第108話 転生聖女と元勇者の大冒険は?
村に帰ると持ち運びハウスが、出ていたので
コンコン
「どちらさまですか?」
「フェイク新聞社の者ですが、本日は耳寄りな情報をお持ちしたした」
「間に合ってま~す」
「そこをなんとか、奥様! 今ならなんと!」
カチャ
「うふふ、おかえりなさい、今ならなんと?」
「美味しい朝ごはんを作りましょう!」
「ぶ~おやつぅ~」×6
「ぶ~言わないの、皆仲良くなったみたいやね、身体はもう大丈夫?」
全身やけどから復活はしたが、体力は結構使ったはずなんだけど
「全快ですね、古傷があった膝までつるつるになりましたよ♪」
「良かった、赤ちゃんは? こんなに騒いでいて大丈夫なん?」
「今は、おっぱいのお姉さんが、預かってくれてますよ」
おっぱいのお姉さん······まぁ、良いか?
「そうなんや、粉ミルクとかあれば良いんやけど」
『入荷してますよ、哺乳瓶も、紙おむつはコンテナですね♪』
「あるじゃん♪」×6
『お尻拭きのウエットティッシュもコンテナです、さらに! 離乳食も各種取り揃えております』
「至れり尽くせり♪」×6
「あはは、心配ないようやね。せやった! 初めまして、ユタです。冒険者Eランクでパーティー "わーるどじゃんぷ" のリーダーです、よろしくお願いします」
「初めまして、マライアです、妹は、キャリーです、これからよろしくお願いします」
歌姫かい!
「皆は先に自己紹介したの?」
「やりました、それに冒険者にもなってきました! 出張所でも登録可能でしたので(笑)」
まりあ、それは······
「受付のおっちゃん、今? な顔してましたよ(笑)」
アトロポス、それはそうだろうね、火事に魔物の集団来たし。
「出張所建ててあげましたら快く。ニコニコしてましたわよ」
立派なのが建ったんやろね、クロートーが作ったのか?
「村長さんも村の名前を "わーるどじゃんぷ" にするんだって、ユタさん、葉月ちゃん喜ぶね!」
「あはは、まりあ、その通りや、葉月がこの名前着けたもんな、って、前の名前は良いの?」
「ん? 前の名前は開拓村だから全然大丈夫だって」
「そうなんや、なら問題ないか」
「おっちゃん、朝までまだまだ時間あるしダンジョン行かんの?」
「せやな、マライアは、タマに乗せてもらって、パーティーは? 俺抜きにするのが1番か?」
「そうですね、ではそのパターンで」
「ナビ、頼める?」
「は~い♪ 表示しますね」
「人いるやん! 透明ローブ着ようか」
「は~い♪」×6
そして俺達はローブを着てダンジョン前に転移した、しかし
「早く扉を閉めろ! 魔物が出てくるぞ!」
「しかしまだ中に多数の冒険者が!」
「駄目よ! もう助からないわ! 3階層の下から魔物が上がってきてるのよ! その下に行った人たちは無理よ!」
「行くぞ、マライアは俺がおんぶしていく!」
「はい(にゃ)!」×8
シュパパパパパパッ!
シュパパパパパパッ!
シュパパパパパパッ!
シュパパパパパパッ!
シュパパパパパパッ!
「よし! この階層は終わり! 次!」
「はい!」×8
フィールドタイプのダンジョンで視界が良かったのが幸いし走りながら魔法を連射し倒していく。
怪我人もいたが、回復魔法を使い止まらず走り抜ける、見たところ犠牲になった者はいなさそうだが、皆ギリギリながらも防御を固め、守りに徹していたのが、命を長らえた理由になるだろう。
階層を次々に下りながら全滅させていく、このダンジョンで1番深くまで潜っていたパーティーが目前で戦っている、流石に1番深くまで来るパーティー、誰も怪我もなく魔物の攻撃をさばいている。
「放っといても大丈夫そうやけど、多いし、超極小ウインドアロー!」
シュパパパパパパッ!
シュパパパパパパッ!
シュパパパパパパッ!
シュパパパパパパッ!
シュパパパパパパッ!
「なんだ! 魔物が勝手にやられていくぞ!」
「誰だ! って誰もいねぇーじゃねえか!」
「でも今の内よ! 撤退!」
「おう!」×5
素早く撤退を決め、上の階層を目指し走り出すパーティーを見て
「お疲れ様! 後はお肉の採取して明日はバーベキューだ!」
「わ~い♪」×6
食材が多種多彩で大量! さらに野菜、果物色々で、メニューを何にするか悩んだが、最終的にバーベキューに決定、野菜類も茄子とピーマン、キノコ類もあり今から楽しみだ。
480階層と若いダンジョンだが、優秀なのでまた訪れる予定をしている。
そして
「こいつだ! 魔物発生の魔道具が暴走してる! 収納!」
途中にあった隠し部屋、モンスターハウスの魔道具の設置場所は、いつもなら天井の筈なのに、魔道具が外れ落ちていた。
そのせいか部屋に入るだけの数しか発生させない設定が狂い発生させ続けていたのだ。
魔道具を収納し発生していた魔物を撃破、大量のドロップ品と魔石を手に入れ、部屋の中央に現れた宝箱。
「神眼! 良いぞ~罠も無し!」
「マライアちゃん開けても良いよ!」
「良いのですか! で、では失礼します!」
パカッ
「マライアちょい待ってね、神眼! オッケー大丈夫やから取り出しても良いよ」
「はい! どっこいしょ! 何かの瓶詰めの様ですが?」
「梅干しだよ」
「ほお! 頭に思い浮かべただけでよだれが分泌されます!」
「それも梅を入れるだけで最高級梅干しになる瓶だよ、朝ごはんのお供は決まりやし、残りちゃちゃっと攻略しちゃおう!」
「は~い♪」×6
食材の採取をしながら順調に進み、ラスボスは、若いダンジョンなのにビッグボアがいたのは驚いた。
オークキングがいたら御の字だったのが、上方修正され過ぎだが嬉しい誤算だった。
『ニライカナイ 登録しました』
マライアが登録したのだが
「マライアって沖縄にいたの?」
「いえ、群馬ですよ、ニライカナイは漫画で見ました! う○おと○ら! それ読んでからインターネットで調べたら楽園って、載ってた記憶がありますね、こんな美味しい物が沢山採れるなんて楽園じゃないですか! あれ? 確か······猫も連れて行こう♪」
「ストップ! その通りやから! ファンやから! 大きい船にも乗せてあげるから!」
「船あるのですか! 乗りたいです!」
そして、俺達は村の持ち運びハウスへ戻り一旦休憩、ソファーを出して少し眠ることにした。
もふもふ
なんか久しぶりな気がしないでもないな、虎鉄、お尻をこっち向けて首をまたがないでくださいね、もふもふもふもふ
虎鉄を持ち上げソファーにおろし、外を見ると既に明るくなりかけている、立ち上がりキッチンへ向かうとマライアが起きていて梅干しの瓶から1粒つまみ、口に放り込んだ。
「すっぱ~! そうそうこの味! ご飯がほしぃ~!」
そんな事を小さな声で叫んでいたので、おにぎりを後ろから目の前に差し出してあげた。
「きゃ! お、お、お、おにぎりぃ~!」
大声である(笑)
「おはよう、食べて良いよ、だから俺にも1粒ちょうだい」
「は~い♪ どうぞ!」
瓶を覗き込み、親指と人差し指でつまみあげ、一かじり
「すっぱ! でも甘味もあるやん! 蜂蜜ほど甘くは無いけど美味っ! 俺もおにぎりを!」
「あっ! おっちゃん先に食べてる! 私にも!」
「ユタさん! 私はお茶碗でご飯下さい!」
騒ぐ4人とは違い、日本の味を知らない3人は1粒食べて、ハムエッグとマカロニサラダ、ウインナー、カボチャスープの朝ごはんになり、俺達とは別メニュー、お昼ごはんは梅おにぎりにして虜にしてやろう。
朝ごはんも終わり外に出ると村人が畑を見て固まっていた(笑)
まりあは、カウントダウンをしだす
「3.2.1.0!」
「えぇぇぇぇぇぇ~!」×多数
その声を聞き外に駆け出してきた村人が
「えぇぇぇぇぇぇ~!」×多数
徐々に村全体に広がり、爽やかな朝の始まりは、絶叫で始まった。
そして今は、村長さんが見送ってくれてるのを背中に感じながら、俺達は街道を歩き、しばらく行くと村が見えなくなった、そこで俺達はたちどまり
「ナビ、路地裏お願いね」
『は~い♪』
「よし、転移!」
パッ
「到着! せや、マライアはパーティー申請もしたの?」
「はい、しましたよ、キャリーもね~」
「だう~」
返事した(笑)
ちなみにマライアが抱っこ紐を着けてキャリーを装備中だ! マジだ! ステータスの装備欄にキャリーと表示されているのだ! これは実際誰でもそうなるらしい、試しにまりあをお姫様抱っこしてステータスを見ると
名前 ユタ・ミカミ(御神 勇大)
種族 創星神
性別 ♂
状態 健康·スラさん
職業 鍛冶神
刀神
皇神
忍神
魔道神
建築神
酒神
精霊神
錬金神
農業神
聖神▼
スキル
魔法 転移·ルーム·飛翔·環境対応·時空間·●
料理
テイマー
武術
多重思考
念話
神眼
神体強化
無限収納
完全耐性▼
装備 切猫·切仔猫·まりあ
称号
魔法生物の創造主
ドラゴンスレイヤー 地龍 水龍 風龍 火龍 光龍 闇龍 龍神
天狐の主
ダンジョンマスター
グ・パヤナタ・シー マスター
世界樹の祝福
世界樹の加護
世界樹の祝福
世界樹の加護
ハーレム神
妻 聖·紗々·三葉·葉月·まりあ·パラミス·パミュ·シンディ·光·グロリア·リリ·直·ローパー·アキ·美夜·ケイ·ユリ·柚葉·リア·一華·二華·三華·五華·六華· 七華·ルア·玉藻·エトリ·いなば·ティアママ·円·ティア·海神·マール·天神·クロートー·アトロポス·ラケシス·勇·マライア
超越者
創星神
海神の祝福
海神の加護
リヴァイアサンの主
悪魔 マルコシアスの主
○○王の天敵
ドラゴンライダー
龍神の主
シロシロの友
次元渡り
聖女の天敵
従魔 虎鉄·スラさん×3·玉藻·光·エトリ·いなば·リア·ルア·天神
そう、ちゃんとまりあが装備されているのがわかるだろう、妻が増えてるやん! や、称号~! などの苦情は受け付けておりませんので、ご了承いただきますようお願い致します。
世のお母さんは、ほぼ装備したことのある、メジャーな装備だ。今の俺はこの星最強だな(笑)
「ユタさん、お姫様抱っこしてもらうのは嬉しいですけど、恥ずかしいじゃないですか、ちゅ!」
ちゅ
「きゃ~♪」×5
「だぁ~」
キャリー······転生してるの? だが見ても転生の文字はないので現地産の元勇者だ、腕輪も可愛い感じに作り直しついでにガンガン付与を付けておいた。
冒険者ギルドに向かうと朝のラッシュだが、いつも通り最後尾に並ぶ。
「ユタさん、王命するの?」
「ああ、頼めるか、さっさと終わらせて、ソファーもらいに行かないとな」
「ソファー? あっ! あの時頼んでたやつですね♪」
「2週間経ったしね、予定通りならやけど、まぁ、あのコンシェルジュさん繋がりやから大丈夫だろ」
「どんなの出来てるか楽しみですね!」
「今夜はあの部屋でバーベキューか、この前の島も捨てがたいよね」
「うふふ確かに♪」
長々と待ち次が順番だ、勇が前でわくわく顔だ、三葉や葉月ならここで横入りしてくる冒険者を期待しているところだな(笑)
そんな事もなく俺達の番になった。
まりあが
王命である! 私達の用件を騒がず速やかに処理し、その事に付いて私達の情報の公開は私達の許可があるまで公開の禁止!
そして勇が前に進んだ。
「これをお願いします!」
お姉さんに木札、ギルドカード、ダンジョンカードを手渡す直前に
「先に我々の処理を!」
なにやらキラキラの鎧や装飾された剣に盾を装備したパーティーが横入りしてきた。
「は、はい! お預かりします!」
「うむ」
だが受け取ったのは、勇の差し出していた木札とギルドカードにダンジョンカードだった。
キラキラの奴はフリーズ(笑)
お姉さんは青い顔をしながら魔道具に
カタカタカタカタ
打ち込みギルドカードを通し、震える手でダンジョンカードを徹した。
ここでフリーズが解除され
「貴様! なぜ我々の物を先に処理せんのだ!」
「い、いえこちらの方が先だったもので」
そう言い立ち上がり、ギルドマスターだろうおっちゃんの方へ歩き出す。
ナビ、腹パンパクさんの用意をお願いね。
『はいは~い♪』
「おい! 貴様! なぜ席を立ち奥へ行くのだ! 我々の物を処理せよと申しておるではないか! 貴様は獣王国第2王子の私をないがしろにし愚弄した罪で」
シュ
ド
シュ
ドサッ
「うがぁぁぁ~!」
パンツだけになった獣王国第2王子、腹を抱えて転がっている。
周りにいた、たぶん部下だろう冒険者5人はどうして良いのかわからず、おろおろしている。
その間にお姉さんはギルドマスターを連れ金庫へ、鍵を開け中から装飾された箱を取り出し金庫を閉め、こちらに向かってくる。
王子をなんとか抱えて立ち上がらせる部下達。
俺達の報酬が届いたと同時に声を出した。
「こちらが報酬になります」
「宣戦布告だ!」
「ありがとうございます! お姉さんギルドカードもお願いします!」
「ひゃい! どうじょ!」
報酬を受け取り、ギルドカードを受け取るところに王子が勇に向かって拳を繰り出した!
シッ!
腕を2本切り落とし、回復! 血が吹き出す前に傷口を塞ぎ、腕は落ちる前に王子のアイテムボックスへ放り込み、ハゲポーションをかけ、ショッキングピンク馬車の車輪形封印の首輪ふわふわ付きをはめ、不能ポーションも胃の中に中身を転移させた。
「ありがとうございました!」
「お疲れ様、よし、行こうか♪」
「は~い♪」
王子は腕を振り切り、殴り飛ばした筈の勇がギルドカードを受け取り、何事も無かったかのような振る舞いに唖然とし、殴った手を見て
「へ? 腕が無い? 両手? どこだ?」
下を見て腕を探す王子の頭からはらはらと舞い落ちる髪の毛。
俺達は歩きだし出入口の方へ、ギルド内は静まり返っている。
部下達は、腕と頭を目が往復するのを止められず、その場を動かない。
「な! なんだこれはぁー!」
王子は叫び走り出しギルドの外へ向かいかけるが、腕が無くなったばかりの身体でバランスが取れる筈も無く、崩れた体制のまま俺に突っ込んできたので
「さっきから五月蝿いんじゃ!」
ドン!
半歩だけ王子の軌道からズレ俺を通り過ぎた所で出入口に向かって蹴りを入れた。
王子は勢いを増し出入口に飛んで行き、ギルドからいなくなった。
部下達は何が起こったのか理解出来ない顔で呆けている。
歩き続けていた俺達はギルドを出て、仰向けに転がってる王子の顔に
「これは消えない墨だから、落書きしちゃいましょう!」
「は~い♪」×6
「またにゃ、悪のりし過ぎにゃ」
「あはは······」
顔から色んな所に落書きをして行き。
「ユタさん、男LOVEって酷っ!」
「まりあのひらがなで"じゅうじん"も見たらわかるっちゅうねん! ハゲてるけど(笑)」
「勇ちゃんの□の中に"1年C組"ばかくんも酷い(笑)」
「そう言うラケシスちゃんの髭も、眉毛無くなった所に繋がり眉毛は酷いと思うでほんま!」
「クロートーちゃんとマライアちゃんの協同作も酷いと思うよそりゃそこはおっぱいだけど書かなくても、うぷぷ!」
「いやいやアトロポスちゃんだって、割れてない腹筋描いてるじゃん!」
「よし帰るか!」
俺達は立ち上がり路地裏を目指し立ち去るのであった。
数分後
「王子!? だよな?」
「たぶん? 王子?」
「とりあえず、宿に連れて行くか?」
「うぐぅ、はっ! お前達、何が起こったのだ?」
「王子、1度宿に帰りましょう」
「ああ、そして国に帰ろう」
「はっ」
その後王子達をこの街で見たものはいない。




