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護る盾(仮)  作者: くらうす
2/2

はじまり2

「え、なに、あれ…?」


妹のつぶやきで我に返った。同時に、このままではマズイ、という危険信号みたいなものが体中に奔りだす。


「…!リナ、こい!」


そばにあった木箱。リナの手を取り、木箱の陰に滑り込む。

何とか、見られなかったみたいだ。


「お、兄ちゃん…」

震える妹を安心させるように抱きしめてやる。それでも、妹の視線は目の前に伸びているバケモノの影にくぎ付けだ。


「大丈夫…大丈夫…!」


静かに、励ます。妹だけでなく、自分のことも。そう、大丈夫だ、ばれてないんだから―――


「ひ、ひぃ!」


―――!?


「た、助けて、…助けて、誰か!」


影が、いつの間にかもうひとつ増えている。女の人、だ。助けなきゃ、いけない。で、でも…


「だ、誰かぁ、あ、あああーーー!」


バキャ、ゴン、という音。


続く静けさに背筋が寒くなる。どうしたらいいんだろう。まだ生きてるのかな。今なら間に合う?でも―――


ガリン、バリン。


―――え。あ、この、音は。どうしよう。まだ、まだ…


ガリン、バリン。


…無理だ。恐怖と嫌悪感。自分の体が、鉛かなにかに感じるくらい。重くて。

全く動けなかった。自分が見つからないように、小さくなって息を殺しているのが精一杯だった。


「ひぃっ…」


自分の胸元で聞こえた小さな悲鳴。しまった、と思った時にはもう遅かった。

押し殺していたけれど、それは、確実に。


「グルう…グルルルル…」


化け物に、気づかれてしまった。

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