値はそんなはした金じゃあ釣り合わない、ならこの決闘は無しで良いよな?」

「いや、やってもらう」

「ならあんたともやろうか、俺は黒貨100枚賭ける、ギルドマスターは何を賭ける?」


 そう言って黒貨を100枚風さんで中に浮かべてやる。


「なっ! ほ、本物!」

「さあ、賭けが成立してから決闘だろ、そっちの僕僕言ってる奴もこれに釣り合った賭ける物を提示しろよ!」


 その時1人の冒険者がそ~と手を伸ばし黒貨を握った瞬間


 シャッ


 手首を切り落とし、切り口を回復魔法でふさぐ、血は落ちた手首から滴るだけ。


「ほらほら、あんたらがグズグズしてるから泥棒が出たじゃないか」


 俺は手首を風さんで浮かべ、手のひらを開けて握りしめた黒貨を皆に見せた。


「へ? お、俺の手がぁぁぁぁぁ~!」

「賭けるのは何?」

「賭けは成立しないが決闘はしてもらう」

「はぁ、分かったほらほら行くぞちゃっちゃと終わらせるから!」


 俺は黒貨を収納し、手首はギルドマスターに


「ギルドマスター、とりあえずあいつは窃盗犯だから捕まえろ」

「わ、分かった、おい! そいつを拘束し衛兵を呼べ!」

「ほらほら行くぞ!」


 ギルドマスターの先導で俺達は地下に降りて訓練場に入った。


「ルールは死亡以外はフリーだ対戦は」

「2対1で良いぞ、そっちは2人で良いからさっさと用意しろ!」

「ふざけやがって俺もAランクだ!」

「ふ~ん」


 ナビ、ハゲ&不能&ピンクで(笑)

『途中からあおりまくりでしたね♪ 良いですよ、いつでもどうぞ』

 いなばごめんね。

 今回は仕方ないです。

 ありがと。


 観客も増え訓練場にあつまる。


 訓練場の真ん中だけが空いている状態だ。


「準備は良いのか? 負けた時の言い訳になるからか、あはははは」

「ギルドマスター手足は良いよね」

「俺もやるから半分で我慢しろ」

「は~い♪ 覚悟は良い、この銅貨が地面に落ちたら開始だ」

「良いから早くやれよ」

「チッ!」


 銅貨が親指で上に弾かれ回転しながら落ちてくる。


 チャリン

 シュ

 ポキッ×4

 ポーションセット転移!

 ピンクはふさふさ付をはめて、こいつらの後ろへ移動。


 カラン カラン


「ぐあっ! 腕が!」

「あがぁっ!」


 呻き声を上げる2人。


「おい! 髪の毛が全部剃られてるぞ!」

「マジかよ! Aランク2人相手だぞ


「おい! 両手が折られてるじゃないか!」

「やべーぞ! この国最強が2人一度にやられたぞ!」

「あのピンクの首輪なんなの! ふさふさしてるわ!」


 俺は2人に近付きながら


「どうするの? 降参? それとも続ける?」

「き、貴様ぁー! ファイアーアロー!」

「死ね! ファイアーアロー!」


 もちろん封印されてるから出ない。


「続けるで良いんやね」


 シュ

 ポキッ×4


 ドサッ ドサッ


「いぎぃー!」

「はがっ!」

「おい! 今度は足が折れてるぞ!」

「あいつ強いぞ!」


 2人を見下ろしながら


「どうするの?」

「······」

「······」

「お~い、決闘は続けますか~聞こえますかぁ~」

「僕の負けだ」

「俺の負けだ」

「んとに、最初から弱いんやから絡んで来るなよ、ちなみに、2人共封印してあるからスキルは使えなくなったからね」

「「な、何を?」」

「100年後まで神様にも外せないから頑張ってね」

「魔法も剣技も使えないと?」

「100年もか?」

「自業自得やから諦めてね、決闘決闘って俺はやらないって言ったのを無理やりやらせたんやから」

「今後どうすれば······」

「それはそうだが、あまりにも······」

「一応回復だけはしてやるよ、ほいっと!」


 再生をかけ骨を繋げる、綺麗に折ったから思ったより簡単に治った。


「じゃあね、真面目に働けよ」

「「······」」

「返事は?」

「「はい······」」

「ん、よろしい、頑張れよ」


 そして俺達はお姉さんを操作し屋台に向けて歩きだした。




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