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約束

救出が一段落して港に戻っていると港は人だかりになっていた

「救難信号が出たから野次馬がスゴいな!騎士団もいるな!」

ラズナーの言葉に紅波がビクッと反応したのをラズナーとカウーチェは見てしまった

「クレハちゃん?どうかした?」

「顔色が宜しくないようですが、船酔いですか?」

紅波の様子を心配して二人が紅波の顔を除きこんだとき乗組員が口を開いた

「それにしても、あんな凄いもの見させられて誰にも言っちゃなんねぇなんて船長も酷い人だ」

「オラァ始めて精霊見たよ!」

「オレもだ!」

「船長の彼女がスゲェとオレらも鼻が高けぇよ!」

その言葉にラズナーが顔を強ばらせる

「?」

紅波がキョトンとする

「付き合ってないよ!…えっ?たんなる友達だよ!」

乗組員とカウーチェが唖然とするなか船が完全に港に付いた

船から降りて最初に近寄って来たのはライライトだった

紅波はとりあえずラズナーの陰に隠れた

「ラズナー、救助の方はどうなった?」

ライライトは紅波に気がつかづにそう聞いた

「大丈夫、かろうじて大惨事になる前に助けられたよ!」

ラズナーは安心したかのように笑って言った

「歌姫様、まだ顔色が悪いですね、スッキリするお茶でもご用意いたしましょうか?」

ラズナーの陰に隠れているなど知らないカウーチェが心配そうに聞くと、紅波は慌てた

「クレハを連れていったのか?」

感情の読み取れない顔でライライトがそう言うと、紅波はライライトの前に勢いよく出て頭を下げた

「ライライトさん!ごめんなさい!約束破ってごめんなさい!」

突然の謝罪にライライトは驚いたが、すぐに何が言いたいかわかったようだった

「俺との約束を破ってまでしたことに後悔が有るのか?」

「無い!…でもライライトさんのいる所でしか使わないって約束したし…ごめんなさい…」

ライライトは紅波の頭をぽんぽんと叩くと言った

「他人のために頑張ってしまう呪いでもかかってるのか?そんなとこばかりハウロウに似て」

「怒らないの?」

「怒って欲しいのか?」

紅波は首を降った

「そんなことで怒ってたら、ハウロウなんか俺が首しめて殺してる」

紅波は安心したようにヘニャリと笑った

(無駄に可愛い顔しやがって)

ライライトはさらに紅波の頭を撫でた

「僕の前でイチャイチャしないでくれる、泣きたくなるから」

ラズナーがジト目で二人を見ながら言うと紅波はラズナーの所へ走っていくとラズナーの手をとった

「ラナ、お願いがあるの!クラーケンの事もあるし、また船に乗せて欲しいの?駄目かな?」

紅波の上目使いのお願いにラズナーが逆らえる訳もなくラズナーは頷いた

「…勿論良いよ…そのかわり今日のデートの仕切り直しをさせてくれないと嫌だけどね!」

ラズナーの言葉を聞いた紅波はラズナーの首に腕を回して抱きついた

「本当にありがとう!」

ラズナーが予想外の反応にフリーズしていると、すぐに紅波を引き剥がされてしまった

それをしたのはアシャティスだった

「あんなのに触っちゃ駄目だ」

「あ、アシャ?いたの?」

紅波を軽々と持ち上げすぐにお姫様抱っこするアシャティスに紅波はかなり慌てたがアシャティスはまるっきり気にした様子もなかった

「魔力の使いすぎだ、匂いが薄くなる」

「だから、嗅ぐな!」

紅波はアシャティスの手の中でもがいたがアシャティスはそれをものともしない様子だった

「そんなに魔力を消耗すると体がダルいだろ!おとなしく抱っこされていれば良いよ…それとも僕の魔力を少し分ける?」

そう言うと紅波に顔を近づける

紅波はアシャティスの顔を手で押さえた

「近い!」

「近づけなければ魔力を分けられない」

「ちなみに、なにする気?」

「口移しで魔力を分ける気」

紅波はアシャティスの顔に爪が食い込みそうなくらい力を込めた

「離れろ!」

「諦めろ、力入らないだろ!」

「いらない、うん!ゆっくり寝れば魔力も体力も戻るからいらない!」

「そんなわけ無い!」

「私はそうなのそう決まってるの、ライライトさん助けて!」

ライライトに手を伸ばした紅波を受け止めるとライライトはアシャティスから距離をとった

「またライ様ばっかり」

アシャティスがふくれるのがわかった

「アシャが変態だからライライトさんに助けてもらうんです」

回りから見てかなり異様なやり取りをしている事を四人は気づいていなかった


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