家族
『ご飯だよー。みんなリビングに来てー。』
桐乃がキッチンの端に置いてあるマイクにむけて話していた。
「何ですか?それ。」
「これ、勉強部屋に繋がってるの。ちょっと遠いから、これ使って呼んだりするの。」
「へえ。」
幸は、改めてこの家が広いと感じた。
「ご飯ー。」
「腹へった。」
「今日は幸ちゃんが手伝ってくれたの。幸ちゃん料理上手なのね。」
「それほどでも。」
「「いただきまーす。」」
「ほんとだ。うっめえ!」
「お口に合ってよかったです。」
「そうだ。幸。お前学校どうするんだ?」
いきなり、真琴が幸に話をふってきた。
「学校?」
「ああ。行くか?」
「そりゃ行きたいですけど、お金あるんですか?」
「それなら大丈夫。わたしも働いてるし、みんなの仕事の報酬もあるしね。」
「あれ、お金もらえるんですか。」
「ああ。一応な。」
「じゃあ、行きたいです。ただし、中学校で。」
「「中学校!?」」
みんなびっくりしすぎて、ご飯を吹き出しそうになっている。
まあ、当然の反応だろう。
「だって、小学校の勉強簡単すぎるんですもん。中1でも少し簡単なくらいです。」
「そういや、お前IQやばいらしいな。」
「さあ?知りません。」
「そ、そう。じゃあ、手続きしておくわね。」
「葵と同じクラスになれるかな?」
「それはわからないけど、先生に頼んでみるわ。」
「やったー!」
「何か本当の家族みたいですね。」
「そう?」
「じゃあ、桐お姉ちゃんがお母さんだね。お父さんは?」
「…あき兄 ?」
「ちょっとそれ、ひどくない!?僕まだ高校生だよ!?」
「だって…なあ。」
「仕事の時も普段もなだめ役だし。」
「最近おじさんっぽいし。」
「怒るとvery scaryです。」
「君たちねえ╬」
仲いいなぁ、と少し羨ましい幸である。
「まあまあ。じゃあ兄弟の一番上は?」
「マコちゃんじゃない?」
「いやオレだろ!」
「ボクもMs.海波音だと思います。」
「なんでだよ?」
「だって、リーダーシップがあるもん。いっつもみんなを引っ張ってくれるし。」
みんなうんうんと頷いている。
「オレは?オレは?」
「うるさいなぁ。たっくんは2番目でしょ。どう考えても。」
「何で1番じゃねえんだよ。」
「1番はマコちゃんだよ。たっくんだと頼りないよ。」
「ひどくねえ!?」
「まあ事実ですから。」
「幸ちゃんまで!」
「じゃあボクは3番目ですネ。」
「年齢的にはそうだよね。じゃあ葵は4番目かあ。それで幸ちゃんが5番目。」
「私もですか?」
「当たり前じゃん。っていうか、もう馴染んでるし。」
「…ありがとうございます。」
今までそんな人いなかったから、幸はすごくうれしかった。
「そうだ。幸ちゃん、明日ショッピング行こうよ!」
「何でですか?」
「何でって、幸ちゃん身の回りの物、全くないでしょ。」
「あ、そうでした。」
「じゃ、そういうことで。マコちゃんも行く?」
「いや。俺はいい。」
「そう。じゃあ、桐お姉ちゃんと3人で行こうね!」
「うん!」




