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魔王判定されました

8割がだできていたデータを娘に消され心が折れました

ごめんなさい

がんばります!

紅波はその日ラズナーとの買い物を実現する予定だった

ラズナーはきっとお金を払わせてはくれないだろうと紅波は思い、先手を打つことにした

「我求めるは、美しき結晶、晶美」

魔法石のプレゼントをすれば 今日一日の活動費ぐらいにはなるだろうと考えたのだ

紅波の手の中にあるのは薔薇をそのまま石にした魔法石と良い匂いのするミントのような葉をそのまま石にした魔法石だった

媒体として使った薔薇と葉っぱは、家の回りに生えていた物を使っている

「アシャティスの所に寄ってから、ラズナーと買い物だなぁ」

紅波にはアシャティスに会う必要があった

それと言うのも、祖母がお土産として持たせてくれた珈琲が無くなったのだ

紅波が悩みに悩んで出した結論はアシャティスの使い魔に頼んで珈琲を持ってきてもらう!だった

アシャティスの居場所は数日前からリサーチ済みだ

店の常連客から聞き出したアシャティスの居場所は『魔法学園 ファタリテート』の執務室

魔法使いを育成すると共に仕事の派遣や魔道具等の販売をしていたり学園と言っても紅波の思っているような場所ではないのだと教わった

アシャティスの所には長い間居るつもりがなかったためラズナーとの約束の前に行くことにしたのだ


魔法学園とはものすごく大きな建物だった

建物の中に入るとそこは吹き抜けのエントランスだった

パッとみで七階建てぐらいにはなるだろうと思った

「ねえ、君可愛いね!オレらと遊ばない?」

突然声をかけてきたのはここの生徒らしき男三人組だった

「僕らけっこう成績良いんだよ!」

「ってか、もう付き合っちゃう?」

あまりにもチープなナンパにため息を付きたくなったが我慢した

「君たち、うちの生徒は頭が悪いと思われたら困るから今すぐどっかに行きなさい」

ため息混じりに紅波を助けてくれたのは、色の薄い金髪に紫色の瞳が印象的な15歳ぐらいの美少年だった

「「「バルバロッサ様、申し訳ありません」」」

そう言うと三人組は走って逃げた

バルバロッサ様と呼ばれた美少年は人懐っこい仔犬のような笑顔を向けてきた

「うちの生徒がご迷惑をおかけして申し訳ありません」

美少年になんだか見覚えがある感じがする

まじまじと美少年を見つめて気づく

「あっ!アシャに似てる!アシャティスの関係者?」

美少年が明らかに不機嫌で冷たい目をした

「兄上と僕は似ていません、似ているなんておこがましい」

美少年がアシャティスの弟だとわかり紅波は笑顔を作った

「弟君、アシャに会いに来たんだけど何処に行けば会えるかな?」

美少年は目を吊り上げて言った

「貴様、兄上に対して馴れ馴れしいぞ!兄上は多忙なのだ、貴様のような者を兄上に会わせるわけがないだろう!」

なんだか物凄く嫌われてしまった

紅波はアシャティスに会うことを諦めた

「アシャは忙しいのか、なら出直します!ありがとうございました」

面倒臭いから逃げ出したと言うのが本心だ

今来たばかりの入り口に向かって歩き出したその時だった

「クレハ!そこで待ってろ!」

エントランスに響き渡るアシャティスの声に驚き声がした上の方の階を見上げる

「う、うん」

思わず返事をしたが後悔した

エントランスに響き渡る声に返事を返した紅波に注目が集まってしまった


しばらくしてアシャティスが紅波の元に現れると不機嫌そうに見えた

「クレハ!君は僕に会いに来たんじゃないの?」

「会いに来たんだけど忙しいって聞いたから邪魔したら悪いと思って」

アシャティスはゆっくりと紅波の肩に頭をのせた

「忙しい、…だから少しだけで良いからこう、させてほしい」

紅波はゆっくりアシャティスの背中をぽんぽんした

「お疲れさま」

紅波が背中をぽんぽんしているとアシャティスは紅波の腰に手を回した

紅波はそのままアシャティスの足に自分の足をねじ込んだ

思わずアシャティスは紅波から放れた

「調子に乗るな!」

アシャティスは不満そうに紅波を見た

「癒してくれるんじゃないのか?」

「ぽんぽんしてやったろ!」

アシャティスは目に見えて項垂れた

「そんなことより、アシャに頼みがあって来たんだけど、って言うかタイム君に頼みがあって来たんだけど!」

「このごにおよんで、僕に用があった訳じゃないと言ったか?」

「……いやー、タイム君にじいちゃんの所に行くことがあるなら珈琲もらってきてほしいと思って」

紅波がばつの悪そうな顔をするとアシャティスは何かを思い出したように言った

「コーヒーとは瓶に入った茶色い粉か?」

「なんで知ってるの?」

「前回タイムが師匠から預かって来た、次にクレハに会うときに持っていこうと思っていた執務室に置いてある」

「さすがじいちゃん!私のことわかってる!」

アシャティスは少しだけ口元をほころばせた

「執務室でゆっくり話でもしよう、僕も君に話があってね、人に聞かれたくない話なんだ!」

「嫌な予感しかしない」

紅波の呟きを無視してアシャティスが先を歩く

弟に声もかけないの?

紅波は口に出さなかったが弟が捨て犬のような目でアシャティスを見ている

言った方が良いかな?

少し耐えられなくなったその時アシャティスは振り替えることなく言った

「バルバロッサお茶を入れてくれ、お前の入れるお茶は旨いからな!」

「はい!」

仔犬がアシャティスに走っていく姿が微笑ましかった


アシャティスの執務室は最上階に有った

「戻った」

部屋に入るなりアシャティスがそう言ったので部屋の中に誰か居るのだとわかった

案内されるままに執務室に入るとそこには茶色い髪の毛を頭の上の方にお団子にしている茶色い瞳の綺麗な女の人が仕事をしているように見えた

アシャティスは部屋のいちばん奥にあるアシャティスのだと思う机の方に行くとお中元やお歳暮などに贈るギフト用の珈琲の箱を持って戻ってきた

「クレハ、これでいいのか?」

アシャティスから箱を受け取ったその時ようやく紅波に気がついた美人さんに物凄く睨まれた

すでに弟君はお茶を入れに言ったようで姿が見えない

「ありがとうね!それじゃ急いでるから」

紅波が珈琲を手に逃げ出そうとするとアシャティスに手首を捕まれた

「逃げるな、僕の話がまだだ」

手首を捕まれたまま来客用のソファーに座らせられた

「このあとラナと買い物に行くから、手短にお願いできる?」

「ラズ様に?だから今日は女性の格好をしてるのか?」

紅波は白いブラウスにデニムでAラインのロングスカートと言った格好をしていた

「うん、頼まれたから、男の格好してきたら全身コーディネートするぞっておどかされて…ラナの好みの格好をするよりは、ましかと思ったんだけど似合ってないかな?」

「似合ってる」

躊躇いもなくアシャティスに誉められ驚く

そして美人さんの殺意のこもった視線を向けられ逃げ出したくなる

「少し席をはずしてもらえるか?」

アシャティスの言葉に美人さんは悲しげな顔をし紅波を殺しそうなほど睨み付けると部屋を出ていった

その時弟君が戻ってきてアシャティスと紅波の前に紅茶と思われるお茶をおいた

「どうぞ、で、兄上この方はどちら様でしょうか?」

「ああ、僕が召喚した師匠の孫だ」

けっこうあっさり言ったな~と紅波は思ったがアシャティスは悪いことを言ったつもりはないらしい

弟君が出してくれたお茶を飲んだ紅波は柔らかく笑顔を作った

「美味しい!」

テンション上がる

紅波が幸せそうにお茶をのんでいるとアシャティスがお茶を手に言った

「陛下にクレハの話をした」

「…はぁ?」

何を言われたのか分からず聞き返すとアシャティスは続けた

「魔海獣と風の精霊を使役し沈みかけた客船を助けた師匠の孫の報告に陛下はクレハに会うことを決められた様だ、よって来週末城に行ってもらう」

紅波はお茶を持ったままフリーズした

「一応危険な人間では無いとお伝えしておいたが僕とライ様、ラズ様の3人に監視するように通達が来ていた」

紅波はアシャティスの胸ぐらをつかみたい衝動にかられたが我慢した

「か、監視……人間不振になる」

「クレハの力では世界征服ですら容易いからではないか?」

「じいちゃんも言ってたな~世界征服、まるっきり興味ない」

「だろうな」

なんだかスケールがでかすぎて実感がわかない

二人の会話を聞いていた弟君がアシャティスにきいた

「彼女はそんなに凄い人なのですか?」

「ああ、彼女は魔王のような者だ」

「こら!誰が魔王だ」

「精霊と魔海獣を従えていたら魔王みたいなもんだろ」

そうかも!

紅波は思わず黙ってしまった


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