マッサージウェアー
新しい商品ができたと聞いて、友人の元へとやってきた。
「それが、これさ」
と言われて見せつけられたのは、何かの作業着のような服だった。
「んで、これの何が新商品なんだ」
「こいつはな、着るマッサージチェアなんだよ。長そで長ズボンで、中にはゴム風船が複数入っているんだ。当然、マッサージできるようにゴルフボールぐらいの大きさのプラスチック球が動いてくれるっていう仕組みさ。どうだ、売れると思うか」
「いや、どうだろ。こんな考えならもうありそうな気がするし……とにかく、どこかに出してみたらどうだ。フリマアプリとかなら、手作りでも買ってくれるところは多いだろうし」
「そうだな、さすがだな」
友人が俺に言うと、さっそく写真を撮り始める。
しばらくしてアップしてみたら、さっそく買い手がついた。
出したアプリが、競売のようなシステムを導入しているため、値段がどんどんと変わっていく。
そして、開発費ぐらいは軽く回収できるような金額が提示された時に、友人へととある企業からのメールまで来た。
「こいつはいいな。さすがだよ」
友人に、俺は言った。