~白原 充の場合~第1話~
~ないしょのないしょ~
これは小学生のBL小説です
時間軸は千原 真人が転校してくる前です
~白原 充の場合~
~第1話~
俺は、先生と言う先生が嫌いだった。
なにかと言うと規則が大事だとか勉強をしろだの人を傷つける事を平気でする堅物みたいな奴ばっかりだからだ。
なによりも晶が先生の虐めに似た事をされて学校に来なくなった理由がある。
でも雪火ちゃんと出会ってからは、考えが変わる事になる。
雪火ちゃんていうのは、フルネームは、大嵩 雪火と言って俺のクラスの五年二組の担任の先生だ。
初めは、雪火ちゃんの事を他の先生と同じだと思って好きにはなれなかった。
五年生になってもクラス友達のツンデレの碧斗や完璧超人の光や光の双子の弟の晶と同じクラスになれたのは、嬉しくなかった言ったら嘘になる。
でも肝心の晶が学校を登校拒否していたから素直に喜べなかった。
碧斗と一緒に悪巧みを考えて担任の先生の頭に黒板消しが落ちてくるように黒板消しをドアの上で挟むトラップを考えた。
先生が顔を赤くして怒るのが見たかったからだ。
先生が怒るのを見るのは、からかいがあって面白かったからだ。
雪火ちゃんが教室に入って来ると頭の上に黒板消し落ちてきて先生の頭がチョークの粉まみれになった。
雪火ちゃんの間抜けの姿にクラス全員から笑い声が響いた。
雪火ちゃんは、何もなかったように教卓に立つとハンカチで頭についているチョークの粉はたいてチョークの粉をとった。
雪火ちゃんは、何もなかったように咳を一回するとにこにこ笑顔で生徒を見渡した。
「それで悪戯をしたのは、誰ですか?」
「悪戯をしたのは、俺だよ、雪火ちゃん」
俺は、雪火ちゃんをからかうようににやにやしながら右手をあげて返事をした。
「元気の良い事は、良い事ですね。
でも汚れるから私以外の人にしたら駄目ですよ」
雪火ちゃんは、自分の口元を右手の人差し指で触りにこにこ笑顔で優しく注意した。
雪火ちゃんは、俺の悪戯に怒ると思ったのに意外な態度を見て他の先生と違うと思い雪火ちゃんに興味をもった。
僕は、雪火ちゃんの態度に茫然と雪火を見つめると僕の態度を見て雪火ちゃんは、満足したように頷くと雪火ちゃんは、教卓に戻って行った。
雪火ちゃんの授業は、面白いもので久しぶりに楽しい授業をうけれた。
雪火ちゃんの事をもっと知りたくて授業が終わると雪火ちゃんに近づいた。
「雪火ちゃん、授業で解らないところを教えてよ~~~」
俺は、へらへらと笑いながら先生に勉強を教えてもらえる事をお願いした。
「それは、かまいませんよ。
それでどこが解らないのですか?」
雪火ちゃんは、教科書とクラスの名簿帳を整えると俺の方を向いた。
「全てだよ。
いや~~~授業が難しくてあんまり解らなかったよね」
俺は、自分の頭を触りながら困ったように苦笑いを浮かべた。
「そうですか……
では最初は、算数から教えします。
どこが解らないか今日の習ったところの簡単の問題を解いてもらいます」
雪火ちゃんと俺は、俺の机に向かうと教科書と算数のノートを開いた。
雪火ちゃんは、算数のノートに書かれた文字を見て驚いて呟いた。
「この文字は……
もしかして日直帳に悪口を書いたのは、充君ですか?」
雪火ちゃんは、前の5年2組のクラスの担任に向けて悪口を書いた日直帳を教室の雪火ちゃんの机から持ってきて俺に見せた。
「うん、そうだよ、それがどうかしたの?」
俺は、日直帳に書いた悪口が悪い事ではないようにきょとんと首を傾げてそれがどうしたのか雪火ちゃんに聞き返した。
雪火ちゃんは、俺の馬鹿げた言い訳を聞いても怒る事もなくなぜそんなことをしたのか優しく質問をした。
「なぜって……?
そんなの前の担任が最低の奴だからだよ!
晶の事を見ていてイライラするとかこんな事でうじうじするなとか言って晶の事を登校拒否をさせたくせによ!
晶が登校拒否したらしたらで登校拒否をして俺に迷惑をかけるな、なぜ登校拒否したんだって晶が登校拒否をしたのは、あんたのせいじゃんかよ!
あんな最低の奴先生でも担任でもなんでもないよ!
だから奴を廃人にさせたんだよ!!」
俺は、怒りを込めて大声で叫んだ。
雪火ちゃんは、俺の怒りの叫び声を聞くとゆっくりと俺に近づいて俺を優しく抱きしめた。
「充君のした事は、褒められるような事では、なかったかもしれません。
でも友達の思う気持ちは、褒める事です。
友達を守れなくて辛かったんですよね。
生徒を守るのが先生の役目なのに晶君を守れなくて充君にこんなことをさせてしまってごめんなさい」
雪火ちゃんは、自分のした事でないのに俺を抱きしめ耳元で囁くように前の担任がした事を謝ると背中を優しく撫でた。
俺は、背中を撫でてくれる雪火ちゃんの優しく感じる手の温かさと俺の事を思って話してくれる言葉が嬉しかった。
初めて自分達の事を心から心配してくれる先生に出会えた事が嬉しい気持ちと安心した気持ちがごちゃ混ぜになりためていたものが爆発して涙が流れた。
雪火ちゃんは、俺が泣き止むまで俺を抱きしめて背中を優しく撫でてくれた。
俺が泣き止むと俺を離して俺の肩を触り優しく俺を見つめた。
「晶君の事は、私にまかせてくれませんか?
悪いようには、しないつもりですから安心してください」
雪火ちゃんの優しい眼差しの中に断固して晶を助けると思う気持ちが体中に伝わってきた。
「晶の事をよろしくお願いします、雪火ちゃん……」
俺の肩を優しく触った雪火ちゃんの手を掴むと切実のように雪火ちゃんを見つめ返して晶の事をお願いした。
「はい、晶君の事をまかせてください」
雪火ちゃんは、俺の手を包み込むように握りしめると俺の思いに答えるように優しく微笑んだ。
「勉強を教えてもらうのは、また今度で良いよ。
今は、晶のところに行って、雪火ちゃん」
雪火ちゃんが俺の手を包み込むように握りしめる雪火ちゃんを見つめ返した。
「じゃあね、雪火ちゃん」
俺は、ランドセルを持つと雪火ちゃんの方に右手を振った。
「はい、さようなら、充君」
雪火ちゃんは、俺の挨拶に答えるように右手を軽く振った。
俺は、雪火ちゃんの挨拶を聞いてから教室から出て行った。
もう一度先生を……うんん、雪火ちゃんを信じてみようと思った。
次の日、教室に入ってからしばらくたって晶が教室に入ってきた。
「あ、あの……おはようございます、皆さん」
晶は、教室に入ってきてから周りを見渡すとふかふかと頭を下げた。
「ッ!?晶、会いたかったよ~~~~~~~~~~~~~!」
俺は、久しぶりに晶に出会えたのが嬉しくて走って晶に近づいて晶に抱きつこうとした。
晶に抱きつく前に光にノートで殴られると転んだ。
「わっと!?」
「充、晶に抱きついて良いのは、僕だけだよ」
光は、にこにこ笑顔で丸めたノートを握りしめていた。
光は、にこにこ笑顔だったけれども怒ってるようにどす黒いオーラをまとっていた。
「ご、ごめん、つい晶が学校に来てくれたのが嬉しくてさ」
光のどす黒いオーラを感じて戸惑い自分の後ろ髪を触りながら苦笑いを浮かべた。
「おはようございます、充君……」
晶は、俺に近づき控えめに俺を見つめ薄く微笑んだ。
「うん、おはよう、晶。
学校に来たって事は、雪火ちゃんに会ったんだよね」
「雪火ちゃん……?
先生の事だよね。
雪火先生って良い先生だよね」
晶は、雪火ちゃんの名前を聞き返すときょとんと首を傾げると雪火ちゃんの事を思い浮かべて優しく微笑んだ。
「雪火ちゃんは、晶になんて言ったの?」
「僕はね、自分がどんくさくて皆に迷惑をかけてそんな自分が嫌いだったの。
前の担任にうじうじしてむかつくと言われて僕なんかいない方が良いと思って学校を休んで部屋に閉じこもったんです。
でも雪火先生ね、僕の考えている事を理解して言い当ててくれてありのままの自分で良いよって言ってくれたんだよ。
僕の事を必要とされているみたいで嬉しかったの
だからもう一度学校に来ても良いと思ったんです」
晶は、雪火ちゃんの言われた事を思い出して嬉しそうに照れ笑いを浮かべた。
「やっぱり雪火ちゃんは、俺が思った通りの人だ……」
晶の態度を見て雪火ちゃんに晶の事を任せて良かったと心の底から思った。
一時限目が終わると教室を出て行った雪火ちゃんの後を追いかけると階段で雪火ちゃんを呼び止めた。
「待って、雪火ちゃん!」
「どうかしましたか、充君?」
雪火ちゃんは、僕の呼び声を聞いて僕の方に振り向いて不思議そうに首を傾げた。
「晶の心を助けてくれてありがとう。
でも俺の事を裏切ったら許さないからな」
俺は、雪火ちゃんの胸元を掴むと自分の方に顔を近づけるとそのまま雪火ちゃんの唇にキスをすると直ぐに口を離した。
雪火ちゃんは、何をされたかわらずにきょとんとしていた。
「ご馳走様、雪火ちゃん」
俺は、雪火ちゃんから階段を走ってあがると距離をとり自分の唇を触り悪戯っぽく微笑んだ。
「ま、待ってください、充君!」
雪火ちゃんは、俺にした事を理解すると慌てて俺を呼び止めようとした。
僕は、雪火ちゃんの慌てた様子が新鮮だった。
雪火ちゃんのそんな表情をさせた事が嬉しくて楽しそうに微笑みながら雪火ちゃんから走って逃げた。
これから雪火ちゃんとの思い出が増えていくと思うと楽しくて仕方がなかった。
~つづく~