第110話 お昼はバーベキューですって! はい、そう聞いておりますが
ちょっとだけ屋台を巡り、島にやって来たが、まだまだ時間は早い、今はダンジョンの9681階層、水晶玉の部屋である。
ºººººº
「まだ時間あるし、屋台を」
「はいはい、冒険者ギルド行くからついて下さい! こう言うのは先に面倒な事をやってから、心置きなく楽しみましょうね」
「おっちゃんが屋台を見に行ったら長くなるやろ?」
そこへ
「は~い♪ 俺達と遊ばない♪」
「遊ばない」
「ほらほら、ユタさんがぐずぐずしてるからバカなナンパが来るんですよ!」
「あははは♪ 手厳しいな♪ そっちの君は♪」
「ん? 私か? よわよわですね、えっと、三葉が教えてくれたのは、一昨日来やがれです、ユタ、腹パン良いか?」
「いなば、手加減してね」
「は~い♪」
シュ
ドドドドドド
シュ
ドサッ×6
「は~い♪ 終わり! やっぱりよわよわ!」
「あはは、しゃ~なし、冒険者ギルド行くか」
「いやいや、君達が行くのは衛兵の詰所だ」
周囲の見物客の人垣から3人の衛兵さんらしきおっさんが、人垣をかき分け出てくる。
腰からロープを外し近寄ってくるが
「そんなところ行く予定は無いぞ?」
「公衆の面前で暴力を振るったのだ、捕まえるのが衛兵の仕事なのでね」
「そっか、か弱い女性に男6人が声をかけ、無理やり連れていこうとした奴を捕まえに来たんやね」
「ぬっ、そう言われるとそうなのか?」
「いやいや、隊長、ただのナンパですよ、無理やりなんて」
「いやいや、この子達は、きっぱり断わってたのに、しつこく声をかけてきたぞ、こいつらに被害を受けた女の子達は沢山いるんじゃないのか? それとも、嫌々連れて行かれて何かされたら貴方達は責任を取ってくれるのですか?」
「いや、その青年達はそんなことは」
「私、無理やり胸とか触られたわよ! こいつに!」
お姉さんが人垣から出て来てそう言うと、1人の男に、仰向けに倒れてる所へ蹴りを入れる。
グシャ! グシャ! グシャ!
じわりと血が滲む短パン
グシャ! グシャ! グシャ! ×5
全員の急所ヘの攻撃
「私にもやらせて! 私も無理やり!」
冒険者だろう出で立ちのお姉さんが、アイアンメイスを振り上げ振り下ろす!
ビシャ! ×6
「私にも貸してもらえませんか!」
まだ少女くらいの女の子が出てきた。
「うん! 使って!」
冒険者のお姉さんが少女にアイアンメイスを渡し、少女は重くてふらふらしながら持ち上げ
ガンッ! ×6
既に潰れきって地面を叩く音になってしまっている。
「衛兵さん、捕まえるのは誰だろうね」
「······」
「答えろや、衛兵さん、誰を捕まえる?」
「この倒れている者達だ」
「で、それから」
「それで良いのでは?」
「俺達を捕まえようとしたよね、無実の罪で、その謝罪も無いなんて衛兵ってバカなの?」
「ぐっ! 済まなかった、確かめもせずあなた達にご迷惑とそれにこんなにも沢山の被害者が居たとは、申し訳ありません」
「た、隊長! でも、領主の息子ですよ! 良いのですか!」
「そうですよ! もう手遅れかも知れませんが、エロイー伯爵の嫡子が混ざっているのですよ! 他の子らも子爵、男爵様のご子息様ばかりですよ!」
伯爵の嫡子ねぇ、子爵に男爵まで、ナビ、お宝セットお願いね。
『は~い♪ 屋敷もポイントしたので転移も忘れないで下さいね、ついでですけど部下2人も追加しておきました(笑)』
あはは、ありがとう、収納! 転移!
部下2人はパンツだけになった。
「お前達、公衆の面前でなんて格好をしている!」
「へ?」
「は? 何で?」
「あっ! 貴方! そのタトゥー! 私を汚した男! 許さない!」
また、別の女性達が手に鈍器を持ち衛兵の部下達に襲いかかる。
「そっちの裸の奴も一緒にいたわ!」
「隊長さん、早く捕まえてあげないと死んじゃうよ」
「私の部下が」
「鑑定すれば、強姦って称号がついているからすぐにわかるでしょ、それをしなかったのは誰のせい?」
「普通に試験を受け入ってくる者は確認している、この2人は貴族の三男以下の者達だ、そう言った者達は領主から無理やり突っ込まれてくるからフリーだった」
「ふ~ん、ほらほら、最初の6人も部下も手足がおかしくなっちゃったよ」
「しかし、止められん、こいつらは罪を犯し今裁かれている」
「そうか、じゃあ俺達は行っても良いの?」
「ぐっ、1つ頼まれてはもらえないか、私達3人で、ダンジョンの素材を献上するべく、今から潜るところだったのだが、冒険者なら依頼を通せば受けてもらえるか?」
「ん~、何の素材?」
「オーク、それも上位種の睾丸だ、この近くのダンジョンだけに出現するオークキングの物だ」
ナビ、あるよね?
『それがですね、それ系の素材は三葉ちゃんと薬士のギルドマスターに全て回していまして在庫が無いです』
マジか! まぁ、儲かるのか?
『年、黒貨が数枚儲かりますね(苦笑)』
あはは、もしかして、エンドレス採取って
『オークキングを率いるオークエンペラーですね、無限増殖ですよ(笑)』
はぁ、まぁ、素材なら良いのか、おっちゃん惨めすぎるし、ってかこの島国の強姦者全てお宝セット&ハゲポーション&不能ポーションしておこうか、出来る?
『任せて下さい! ポイントしました』
収納! 転移! ポーションも、転移!
街のあちらこちらから女性の悲鳴が、人垣の中にもいたみたいだな、髪の毛が抜け落ち、パンツだけの男達が数名出現した。
「隊長さん、じゃあ一緒に冒険者ギルド行きましょうか」
「受けてくれるのか! 恩に着る、これが出来なければ首が飛んでいた」
「首はやだなあ」
「ああ、この2人はこう見えても武力はあったんだよ、流石にこの歳でギロチンは嫌だ、私だって妻と子が居るからな」
おっと、物理的に飛ぶんかい!
「あはは、そりゃ~嫌やなぁ、こいつらは諦めて行こうか」
「ああ、依頼料金は安く頼む、小遣いが厳しいんだよ(苦笑)」
「あはははは! 高いぞ、銅貨数枚はもらわないとな(笑)」
「なっ! くぅ、失礼をしておきながらこんなご恩返せないではないか!」
「ん~、ありきたりやけど俺達以外に誰かを助けるって恩返しもありだぞ」
「子供のお使いレベルの金で、動く奴が言うとスゲ~重く聞こえるよ」
「ほらほら、行こうか」
そして冒険者ギルドヘ行き、ダンジョン攻略とオークの睾丸の採取依頼を受けて俺達はダンジョンへ潜った。
冒頭へ戻るのだがオークエンペラーがいないのだ、水晶玉の部屋まで来てわかったことだが、このダンジョンは元々オークエンペラーの配置は無かった、それなのに隊長さんはこのダンジョンだと言う。
何があるなぁこれ
「全部、倒して着たのにいないし元からいない、ならなんで?」
「隊長さんっていじめられてたとか?」
「可能性はありますね」
「ナビ、オークエンペラー出たダンジョンってあったよね、ピンポイントでポイントお願いね」
『は~い♪』
「100個くらい採取しに行くぞ!」
「ユタ、釣り······」
「良いよ、いなばはこの前の場所で釣りして待っててくれる?」
「良いの? やったぁ~!」
「私達もそれだけってのは余り見たくないし」
「ああ~ぶらんぶらんやしなぁ(苦笑)良いよ待ってて、行ってきます、転移!」
パッ
調子に乗って、そして大量の睾丸を採取し、ついでにお薬も半分使って作り、衛兵の詰所にやって来たが。
「すいませ~ん隊長さんいますかぁ~」
「誰だ! 隊長ならそろそろ処刑になる頃だと思うが」
は?
「どう言う事ですか?」
「王からの依頼失敗と聞いたが」
「依頼は達成出来てますよ! 場所を教えて下さい!」
俺は詰めよりおっちゃんに触れ
「教えられんのだ、厳命されているからな」
「わかりました」
俺は詰所を走り出て路地裏へ
『ポイントしました!』
ありがと!
俺は透明ローブを着て、転移!
今まさにギロチンの刃が落ちて来ているところだった。
シュ
ガンッ!
透明ローブを脱ぎ
「お疲れ様、隊長さん俺に依頼料金払うのが嫌なのか? 依頼の品は持ってきたぞ」
俺は落ちてきた刃を片手で受け止めている。ムカムカしてきて思わず刃を握ってしまい
バリン!
ガラン ガラン
砕けてしまった。
「君は、私から銅貨3枚を取り立てるために来たのだな」
「1個銅貨3枚だろ、隊長さん破産するかもな(笑)」
そこへ
「貴様はなぜ刑の執行を止めた! 重罪だぞ!」
「誰こいつ?」
「この国の王子様だ、私の依頼の主だ」
「王子さん、隊長さんの受けた依頼は達成されてるよ?」
「ん? そんなもの方便だ、こやつを殺すためのな」
ナビお城も含めてお宝セット
『は~い♪』
「初めからいらなかった?」
「当たり前だ!」
「なぜ?」
「そいつの妻を奪うためだ、既に手配はしてある」
いやらしく笑う
俺は隊長さんに触れ
ナビ、奥さんと子供のポイントして
『はい!』
まずはこいつから、収納! 転移!
奥さんと子供のポイントはいなばと皆の所へ。
『今牢に入れられて無人、浜辺の見えない位置をポイントしました!』
ありがと、転移!
「ふ~ん、人の奥さんを盗るなんて盗賊かおっさん、ふん!」
バキバキ
首と手首を拘束していた木の枷を握り砕き隊長さんを解放する。
「隊長さん外したよ」
「すまないな」
「盗賊だと! ん? なぜ? 私は裸なのだ! 着るものを寄越せ」
ハゲポーション&不能ポーション転移!
王子が手渡されたシャツを頭からかぶり首を通したら出てきた時にはつるつるです。
「王子! その頭はいったい······」
「ん? 頭だと?」
王子が頭に手をやると
つるつる······すべすべ······
「なんだこれは! 僕の髪の毛はどこ! 探せ! 下も無いじゃないか!」
「王子、シャツから髪の毛がこぼれて来ております」
「なんだ! なんなんだよ! 城に帰り回復術士を呼ぶのだ! あやつの妻はすぐに連れてこい! 行くぞ!」
フルチン王子はシャツだけの間抜けな格好で帰って行った、あのまま行くのは······まぁ、良いか。
「隊長さん、裸の王子はあんなこと言ってますが、奥さんと子供は、保護しましたよ」
「なっ! ほ、本当か! 今はどこに!」
「浜焼のお店だよ、今から行くし、一緒に行こうか」
「あ、ああ!」
俺と隊長さんはその場から歩き出し
「はぁ、いっぱい採取してきたのに」
「ん? 王子はあのダンジョンにはオークエンペラーはいないと言ってたのだが、どこに行ってたのだ?」
「違う所も行ってきたぞ、言ってたダンジョンには最後までエンペラー居なかったし、ダンジョン梯子してしまったよ、銅貨3枚もらわないとな(笑)」
「最後まで? 梯子? って事は完全攻略?」
「ん? そうだよ、これでも何ヵ所か攻略してるからな」
「は? 黒貨持ち? 私の小遣いを持ってく奴が······あはははは!」
「その銅貨3枚の方が何倍も価値があるって物だよ(笑)」
笑いながら俺達は浜焼の店に向かうのだった。
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