表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

序章 とある博士と兵士の脱出

第一作目です。さらっと読んで、じっくりこの世界を感じてください。なんちゃって。

「もうこれ以上は無理だッ!ここから離脱するぞ!」


分かっている、と白衣を纏った男は席を立つ。扉一枚、その向こうでは銃声が聞こえているというのに。どうにもマイペースというか、変に落ち着いているというか…。


「データはすべてコピーした。そしてここの区画を15分後に崩落させる。一緒に沈みたくなければ、早く来なさい」


ピッピッと、タイマーの電子音が鳴り響く。白衣の男はしかめっ面で、そそくさと潜水艇に乗り込む。


「はぁ…、相変わらず自分勝手なオッサンだぜ」


隊長格の男が、軽快に叫ぶ。


「ありったけの閃光弾をばらまいてやれ!俺たちも撤収、離脱する!」


乗り込む指示と同時に、銃声がピタリと止む。そして、沈黙。眩い閃光。潜水艇は軽快にエンジン音を響かせ、深い海へと姿をくらませる。


筈だった。


複数の銃弾が、船体に直撃する。

敵の兵が閃光弾に対応し、こちらまで来ているようだ。


「隊長、潜水艇が発進出来ません!第1エンジンに異常あり!出力が低下しています!」


一人の部下が異常を通達した。が、白衣の男はため息をつきながらモニターに目をやる。


「他のエンジンだけでは出られんのかね?」


部下が言うには、発進には推進力が足りないという。


手は無いか色々考えているが、まだ案が思い付かない。敵の銃撃はむしろ増している。こちらは動かない的…、やられるのも時間の問題だ。何か、手は…。

そんな考えている中、白衣の男がキーボードを打つ。


「ってオイ…博士さんよ、何やってんの?」


問うてみる。


「あぁ、実はこの潜水艇は魚雷を装填しているんだよ。私の趣味で武装を施してみた。…こいつを後ろの壁に撃って、その衝撃で発進…」


(ただの潜水艇に武装をつけるなよ!)


魚雷が勢いよく発射された。


ドォォオォォン!


そして着弾、爆発。部下たちは唖然としている。

…発射された魚雷は隔壁で爆発し、海流で潜水艇は押し出された。


轟音が、遠ざかって行く。上手く発進出来たようだが…無茶苦茶すぎる、本当に。


「後は残りのエンジンで行けるだろう。ともかく、こいつを渡すわけにはいかないのでな」


そう言い椅子に腰かけた白衣の男の片手には、『cell motion』と書かれたファイルがあった。


「それが…、敵さんも躍起になって求めるデータってやつかい?」


「あぁ、そうだ。私達、人類の新たな力…なのだよ」


白衣の男は、そう言った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ