表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/44

副隊長ディラン、リード

紅波視点からライライト視点、

グレゴリーさんに会いに行った後、街をブラブラ歩く

硝子越しに店のなかを除き混みながらライライトさんのプレゼントを見て回る

何が良いのか分からないまま歩き続けていると声をかけられた

「クレハちゃん?」

「どちら様でしたでしょうか?」

見たこと無い

ライライトさんと同じ白地に青いラインの入った甲冑を着た騎士だった

髪の毛の色は黄緑色の短髪、瞳の色も同じ色のタレ目が印象的だ

「あれ?知らない?僕の名前はディラン、リードと申します、ライライト隊長の右腕をやらせていただいてます」

右腕と言うことは副隊長的な感じですか?

「副隊長様ですか?」

「はい、副隊長です!」

ディランさんはニコニコと笑いながら私の顔を除きこんだ

「何かお困りですか?」

ディランさんはお見通しと言う感じで微笑む

「あっ…ライライトさんの欲しいものを知ってますか?」

ディランさんは明らかに驚いた顔をした

「…私、昨日がライライトさんの誕生日だって知らなくて…プレゼント用意してなくて…いつもお世話になってるから…喜んでほしくて…」

ディランさんは少し困ったような笑顔を作る

(これは、あの、隊長がまいってしまう訳だ!)

ディランさんは一つ咳払いをして言った

「クレハちゃんからのプレゼントなら何でも喜びそうですが、あえて言うなら万年筆ですかね?この前へし折ってしまってましたから」

万年筆をへし折るってどんな状況ですか?

「隊長はアップルパイもお好きですよ!甘いものは全般食べますがアップルパイが一番です」

知ってます!と何故か言えなかった

「でも、昨日お母様と妹様に作ってもらったばかりのはずですね…クレハちゃんはアップルパイ作れますか?」

「…はい、でも、手元に残るものが良いかと…」

ディランさんはニコニコを増しながら言った

「恋人のプレゼントを選んでるみたいだね!」

「ライライトさんに悪いのでその手の冗談は止めて下さい、ライライトさんは貴族のトップに君臨する三大貴族のお家の方ですよ!ああいう人にはしかるべきご令嬢とお付き合いするのが自然でしょ!」

私の反論にディランさんは今にも泣きそうな顔をした

「えっ!なっ、何でそんな顔するんですか?」

「ライライト君が不憫で…」

「ライライト君?」

「ああ、僕とライライト君は同期入隊だからね、つい言ってしまった、普段は隊長って呼んでるよ!」

ディランさんは苦笑いでそう言った

「気を取り直して、君が良ければ、万年筆を売ってる店まで案内するけど、どうする?」

「お願いします!」

私はディランさんに案内された店で一目惚れした万年筆を買ったのだった


店を出てからすぐにディランさんと、ライライトさんの居る国営騎士団に向かったが、お菓子作って、グレゴリーさんの所に行って街でブラブラしてからディランさんに会って店に行った後である、もうすでに日は沈み暗くなってきていて、街は明かりに照らされていた

国営騎士団の本部につくと、ディランさんがそのままライライトさんの執務室に案内してくれた

コンコンとドアをノックしてからディランさんが執務室に声をかける

「隊長!お客様ですよ!」

「帰ってもらえ」

本日二回目の拒絶です

親子そろって似たようなこと言ってます

同じ反応をしたら笑ってしまいます

「お忙しいとこ申し訳ございません、出直します!」

取りあえず、声をかけました

グレゴリーさんの時とはちがいガタガタと言う音はしませんでしたが、すぐにドアが開きました

「クレハ、どうした?」

慌てた様子もなかったのでドアの前に居たのでしょうか?

「プレゼントを持ってきました」

「気にしなくて良いと言ったのに」

ライライトさんは穏やかな顔をして私の頭を撫でた

「邪魔者は退散します」

ディランさんは私の背中を押して執務室に押し込んでドアが閉めた

状況を見ないままに背中を押されて押し込まれたせいでライライトさんにだきしめらるような形になってしまった

「…ディランがすまない」

「いえ…」

やたらと近い声にドキドキしてしまう

ひとまず手に持っていたプレゼントをライライトさんの胸元に押し付けて、離れてもらう

「開けていいか?」

「是非!」

ライライトさんは器用に包みを開けて中を見て驚いた顔をした

「万年筆」

「はい、今持ってないと聞きましたので」

「…ありがとう、助かる」

「人からもらもらった物なら壊さないでしょ!」

ライライトさんはばつの悪そうな顔をした

「ディランに聞いたのか?」

「何で折っちゃったんですか?」

(隊員達がクレハ、クレハと煩くてムカついたなんて言えるわけがない)

「…ムカついて、これは、大事にする」

私はライライトさんに笑顔を向けた

「はい、大事にしてくれたら嬉しいです」

ライライトさんは感極まったのか私を抱き締めた

耳元でライライトさんが囁く

「ありがとう」

ライライトさんは無駄に良い声だと思う

私はドキドキしてしまったがそのままライライトさんの背中をポンポンした

ライライトさんはポンポンされたことで、我にかえったようですぐに離れてくれた

「すまん、軽々しくして良い事じゃなかった」

ライライトさんは本当に申し訳なさそうに言ってくれた

(可愛い過ぎてたえられなかった、よもや、父の気持ちが解ってしまう時が来るとは)

気にしなくて良いと思ったがライライトさんはかなり反省しているみたいだった

私は笑顔を作るとライライトさんに抱きついた

「これで、一緒」

ライライトさんはもう一度私を抱き締めた

(可愛い)

ライライトさんはさっきより早く解放してくれた

「すまん」

「喜んでもらえて良かったです」

私はそれだけ言うとドアに向かった

「お仕事の邪魔してすみません、帰ります」

「…そうか、すまなかったな」

「さっきから謝ってばっかだってわかってます?」

「えっ、すまん」

ライライトさんはすぐに口を押さえた

私は思わず笑ってしまった

「笑うな」

ライライトさんは何かに気がついたようで、足音を立てないようにドアに近づいてドアに耳をつけたのだった




ドアに耳をつけると廊下から人が近づいて来るのがわかった

しかも、複数の人物が足音を忍ばせて近づいて来る

俺はクレハにシーっと人差し指を口元にやって静にするように指示した

すると、クレハもドアに耳をあてる

『隊長今頃クレハちゃんとイチャイチャしてるかな?』

『馬鹿、隊長に気づかれるから黙れよ』

『ばれたら殺されるから止めといた方が良いと思うよ』

最後の声はディランだ

『だって、隊長に頑張ってほしいじゃん、クレハちゃんとラブラブしてくれたら少しは俺達に優しくしてくれるかも知れないだろ』

殺す

クレハの方を見るとドアに耳をつけながら苦笑いしている

「イライラ」

俺は思わず頷いてしまった

クレハは口を押さえて笑いを堪えているようだった

そして、隊員達がドアの前に来るのがわかった

きっと俺とクレハのようにドアに耳を着けているのだろう

『トマス、音しないぞ』

『ジーク黙れよ』

また、あいつらか

俺はため息つきたくなったが我慢した

『キスしてたりして』

『ああ、そうか』

余計なことを言い出した

するとクレハが俺にドアから離れるように合図する

俺がドアから離れるとクレハは振りかぶってドアを掌で叩いた

物凄い音が響いた

『『ギャー』』

悲鳴の後にドアを開けると耳をふさいだままのたうち回るトマスとジーク、少し離れた廊下の先にディランが立っていた

クレハも部屋から顔を出した

「思った以上におっきい音、出ちゃった」

「いや、よくやった」

俺が誉めるとクレハは照れたように、はにかんで笑った

可愛い顔で酷いイタズラをするもんだ

「ディラン」

取りあえず離れたところに居るディランを呼びつけて近づいて来た所を殴り付ける

「痛いよ、ライライト君」

「お前が、けしかけた事ぐらい分かってる」

「てへ、バレた?」

もう一発殴る

「痛いって、ライライト君がクレハちゃんと二人っきりになったらどうなるか見てみたかったんだよ」

絶対に見られてたまるか、クレハは気にしてないが恥ずかしすぎる

「死ぬまで、しごいてやる」

「い、嫌だ~副隊長にまでなって、しごかれたくない」

ディランの甲冑の首もとを掴むとクレハが俺の甲冑のマントを引っ張った

「あの、そろそろ帰ります」

「送って行くから待ってろ」

俺が言うとチラッとクレハがディランを見る

「クレハちゃん、頼むから隊長を連れてってくれ!頼むよ」

クレハは俺を除き混む

「じゃあ、送ってもらって良いですか?」

「ああ、戻ってきたら覚悟しとけよ三人」

ようやく復活したトマスとジークも、ディラン同様涙目で項垂れた




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ