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第117話 和風······わふぅ♪ 

「開けてみるか?」

「え! 良いの! ······と、届きませんが······」


 宝箱の蓋に向かって背伸びをしているクシナダ、うん、そりゃ~ね届かんわな


「浮遊! ほれ、これで届くやろ?」


 浮遊でクシナダを蓋の所まで浮かせてあげる。


「ありがとう、よいしょ······重いぃ~! 考えたらこんなに大きい蓋を私が持ち上げる事なんて出来るわけ無いじゃないですか!」

「あははは、身体強化しないとそりゃ無理やって」

「だから出来ないって事じゃないですか、身体強化なんてレベル1から上がったことないのですから······」

「気付いて無かったんや、ステータス見てみなよ」

「そんなの見たって、ステータス!」


 ほら、固まった。


『うふふ、レベルが100を軽く超えてれば驚きますよね』

「んじゃ、今の内に武器と防具造っちゃいますか!」

『幼女っ子の分も造るのですか?』

「そのつもりだよ、クシナダが神になったら連れてくつもり、虎鉄に乗せてね」

「頑張りますね♪」


 カーン カーン カーン


 カーン カーン カーン


「造り終わったけどまだ覚醒してないね、装備してしまうか」


 防具は、大きめに造ったのでバンザーイってさせてスポッ


 後は勝手にサイズ調整。腰に刀も2本、完成!


『着せ替え人形じゃないですか(笑)』

「あははは、ほんまやね、俺はアパートに居た、ちびっ子達を思い出したよ、よし、宝箱の初開けは、次に回してさっさと行きますか」


 パカッっと開けると持ち運びハウスのデカい版が入っていた、その名は持ち運び宿舎! これって


「これって複数の部屋があるのかな、アパートみたいなもんか」

『クラン用に良さそうですね、お祭りをして、その場でお泊まり出来ますよ』

「なるほど、それ採用やね、収納! で宝箱は普通の箱やし(笑)」

『うふふ、ですね。アイテムボックスにもなっていませんね』

「まあ良いかな、収納! おっ! 宝箱がありました!」

『上げ底だった様ですね、宝箱の底が宝箱の大きさにへこんでますよ』

「あははは、神眼! オッケー」


 パカッ


「インゴットやね、結構大量やん! 宝箱もアイテムボックスやし、収納!」

『クシナダちゃんは本気で寝てるようですし、本気で走りますか?』

「虎鉄、背中に寝かせてあげて」

「は~い♪ ほいっと!」


 俺のパーカーのフードから飛び降り、大きくなった虎鉄にクシナダをエトリの糸で落ちないように固定。


「せや! 幼女っ子も亜神手前まで上げておこう」

『うふふ、ポイントしました♪ レベルが800くらいで止めておいて、どこかのダンジョンで身体の動きを調整してもらいましょう』

「あはは、だな、転移!」

 パッ


 2人を追加で虎鉄に固定し、走り出す。


 途中、走りながら革鎧を造り幼女っ子に装備。


 流石に刀は打てませんでした。


 幼女っ子達は既に、レベルが800になりパーティーから外し、クシナダは亜神に。



『猫缶2号 登録しました』


「新ダンジョンヘ行こうか、ナビお願いね」

『表示しますね』

「ありがと、透明ローブももう要らなかったね」


 ローブを収納し、転移!

 パッ


『今度は迷宮タイプですね。920階層です』

「浅いね、ナビゲーションお願いね」

『は~い♪ 一応全通路で隈無(くまな)く通る様にして、隠し部屋もあれば全部もらいましょう!』

「了解、スタート!」



 結構沢山の隠し部屋があり楽しめるダンジョンで、出てくる魔物も弱いものから順に出てきて、初心者には修行を兼ねた攻略が出来そう。


「これってマップ作ればギルドに売れるかな?」

『さあどうでしょうか、作っておきましょうか、最難関ダンジョンのも造れますよ、隠し部屋の場所、罠、宝箱、ついでに階層ごとの魔物の名前とかもあれば良いでしょうか』

「1回試してみようか、お願いします」

『は~い♪』



 明け方になり、水晶玉の部屋で朝ごはんを作ってると、ようやくクシナダが目を覚ました。


「はわわわわわ~あれ、ユタさんおはようございます、朝ごはんを作ってくれているのですね、手伝いますよ」


 大きなあくびをしてまだ状況を把握していなさそうやね。


「タキリとタキツもいます······そうだ! ユタさん、私レベルが100超えてましたよ! あっでももう1回確認してみないと見間違いかもしれませんね、ステータス! よし、3桁のレベル無し! 大丈夫でした、ごめんなさい、私の見間違いでした」


 その部分しか目が行ってないのか(苦笑)


「クシナダ、落ち着いてゆっくりステータスを見てみなよ」

「ゆっくりですか? ステータス············なんですとぉ~! レベルがありませんよ! それに鍛冶神になってますし、状態に寄生スライム? あれ、年齢も無いですね、何かの間違いですか?」

「あはは、神眼で俺を見てみなよ」

「はぁ、神眼、なっ! ユタさんも神になってますよ! タキリとタキツは! レベルが800!」

「「お姉ちゃんうるさいですよ!」」

「ご、ごめんなさい」

「おはよう、良く眠れた?」

「ふかふかだったよ」

「うん、いっぱい寝たよ」

「朝ごはん作ったから皆で食べようか」

「「は~い♪」」

「あの、ユタさん、無茶苦茶強くなってますよね?」

「ドラゴンと戦って、素手で勝てるね」

「は? そこまでですか?」

「うん、これで誰にもいじめられないね、服も取られたりしないよ」

「その為に私や妹達をレベルアップしてくれたのですね」

「せやね、あいつらが絡んで来なければ妹達は危なかっただろうね」

「はい、ありがとうございます」

「んじゃ、朝ごはん食べようか!」

「は~い♪」×3


「ってか、猫さんデカっ!」×3


 今気付いたんやね(笑)


「虎鉄っていうんだ、仲良くしてね」

「虎鉄です、よろしくね」

「喋った!」×3

「「あははははは!」」



「たまごがふわふわで美味しい」

「うん、ケチャップ付けて美味しいね」

「香草ウインナーって美味しいのですね」

「良かった、作った甲斐があるよ」


 朝ごはんを食べ終え、食休みをしている内にとダンジョンの登録を行う事にした、今回はクシナダが登録し、盗賊等の排除も終わり、名前は


『ビックリ箱 登録しました』

「「ビックリ箱♪」」

「ユタさんにはビックリさせられてばかりですからね」

「あはは、んじゃ、冒険者ギルドでタキリとタキツの登録と依頼達成の報告に行こうか」

「はい!」×3

『路地裏表示しますね』

「ん? あかんね、人だらけやん、なんでやろ?」

『視点を変えますね、あらあらフェンリルちゃんですね、生まれたてですよ』

「親は?」

『近くにはいませんね、あっ、さっきの排除で盗賊だけ飛ばされてフェンリルちゃんが残ったとか考えられませんか?』

「可能性はあるのか、街のそとで良いから表示とフェンリルちゃんの入った(おり)をポイントしてね、親元へ返さないと」

『はい、表示します、ポイントもオッケーですよ』

「よし、皆で行くよ、転移!」

 パッ


「到着!」

「きゃ~可愛い~♪」


 確かに可愛いね、もふもふみたいやし。


「はいはい、触らないでね、神眼! やっぱり罠があるよ、それに匂いや気配が出ないようになってるな、ナビ、俺が触るから親の居場所探れる?」

『大丈夫だと思います』

「んじゃ、頼むね」


 俺は檻に近付き、膝を付いて檻に押し込められた柴犬くらいのフェンリルに触れる。


「きゅ~ん」


 プルプル


 震えている。


「大丈夫だよ、住んでいた所に帰してあげるからね、心配しなくて良いよ」


 なでなで


「くぅ~ん」


 なでなでしながら


「ナビ、どうだ?」

『表示しますね』

「森やね、どの辺になるの?」

『利権争いになる島ですね、あそこから拐われたと思われます』

「川を下ってこの街戻って来た感じかな、クシナダ達は冒険者ギルドに先に行っとく方が良いかな?」

『玉藻さんレベルだと幼女っ子達はヤバいでしょうね、そこまでには見えませんが』

「私達だけでは不安がありますよ、家で待ってます」

「せやね、あそこなら転移で帰っても大丈夫か」

「え~フェンリルちゃんと遊びたいよ」

「私も、遊んじゃダメ?」


 うるうる&上目遣い攻撃ですか······


「はぁ~虎鉄、背中に乗せてあげて」

「は~い♪ 任せて下さい」

『うふふ、甘々ですね』

「しゃ~ないやん、可愛いし(苦笑)」

「やったぁ~! 虎鉄ちゃんよろしくね♪」

「なび、向こうに転移と同時に檻だけ収納するからタイミング頼むね」

『分かりました』


 なでなで


「もう大丈夫だから、元の住みかに帰ろうね、転移!」

 パッ


「到着、来るね、虎鉄は2人を頼むね」

「はい」

「クシナダも俺の後ろに」

「はい」


 森の木を縫うように走る銀色の毛並みを持つ狼の頂点、フェンリルが、眼前で静止。


 玉藻とあった時のサイズと同じくらいやね。


 俺は()(かか)えていた小さなフェンリルを鼻先に持ち上げた。


「くふ~ん わふっ」

『あなた様が私の娘をお救いしてくれたののですね』

偶々(たまたま)見つけただけだよ」

『ここまで連れてきてくれたでは無いですか、本当にありがとうございます』

「良いって、ついでに盗んだ奴は隔離したから」

『その様ですね、それも合わせて感謝しか無いです、何かのお礼をしたいのですが』

「お友達になりませんか?」

「お友達になりたい!」

「私も! 一緒に遊ぼ♪」

「良ければ私もお友達になりたいです!」

「わふっ」

『うふふ、娘までそう言うのでしたら、断る選択肢はありませんね』

「「良いの?」」

『はい、仲良くしてください、この子達共々』


 そう言うと、フェンリルの背中から2匹のフェンリルが飛び降りてきた。


「きゃふ」

「わふっ」

「うわふっ」

『よろしくだそうです、うふふ』

「やったぁ~!」×3


「はぁ、喧嘩にならなくて良かったよ」

『喧嘩ですか?』

「ああ、俺達が拐ったと誤解して戦いになるかもって、内心ドキドキしてたよ」

『私は鼻が良いのですぐ分かりましたよ、この島に初めて来たことも、娘をいじめて無いことも』

「あはは、でもホントに良かった、せや、子供達は肉は食べるか?」

『もう少しですね、まだおっぱいです、200年はかからないと思いますが』

「ママさんも大変やね」

『うふふ、楽しくもありますね』


 クシナダ&幼女っ子と、子フェンリル達は走り回り楽しそうだ。


 それなのに


「来るね」

『どうしたのですか?』

『魔道具で気配や匂いを消してますね』

「アスタロト大公爵、俺の頭上へ!」

『透明ローブも羽織ってます、お宝セットしました』

「フェンリルママさん、転移させるから驚かないでね、転移!」

 パッ


「皆はここで待機ね」


 俺は透明ローブを羽織り


「密猟の大元まで潰してくるから! 転移!」

 パッ


 ナビ、ここは声は出さない方が無難だよね、同じ透明ローブを羽織ってるし

『はい、羽織ったもの同士は声は聞こえますから、岩の向こうで止まりました』

 近寄るよ。


 俺は浮遊で浮かび上がり、密猟者の頭上へ

 に浮かぶ。


「おい、反応が薄いぞ」

「場所はこの岩の向こうになってるが」


 あの魔道具が場所を特定しているようやね。

『その様です、何か取り出しましたね、麻痺針ですか』

 麻痺針?

『刺さることによって麻痺が付与され動けなくなります』

 俺は?

『うふふ、耐性がお仕事をするだけですね、その前に刺さらないですが』

 あはは、んじゃ、触るからポイントお願いね。

『パクさんセットしますね』

 ありがと


 シュ

 ドドド

 シュ

 ドサッ×3


「どんな感じ?」

『貴族からの依頼で、この冒険者達が動いてますね、盗賊はどこでフェンリルの子供を手に入れたのか』

「移送中に襲われたが1番しっくり来るけど、貴族は誰か分かるかな?」

『正式に冒険者ギルドに依頼されてますから、分かります、表示しますね』

「ん~普通のおっさんやけどなぁ見た目は、行ってみるか、転移!」

 パッ


「なぜ届かんのだ?」

「はっ、盗賊ギルドに依頼し奪ったと情報は来ております、この街に入った記録もございますが」

「ふむ、子犬1匹に黒貨は払えんから盗賊ギルドに依頼したが、使えん奴らだ」

「はい、現在親の方を捕獲するべく麻酔針、麻痺針、最悪死体でも良いとAランク冒険者を島に向かわせております」

「ふむ、死体でも良いが、毛皮に大きな傷があれば買い叩け、良いな」

「はっ、心得ております、暗殺班を最寄りの街に潜めております」

「最初から使えば良かったな、懐も痛まん」

「はい、毛皮を餌に王女を娶り、国取り、必ずや成功させましょう」

「くっくっく、そうだな、次期宰相」

「はい、次期国王様、くっくっく」


 ナビ、お宝セットと煮干し3号旅行やね。

『それと、触れていただければ暗殺班もその後になりますが一掃出来ますよ』

 ありがと、先に触れるね。


 俺は2人に近付きそっと髪の毛の先に触れた。

『勇大様、暗殺班は奴隷です、まだ殺しもしたことがない者達だけです、保護を』

「了解、一応武器や魔道具、奴隷の腕輪は収納して、アスタロト大公爵の上に浮遊させておくか、その後で王命で悪さしないって縛るよ」

『はい、ではポイントも終わりました』

「こっちからやね、収納! 転移!」

 パッ


「あかん! 地面に転移!」

 パッ


「危なかった、他の人忘れてたよ(苦笑)」

『私も忘れてました(苦笑)』

「暗殺班を表示してくれる? 町中とかなら見つかると面倒くさそうやし」

『は~い♪ 大丈夫そうですね、宿の部屋です』

「よし、収納! 転移! 俺も行こっか、転移!」

 パッ






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