デート
クレハ視点
「クレハちゃんに会いたい!」
ラナが騒いでるのが聞こえてカウーチェさんと執務室に向かっています
「五月蝿いですよ主」
「五月蝿いですよラナ」
ラナは一瞬止まるとドアの方を見た
「クレハちゃん!」
かなり驚いた顔のラナに私は笑顔を向けた
「お出かけできる?」
「できる」
「できません」
ラナの後にカウーチェさんが続く
「嘘だ!」
「嘘です!」
カウーチェさんは爽やかに笑顔を作った
「ドS~」
ラナはカウーチェさんにそう言って、執務室の椅子から立ち上がる
私はショルダーバックの中からこの前作った、バラを媒体にした魔法石を取り出してラナに、近より手渡した
「プレゼント」
ラナとカウーチェさんはラナの掌にのった魔法石にくぎ付けになった
「これは…」
「試しに作ったやつなんだけど、いらない?」
ラナが固まっている
「いるけど…本当にもらって良いの?」
ようやく重たい口を開いたラズナーに笑顔で頷く
「うん、いっぱい作れるからね」
カウーチェさんは私に期待に満ちた笑顔を向ける
「それは、私にも作っていただけるんでしょうか?」
私は笑顔を作って頷いた
「良いですよ、何の花が良いですか?」
「では、タンポポで」
「じゃあ、後で作って持ってきますね!」
カウーチェさんは珍しくニコニコしている
「メリダにあげるんだな!」
「勿論、彼女は私の全てですから」
「メリダはカウーチェの奥さんなんだ、タンポポの似合う素朴な美人で…カウーチェが唯一Sっけを出さないラブラブワイフなんだ」
ラナの言葉は衝撃的だった
「えっ、奥様へのプレゼントですか?」
「はい、妻の誕生日が近いもので」
躊躇いやはじらいもなくカウーチェは言い切った
「ちょっと、詳しく奥様の事教えてください、ネックレスや、指輪に加工した方が良いですか?常に身に付けておけるようにしたいですね!」
「加工までお願いしては、いくらあっても払えないでしょ?」
「何言ってるんですか!奥様を喜ばせるための素敵プレゼントのお手伝いをさせて貰うんですから…そうだ!プレゼント喜んでくれたら奥様に会わせてください!それだけで良いですから!」
カウーチェさんが、かなり驚いた顔をした
「それは流石に、私が得ばかりしていると思うのですが?」
私はカウーチェさんに笑顔で言った
「損得ではなく、私が自己満足でしたいようにさせて貰うんです、駄目ですか?」
カウーチェさんは苦笑いを作ると言った
「分かりました、では、私は貴女が主を貸して欲しい時に無条件で貸して差し上げます、仕事は山のように貯めて後でやらせれば良いですからね!」
「そこは、僕の代わりにやってよ」
「主を甘やかす価値が、主には有るのですか?」
「酷い」
カウーチェさんと執務室の来客用ソファーで打ち合わせをして、ネックレスのデザインを固め終わり、顔を上げるとラナが自分の席で椅子に体育座りでいじけていた
「ラナ、ごめん、」
「良いんだ、僕の事なんて忘れ去って居ても…」
私は、何だかいじけたラナが可愛くてラナの所に行くと髪の毛をなで回した
「いじけないで、ね!」
私が笑顔を作ると、ラナは私の腰に手を回し抱き寄せた
何だか小さな子供のようで、私はさらに髪の毛を撫でた
「それ、気持ち良い」
ラナは少しだけ手に力をいれた
「主、それ以上のセクハラは私が訴えますよ」
カウーチェの言葉にラナは手を放して怨めしそうにカウーチェさんを見た
「クレハちゃんはカウーチェも、味方にしちゃったんだね…」
「私はラナの味方だよ!」
私が笑顔を向けるとラナも柔らかく笑ってくれて、少し安心した
私の今日の格好は薄い水色のシャツに黒のAラインの膝たけスカート、小さめのショルダーバックと言う格好
ラナは私が女の子服を着ているだけで嬉しそうだ
「やっぱり、クレハちゃんは女の子の服の方が良いね、今日の格好、僕好きだ」
「ありがとう、何だかあらたまって言われるとテレる」
私がテレて笑うと、ラナもへにゃっと柔らかい笑顔を見せた
年のわりに子供っぽい笑顔が可愛い
「あの服、クレハちゃんに似合いそう」
「えっ?似合うかなぁ?」
「似合うよ、試着してみようか?買ったげる」
「いいよ、悪い」
ラナは苦笑いを浮かべた
「君がさっきくれた魔法石、たぶん、家一軒くらい買えるって知らないでしょ」
「えっ?!」
「魔法石を売るつもりが有るなら、僕の所に持ってきてね、僕は凄腕バイヤーだから」
ラナはニコニコしながら言った
「今日のデートでは、あの魔法石一個分に到底とどかないから、気にしないでおごらせて!」
私は仕方なく、ラナに今回のデート代をおごってもらう事となった
「今日は楽しかったよ」
「僕も、癒された、明日から仕事頑張れるよ」
「大げさ」
「本当なんだけどな」
ラナはにこっと笑うと私を抱き締めて頬にキスをした
私が驚いてフリーズしていると、ラナは私の耳元で囁いた
「僕も男だから、好きな女には手を出すよ…すきだらけだったら次は口にするからね、僕以外にもすき見せちゃ駄目だ、分かった?」
私はコクコク頷いた
名残惜しそうに、ラナがはなれると、苦笑いを浮かべて私の頭を優しく撫でた
「たえれなかった、驚かしてごめん」
ラナに頭を撫でられるのはこの日が初めてだった
そして、私はきっと真っ赤になってしまっているに違いなかった
ラズナーにサービスしてみました
甘くなってますか?
紅波もちょっとは、ラズナー意識するのかな?




