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宰相、リオーシャ

タルトを持ち帰った陛下の話です

短めです!

城の奥にある扉を開き陛下は中にいる人物の名前を呼んだ

「リオーシャ、毒味して~!」

リオーシャと呼ばれた男は五十代ぐらいの美中年で、腰まで伸びた髪の毛の色は薄い金色、瞳の色は紫色で陛下の持っているバスケットを見ていた

「それは、どこから盗んできた物ですか?私が解毒魔法が使えるからといって、何でもかんでも口にしたくは、ありません」

陛下自身はリオーシャの言葉を聞いていない様子でリオーシャの書類ののった机の書類を下に落としてバスケットの中身を机の上に出した

「陛下、人として人様の机の書類を乱雑に扱うのは悪、以外の何者でもありませんよ」

そう言いながらも、リオーシャは机の引き出しの中からナイフを取り出し手際よく苺のタルトを切り分けて8等分にしていた

「早く食べてよ~」

「子供の様な事を言わないでください…ちなみに、どこから盗んできた物ですか?」

リオーシャはタルトを口に運びながら聞いた

「グレゴリーの所」

リオーシャは一口食べると、口を押さえた

「リオーシャ?どうした?毒絶対に入ってないよね!知ってんだから…リオーシャ~」

少し慌てなが陛下がリオーシャの肩を揺らす

「陛下、こちらは陛下には毒でございます」

リオーシャは一口目を噛みくだすと、そう言って、二口目を食べた

「はぁぁ?何でだよ、二口目食ってんじゃんよ!僕がお菓子大好きなの知ってるよね?何?」

「陛下がお菓子大好きなの知っているから言ってるんです……因みに、これを作った人物をご存じですか?私もお会いしたいのですが」

リオーシャが三口目を食べた

「キィー、何なんだよ、よこせよ!」

二人がギャーギャー騒いでいると、ノックもせずに扉が開き一人の美しい女性が入ってきた

年は四十代半ばぐらいの水色の髪の毛を品よく頭の上に束ねた同じ色の瞳の美人

「なーに喧嘩してんの、珍しい!」

「アリア!聞いてくれよ、リオーシャが僕がもらってきたタルトを食べたら駄目だって言うんだ、自分はめっちゃ食べてるくせに!」

アリアは、リオーシャの目の前にある苺のタルトを一切れ手掴みで口に運んだ

「うまっ!なにこれ!」

「アリア!僕が許可がないと食べれないってのに食べた!」

アリアはリオーシャの方に近づいて言った

「陛下には毒です!宰相様二人でわけっこしましょう!」

「はい、お妃様」

「こらー!」

アリアはニコニコして言った

「そんなことより、ハウロウ君の孫娘に会う時のドレスは何色が良いと思う?第一印象が大事だと思うんだよね!」

「でしたら、お妃様はドレスよりも言葉遣いを先にどうにかした方がよろしいのでは?」

「ブー、宰相様は厳しい」

すると陛下は申し訳なさそうに言った

「あ、あのさ、その事なんだけど…さっき、グレゴリーの所で会ったんだけど…そのタルトもクレハちゃんが作った物なんだけど…」

「抜け駆けずるい!」

「たまたまグレゴリーに会いに行ったら、彼女もグレゴリーに会いに来てね…僕らの娘にならない?って聞いてみたんだよ…」

「うん!で?いつ城に来てくれるって?」

愛するアリアの期待に満ちた瞳に罪悪感を感じながら、本当の事を話す

「速答で断られた」

「はあ?役立たず」

「僕だってショックなのに、アリア酷いよ」

リオーシャは次の二つ目のタルトを食べ終わる

三つ目のタルトを手にしながらリオーシャは陛下とお妃様のやり取りを見つめるのだった

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