背中の羽は血の証
ルピナスに連れられて来たのは、彼女の部屋のようだった
「私の服貸してあげるから、ライライト様を驚かせましょ!」
ルピナスはクローゼットの中をああでもないこうでもないと呟きながら服を選んでいく
「ちょっとこれ来てみて」
ルピナスに言われるがまま、紅波は彼女背をむけて着替えようとした
今着ているシャツを脱ぐと、ルピナスが驚いた声をあげた
「クレハちゃん背中が妖精みたい」
紅波には思い当たる事があった
祖父と血の繋がりがある、母親と兄弟と紅波自身の背中には妖精の羽のようなミミズバレのようなあとがあった
理由は祖父の背中の刺青
祖父の背中には刺青があって皆と違うのは祖父の背中だけステンドグラスのような色が付いていると言うものだった
昔魔法で付けた刺青だから遺伝したんだろって軽くいてたのを思い出す
「じいちゃんが魔法で刺青したら、子供と孫に受け継がれちゃったってやつでね…気にいってるんだ」
紅波の言葉にルピナスはニッコリ笑って言った
「なら、背中が見える服が良いわね、せっかく教会のステンドグラスに画かれてる妖精の羽みたいに綺麗なんだから見せなきゃね」
彼女の言葉に引っ掛かかりを感じ、紅波は近くにあった幅30センチ縦1メータ30センチほどの姿見に自分の背中を写しててみる
そこに写し出されたのは祖父と同じ色つきの羽だった
「なんで、色…」
紅波がフリーズするとルピナスがワンピースを持って来た!
淡いブルーのデニムのような色で触るとデニムよりも柔らかく軽い素材の肩だしワンピース、1つ普通と違うのは背中の部分が白のレースで出来ていて背中が見える
「これにしましょ!髪も、化粧も私がしてあげるからね!」
ルピナスは嫌だ、などと言えないオーラを出しながら言った
ルピナスにオモチャにされながら、考えた
もしかしたら魔法で付けた刺青だからこそ、魔法の使えるこの世界に来たことによって色が出たのかも知れないと